乱世は新しき王により静まり
偽りの教えを残し主の無き道をゆく
偽りの教えを残し主の無き道をゆく
戦士は心震わし再び剣を手に取り胸に一つの石を抱いた
消えゆく記憶をその剣に刻み
鍛えた技をその石に託す
物語は剣より語られ石に継がれる
今、その物語を語ろう...
消えゆく記憶をその剣に刻み
鍛えた技をその石に託す
物語は剣より語られ石に継がれる
今、その物語を語ろう...
不意に目の前に現れた光により青年は目を覚ました
ある理由により人里離れた山の中にいた男にとってその光はありえないものだ
咄嗟の反応で身構えるが目の前にある一枚の鏡に体が吸い込まれていく
咄嗟の反応で身構えるが目の前にある一枚の鏡に体が吸い込まれていく
「なっ、アルマっ!」
男は妹の名前を呼んだ
あまりに唐突 名前を呼ばれ目を覚ました妹の前にはすでに兄の姿はなかった
「ラムザお兄ちゃん?」
アルマと呼ばれた少年の呼びかけは無情にも夜の闇の中に消えていった
所かわって快晴の空
雲雀が鳴く声が突然の爆発音にかき消される
雲雀が鳴く声が突然の爆発音にかき消される
「なんだよゼロのルイズは召喚もまともにできないのか?」
「やっぱりゼロはゼロだな」
「やっぱりゼロはゼロだな」
同級生の野次とたちこめる煙の中でゼロと呼ばれた桃色髪の少女はうずくまっていた
「そんな…またなの……?」
この日行われたサモンサーヴァントの儀式は順調にすすみ残すところあと一人、ゼロのルイズと呼ばれた少女だけとなっていたのだが
「まて、煙の中になにかいるぞ」
煙の中から影が進んでくる
失敗したのかと思い失望の中にいた少女だったがその姿を認めると目を輝かせ大きな喜びと共に煙の晴れるのをまった
「っ…。…なんだ?」
煙の中から出てきたのは一人の青年であった
青年は突然のことに身構えている
その姿は素人のものではないということに元軍人である少女の教師、コルベールは気づいていた
その姿は素人のものではないということに元軍人である少女の教師、コルベールは気づいていた
「ゼロのルイズでもサモンサーヴァントはできるんだな!」
「しかしなんて爆発だ!これだからゼロは!」
「おい見ろよ!ゼロが呼び出したのは平民みたいだぞ!」
「しかしなんて爆発だ!これだからゼロは!」
「おい見ろよ!ゼロが呼び出したのは平民みたいだぞ!」
「静かにしろ!」
現れたのが人間であることわ認めた生徒達からまたもや野次が飛ぶ
しかしそれをコルベールは怒鳴り声で諌めた
しかしそれをコルベールは怒鳴り声で諌めた
しずまり返った中でコルベールは続ける
「ミスヴァリエール早く続けなさい」
「ミスヴァリエール早く続けなさい」
「は、はい!」
コルベールに急かされ少女が青年に歩みを向けた瞬間
青年はなにかつぶやいたかと思うと光と共に姿を消した
「え…?き、消えた!?」
突然のことに焦る一同
しかしコルベールとそれまで人垣の後ろで本を読んでいた小柄な青髪の少女はすぐさま行動に移った
しかしコルベールとそれまで人垣の後ろで本を読んでいた小柄な青髪の少女はすぐさま行動に移った
「ミスヴァリエール!ついてきなさい!」
「え…?あ、はい!!」
普段おとなしいコルベールの機敏な行動と強い声に一瞬驚いたがルイズはコルベールのあとを追い走った
普段おとなしいコルベールの機敏な行動と強い声に一瞬驚いたがルイズはコルベールのあとを追い走った
コルベールと同時に動き出していた青髪の少女は自らの使い魔風竜にまたがり隣にいた赤髪の女が乗ったのを確認すると先回りをするため空を駆けた
あまりに唐突な展開にあとに残された生徒達は呆然としていた
一方姿を消した青年、ラムザも焦っていた
「なんだここは!?イヴァリースにこんなところあったか!?」
「なんだここは!?イヴァリースにこんなところあったか!?」
ラムザが身を潜めていた理由 それは彼が異端者として教会に追われていたからだ
それなのに突然寝ていた所に光る鏡のような物が現れ吸い込まれ気付いた時には大勢に囲まれていた
それなのに突然寝ていた所に光る鏡のような物が現れ吸い込まれ気付いた時には大勢に囲まれていた
殆ど子供ばかりであったがその姿を見られる訳にはいかないラムザはテレポを使いその場から逃げたのである
しかしテレポは短距離しか移動できない
すぐさま走りだしたラムザだったが目の前に翼竜が現れ足を止めることになった
すぐさま走りだしたラムザだったが目の前に翼竜が現れ足を止めることになった
「わ!わ!なんでどこにいるかわかったの?タバサ!?」
赤い髪の女にタバサと呼ばれた青髪少女は静かに答える
「風の流れが変わっていた」
「風の流れが変わっていた」
翼竜に目を奪われていたラムザだったが後ろからも人の気配を感じ振り返る
「そこの青年止まりなさい!私たちは君に危害を加えるつもりはない」
ラムザは頭の禿上がった男が何か言っているのは分かったが何といったのかはわからなかった
「なんだって?どこの言葉だ?やはりここはイヴァリースじゃないのか!?」
ラムザの話す言葉を聞き言葉が通じないと悟った禿上がった男、もといコルベールはまたもや逃げ出そうとする少年に対し手を広げてみせた
「私たちは敵じゃな…」
「私たちは敵じゃな…」
そう言いかけた瞬間コルベールは見たくないものをみてしまった
青年の後ろにいる赤髪の女が呪文を唱え火球を青年めがけてとばしていたのだ
「あぶな…」
コルベールが言葉をいいおわらないうちに火球は放たれた
青年は咄嗟にそれをよけたが目標物に当たらなかった火球は地面をえぐりまたもや辺りは土煙に覆われた
「ヴァリエール今よ!」
赤髪の女の声に反応しルイズは駆け出した
「ヴァリエール今よ!」
赤髪の女の声に反応しルイズは駆け出した
なんだ今の魔法は?ファイア?いや違う みたことのない魔法だ
土煙の中未知の事象に気を取られていたラムザは前に迫る影に対して一瞬反応がおくれてしまった
土煙の中未知の事象に気を取られていたラムザは前に迫る影に対して一瞬反応がおくれてしまった
気付いた時にはラムザは桃色の髪の少女に押し倒されキスをされていた
「な、なんだ!?」
馬乗りになっていた少女が離れるとラムザは左手に焼け付くような痛みを覚えた
「く!なんだ!?」
馬乗りになっていた少女が離れるとラムザは左手に焼け付くような痛みを覚えた
「く!なんだ!?」
「ルーンが刻まれてるだけでしょう!すぐ治まるわ!それよりね!私初めてだったんだから!平民が貴族にこんなことしてもらうなんてありがたいと思いなさいよ!」
「平民?誰が…」
ラムザはイヴァリースの武門ベオルブ家の人間だ 一瞬平民と呼ばれた事に対して反発をみせたがそのベオルブ家の人間も自分と妹を残すだけとなりその自分達も死んだこととなっているためベオルブの名を語ることを危険と考え黙り込んだ
「あら?平民じゃないっていうの?」
「ヴァリエールさっきの消えたのは先住魔法じゃないの?その人は平民じゃないんじゃない?」
赤髪の言葉にルイズは顔をひきつらせた
「せ、先住?じ、じゃあエル…」
「先住魔法?よくわからないが言葉が通じるようだな、ここはどこだ?君たちは教会側の人間か?」
「先住魔法?よくわからないが言葉が通じるようだな、ここはどこだ?君たちは教会側の人間か?」
ルイズの言葉を遮るようにラムザは聞いた
「言葉が通じる…これはルーンの効果かな?珍しいルーンだ少しスケッチをとらせてもらうよ」
さっきまでの険しい雰囲気から一転コルベールはいつも通りのおとなしいハゲチャビンに戻っていた
さっきまでの険しい雰囲気から一転コルベールはいつも通りのおとなしいハゲチャビンに戻っていた
「ミスタコルベール!相手は先住魔法らしきものを使うんですよ!危険です!」
「もうルーンが刻まれているきっと大丈夫だよミスツェルスプトー。ところで君はどこからきたのかな?」
ツェルスプトーと呼ばれた赤髪の注意を受け流したコルベールはラムザに声をかけた
ツェルスプトーと呼ばれた赤髪の注意を受け流したコルベールはラムザに声をかけた
「それより先に僕の質問に答えてくれ!」
「ここはトリステイン魔法学校、私はここで教師をしているコルベールだ。教会側…というのはわからないがここには教会といえども簡単に立ち入ってはこれないはずだ」
「トリステイン…?ここはイヴァリースじゃないんだな?」
「イヴァリース?よくわからないが君はそこの出身なのかい?君、名前は?」
一瞬躊躇したがラムザはベオルブの名前に誇りをもっていた、イヴァリースじゃないということがわかると正直に自分の名前を言った
「ラムザ。ラムザベオルブだ」
「ラムザ君、でいいのかな?あぁとりあえず生徒達を残してきてしまった一度戻るよ」
ラムザとの会話を一旦きりコルベールは杖を取り出すとなにか呟き飛んでいってしまった
その後に続き翼竜に乗っていた二人もいってしまった
その後に続き翼竜に乗っていた二人もいってしまった
「レビテト…彼は時魔導師なのか?」
「時魔導師?なにそれ?コルベール先生は炎のトライアングルメイジよ、私はルイズ、ルイズ・フランソワーズ・ド・ラ・ヴァリエール。あなたのご主人様よ」
「は?」
第一話end