あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの魔獣-34


箱舟の甲板から 天まで届かんとする炎が吹き上がる。
ただならぬ不吉な予感に、ルイズは機体を旋回させ、箱舟に向けて加速する。

「どうしようってんだ!? 娘っ子?」
「決まってるじゃない!! シンイチを助けるのよ!」
「無理に決まってるだろうが!! この船にはもう 弾が残っちゃいねえ!!」
「五月蠅いわね!! アンタも武器を探しなさいよ!」

言いながら、ルイズがコックピット廻りのスイッチを手当たり次第に押していく。

「・・・! その中央の赤いスイッチはどうだ!?」
「赤いスイッチ・・・? これね!!」

ルイズは躊躇いなく、赤いスイッチの隣・・・『ピンクのスイッチ』を押した。

― 瞬間、前方の亀甲模様のガラスが激しく光り、操縦席ごと二人が後部に運ばれていく。
  イーグル号が大きく膨らみ、強靭な金属にあるまじき変形を遂げていく・・・。

「ええっ!?  こ これって・・・!?」

荒れ狂う炎蛇の中、地に伏せる人影を確認し、シャフトが指を鳴らす。
たちどころに炎が掻き消え、肉の焼ける匂いが辺りを包む。

炎の跡から現れた慎一・・・ 全身の皮膚がただれ、両目は爆ぜ、手足は無残にも崩れ落ちている・・・。

シャフトが耳をピクリと動かす。
これ程のダメージを負いながら、魔獣の心音は、未だ途絶えてはいなかった。

「フフ このまま君を消し炭にするのは容易いが
 それでは折角の 真理阿様の細胞が失われてしまうからね」

シャフトが左腕を動かす。
その肘先がボコボコと膨らみ、やがて、巨大な芋虫へと変態する。
芋虫が、虚穴のように開いた口から、イソギンチャクのような無数の触手を伸ばす。
巻き付いた触手が魔獣の体を持ち上げ、一気に口中へと放り込んだ。

「!? おお・・・! これが・・・!!」

左手で慎一を咀嚼しながら、シャフトが感嘆の声を上げる。

宇宙の真理が、万物の理が、シャフト脳内に溢れ、麻薬のような快楽が全身を走る。
新たな世界の扉が開かれたかのような感覚、肉体に無限の力が湧き上がる。

「そうか・・・  そうだったのか・・・
 フフ フハハ わかる わかるぞお
 こんなにも素晴らしい なんという・・・ なんという力・・・!
 最早 私に逆らえる者などいない
 全宇宙が 私の前にひれ伏すのだ
 フハハ ハハハハハハ ハハハハハハハ!!」

暫く高笑いを続けていたシャフトだったが、ピクリと異変に気づく。
右手の指先が痙攣し、滝のような汗が噴出し、細胞の動きが止まる。

― いや、細胞が逆流していく!

吸収したハズの真理阿の細胞が、己のものとしたハズの魔獣の細胞が
主の意思に逆らい、体内から左手へと流れ込んでいく。

「これは 慎一の・・・  魔獣の仕業かああああッ!?」

暴走する左手を止めようと、シャフトが杖を構える。
その右腕を、新たに体内から現れた別の腕が取り押さえる。

「な・・・?」

シャフトの動きを抑えたのは、傀儡となったハズのウェールズの上半身・・・
手首を掴む皇太子の白い指先が、徐々に無骨な魔獣の牙へと変貌していく・・・。

「ガ オ オ オ オ オ オ オ ! !」
「げえッ!? ゴールドッ!!」

獅子の大顎が、シャフトの右腕を喰いちぎる。
興奮収まらぬ黄金の獅子は、シャフトの体内を泳ぐが如く食い荒らす。
腹部からウェールズの全身が切り離され、哀れな王子は物言わぬ死体へと還った。

「なぜだ!! ナゼッ 私の体からゴールドが現れる!?」
「テメエに魔獣の力が使いこなせると思っていたのか!? シャフトッ!!」

シャフトの左手が叫ぶ。
ゴールドの体が直ちに左手へと吸い込まれていく。
ゴールドだけでは無い。
細胞が大きなうねりとなって、ソバでもすするかのように左手へと集結する。

「グオアアアァアアアァァ!!」
痙攣する巨大芋虫を引き裂きながら、燃え尽きたハズの慎一が復活した。

「感謝するぜえ シャフト・・・」
力の大半を奪われ、凡人へと堕ちたシャフトに、慎一が近づく。

「軍神どもに奪われた細胞を どうやって取り替えそうかと思っていたが・・・
 まさか 仇のテメエが持ってきてくれるとはなァッ!!」

「そんな・・・  そんな・・・ バ・・・!」

よろよろと後方に後ずさるシャフト。
その動きがピタリと止まり、全身が痙攣し始める。

直後、シャフトの腹部を突き破りながら、竜の頭部が出現する。

それだけではない。
細胞が爆ぜ、シャフトの全身がパンケーキのように膨らむ。
山羊の頭が、蝙蝠の羽が、蠍の尾が、無数の目玉が、
膨らみ続けるシャフトの全身から、無秩序に獣の部位が出現していく。

司令塔である慎一の細胞を失った結果、シャフトが吸収した魔獣たちが暴走を始めていた。

「テメエ! 食い過ぎなんだよ!!」

暴走は収まるところ知らず、巨大な肉団子が箱舟の甲板を覆いつくさんと膨れ上がる・・・。

「おのれェエエエェェ ぼのレエエエェェ! ジンイヂッ
 ごのウえバ ぎザマもみヂづれにじでぐレるワアアアアアァァ!!!」

「往生際が悪いんだよお!! シャフト!!」

決着を付けるべく、慎一が体内の魔獣に総動員をかける。

―と、

『どきなさい! シンイチィ!!』

外からではなく、体内から響いてきた声に、慎一が思わず振り返る。
彼方から突っ込んでくるのは、真紅の彗星。


慎一は、男の残した手記を思い出す。
竜の羽衣は戦闘機ではない。 巨大ロボットの一部である・・・と

眼前に迫ってくるのは、まさにロボット。
二本の角に、亀甲模様のマスクを纏った、スーパーロボットの上半身―。

「一発勝負だ!! 気合を入れろ! 娘っ子ォ!!」
「わかってるわ!!」

眼前に出現したモニターを確認しながら、ルイズが右手のレバーを握る。

「ゲッタートマホークでたたきのめしてやるッ!!」

ルイズの咆哮に、ロボの両眼が激しく瞬いた・・・!



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