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ゼロのアトリエ-08


天井が見える。僕は…どうなったんだろう?不思議な音を聞いて、それから…
「あ、気がついた?」
そこにあるのは、真の意味で穏やかな笑顔をしたヴィオラートの姿のみ。
「君は…」
記憶を手繰り寄せ、ギーシュは自らの敗北を悟る。
「君が、看病してくれていたのか…」
何かを磨く作業を止め、ヴィオラートは静かに頷いた。


ゼロのアトリエ ~ハルケギニアの錬金術師8~


「ええと、つまり、君はヴェルダンデにあの岩を探してもらっていただけだと。そういう訳かい?」
「そう。あの岩を割るとね、中からこんな…」
「原石?」
「そうだよ?このあたりだとあんまり使わないみたいだけど。」
ヴィオラートは磨いていた原石を布で拭き、表面を光らせる。
「磨けば、こんなにきれいな宝石になるんだから。」
そこには、美しく輝く猫目石の姿があった。
「ああ、こんな宝石があるなんて知らなかったな。君は職人か何かだったかい?」
「錬金術師。職人といえばそうだけど、ちょっと変わってるっていうか…」
「なるほど。僕が負けるのも当然かもしれないね。謝罪しよう、ヴィオラート。」
ギーシュはたっぷり間を取ると、これ以上ないくらいの気障な態度でなめらかに言い放つ。
「可愛らしい貴女が、このように美しい宝石を創り出す…まことに、これは天の配材と言う他はないね。」
ヴィオラートを見つめ、熱視線を送り始める。
「…わかってくれれば、それでいいよ。」
しかし、当のヴィオラートはだんだんギーシュから離れているようだが。
「そうだ!勘違いの贖罪として、次の虚無の日に一緒に出かけるってのはどうだい?」
ヴィオラートは全てをスルーすると、無言で猫目石を磨く作業に没頭する。
たぶん猫目石を磨く作業に没頭するふりをしている。
「黙られるとそこはかとなく怖いんだが…。あの、調子に乗りすぎたかもしれないね、その、」
「もう大丈夫みたいだし、あたし用があるから…じゃあね、ギーシュくん。」
有無を言わせぬ勢いで退出するヴィオラート。
ギーシュの積み上げてきたものは、ヴィオラートには何の効果ももたらさなかったようだ。


部屋の扉を開けると、廊下の向かいにルイズが立っていた
「別に、待ってたわけじゃなくて…その、帰りが遅かったから。」
それだけ言うと、ルイズは早足で部屋の方へ歩き出す。
「ねえ、ヴィオラート。」
「ん?」
「聞いてなかったから…あなたの世界のこと。」
それだけ言うと、ルイズは下からヴィオラートを覗き込む。

ヴィオラートは、少し考えた。
お店はロードフリードさんに任せてあるから、なくなってたりはしないだろうけど。
でも、ずっと任せっぱなしにもできないし、結局はあたしがいないと駄目なんだろうなあ…

思索に沈んでいたヴィオラートに、ルイズが怪訝な顔を浮かべて質問する。
「ロードフリードさんって誰?」
「へっ?何でルイズちゃんがロードフリードさんのこと知ってるの?」
「アンタさっき、ロードフリードさんが…って言ってたじゃない。」
どうやら、知らぬ間に声が漏れていたらしい。
「ええと、ロードフリードさんには…お店を任せてあるんだ。」
「ふーん。お店をねえ。お店、か。」
ルイズは、考えて
「明日は虚無の曜日だし、町に行くわよ。何か買ってあげるわ。」
明日の予定を決めた。
「わあ、町があるの?良かった。材料とか買える所が欲しかったし。」
「そ、そう。良かったじゃない。優しいご主人様に感謝しなさいよ?」
最後に、これだけは小声で、こう付け加える。
「…別に、ホウキを使いたいとか、そんな、そんな子供っぽいことは。」


そして翌日。
朝早く目を覚ましたルイズは、それでも既に起きていたヴィオラートに理不尽な怒りをぶつけ、
空を飛んで町に向かった。

おおはしゃぎで、ヴィオラートのフライングボードに競争を挑みながら。

「ここかな?」
「ここよ」
ついたところは、魔法の道具を扱っている店らしい。
ドアを開けると、薄暗い店内に怪しげな道具が山と積まれ、どこからか独特の香りが漂ってくる。
「ここは…見た目怪しいけど、色々素材とかも揃ってる…らしいわ。聞いた話だけど。」
「そうなんだ。」
(何だか、あたしの店に似てるような…タネとかあるかな?)
ヴィオラートは店内を漁り、なんだかしょぼくれたものばかりをカゴいっぱいに詰め込んでゆく。
「けっ!しょぼくれた娘っ子が、しょぼくれたもん集めやがって!」
なにかが聞こえた気がしてあたりを見渡すが、声のした方には誰もいない。
気をとりなおして今度はいらなそうなものを集め始めると、
「そんなものいらねえだろ!俺買え俺!」
また声がする。声の方角を確かめると、一振りの剣ががらくたの山に刺さっているようだ。


「俺だよ俺!俺俺!」
「あ、喋った。」
「へえ、インテリジェンスソードね。結構錆びてるのがアレだけど。」
「デルフリンガーだ!おぼえとけ!」
そう名乗ると、ヴィオラートを観察するように伸びようとして、ぶっ倒れた。
「おでれーた!お前さん『使い手』か!ええと…そう、名前の長え奴だな!」
「あ、あたし?」
「そうだ、てめ、俺を買え!」
「剣、使えないし…」
「なぬ!?」
「あたし剣使えないから…ちょっと残念だけど、使えないんじゃ買っても意味がないよね。」
(ピンチだ。折角のチャンスが水泡に帰す5秒前って所だ。ようやっと日の目を見れると思ったら、
見つかった『使い手』は名前の長い奴、しかも剣が使えねえときた。何だそりゃ。
だがそれでも、ここで逃したらまた何年となく道具屋の隅でほこりを被ることになるかもしれねえ。)


「ま、待て待て!俺を買ったほうが何かとお得だぜ!」
「おとくなって、どんなお得がついてくるの?」
「お前さんならわかるはずだ。ちょっとでいい、触ってみちゃくれねえかな?」
ヴィオラートは気の抜けたような顔になり、まあ、触るぐらいは…と、デルフリンガーの柄に手をかける。
額のルーンが輝き、しばらくすると何かを納得したように両手でデルフリンガーを抱え持った。
「これは…そっか。デルフリンガーくんって魔法の剣なんだね。」
「ん?おう、魔法で動いてるぜ?」
「そういう意味じゃないんだけど…まあ、いいや。これもください」
「へい!まいど!」
主人はデルフリンガーを鞘に入れると、ヴィオラートの集めたがらくたと一緒に清算する。
デルフリンガーはヴィオラートの背中に収まることになった。

「別に、無理に買う必要はなかったんじゃないの?そんなの…」
「色々お得ってのは本当みたいだし…そなえあればうれいなし、って言うでしょ?」
「???」

「あたしには、デルフリンガーくん自身の知らない事までぜーんぶわかっちゃったからね。」

本当に良かったのだろうか?デルフリンガーは、感じないはずの悪寒を感じたような気がして、何かに祈った。


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