使い魔大作戦! ハルケギニアレポート 1
横島が目覚めたのは学院の医務室だった。
爆発の衝撃で頭から地面に突っ込んだらしく、出血も相当のものだったのだが
持ち前の頑丈さで一命は取り留めたようだ。
・・・取り留めたのである。深く考えてはいけない。
爆発の衝撃で頭から地面に突っ込んだらしく、出血も相当のものだったのだが
持ち前の頑丈さで一命は取り留めたようだ。
・・・取り留めたのである。深く考えてはいけない。
「あ゛ー死ぬかと思ったー」
「おや、気が付いたようだね」
「おや、気が付いたようだね」
一瞬ビクッとし、声のしたほうを見るとそこにはにこやかに微笑むちょっと頭のさびしい
男が一人
男が一人
「あ、あのぉ、ここはどこなんですかね?事務所じゃないみたいなんスけど・・・」
「ああ、まぁ無理もないだろうね。サモン・サーヴァントでいきなり飛ばされてきたんだものな。ここは――ー」
「ここはハルケギニアにあるトリステイン魔法学院よ」
「ああ、まぁ無理もないだろうね。サモン・サーヴァントでいきなり飛ばされてきたんだものな。ここは――ー」
「ここはハルケギニアにあるトリステイン魔法学院よ」
男の声をさえぎり、男の後ろに立っていた少女が一歩前に出て、わってはいるように説明する。
顔立ちはまさに外国のねーちゃんのそれで、ピンクがかったブロンドが目を引く美少女であった。
顔立ちはまさに外国のねーちゃんのそれで、ピンクがかったブロンドが目を引く美少女であった。
「私はルイズ。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ
そして、こちらが――」
「コルベールだ。よろしく使い魔くん?」
「あ、俺は横島忠夫っス」
そして、こちらが――」
「コルベールだ。よろしく使い魔くん?」
「あ、俺は横島忠夫っス」
語尾が上げ調子だったのに気付き、とりあえず名乗っておく
「ヨコシマタダオ?変わった名前ね?いったいどこの田舎から来たんだか」
さきほどからなにやら機嫌の悪い様子のルイズがはき捨てるように呟く
「い、田舎?東京は田舎じゃないっしょー?いや、田舎じゃないはずですよ?はい」
いつもの癖で機嫌の悪い女性にはつい敬語を使ってしまう横島
美神による調教の賜物である。
美神による調教の賜物である。
「トーキョー?聞いたことないわね」
「えぇえぇー!?そりゃないでしょ!日本の首都ですよ?日本!わかります?ジャパンっスよジャパン!」
「えぇえぇー!?そりゃないでしょ!日本の首都ですよ?日本!わかります?ジャパンっスよジャパン!」
こうして言葉が通じている以上、わざわざ英語に言い換える必要はないのだが
「ニホン?じゃぱん?なによそれ」
どういうことだろう、ここが外国だとして、東京はともかく日本を知らないのはありえない
呆けている横島などおかまいなしにコルベールが口を開く
呆けている横島などおかまいなしにコルベールが口を開く
「あー、非常に興味深い話の途中でなんだが、ミス・ヴァリエール。契約をはやくすませなさい」
「・・・それなんですが先生。サモン・サーヴァントのやり直しは・・・?」
「できませんね」
「・・・それなんですが先生。サモン・サーヴァントのやり直しは・・・?」
「できませんね」
はぁーと深くため息をつきながらがっくりと肩を落とすルイズ
それはそうだ、あきらかにどこかの田舎の平民を呼び出してしまっただけでもメイジとして落第なのに、あまつさえそれを自らの使い魔にしなければならないのだ。
できることなら今すぐ儀式をやりなおしたい。それがルイズの本音だった。
こいつバカっぽいし
それはそうだ、あきらかにどこかの田舎の平民を呼び出してしまっただけでもメイジとして落第なのに、あまつさえそれを自らの使い魔にしなければならないのだ。
できることなら今すぐ儀式をやりなおしたい。それがルイズの本音だった。
こいつバカっぽいし
「ちょ、ちょっと待ってくれよ!契約?なんだそれ、だいたいここは・・・!」
「さっきからごちゃごちゃうっさいわね!あんたは私の使い魔として召喚されたのよ!
私が恥をしのいで使ってやるって言ってるんだから、ありがたく使われなさい!」
「さっきからごちゃごちゃうっさいわね!あんたは私の使い魔として召喚されたのよ!
私が恥をしのいで使ってやるって言ってるんだから、ありがたく使われなさい!」
(あぁ、この我が侭かつ自己チューかつ傲慢な態度、美神さんそのものだ・・・!)
しかし、意味もなく感慨にふけっている暇はない
そもそも使い魔ってのはなんだ?
冥子ちゃんの式神や魔鈴さんの黒猫みたいなもんだろーか
などと考えていると目の前にいる彼女、ルイズが急に口付けしてきた
そもそも使い魔ってのはなんだ?
冥子ちゃんの式神や魔鈴さんの黒猫みたいなもんだろーか
などと考えていると目の前にいる彼女、ルイズが急に口付けしてきた
「!?」
「これで契約はおわり!はぁ、ホント最悪だわ・・・なんでこんな平民に・・・」
「これで契約はおわり!はぁ、ホント最悪だわ・・・なんでこんな平民に・・・」
(が、外国の女の子って積極的―!!)
横島、鼻と耳から噴水のごとく出血、またしても失神。
その日の夜
「はぁぁ、よく考えてみたら俺ってばとんでもない状況に置かれてないか?
美神さんが一緒ならともかく、俺一人でいきなり剣と魔法の世界にコンニチワって・・・
美神さーん!おキヌちゃーん!っぶ!!」
美神さんが一緒ならともかく、俺一人でいきなり剣と魔法の世界にコンニチワって・・・
美神さーん!おキヌちゃーん!っぶ!!」
あの医務室でのやり取りの後、ルイズにこの世界について色々と説明され
やっと自分の身に起きたことの重大さを認識しはじめる横島。
が、無情にもその叫びは飛んできた枕によってさえぎられるのであった。
やっと自分の身に起きたことの重大さを認識しはじめる横島。
が、無情にもその叫びは飛んできた枕によってさえぎられるのであった。
「うっさいわね!何回も説明してるけど、契約しちゃったものはしょうがないの!
死ぬまであんたは私の使い魔!それともなに?あんた死にたいの?」
「い、いえ・・・そのようなことは微塵も考えておりませんです、はい」
死ぬまであんたは私の使い魔!それともなに?あんた死にたいの?」
「い、いえ・・・そのようなことは微塵も考えておりませんです、はい」
(うぅ、結局俺はどこの世界に行ってもこんな役回りか・・・)
我が身の奴隷体質に心の底から涙を流す横島であった
我が身の奴隷体質に心の底から涙を流す横島であった
「そ、それでですね・・・その、使い魔というのは具体的にどのようなことをすれば・・・?」
「そうね、たとえば使い魔は主人の目となり耳となること。ってこれはダメね
ぜんぜん見えないもの」
「ふんふん」
「それから魔法に使う秘薬、硫黄やコケを探してきたり」
「ふんふん」
「まぁ、そういうことはあんたには期待できそうにないけど、私の身の回りの世話や
護衛くらいはできるでしょ?ま、大雑把に言うとこんなところね」
「そうね、たとえば使い魔は主人の目となり耳となること。ってこれはダメね
ぜんぜん見えないもの」
「ふんふん」
「それから魔法に使う秘薬、硫黄やコケを探してきたり」
「ふんふん」
「まぁ、そういうことはあんたには期待できそうにないけど、私の身の回りの世話や
護衛くらいはできるでしょ?ま、大雑把に言うとこんなところね」
「・・・・それで、給料は?」
「はぁ?そんなもの出るわけないでしょ?使用人でもないのに」
「はぁ?そんなもの出るわけないでしょ?使用人でもないのに」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・な、なによ?」
急に黙り込む使い魔に警戒するルイズ
「ふざけんなぁぁぁーーー!!そんな雑用兼ボディーガードみたいなことをタダでやれだ?!
んなアホなことが許されるかぁぁぁ!!キスの代償にしてはあまりにも高すぎるわぁぁぁ!!
もうイヤや!!お家帰るぅぅぅ!!」
「っ!?・・・あっそう、そっちがそういう反抗的な態度をとるって言うんなら・・・!」
んなアホなことが許されるかぁぁぁ!!キスの代償にしてはあまりにも高すぎるわぁぁぁ!!
もうイヤや!!お家帰るぅぅぅ!!」
「っ!?・・・あっそう、そっちがそういう反抗的な態度をとるって言うんなら・・・!」
その夜、強烈な爆発音と横島のなんとも形容しがたい悲鳴がトリステイン魔法学院に響いた。