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異世界BASARA-41


ラ・ロシェールに向かう道を、ルイズ達は馬で走っている。
とは言っても、馬に乗っているのは幸村、ギーシュ、氏政の3人で、ルイズはワルドのグリフォンに乗っていた。

「も、もう半日も走りっぱなしだ……どうなっているんだ……」
ギーシュは馬に体を預けたまま、1人呟いた。
「どうしたギーシュ殿!この程度で音を上げるとは!」
隣で走っている幸村が、ギーシュに激を飛ばす。
既に疲れ果てているギーシュと違い、幸村はまだまだ余裕という感じであった。

次にもう一方の、並んで走っている氏政に目をやる。
彼の顔は余裕というより、鬼気迫るような顔になっていた。
そしてその恐ろしい顔でワルドの背中を見ている。

「ぬぬぬぬぬぬ……許さん……許さんぞ、よくもわしの可愛いケティを……」

どうやら、今朝の一件の事を根に持っているようだ。
いきなり現れたワルドに、一瞬でケティの心を奪われたのがどうにも我慢できないようである。
気分は『可愛い孫を何処の馬の骨とも分からん男にぶん取られた』という感じか……



(あんな訳の分からん髭面の男に、ケティはやらんぞおおおぉぉぉいっっ!!)
氏政は心の中で叫ぶと、馬の速度をさらに上げた。
お前だって髭が生えているだろうに……



「……か、彼等は化け物か?」
ギーシュはぐったりしながら、またポツリと呟いた。



幸村は魔法学院を出発してから、ルイズを見る度に気が気でなかった。
「どうしたい相棒?随分と穏やかじゃねぇな?」
そんな幸村の様子を見て、背中のデルフリンガーが声を掛けてきた。
「ルイズ殿とワルド殿、結婚はいささか早過ぎではござらぬか?ルイズ殿はまだ子供であるぞ?」
「あん?娘っ子はもう16だろ?それなら結婚できる年齢じゃねぇか?」
「そうは言うが……ぬぉっ!?」

幸村は何か言おうとしたが、ワルドの手がルイズの肩に触れたのを見てまた騒ぎ出した。
一頻り騒ぐと、幸村は静かになる。そこを見計らってデルフリンガーが喋り始めた。
「相棒、結婚して子作りすんのが人間ってやつだろ?まさか赤ん坊がどうやって出来るか知らないのか?」


「何を言っている、子供とは気合を込めれば天から授けられるのだろう?」
「………は???」


デルフリンガーは、自分の使い手が何を言っているのか理解出来なかった。
「拙者もいつかは気合を込めて子を授かるが……ルイズ殿ではまだ子を育てられんだろう?」
幸村は、子供とは気合を込める事で神様が授けてくれるものだと思っているらしい。
で、自分はまだ未熟だから呼べない。ルイズならば尚更だと、そういう事のようだ。


(……ダ、ダメだこの相棒……早く何とかしねぇと……)


背中のデルフリンガーは、自分の使い手であるガンダールヴの将来がとても不安になった。



「凄いな君の使い魔は。これなら今日中にラ・ロシェールに着きそうだ」
グリフォンに跨ったワルドが未だ疲れを見せない幸村を見て感心した声を出す。
「でも、少しペースが速くない?ユキムラは平気そうだけど、ギーシュがへばっているわ」
ワルドは一番遅れているギーシュを見る。
ギーシュは半ば倒れるような格好で馬にしがみついており、今にも落馬しそうである。
「ふむ……できれば港町まで止まらずに行きたいのだが……」
「馬で2日かかる距離よ?ユキムラの馬だって疲れてきているわ」

ルイズはさらに続ける。
「それにあいつ馬鹿だから『馬がダメなら自分の足で走るまで』とか言うかも……」
「やけに彼の肩を持つね。ひょっとして恋人かい?」
ワルドは笑いながら言った。
「そそそそんなんじゃないわよ!た…只、使い魔を置いて行くなんてメイジのする事じゃないから……」
ルイズは顔を真っ赤にして反論するが、次第にモゴモゴと口篭もっていった。
しかしワルドはそれ以上追及せず、そうか……と言って納得してくれた。

朝からずっと飛ばしてきた甲斐あって、遂にラ・ロシェールの入り口が見えてくる。
「皆!ラ・ロシェールの入り口が見えて来たぞ!」
ワルドが後ろの3人に告げた。

その瞬間、ワルドの横を猛スピードで何かが翔け抜けて行った。

「ひょーーーーーっひょっひょっひょっっ!!!!」
氏政だ、氏政が笑いながらワルド達を追い抜いて行ったのである。
「ひょっひょっひょっ!わしじゃわしじゃあ!わしが一番乗りじゃああぁ!!!!」
「ま……待って……主人を置いて行く使い魔がいるか……」
ギーシュは息も絶え絶えになりながらも、何とか氏政を止めようとする。


正にその時だった。

有頂天の氏政に向かって松明が降り注いだのは。



「し、しえええぇぇぇぇぇぇぇ~~~~~!!!!!!」


いきなり飛んできた松明の炎に馬は驚き、その勢いで氏政は馬から放り出された。
そこを狙って、今度は何本もの矢が放たれた。
「ひぃっ!!」
氏政は情けない悲鳴を上げて顔を手で覆う。
ところが、矢は彼に届く事はなかった。
小型の竜巻が発生し、放たれた矢を明後日の方向に吹き飛ばしたのである。
「大丈夫か!?」
尻餅をついている氏政にワルドが声をかける。さっきの竜巻は、彼の魔法だったのだ。

「な、何だ?奇襲か!?」
氏政が襲われたのを見て、ギーシュが喚いている。
「おのれ……奇襲とは卑怯な!」
幸村は背負っているデルフリンガーと槍を掴むと、崖の上へ駆け上がろうとした。

……ゴゴゴゴゴゴ……

しかし……そこに聞いた事のある音が響き渡る。
これを聞いた幸村は、ハッとして崖の上を見上げた。

「うわあああぁぁぁぁ!!!ボボボ……ボブだ!夜明けのボブだあぁぁ~!!」

次に聞こえてきたのは悲鳴。
さらに、竜巻が巻き起こったかと思うと、崖の上から弓を射っていた男達が転がり落ちてきた。

―――この地響きみたいな音、それに“ボブ”ってまさか―――

ルイズがある使い魔の名前と姿を頭に浮かべたその時。
昇り始めた月をバックにして、見慣れた巨人の影が浮かび上がった。



「タダカツ!?」
「おお!やはり忠勝殿でござったか!」
それはルイズの予想した通り、タバサの使い魔のボブ……改め本田忠勝であった。
忠勝は地面に降りて来ると、その肩から赤い髪の女性と、裸の男が飛び降りてくる。

「お待たせ♪」
「皆大丈夫かぁ!?助太刀に来たぞぉ~!」

女性は赤い髪をかきあげ、男は大振りな三叉槍を振り回して叫ぶ。
キュルケと前田利家だった。
2人の姿を見たルイズはワルドのグリフォンから降り、ツカツカとキュルケ……
……ではなく利家の方に向かって行き、首根っこを引っ掴んだ。
「あんた喋ったわね?キュルケには言うなって言ったのに……約束を破ったわね!」
ルイズは怒りで体を震わせながら利家の首を絞め上げる。
「だ……だって飯抜きにするってキュルケ殿が!ぐ、ぐぇ……」
「そこら辺の動物でも捕まえて食べればいいでしょうがぁーっ!!」

「子爵、あいつ等はただの物取りだと言っていますが」
「そうか、なら捨て置こう」
尋問を済ませたギーシュの言葉を聞いて、ワルドはグリフォンに跨る。
男達はキュルケやタバサに罵声を浴びせていたが、忠勝が一睨みするとすぐ静かになった。
「今日は宿で一泊しよう。明日、朝一番の便でアルビオンに渡るぞ」
ワルドはルイズと一緒にグリフォンに跨り、幸村やギーシュも馬に乗る。
氏政は悔しそうにワルドを見ていたが、彼等が走り出したのを見ると、馬に乗って後を追い始めた。



「……な、なぁ……あいつって夜明けのボブだろ?」
「あれ?俺は死神ボブって聞いたんだが……」
「俺はボブ・ザ・アイアンマンと……」
残された男達が、去っていく一行を見ながら口々に呟いていた。



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