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使い魔はじめました-04


使い魔はじめましたー第四話ー

差し込む日差しに、サララは目を開く
一度ベッドに入ると六時間程ぐっすり眠りきっちり目を覚ますという
自身の性と照らし合わせれば、ちょうどいい頃合だろう
自身の『ご主人様』はまだ夢の中のようである
「ふわあ……おはよ、サララ。どうする?店を開け……って、ああ」
少し遅れて目を覚ましたチョコが、辺りを見渡してため息をつく
「そういや、サララは使い魔になったんだっけ。で、どうするの?」
その問いに、サララは床に転がったルイズの洗濯物を差し出して答える
「ああ、洗濯するんだ。マメだねえ、サララも。けどさあ」
チョコはサララの頭部を見ながら、呆れたように呟いた
「ひどい寝癖だよ。せめて、直してからにしなね」
サララは慌てたように、ひどいことになっているであろう髪を押さえる
普段使っているブラシはここにないので、ルイズのものを使わせてもらうことにした
髪の毛の色は同じピンク色だから、バレないだろう……多分
バレたとしても、そんなことで目くじらを立てないで欲しいなあ、と
考えながら、手早く髪の毛を梳いて整えていく
目立った寝癖が無くなった所で、エプロンを着け、洗濯物を両手に持つと
もうしばらくしたらルイズを起こすようにチョコに念を押しながら部屋を出ていく

さて、とりあえず外に出てきたサララはここで困ったことに気がついた
昨日は忙しかったため、洗濯をする場所を聞くのを忘れていたのだ
見える位置に水場を探そうとして辺りを見回すが
敷地は広大であり、一筋縄には見つかりそうになかった
「あの……どうかなさったんですか?」
後ろから声をかけられてサララはそちらを振り向き、見上げた
「お嬢さん、迷子ですか?ここは貴族様の来られるところですよ?」
黒い髪に黒い瞳をした召使らしい少女にそう声をかけられて
サララは物凄くヘコみそうになった
昨日、ルイズや他の生徒達を見て気がついたことだが、
どうやらこの世界において、自分はいわゆる『発育不良』の部類に当たるらしい
きょとん、とした彼女のソバカス顔とすらっと伸びた背とついでに胸元に目をやりつつ
盛大にため息をついたサララに、彼女は首を傾げる
「あ!あなたもしかして、昨日ミス・ヴァリエールの使い魔になったっていう……」
その言葉にサララは大きく頷いた
「まあ、やっぱりそうだったんですのね。召喚の魔法で
 平民と猫と鍋を呼んでしまったって、噂になってますわ」
にっこりと笑う彼女に釣られて、サララも微笑む
「私はシエスタ。この学院で、ご奉公させていただいてるんです。
 あなたは、名前は……そう、サララさん、とおっしゃるんですね」
互いに自己紹介をした辺りで、シエスタはサララが手に持った洗濯物に気づく
「ミス・ヴァリエールの洗濯物ですか?では、私が洗って……」
そのお誘いは丁重にお断りして、水場までの案内を頼むサララ
これはあくまでも自分の仕事だから、と言うサララにシエスタは関心したようだった
「こんなに小さいのに、大変ですわね、サララさんは」
自分を子ども扱いするシエスタに思わず苦笑いを返す
水場に辿り着くまでの間に、自分の年齢についての誤解を解いておかねばなるまい
きっと、自分はルイズやシエスタと、そんなに変わらない年頃だろうから

洗濯を終え、ついでにルイズが顔を洗うための水を汲んできたサララは、
まだ眠っている一人と一匹に嘆息した
戻ってくる途中で、既に何人かの生徒の姿を見かけており、
このままでは遅刻してしまうだろう
全く、何のために念を押したのか、と思いながら、
サララはバケツを床に置き、ルイズを揺り起こす
「ふにゃ?……わ、わあ!あんた、誰?」
「んー……うるさいなあ。自分が呼び出した使い魔くらい覚えておいてよ」
小さく欠伸をした己のパートナーを睨みつけるサララ
「使い魔……ああ、そうね。私が召喚したんだっけ」
ルイズは起き上がると欠伸をし、サララに命じる
「服」
椅子にかかっていた制服を渡す
「下着。そこのクローゼットの一番下の引き出しー」
豪奢なクローゼットの引き出しから下着を取り出す
何となく、一番子供っぽいやつを選んで渡した
ルイズが着替える間は、一応マナーとして後ろを向いておく
同性とはいえ、他人の着替えなどジロジロ見るものではあるまい
その内、自分の着替えも用意してもらえるだろうか、
その場合の経費は、ルイズ持ちにしてもらえればありがたいが、
やはりここは自分も幾らか出すべきだろうか
あいにくと、全財産のうちほとんどは店に置いてきてしまった
大体、持ってきたところで使えるかどうか定かではない
となると収入を得るためには商品を売りさばく必要がある
その場合、やはり市場の確保が早急な命題として……
「何ぼーっとしてんのよ」
頭の中で算盤を弾いていたサララが正気に戻って振り向けば、
彼女は既に着替えを終えていた
「顔を洗うのも着替えるのも自分でやったわ。
 全く、ご主人様を放っておいて考え事をしてるなんて、駄目な使い魔ね」
あちゃあ、とサララは自身の額に手をあてる
他人にマイナスイメージを与えてしまうとは、商売人失格である
ましてや、その相手の世話にならざるを得ない状況で、とは
町一番の商売人も、異世界では本領発揮できないようだ

ルイズと部屋を出た直後、隣の部屋の扉が開き、
中から燃えるような赤い髪をした女性が現れた
ルイズより、サララよりずっと背が高く胸部の方の発達も目を見張るものがある
お得意様である女盗賊のルビィと、彼女の部下ガーネットを
足して二で割ったらこんな感じだろうか、とサララは考える
「おはよう。ルイズ」
ルイズを見て、にやっと笑い挨拶をした彼女に、嫌そうに挨拶を返す
「おはよう、キュルケ」
「あなたの使い魔って、その子?」
サララを指差すとからかうような口調で言った
「そうよ」
「あっはっは。本当に人間なのね!凄いじゃない!
『サモン・サーヴァント』で平民喚んじゃうなんて、あんたらしいわ!
 さすがは『ゼロ』のルイズ!」
ルイズの白い頬に、さっと朱がさした
「うるさいわね」
「ごめんあそばせ。そういえば、猫と鍋も一緒だったわね!」
おかしくてたまらない、といった様子でキュルケと呼ばれた少女は笑っていた
「どうせ使い魔にするんなら、こういうのがいいわよねぇ~。フレイムー」
キュルケの勝ち誇った声に答えるかのように
のっそりと、真赤なウロコを持ったトカゲが部屋から現れる
その身から放たれる熱気にサララは覚えがあった
「あら、サラマンダー?」
だが、出てきたものがサラマンダーと見るや否やルイズがニヤリ、と笑う
昨日のチョコの台詞が正しければ、サラマンダー程度サララの前では敵ではない
ちょっぴり胸を張りたくなったルイズは、チョコの言葉をスルーしていた
「へえ、変わったサラマンダーだねえ。
 ぼくたちが知ってるサラマンダーとは全然違うや。
 あ、でも傍にいて熱いのは変わんない、かな?」
とことことサラマンダーに近づいたチョコは、
フレイムと呼ばれたサラマンダーをまじまじと見つめる
サララもまた、近づき、その頭をそっと撫でる
自分の知っているサラマンダーは、基本的に二足歩行であり
ウロコは鎧のように分厚く、体に火が灯っていることはなかった
きっと、場所も違えば種類も違うのだろうとそんなことを考える
フレイムは撫でられてチロチロと気持ちよさそうに舌を出す
「あら珍しい。サラマンダーが主以外に懐くなんて」
キュルケがその様子を見て関心して呟く
「あなた、お名前は……サララ?変わった響きね。
 あたしはキュルケ。二つ名は『微熱』よ」
少し身をかがめてサララと言葉を交わした後、くるり、と背を向ける
「じゃあ、お先に失礼。あなたも早く来ないと朝食食べ損ねるわよー」
おほほほほ、と高笑いをしながら去っていくキュルケの後を
体躯に似合わない愛らしい動きでフレイムが追っていく
「ね、サララ。あんた、あのサラマンダーくらいなら倒せるんでしょ?」
そう呼びかけられて、サララはしばし考え込む
まさか、自分が知っているものとは全然違う見た目なので、
倒せるかどうか分かりません、と馬鹿正直に言うわけにもいかなかった
先程の出来事で、ルイズからの心象はちょっぴり悪くなっている
この上嫌われてしまっては、ロクなことになるまい
まあ、同じサラマンダーだし、あっちよりも柔らかそうだし、
きっと倒せるだろうと思い、サララは満面の笑みで主に向けて頷いた
「そ。うふふ。今に見てなさいよツェルプストー!」
天井に両手を向けて雄たけびをあげるルイズをサララは見つめながら考える
キュルケの二つ名は『微熱』 では、ルイズの二つ名は?
答えは、先程のキュルケとの会話の中にあった『ゼロ』であろう
一体、何をもってしての『ゼロ』なのだろうか
……胸だったら、一緒になって怒っても文句は言われないだろうな、と
ルイズの胸に目をやり、ついで自身の胸に手を当てながら思い、
無い胸を張って歩き出したルイズの後ろをチョコと共に慌てて追いかけるのだった


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