あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロのアトリエ-07


心配そうに二人を見守るヴェルダンデ。
そこから正三角形を描くように対峙するギーシュと、ヴィオラート。
ルイズがヴェルダンデの鳴き声に気付いた時には、既に周りを生徒達が取り囲んでいた。
「ヴィオラート!」
ルイズの声に反応し、人垣が通路を作る。
「何で、あんた決闘なんか…ギーシュも、女の子と決闘なんて何考えてんの!?」
「ミス・ヴァリエール。男には絶対に引けない時ってものがあるのさ。」
「ルイズちゃん…ごめんね。あたし、努力しないで後悔するのは嫌だから。」
二人はそれだけ答えると、ルイズの到着を合図にしていたかのように動き始める。
「ああもう! 使い魔のくせに、ちっとも私の思うとおりに動かないんだから!」
ルイズは、諦めの言葉を吐いた。
ヴィオラートなら何とかするだろう、そう思ったから。


ゼロのアトリエ ~ハルケギニアの錬金術師7~


「僕はメイジだ。だから魔法で戦う。よもや文句はあるまいね?」
創り出した『ワルキューレ』の後方で、自信満々に宣言するギーシュ。
だが、ヴィオラートの反応はギーシュの、いや集まったギャラリー全員にとって予想外のものだった。
「かわいいゴーレムだね。」
「なっ…!! このうえ、僕のワルキューレを愚弄するか!」
かわいいゴーレムと言い放ったヴィオラートの言葉に、周囲の空気が変わる。
数々の石人ゴーレムや、鉄人ゴーレム…金剛ゴーレムまで屠ってきたヴィオラートにしてみれば、実に自然な、むしろ好意的な評価であったのだが…ギーシュ達が、その事実を知るよしもない。
「かわいそうだが、痛い目にあわないと理解できない性分のようだね。」
ヴィオラートに向けてそう言い放つと、ギーシュはワルキューレを突進させる。

「あたしは、錬金術師だから。」
ヴィオラートはバッグからトゲだらけの何かを取り出し、ワルキューレに狙いを定める。
「錬金術師の戦いを、見せてあげるね。」
ヴィオラートの額のルーンが、輝きを放ち始めていた。


所変わって、ここは学院長室。コルベールの長い長い説明が、ようやく山場を迎えたようだ。
「つまり、あの使い魔は、始祖ブリミルの…何じゃったかな?」
「『ミョズニトニルン』です! このルーンはミョズニトニルンの証に他なりません!」
コルベールは、禿頭に光る汗を拭きながらまくし立てた。
「ふむ、確かにルーンは同じじゃ。しかし、それだけで決め付けるのも早計かもしれん。」
「それは…そうですが。」
コルベールもようやくオスマンとの温度差を感じたのか、学院長室に微妙な空気が流れる。
ちょうどその時、ドアがノックされた。
「誰じゃ?」
「私です。オールド・オスマン。」
扉の向こうから、ミス・ロングビルの声が聞こえてきた。
「ヴェストリの広場で、決闘している生徒がいるようです。」
「全く、暇な貴族ほど性質の悪い生き物はおらんな。で、誰が暴れておるんだね。」
「一人は、ギーシュ・ド・グラモン。」
「あのバカ息子か。親に似て女好きな奴じゃ、どうせ女の取り合いじゃろ。相手は誰じゃ?」
「それが、メイジではなく…ミス・ヴァリエールの使い魔だという話で…」
オスマン氏とコルベールは顔を見合わせた。
「教師達は、決闘を止める為に『眠りの鐘』の使用許可を求めています。」
オスマン氏の目が、鷹の様に鋭く光った。
「ふん、子供のけんかじゃ。放っておけと伝えよ。」
「わかりました」
ミス・ロングビルが去っていく足音が聞こえた。
「オールド・オスマン。」
「うむ。」
オスマン氏が杖を振ると、壁の鏡にヴェストリ広場の様子が映し出された。


ヴィオラートは驚いていた。ウニを持った瞬間、ウニの成分・能力・産地までもが手に取るように判った。
そしてまるで、ウニが体の一部、手の延長にでもなったかのような一体感。
「うにー!!」
ヴィオラートの叫びが、ヴェストリの広場に響き渡った。

(栗だ)
(栗だよな)
(くり。)
(それは栗だ)
(どう見ても栗だ)
(どちらかといえば栗だな)

その瞬間、ギャラリーの心が一つになる。

ウニと名づけられた何かが、迫るワルキューレに接触したその瞬間―――
ウニは、ワルキューレを巻き込んで大爆発し、ワルキューレごと粉みじんになった。
(ウニって、こんなに強かったっけ…)
ヴィオラートは、額のルーンに関係あるのかな? と、ほんの少し考えを巡らせた。
「ば、爆弾!? どこからそんなものを手に入れ…いや、決闘に爆弾を使うなど、卑怯…」
ギーシュの発言は、そこで止まった。ヴィオラートがほんの少し、真剣な顔に変わったから。
「言ったでしょ?あたしは錬金術師。これはあたしが自分のために、自分の力で用意したんだよ?」
ヴィオラートが一歩前に出る。ギーシュが一歩下がる。
「ギーシュくんも、冷静になって、ちゃんとお話できれば、誤解だってわかると思うんだけどなあ。」
ヴィオラートは歩を止め、あくまでも穏やかな笑顔でギーシュに語りかける。努力のあとは認められるが、意識して穏やかな笑顔を作っているというのがまるわかりな、威圧感たっぷりの笑顔で。
「ね? お話を聞いて?」

「く、来るな!」
ギーシュは慌てて薔薇を振る。花びらが舞い、新たなゴーレムが六体あらわれる。
「どうして、わかってくれないのかな…」
ヴィオラートは哀しげにそう呟き、バッグの中から渦巻状のハーモニカを取り出す。
「あんまりはりきりすぎると、こうなるんだよ…ギーシュくん。」
額のルーンが輝きを増し、渦巻状のハーモニカが不思議な旋律を奏でる。
「あ…れ…? こんな、ちかりゃが、はいらにゃ…」
まるで心そのものを削られたかのように、ギーシュは脱力し、地面に倒れ伏す。
広場に、歓声が轟いた。



オスマン氏とコルベールは、遠見の鏡で一部始終を見終えると、顔を見合わせた。
「オールド・オスマン。」
「うむ」
「あの平民、勝ってしまいましたが。」
「うむ」
「見ましたよね!? 不思議な道具を使いこなす、これぞミョズニトニルンの証ではありませんか!」
「うむむ…」
「オールド・オスマン! 早速王室に報告して、指示を仰がないことには…」
「それには及ばん」
オスマン氏は、重々しく頷いた。白いひげが、厳しく揺れた。
「どうしてですか!? これは世紀の大発見ですよ? 現代に蘇ったミョズニトニルン!」
「ミスタ・コルベール。大発見だからこそ、慎重にならねばならん。」
「はあ」
「王室のボンクラどもに過分の力を与えて、どうしようというのだね? 戦争でもしようと言うのか?」
「そ、それは…」
「そしてまあ、間違いの可能性もまだ無いとはいえん。報告するにしても、拙速に過ぎる。」
「ははあ。学院長の深謀遠慮には恐れ入ります。」
「この件はわしが預かる。他言は無用じゃ。」
「は、はい! かしこまりました!」
オスマン氏は杖を握ると窓際へと向かった。歴史の彼方へと、思いを馳せる。
「伝説の使い魔『ミョズニトニルン』か。どんな姿をしておったのかのう…」
夢見るように、そう呟いた。



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