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使い魔の逆襲 6

場所は変わり、ここは本塔の最上階にある学院長室。
そこにはトリステイン魔法学院の現学院長を務める、シンプルな味だが人気の高いオールド・ファッション・・・
訂正、白い口ひげと白髪が仙人のような印象を与えるオールド・オスマン氏が暇を持て余していた。

「昨日の使い魔召喚の儀式は大変じゃったのう。1人を除いて全員が見たこともない使い魔を召喚してしまうし、ミス・ヴァリエールの使い魔は学院を半壊させるしのー」
「オスマン先生、それと私のお尻をお触りになるのはどういう関係があるのでしょうか?」

部屋の隅に置かれた机で、この世界には存在しないはずのボールペンを走らせていた秘書が、いつの間にか彼女のお尻を触っていたオスマン氏の手を捕まえつつ言った。
オスマン氏の年齢は百、二百、三百、いやそれ以上とも言われているが、意外とお茶目な面が多いのだ。

「今後、こんなことをするのはおやめくださいね」

彼女は手にギリギリと力を込めつつ冷静に言った。
それはオスマン氏が苦痛の表情を浮かべ始めるまで続けられた。


ようやく解放されたオスマン氏は痛む手を振りつつブツブツと呟いている。

「お尻を触ったくらいでここまでするとはのう、じゃから婚期を逃すの――」

じゃと言う前に彼女は立ち上がり、オスマン氏へ飛びかかり彼を殴り始めた。

「ごめんなさい、やめて、ほんとに痛い痛い、もうしませんから」

50発目の拳がヒットすると同時に、部屋の扉が開かれた。

「ウィース、WAWAWA忘れ物ー」

部屋にいた二人は入ってきた男の方へ首を向けた。

オスマン氏は救助を求めている。
秘書は鬼神の如き表情を浮かべている。
彼のするべきことはただ一つ。

「うぉっ!?すまんごゆっくりー」

迷わず逃げ出すことだ。
扉が勢いよく閉じられると同時に、秘書はオスマン氏を殴るのを再開した。



「たたた大変です!オールド・オスマン!」

ようやくコルベールが部屋へ飛び込んできた時には、すでにオスマン氏のダメージは500%を超えており弱攻撃でも場外に吹き飛ばされそうになっていた。

「こここれを見てください!」

コルベールはボロボロになっているオスマン氏に赤い何かを手渡した。

「・・・これは宝物庫に保管しておる『携帯獣図鑑』ではないか。これがどうしたのじゃ?ミスタ・ワカメッチ」
「私はコルベールです!とにかくここをよく見てください!」

オスマン氏は言われた場所へ目を向けてみた。その瞬間、彼の表情は厳しいものへと変わった。

「ミス・ミヤモト、ワシの上から退いてくれ」

オスマン氏の秘書、ミス・ミヤモトは立ち上がり、机へと戻って行った。

「詳しく説明するんじゃ。ミスタ・コルベール」



コルベールはオスマン氏に図鑑を持ってきた敬意について説明を始めた。
春の使い魔召喚の際に、ほぼ全ての生徒が召喚した見たこともない使い魔達、そんな彼らのことが気になり調べていたら・・・。

「その異世界図鑑に記されておった『ポケットモンスター』という生物だったというのじゃな」

オスマン氏は異世界図鑑をいじりつつ尋ねる。
そこには400をも超える種類のポケモン達の姿が記録されていた。

「そうです!ミス・タバサ以外の使い魔達はポケットモンスターと言う種類の生物達なのです!」
「ふむ、しかし――」

オスマン氏が最後まで言う前に、再び扉が叩かれた。

「どちらさまじゃ?」
「どちらさまじゃと聞かれたら!」

オスマン氏が扉の向こうにいる誰かに問うと、突然ミス・ミヤモトが叫びながら立ち上がった。

「答えてあ・・・ごほん。ササキですよ。オールド・オスマン」

部屋へ入ってきた青年、ミスタ・ササキも一瞬叫んだが、すぐに気を取り直した。
ミス・ミヤモトも慌てて席へと戻っていった。



「ミスタ・ササキ、何かあったのかい?」
「ヴェストリの広場で決闘をしようとしている生徒がいるようです。辞めさせようとしたのですが一部の生徒達に妨害されて」
「まったく、暇をもてあました貴族ほど性質の悪い者はおらんわい」

オスマン氏は呆れて首を振っていた。

「一人はギーシュ・ド・グラードンと言う二年生の男子生徒です」
「あのグラードンとこのバカ息子か。おおかた女の取り合いじゃろな。で、相手は誰じゃ?」
「それが・・・」

ミスタ・ササキは口を濁した。
その様子に話を聞いていた三人は首を傾げた。

「どうしたのじゃ?相手は誰じゃ」
「・・・ミス・ツェルブストーの使い魔のフレイム、ミス・タバサの使い魔のシルフィード、ミス・モンモランシーの使い魔のロビン、ミス・ヴァリエールの使い魔のツーです」

三人は自分の耳を疑い、お互いに顔を見合わせた。
同時に四匹もの使い魔に決闘を挑むことにもだが、特に驚かせたのは学院を半壊させるほどの力を持っているミス・ヴァリエールの使い魔に決闘を挑んでいることだ。
いくらメイジでも自殺行為である。



「それで教師の皆さんが決闘を止めるために『眠りの鐘』の使用許可を求めているのですが」
「アホか。たかが子供のケンカを止めるのに、秘宝を使ってどうするんじゃ・・・と言いたいが、あの使い魔は恐ろしい力を持っておるしのう・・・」

オスマン氏は顔の皺を更に増やしつつ考えると、二人に目をやった。

「すまんが、お主達が様子を見ていてくれないか?危険と判断したらすぐに止めに入るようにの。
 なに、土くれのフーケを捕えたお主達なら大丈夫じゃろ」
「わかりました。行くわよ二人とも!」
「ニャ!」
「おう!」

ミス・ミヤモトとミスタ・ササキの二人は、部屋の隅で丸まっていた猫のような使い魔を引き連れ部屋を後にした。




「ところで、この携帯獣図鑑はどうやって持ち出したのじゃ?ミスタ・コンブール?」
「コルベールです!オールド・オスマン!・・・それとそのことですが、宝物庫に入れず立ち往生してた私に、近くにいたミスタ・ササキが宝物庫扉を開けてくれたのですよ。あの宝物庫には錬金の魔法をかけていたのではなかったのですか?」
「なっなんじゃとぉぉぉっ!?」

オスマン氏の叫び声が辺りに響いたが、机の中に隠れていたモートソグニルと目の前にいたコルベール以外に、その叫びは聞こえなかった。

「・・・あっ」
「ニャ?」
「どうしたのよ」
「宝物庫から『破壊の杖』借りてった女の子がいたんだけど、報告するの忘れてた」
「そんなの後回しにするニャ!」

ミスタ・ササキを叱咤しつつ、三人は広場へ向け走っていた。

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