あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

いぬかみっな使い魔-05


いぬかみっな使い魔 第5話(実質4話)


「(ゆさゆさ)啓太様、啓太様、起きてください、朝ですよ。」
 召喚された翌朝。啓太はともはねに起こされ、ルイズのベッドで目を覚ました。
正確には、罰としてルイズから啓太がとりあげたベッドで目を覚ました。
「おお、おはよう。ともはね。」
部屋の隅では、毛布一枚にくるまれたルイズが寝ている。
それを見ると、またも啓太の良心がとがめたるものの、
「いや、教育教育!」とつぶやいて平常心を保つ。
ようこと契約した直後の傍若無人さは、啓太自身、ようこ、
双方とんでもないものであり、強力な教訓となっているのである。
ここは心を鬼にして主導権を握るしかない。
下手をすればともはねまで奴隷扱いされかねないのだ。
それだけは許容できない。

「マロちん、すまないけどルイズを起こしてやってくれないか?」
ともはねのパーカーのフードからムジナが顔を出すと、
一つうなずいてルイズの方に跳ねていく。
「きょ~~~」とルイズの顔をぺちぺち小さな手で叩いている。
程なくして起きたルイズにごねられながら、啓太達は顔を洗い、
口をゆすいで食堂に向かった。
「ふむ。歯ブラシがないのはちと気持ち悪いな。まあブラシや
絵筆が作れるなら技術的には可能だし。豚の毛を使って…ふむ。」

余談だが啓太はしばらく後に歯ブラシを試作、ブラシ職人と契約して
歯ブラシの製造販売事業を始めるのである。


 ルイズは移動の最中も啓太とともはねから質問攻めにあい、
同時に学校生活での決まりごとを教えていく。
これもまたルイズに課された罰の一環なのだ。
「ふむ、こっちの世界に無いものを作って売れば儲かりそうだな。
後は薬草か。高く売れればいいんだが。値段はどうなってんだ、ルイズ?」
「なんでいきなり儲け話になってるの? 生活は面倒見てもらえるし
お小遣いも少しだけどあげる約束よ?」
「下手すれば何十年もこの世界にいることになるかもしれないんだ。
そこまでおんぶに抱っこになる気は無いからな。となれば、
何をするにもまず金である以上、金儲けは自力でするしかない。」

 そう、金につられて主導権を握られ、やりたい放題されるような
関係はごめんだ。しばらくは情報収集のためここにいるが、
なるべく早く独立するべきだろう。

 となると。

 この世界において、魔法技術が一般的である以上、
霊能者としての啓太はごく一般的な能力しかない事になる。
アドバンテージがあるのは、高度な技術知識だ。
それを生かして快適に過ごせるような収入源を確保しなければならない。
できれば、もっていると誤解させているだけの爵位も欲しいところだ。

 啓太は歴史が得意であるために、貴族制度のある社会そのものに嫌悪はない。
そのほうが社会がうまく回る発展段階だ、と理解しているのだ。
日本でだって、金持ちや高級官僚は威張ったり権力(金力)
をかさにきて暴虐の限りを尽くしている連中はいる。学歴社会とも言われている。
その一方で権力と金を両方持っていながら立派な人も沢山いる。
結局は個人の性格次第なのだ。それがこの国では貴族という
血筋から来る魔法の才能という確固とした根拠をもった理由で動いているだけだ。

ならばその社会システムの中で快適に暮らせるように努力したほうがいい。
啓太も日本で、大学入学や獣医資格を取ろうとがんばっていた。
それと基本的に変わりは無いのである。


 食堂で啓太とともはね(+マロちん)は教師達と食事を取り、
表向きロバ・アル・カイリエから拉致されたまったく系統の違う魔法使い
という事になっているので質問攻めにあった。
「おおざっぱにサハラ砂漠から東に10000キロくらい、
って単位がわからないか。どんな単位系なんです?
 ふんふん、なるほど。
ノボル手を抜いたのか革命フランスからメートル原器が流れてきた事にしたのか
おっと、何でもありません。単位系は同じようですねHAHAHAHAHAHAHAHAHHAHA!
魔法の種類は豊富ですよ、陰陽道、シントー、ブッキョー、ブードウ、仙術、
五行、風水・卜占、巫蟲、厭魅・厭勝、エクソシスト。
あまりに種類があってわけがわからないくらいです。俺の国で一般的なのは
ごく一部ですけどね。俺の場合仙術の中で法術に分類されるものです。」

等とテケトーに相手をしていた。教師相手なので多少丁寧だ。
ともはねは、やはりしばらくはなるべく話さない方向で言い含めている。

さらにオールドオスマンとも相談し、基本の基本、読み書きや
礼儀作法、一般常識から教えてもらうことになった。
「とはいえ、いきなりでは準備が整わんからの。今日はミスヴァリエールと
いっしょに授業を受けて見てはどうかね。」
「そうですね。ハルケギニアの授業風景についても知りたいですし。」
「うむ。ならば、今日の昼からはミス・ヴァリエール達と食事をしてもらう。
授業に参加するからにはもう学院の生徒じゃからな。」
「客は終わり、ということですね。よろしくお願いします。」
啓太とともはねは、深々と頭を下げた。


 食事後、啓太達は水で口をゆすぎ、ノートを持って教室に入った。
 早めに入って、魔法の基本の基本をルイズから習う。
簡単なコモンマジックというものがあり普通の口語で使える。
その上に炎、土、水、風、の4つの系統魔法がありルーン語で使う。
魔法使いにはランクがあり精神力の強さで何個の系統を足せるか決まる。
ドット、ライン、トライアングル、スクウェアと強くなっていく。
同じ系統を足せればより強力になり、別の系統を足せれば応用が広がる。
精神力はランクが上がるにつれて半分の消費で済むようになる。
ランクが上の呪文は消費精神力が倍になる。
ランクが上がるごとに魔法の威力は倍になる。
等など。啓太は、自分が猛省蘭土で学んだ法術知識、ゲーム、文献学習などで
得た知識に適宜変換して理解していく。ともはねも興味深そうだ。

 そのうち教師である赤土のシュヴルーズが入ってきて授業と相成った。
本来ならルイズが変な使い魔を呼んだといわれる場面であるが、
今回はマロちんがルイズの肩に乗っている。
「異国のメイジと亜人付きとはいえ召喚が成功したそうですね。おめでとう。」
とほめられるだけである。それでも茶々を入れる奴はいる。
風上のマリコルヌ・ド・グランドプレ(小太り)である。
「ふん、何十回もやってやっとじゃないか。しかも露出狂呼んだって?」
「なんですってえ!?」
「欲求不満でゼロの洗濯板でも相手してくれる奴呼んだんだろ?
その使い魔はついでに呼ばれただけなんだろ、あっはっはっは!」
マリコルヌの使い魔、フクロウのクヴァーシルが肩でホウホウ、
と馬鹿にしたように鳴く。
その暴言を聞き、啓太が援護射撃してやろうかちょっと考えているうちに、
ルイズは行動に移っていた。指差すはマリコルヌの口である。
「マロちん、サイレスお願いね♪」
「む、むむ~~~!? むむ~~~!? むぐぐぐぐ!!」
口を接着され、何もしゃべれなくなったマリコルヌがモガモガうなる。
ならばとルイズに突進して殴りかかろうとするのを見て、さらに一言。
「スネアお願い!」
指差すのはマルコリヌの足元だ。

ズルベタ~~ン!

マリコルヌが、盛大に転んだ。
「おほほほほ! マロちん、良くやったわね! あなたは最高の使い魔だわ!」
「きょろきょろきゅ~~~!」
ルイズになでられ、目を細めるムジナ。結構いいコンビだ。
動物扱いは願い下げだが、対等の立場で頭を下げて頼まれるなら、
人に従うのもやぶさかではないという性格なのである。
ルイズは、ウォッカ入りジャムをはさんだクッキーを一つ与える。
ムジナは、満足そうにかりこり齧った。


 「うわ、あれってやばい能力持ってるぜ!」「あんな偉そうに!」
 「ルイズの癖に生意気だ!」「ちょっと使い魔が使えるからって!」
 「ゼロはゼロらしく小さくなってりゃいいものを!」
 「露出狂召喚したのに生意気だ!」「そうだ、生意気だ!」

 周囲で、ひそひそと囁かれるそれは。
いじめの対象として馬鹿にしていたルイズが、突如として偉ぶる側に回った
事への強力な嫉妬。そして、自分達の優位性を守ろうとする防衛意識。
そんな、暗い想念に満たされたものだった。

 授業は進んでいく。

 「(前略)今は失われた系統である『虚無』をあわせて、全部で5つの系統が
あることは、皆さんも知ってのとおりです。その五つの系統の中で、
『土』は最も重要なポジションを占めていると私は考えます。
それは、私が土系統だから、というわけではありませんよ。
私の単なる身びいきではありません。」
シュヴルーズは重々しく咳払いをした。
「『土』系統の魔法は、万物の組成をつかさどる、重要な魔法であるのです。
この魔法がなければ、重要な金属を作り出すことも出来ないし、
加工することも出来ません。大きな石を切り出して建物を建てることも
出来なければ、農作物の収穫も、今より手間取ることでしょう。
このように、『土』系統の魔法は皆さんの生活に密接に関係しているのです。」

 それは、今の啓太には聞き捨てならぬ講義だった。
「すいません、先生! 質問いいですか!?」
手を上げ、質問する啓太に、シュヴルーズが答える。
「ロバ・アル・カイリエでの魔法体系はまったく違うものだそうですね。
興味があるのも当然でしょう。どうぞ。」
「金属を作り出すとは、どのような範囲ですか? 作れる金属の種類は、
それ以外の物質でも作れるのですか、純度は、(中略)質量は変わりますか、形の変更は出来ますか(後略)」
「(前略)といったところでいいかしら? 質問全てに答えたら
授業時間が潰れてしまいますからね。後で改めて、ということでよいかしら?」
「あ、そうでしたね。ありがとうございました。」
ぺこりと頭を下げると啓太は座る。その後啓太はかぶりつきで授業に没頭した。
錬金の実技では近くで見せてくれとわざわざ教卓の脇で見学である。


さて、ここで一つ確認せねばならない事がある。
啓太は、ルイズの魔法が失敗ばかりすることは知っていても、
まだ失敗=爆発という迷惑な事実は知らなかった。
そのため、ルイズが錬金をしてみるよう言われたときも、
無防備極まりなくかぶりつきで見ていたのである。

キュルケが、蒼白な顔で止める。
「ルイズ。やめて。」
「やります。」
「ミス・ヴァリエール。錬金したい金属を、強く心に思い浮かべるのです。」
ルイズが呪文を唱える。前列に近い生徒達がそろって机の下に隠れる。
啓太が怪訝な表情でそちらを見る。

直後に教壇ごと石が爆発し、啓太は吹っ飛ばされた。
赤道斎のマントはダイヤモンドよりも強靭な炭素単分子繊維で編まれており、
針を含めて斬激武器、刺突武器を受け付けない。
さらに反発力場によって高いクッション効果を持っており、なまじな衝撃は
広範囲に分散吸収してしまう。よって鈍器や銃弾も効かない。
熱や冷気、電気、酸にも強い。苦手なのは、啓太の体面積を超える衝撃波である。
拡散しようにも拡散しようがないのだ。衝撃速度そのもんはだいぶ殺せるが、
後方に向けて吹っ飛ばされるのを余儀なくされるのだ。

とにかくそんなわけで啓太は窓に向けて吹っ飛ばされた。
とっさに身をひねって体勢を整えようとする。
赤道斎のマントを着ていなかったら、それは成功してなんの問題もなく
軟着陸できたであろう。しかし。
窓枠にあったカーテンを止める金具。
そこに、吹っ飛ばされた啓太の学生ズボンが引っかかって。
いいかげんがたの着ていたズボンはそれでびりびりと破けながら脱げさって。
さらに、昨夜の騒動で履き替えざるをえなくなった紐パンも脱げてしまって。
啓太は、フリチン状態で窓の外に投げ出された。
「啓太様!?」
ともはねが窓から飛び出し、衝撃で意識が朦朧としている啓太に取りすがる。
大騒ぎになっている教室。その左右の教室からは、当然ながら
なんだなんだと野次馬が顔を出し。
騒いでいるともはねの声に誘われてみるのはフリチンな啓太である。

その後にあらためて使い魔が食われたの怪我をしたのと大騒ぎの教室を見る。
川平啓太。召喚されて24時間も経っていないというのに、
すでに4度目のフリチンであった。



新着情報

取得中です。