「で、君が主で、僕が使い魔、と」
「そういうこと」
アオの言葉に、ルイズはうなずいた。
「そういうこと」
アオの言葉に、ルイズはうなずいた。
夜になるまで集めた情報ではっきりした事がある。
ここは異世界だ。
ここには幻獣、いやこっちには違うのがいるから芝村風にあしきゆめ、かな? がいない。
いないから、あしきゆめとの戦争も無い。魔法なんてものが発達しているせいか、テレビどころか電気も何も無い。
平民と貴族についてもわかった。
ルイズは家柄がどうの、宿敵がどうの、いろいろと話を脱線させたが、とどのつまり魔法をを使えるのが貴族で、使えないのが平民。
うん、わかりやすい。
それと、どうも自分は元の世界に帰れないらしい。
……舞のいない世界に未練なんて無い。
とくに大きな問題は無かった。
ここは異世界だ。
ここには幻獣、いやこっちには違うのがいるから芝村風にあしきゆめ、かな? がいない。
いないから、あしきゆめとの戦争も無い。魔法なんてものが発達しているせいか、テレビどころか電気も何も無い。
平民と貴族についてもわかった。
ルイズは家柄がどうの、宿敵がどうの、いろいろと話を脱線させたが、とどのつまり魔法をを使えるのが貴族で、使えないのが平民。
うん、わかりやすい。
それと、どうも自分は元の世界に帰れないらしい。
……舞のいない世界に未練なんて無い。
とくに大きな問題は無かった。
今の自分は魔法使い(ルイズに「メイジよ」と訂正された)の使い魔という役職にいるらしい。
「使い魔って、どういう事をすればいいのかな?」
「まず、使い魔は主人の目となり、耳となる能力を与えられるわ」
「へえ…」
まずいな。
ルイズの言葉にアオは舌打ちした。
そんな事ができるとなると、こちらの行動が筒抜けになってしまう。
「でも、あんたじゃ無理みたいね。わたし、何にも見えないもん!」
「えっ・・・・・・そ、そうなんだ。いや~残念だな、本当」
アオは心底安心したような声で言った。
「なに明るく言ってんの。あんた今使い魔として一つダメだしされたのよ? もっと深刻になりなさいよ…ったく。
……それから、使い魔は主人の望むものを見つけてくるのよ。秘薬とか」
「秘薬って?」
「硫黄とかコケとか…魔法を使うときに触媒になるものよ」
「う~ん、それはちょっと難しい、かな? 一応サバイバル術のおかげで探索はできるけど、僕はここの世界をよく知らないからね」
「でも、ほんとに別の世界から来たっていうの?」
「僕は、ここに来るまで魔法なんて見たことないし、月も二つあったけど、片方の色は黒かった。もっとも、黒い方は無くなったけどね」
「ふ~ん」
ルイズは半信半疑で聞きながら、言葉を続けた。
「で、これが一番重要なんだけど…、使い魔は、主人を守る存在であるのよ! その能力で、主人を敵から守るのが一番の役目!」
「あ、それにはちょっと自信あるかな♪」
「はぁ~…」
ニコニコと答えるアオに、ため息を漏らすルイズ。
「ねえ、アオ。あんた、なんか勘違いしてるかもしれないから言っておくわね。
確かに石を投げた技術はすごかったわ。わたしも認める。でもあんなのメイジに魔法を使われて対処されたら何の役にも立たないわ。
これが現実。
それにあんたは人間だもん……幻獣とかと戦って勝てるわけ無いじゃない。それに線も細そくて弱そうだし、人間同士でもどうなることか……ってなに笑っているのよ」
「いえいえ、なんでもありませんよ、ほんと」
ルイズの言葉に、思わず笑ってしまったアオはあわてて取り繕った。
「使い魔って、どういう事をすればいいのかな?」
「まず、使い魔は主人の目となり、耳となる能力を与えられるわ」
「へえ…」
まずいな。
ルイズの言葉にアオは舌打ちした。
そんな事ができるとなると、こちらの行動が筒抜けになってしまう。
「でも、あんたじゃ無理みたいね。わたし、何にも見えないもん!」
「えっ・・・・・・そ、そうなんだ。いや~残念だな、本当」
アオは心底安心したような声で言った。
「なに明るく言ってんの。あんた今使い魔として一つダメだしされたのよ? もっと深刻になりなさいよ…ったく。
……それから、使い魔は主人の望むものを見つけてくるのよ。秘薬とか」
「秘薬って?」
「硫黄とかコケとか…魔法を使うときに触媒になるものよ」
「う~ん、それはちょっと難しい、かな? 一応サバイバル術のおかげで探索はできるけど、僕はここの世界をよく知らないからね」
「でも、ほんとに別の世界から来たっていうの?」
「僕は、ここに来るまで魔法なんて見たことないし、月も二つあったけど、片方の色は黒かった。もっとも、黒い方は無くなったけどね」
「ふ~ん」
ルイズは半信半疑で聞きながら、言葉を続けた。
「で、これが一番重要なんだけど…、使い魔は、主人を守る存在であるのよ! その能力で、主人を敵から守るのが一番の役目!」
「あ、それにはちょっと自信あるかな♪」
「はぁ~…」
ニコニコと答えるアオに、ため息を漏らすルイズ。
「ねえ、アオ。あんた、なんか勘違いしてるかもしれないから言っておくわね。
確かに石を投げた技術はすごかったわ。わたしも認める。でもあんなのメイジに魔法を使われて対処されたら何の役にも立たないわ。
これが現実。
それにあんたは人間だもん……幻獣とかと戦って勝てるわけ無いじゃない。それに線も細そくて弱そうだし、人間同士でもどうなることか……ってなに笑っているのよ」
「いえいえ、なんでもありませんよ、ほんと」
ルイズの言葉に、思わず笑ってしまったアオはあわてて取り繕った。
弱そう、か。
「もういいわ、あんたには掃除、洗濯、その他もろもろの雑用をやってもらうからね!」
「あ、それも得意だ」
「はぁ?」
この男、家事技能は主婦よりも高い。
「さてと、しゃべったら、眠くなっちゃたわ」
「僕はどこで寝ればいいのかな?」
ルイズはにやりと笑い、床を指す。
「しょうがないでしょ、ベッドは一つしかないんだから」
これも躾けよ躾。
「あ、お構いなく」
そういってアオは、立ったまま壁に身を預けた。
「……なにあんた。立ったまま寝る気なの?」
「こっちのほうが、いろいろと対処しやすいからね」
なによ対処って。
なんとなく出鼻をくじかれたようで、憮然とする。
悔し紛れに毛布を一枚投げてよこしたが、「ありがとう」と返事が返ってくる始末だ。
ますます複雑な気分になる。
「ふ、ふん、まあいいわ」
そう言って着替え始めた。
「あ、それも得意だ」
「はぁ?」
この男、家事技能は主婦よりも高い。
「さてと、しゃべったら、眠くなっちゃたわ」
「僕はどこで寝ればいいのかな?」
ルイズはにやりと笑い、床を指す。
「しょうがないでしょ、ベッドは一つしかないんだから」
これも躾けよ躾。
「あ、お構いなく」
そういってアオは、立ったまま壁に身を預けた。
「……なにあんた。立ったまま寝る気なの?」
「こっちのほうが、いろいろと対処しやすいからね」
なによ対処って。
なんとなく出鼻をくじかれたようで、憮然とする。
悔し紛れに毛布を一枚投げてよこしたが、「ありがとう」と返事が返ってくる始末だ。
ますます複雑な気分になる。
「ふ、ふん、まあいいわ」
そう言って着替え始めた。
「あー……ルイズ様?」
「なによ」
下着姿のルイズが、きょとんとしたように答える。
アオ、困ったように視線をそらしながら言った。
「着替えるんでしたら、僕は外に出てますが」
それを聞いてルイズは、しめたと思った。
「なんで? 使い魔に見られたってなんとも思わないわ」
無い胸を突き出して、大威張り。
「そういうものなのかな…でも、もったいないよ」
「?」
「そんなに綺麗なんだから」
「なっっ!?」
アオに真正面から見つめられ、言われたセリフにルイズの顔が真っ赤に染まる。
「なによ」
下着姿のルイズが、きょとんとしたように答える。
アオ、困ったように視線をそらしながら言った。
「着替えるんでしたら、僕は外に出てますが」
それを聞いてルイズは、しめたと思った。
「なんで? 使い魔に見られたってなんとも思わないわ」
無い胸を突き出して、大威張り。
「そういうものなのかな…でも、もったいないよ」
「?」
「そんなに綺麗なんだから」
「なっっ!?」
アオに真正面から見つめられ、言われたセリフにルイズの顔が真っ赤に染まる。
「ば、バカ!! な、な、なに言ってるのよ!!! へ、変な事言わないでよね!?」
大慌てで下着を脱いで、ネグリジェに着替えると、脱いだ下着をアオに投げつけた。
「明日それ洗濯!!」
ルイズは言ってベッドに潜り込むと、指をぱちんと鳴らす。
と同時にランプが消え、部屋が夜の闇に包まれる。
「了解しましたルイズ様。……良い夢を」
「うるさい、うるさいっ! あんたもさっさと寝なさい!!」
ルイズは叫んでから、頭まですっぽりと毛布をかぶる。
大慌てで下着を脱いで、ネグリジェに着替えると、脱いだ下着をアオに投げつけた。
「明日それ洗濯!!」
ルイズは言ってベッドに潜り込むと、指をぱちんと鳴らす。
と同時にランプが消え、部屋が夜の闇に包まれる。
「了解しましたルイズ様。……良い夢を」
「うるさい、うるさいっ! あんたもさっさと寝なさい!!」
ルイズは叫んでから、頭まですっぽりと毛布をかぶる。
さっきから心臓がドキドキして鳴り止まない。
ききき、綺麗って言われちゃった。
落ち着け、落ち着くのよわたし。あいつはただの使い魔なのよ。そう、ご主人様であるわたしを褒めるなんて当たり前じゃないの、こんなことで動揺しちゃだめよ。
で、でも、あんなふうに面と向かって綺麗なんて言われたのは生まれてはじめてかも……キャアー?!
ききき、綺麗って言われちゃった。
落ち着け、落ち着くのよわたし。あいつはただの使い魔なのよ。そう、ご主人様であるわたしを褒めるなんて当たり前じゃないの、こんなことで動揺しちゃだめよ。
で、でも、あんなふうに面と向かって綺麗なんて言われたのは生まれてはじめてかも……キャアー?!
毛布の中で、ごろごろ転がるルイズ。
その様子に、アオは腕を組みながらただ微笑を浮かべている。
窓の外を見れば、二つの月が怪しく光っていた。
その様子に、アオは腕を組みながらただ微笑を浮かべている。
窓の外を見れば、二つの月が怪しく光っていた。
アオを知る者がいたら信じられないほどに、今の彼は穏やかだった。
だが、彼の仲間だった者ならこう言うだろう。
だが、彼の仲間だった者ならこう言うだろう。
昔に戻った、と。