あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロテリ9(後編)

『悪夢よ!現世に感染せよ!』
その言葉と共に、さっきまで自分達がいた廃屋が崩壊する。
そしてその直後50メイル以上はある巨大な金色の神のまがい物-レガシー・オブ・ゴールド-が具現化した。

「な、なんなのよ、あれは・・・」
キュルケは顔を真っ青にしながら呟く。
「どうやら、鬼械神(デウス・マキナ)の形を取ったようだな」
「で、でうす・まきな?」
「機械の神。鋼を纏う神。神の模造品。
他にも様々な定義があるが、今のあやつの場合は、自身の存在をより強固なものにするための詩のようだな」
「か、神様なの?あれが!?」
ペルデュラボーの解説に、更なる悲鳴を上げるキュルケ。
「あんなにでかい上に神様だなんて・・・。は、早く逃げなきゃ!!」
「退却」
そう言い、その場から逃げ出そうとするが、あることに気づく。

「なにやってるのよ、ルイズ!早く逃げるわよ!」
が、ルイズはその場から動こうとしない。それどころから、とんでもないことを口に出す。
「イヤよ、わたしは逃げない」
「なに馬鹿な事言ってるの!早く逃げないと殺されちゃうのよ!!」
「どうせあいつは、わたしを捕まえるために追いかけてくる。それに、何にも出来てないのに逃げ出すなんて絶対にイヤ!!」
ルイズが自分の心を叫ぶ。
「このまま逃げたら、きっとわたしは一生『ゼロのルイズ』のまま。そんなの絶対にイヤなのよ!」
「そ、そんなもん言わせておけばいいじゃない!ここで死んじゃったら元も子もないのよ。」
「わたしは貴族よ。魔法が使える者を貴族と呼ぶんじゃない。敵に後ろを見せない者を貴族と呼ぶのよ!」
自身の杖を強く握り締め、自身の想いを叫ぶ。

しかし、邪悪な『音』がその想いを汚さんとする。
『別れの言葉は済んだようだな。ならば我が復活の贄となってもらおうか』
そして、醜悪な笑い声と共に破滅の光が彼女たちを飲み込まんと奔流する。
『ふはははは。おとなしく私に従っていれば、もう少しは生きながらえることができたものを・・・なに!?』


金色の巨体が放った光は、彼女たちを飲み込む前にペルデュラボーの結界に衝突・消滅していた。
「よくぞ吼えた。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。それでこそ、余をこの世界に召喚した者だ」
ペルデュラボーは愉快そうに続ける。
「その強い想い。使い魔である以上、実現させなくてはないかんな」
彼は呼ぶ、自身の魔道書(パートナー)の名を。
「来い。エセルドレーダ!!」
-イエス、マスター。
その呟きと同時に、彼の懐から紙ふぶきが舞う。舞う。舞う。
紙ふぶきが晴れると一人の少女が彼の傍らに立っていた。
そして彼らは謡う。彼らの聖句を。

「「機神召喚!鬼械神(デウス・マキナ)、リベル・レギス!!」」

この世界に、ルイズのための"ご都合主義"が召喚された。

『なんと!鬼械神だと!?』
「では始めるとしようか。闘争のワルツを」

「ダ、ダーリンもあのでっかいのを召喚した・・・」
唖然とする三人。そしてそこに、声が響く。
「なにをボーっとしているのですか」
「! あなたはさっきの」
声のしたほうを見ると、先ほど突然現れた少女-エセルドレーダ-が立っていた。
「マスターからの伝言です。『鬼械神は余が引き受ける。その間に貴公たちはヤツの本体を狙え』だそうです」
「本体?」
「あの鬼械神は、-酷い雑音-が喚び出した分身。あれの本体は、まだ指輪に封印されたままです」
「つまり、フーケの付けていた指輪を壊せばいいのね?」
「そうです」
「ちょ、ちょっとルイズ」
「言っておくけど、止めたって止まらないからね」
ルイズの頑固っぷりを、キュルケは改めて確認する。
「・・・はぁ。どうせ止めたって無駄なことくらい分かっていたわよ。いいわ、どうせ乗りかかった船だし。手伝ってあげる」
「え?」
「あなた一人じゃ危なっかしいのよ」
「心配」
ルイズの顔に朱が走る。
「・・・べ、別に嬉しいわけじゃないからね」
ボロを出しているのに気づいていないようだ。
「話が纏まったようですので、私はマスターの元へ行きます。それとあなた」
エセルがルイズを指差す。
「あなたには後で話があります。絶対に死なないように」
そう言うと、その場から姿を消した。


紅い模造神がハルケギニアの空を舞う。金色の模造神を狩るために。
金色の模造神が光を放つ。自身の邪魔をする紅い模造神を消すために。

『どうした。この私を倒すのではなかったのか?』
その『音』と共に光線がリベル・レギスを撫でる。
「まだウォーミングアップが終わっていないのでな。それに、今は貴公の場局(ターン)だ」
『ほざけ虫けらが。未来永劫、貴様には場局(ターン)は回らんわ!』
怒涛の光線がリベル・レギスを襲う。
が、かすりはするものの直撃は一切ない。
『ふはははは。動きが鈍いぞ!』

「ふむ、やはり魔道書無しではこのようなものか」
ペルデュラボーが呟くのと、ほぼ時を同じくしてエセルがコクピット内に現れる。
「遅くなりました。マスター」
「よい。では、今度はこちらの番だ」
ペルデュラボーの動きに合わせ、リベル・レギスが右腕をレガシー・オブ・ゴールドにかざし、魔法陣を形成する。
「ン・カイの闇よ」
暗黒の地下世界から喚び出された闇が、攻撃を防ぐ障壁ごと敵を打ち抜く。
『ば、馬鹿な!私に直撃を当てるだと!?』
邪神の焦りの『音』が響く。

「先に、貴公の敗因を伝えておこう」
鋼の拳が邪神を後方へ吹き飛ばす。
「まず一つ目は、鬼械神の形態を取った事だ」
続いて蹴り上げる。
「鬼械神は人神書が三位一体となってこそ、初めてその真の力を発揮できるのだ」
リベル・レギスの放つ光が邪神を貫く。
「そして二つ目だ。貴公は彼女たちを侮りすぎた」
そして、絶対零度の必殺技を構える。
「これで終演だ。アウグストゥスの亡霊よ」
リベル・レギスの右腕が白く輝く。
「「ハイパーボリア・ゼロドライブ!!」」
右腕から発せられる絶対零度の結界がレガシー・オブ・ゴールドを包み込み、それを消滅させた。


時を少し遡る。


(馬鹿な!なぜこうも計画が、私の復活が妨害されるのだ!!)
邪神は焦っていた。
曲がりなりにも神の一柱である自身が、人間に追い詰められていたから。
その焦りのせいだろう。自身を狙う三人の少女に気づかなかったのは。

「ファイアーボール!」「ウィンド・ブレイク」
キュルケの炎が、タバサの暴風が炸裂し、フーケの肉体がその場から吹き飛ばされる。
『な、なんだと!?』
目の前には自身の復活に必要な贄が-虚無の魔力を持つ少女-立っていた。
「これで、終わりよ!!」
本来ならば避けられたはずであった。
しかし、このフーケの身体の"本来の持ち主"のささやかな復讐がそれを阻む。
『ば、ばかなぁあぁぁぁあああああああああああああ!!』
爆発が絶叫を、指輪を、フーケの肉体を飲み込み、消滅させる。

これは奇しくもリベル・レギスが必殺の右腕を繰り出すのと同じタイミングであった。

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