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異世界BASARA-45


異世界BASARA-45


幸村がゴーレムの腕に叩き潰される少し前。
酒場の1階は修羅場と化していた。
玄関から現れた傭兵の一隊が、酒を飲んでいたワルド達を襲ったのである。
一同は大理石で作られたテーブルの足を折り、それを盾にして矢から身を守っていた。

「しええぇっ!い、いいか若造!わしの前後左右と、ついでに頭上も守るのじゃ!!」
「どれか1つぐらい自分で何とかしてくれ!」

浴びせ掛けられる矢の攻撃をテーブルで防ぎながら、ギーシュと氏政は言い合っている。
こんな状況でも口喧嘩する2人はある意味大したものである。

「キュルケ殿、あいつ等キュルケ殿との戦い方に慣れているぞ」
「そうね、ちょっとマズイかも」

利家の言う通り、傭兵達はメイジとの戦いに手馴れているようだった。
先ず、1度、2度の応酬で魔法の射程を見極め、その 範囲外から矢を射かけてくる。
そして立ち上がり、魔法を唱えようとした所へすかさず矢を放ってくるのだ。
「連中は我々に魔法を使わせ、精神力が切れた所に突撃するつもりだな」
ワルドは髭を弄りながら言った。
「さて、どうしたものか……」
「ええい忠勝は何をしておる!!何故来んのじゃ!!」
氏政がタバサに向かって喚き散らす。
タバサは本から目を離さず、「分からない」と呟いた。


実は、忠勝もフーケのゴーレムには気づいていた。
「!!」グオオォン!プルル!!
切り立った崖の上からゴーレムを見つけた忠勝は右手を真っ直ぐ伸ばす。
すると、地面に亀裂が走り、轟音と共に巨大な槍が飛び出してきた。
いや、槍というよりはドリルに近い代物である。

『機巧槍 黒王』……

あらゆる物質を貫き通す鋼鉄の巨大槍。
本田忠勝しか扱えず、止まろうとしたトンボが真っ二つどころか粉々になった槍である。

「……!」ガシィン!!
忠勝は黒王を握ると、フーケのゴーレム目掛けて飛び立った。
黒王の穂先をゴーレムに向け、忠勝は上空から急降下する。

ビュオオオオオォォ!!!

だが突如竜巻が起こり、空中の忠勝に襲い掛かってきた。
「!!??」ギギ、ボシュルル!!
衝撃により、忠勝はバランスを失って岩の壁面に激突する。
忠勝は竜巻が飛んできた方に目を向けた。すると……


仮面を被った3人の男がこちらを見ていた。


一方、酒場ではキュルケ達が身動き取れずにいた。
キュルケ以外にも他の貴族の客達がカウンターの下で隠れて震えている。
しかし店の主人はたまったものではない。
いきなり自分の店を滅茶苦茶にされてしまい、遂に我慢の限界に達してしまった。
「お前等わしの店が何をし……」
店の主人が立ち上がって叫ぼうとした。丁度その時であった。


「ぐあああぁぁぁぁぁっ!!」
「ほげぇっ!!」


天井を突き破って男が落ちてきた。
店の主人は落ちてきた男の下敷きになり、短い悲鳴を上げて地面に倒れた。

「ユキムラ?ユキムラじゃない!?」
「あだだ……これは一体、何の騒ぎにござるか?」
そう、落ちてきたのは2階でゴーレムの腕に叩き伏せられた幸村だった。
彼はそのまま床を突き抜け、1階まで落ちてきたのである。


一足遅れて、ルイズが2階から降りてきた。
「ルイズ!良かった、無事だったんだね」
ワルドが安堵の息を漏らした。
と、ルイズは今しがた天井から落ちてきたであろう幸村を見つけた。
「おおルイズ殿!ご無事で何よりであります!」
「生きていたのね……馬鹿、潰されちゃったかと思ったじゃない!」
ルイズはピンピンしている幸村を見て怒鳴る。
だが、心の内では生きていて安心していた。

「いいか諸君」
と、忠勝を除く全員が揃ったのを確認したワルドが低い声で言った。
「このような任務は半数が目的地に辿り着ければ成功とされる」
こんな状況でも本を読んでいたタバサが、本を閉じてワルドの方を向いた。自分、キュルケ、ギーシュを指差して「囮」と呟いた。
それからタバサはワルドとルイズを指して「桟橋へ」と言った。
「時間は?」
「今すぐ」
ワルドが尋ねると、タバサは短くそう言った。
「聞いての通りだ、裏口へ向かうぞ」
「で、でも……」
ルイズはまだ訳が分からないという顔をしている。
するとキュルケがその赤い髪をかきあげながら言った。
「いいから早く行きなさい。勘違いしないでよルイズ、あなたの為に囮になるわけじゃないから」
タバサもルイズ達を見て「言って」と促した。


「じゃあおっぱじめますか。ギーシュ、ちょっと頼みたいんだけど」
傭兵達の動きをテーブルの影から見ながら、キュルケは振り返ってギーシュに命令……

しようとした。

「あら?」
ギーシュと、氏政の姿がいつの間にか消えていた。


ワルドはぴったりとドアに身を寄せ、向こうの様子を探っている。
「誰もいないようだな」
ドアを開け、3人はラ・ロシェールの街へと躍り出た。
「桟橋はこっちだ」
ワルドが先頭を行き、ルイズが続く。幸村が殿を務める。

「待つのじゃ!」

その筈だったが、さらに幸村の後ろから年老いた声がした。
「氏政殿、囮を受け持ったのではなかったか!?」
現れたのは、残る筈だった北条氏政。
「や、やぁ」
その背後からさらにギーシュが顔をだす。
「何で付いて来たのよ。自分達の役目分かってる?」
「僕は止めたんだよ?だけどウジマサが勝手に……」
「お主等だけに手柄を渡してたまるか!わしが手柄をたてるんじゃぁ~!」
「仕方ない、彼等も連れて行こう。桟橋へ急ぐぞ」
結局、ギーシュと氏政も連れて行くことにした。
月が照らす中、5つの影法師が遠く、低く延びた。


その頃、忠勝は仮面を被った3人の謎の男と対峙していた。
「……………」オオオォォォン…
「「「……………」」」
双方一言も喋らず、お互いに出方を伺う。

先に動いたのは男達だった。
それぞれが呪文を唱え、杖を忠勝に向けて振るうと、その杖から風の刃……「エア・カッター」が放たれる。
「!!」キュィーン!!
素早く攻撃を察知した忠勝は「起動形態」から「防御形態」に移行。
盾を肩に装着し、風の刃を防いだ。
攻撃を防がれた仮面の男達は飛び上がる。
上空から2人が青白く光った杖を振り上げ、忠勝に向かって振り下ろした。
黒王を振り上げ、その杖を防ぐ。
忠勝の槍と、仮面の男達の杖がぶつかり合い、火花が飛び散った。

だが鍔迫り合いの最中、残った1人が呪文「ウィンド・ブレイク」を完成させてそれを放った。
杖を振り下ろしていた2人はすぐさま飛び退く。
「!?……」ウィィー!ギュルギュルギュル!!
至近距離で受けた忠勝の巨体は吹き飛び、岩の壁面に激突した。
土埃が巻き上がり、岩がボロボロと崩れ落ちていく。
仮面の3人は杖を降ろさず、警戒しながら近づいて行った。

と、土埃の中から忠勝が凄まじい速さで飛び出してきた。
突撃する騎馬兵のように黒王を構え、高速で突進して行く。
そのあまりのスピードに1人は反応が遅れて避ける事が出来なかった。
仮面の男に忠勝の槍が直撃し、消滅する。
残った2人が舌打ちすると、杖から竜巻を放った。
忠勝は再び「起動形態」に変形し、そのまま空中に飛び立った。
しかし、放たれた竜巻は蛇のように伸び、飛んでいる忠勝を追尾する。
忠勝は追いかけてくる竜巻を体を回転させて躱す。
だがそれでも駄目であった。一度避けたものの、再び方向を変えて向かってくるのだ。

「……!…!!」ガガ、コオォォォォ!!

忠勝は高速で飛んでくる竜巻を何度も飛行しながら左右、上下にと避け続ける。
ところが、次に見た光景に目を見開いた。
今まで2つだった竜巻が分裂し、一気に8つに増え、速度がさらに上がったのである。
負けじと忠勝もバーニアを噴射させて距離を取ろうとする。
しかし1つの竜巻が忠勝の背中に命中した。その衝撃で忠勝の動きが遅れる。
その隙に残り7つが一斉にぶち当たった。
竜巻はまるで蜘蛛の糸のように絡め取り、忠勝の体を覆い隠して上空で爆発した。

しばらくして風が晴れ、忠勝が落下していくのが仮面の男の目に入る。
忠勝を倒したと考えた2人は杖を下ろし、傭兵達が囲っている酒場に目を向ける。


だがあと少しで地面に激突するという時


忠勝の背中が光り輝いた。



自分達の背後から突如聞こえた爆音に、仮面の男は振り返った。
見ると、倒したと思った忠勝が「起動形態」となって迫ってきている。

いや、よく見ると肩には盾が装着されており、「防御形態」にもなっているではないか。

「…!?…」グオオオォォ!?
忠勝自身、自分の体の変化に戸惑っていた。
本来、体に負担をかけ過ぎないように形態変化は1つしか出来ない。
今の自分は2つの形態を同時に展開していた。
しかし、体に痛みがあったり、動きに問題は出ていない。
自分の背中が眩く光った事が関係しているのかと忠勝は考えた。
「…!……」ルオォォン!!
だが忠勝はその疑問を考えるのを止め、自分の敵を睨みつけた。
今やるべきはあの2人を倒し、自分の主の元に駆けつける事だ。

仮面の男は突進してくる忠勝に向かって呪文を唱える。空気の鉄槌「エア・ハンマー」だ。
エア・ハンマーは命中した。が、防御形態の忠勝は気にも止めず、さらにスピードを上げる。
次に忠勝は中腰になり、肩の盾でタックルした。

「「ぐほぉっ!!」」

あまりの速さに避けきれず、2人の男は衝撃で空中に舞い上がった。
だが忠勝の攻撃はまだ終わらない。さらに背中から長い筒状の物が飛び出す。
そしてフライの呪文で態勢を立て直そうとした2人の眼前に向けられる。それは大砲の砲身であった。

「攻撃形態」

背中から大砲を取り出し、遠距離の敵に砲撃を行う攻撃に特化した形態である。
これで忠勝は3つの形態を同時に展開した事になった。

「!!!」ガシャン!!キュイイーッ!!
忠勝は吹き飛んだ仮面の男に対し、砲弾を発射した。
至近距離で発射された砲弾は外れることなく2人に直撃し、高熱の火炎と爆風によって四散した。

「……………」ドスン…プルルル

背中の光がどんどん弱くなり、消えていく。
すると、自分の意志とは関係なく通常形態に戻ってしまった。
敵を倒した忠勝は、酒場の方を見る。
何時の間にか巨大なゴーレムの姿は無くなっていた。
忠勝は槍を握り締め、主の元へと急行した。




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