あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロのしもべ3


「ふむ、珍しいルーンだな。」
差し出した左手を覗き込んで、コルベールという教師が呟く。
珍しいと聞いてさもあらんとその場にいた人間は頷いた。一方はバビル2世であり、仮にも宇宙人の血を引いている以上、
普通のものがでなくても『それほどおかしくはない』と考えた。もう一方はそれ以外の面々であり、『平民の使い魔だしな』
というものであった。もっとも後者は正確には『ルイズが呼び出せたんだしそうだよね』というものがほとんど混じっていた。
「コントラクト・サーヴァントはちゃんとできているし、安心しなさい。おめでとう。」
ありがとうございます、と謝辞を述べるルイズ。
「さて、じゃあみんな教室に戻るぞ」
促すと、コルベールはじめルイズ以外の全員がふわりと宙に浮かぶ。使い魔も例外ではない。
ルイズが飛べないことを口々に囃しながら飛ぶ面々。
『フライ、というのか。』
考えればぼくは空を飛べないな。
その面では魔法のほうが少なくとも上である。が、速度自体は自分が走ったほうが早い。高さもジャンプしたほうがより高く跳べる。それに良く考えれば
念動力(サイコネキシス)を使えば自分を浮かばせることができる。ただし、これは力を使うのであまり進められない。
今までの会話からも、テレパシーからもわかることだが、ルイズは当然飛べないようであった。しかたなくとぼとぼと歩き出す。
自分が抱えて走ればおそらくあっという間に着くだろう。だが、どこが教室か知らないし、能力は隠しておくべきだ。万が一だが、
ここがヨミのつくったなにかの罠である可能性は否定できないのだから。
『ロプロスがいればあっという間に着くんだろうがな。』
自分を助けるために囮となり、水爆で消滅した空のしもべを思い浮かべる。
『ロプロス、ぼくはここだ。ここにいるぞ。』
思わず呼びかけてしまう。世界が違う上、破壊されたロプロスがやってくるはずがないとわかっていながら。
『そういえば、ロデムとポセイドンはどこへいったんだろう?』
あの召喚魔法が人間にしか効かないのならば、しもべは2つとも元の世界にいるはずであろう。だが服はこの通り一緒にやってきている。しかし―――
「一緒に現れなかった以上、こちらには来ていないと考えるのが妥当か。」
「ちょっと」
「?」
ルイズがこちらを向いて、ジッと見ている。


「さっきから何をブツブツ言ってるのよ。何よ、ロデムだのロプロスだのポセイドンって」
どうやら声に出してしまっていたらしい。
「ぼくの頼もしい……仲間さ」
しもべ、と言おうとして仲間と言い直す。しもべ、と言うと身分制度があるらしいこの世界、なにか誤解されかねない。
「仲間ね。ビッグ・ファイアのいた田舎ってそんな変わった名前ばっかりだったの?」
じろじろとこちらをつま先から頭のてっぺんまで見てから
「変わった格好しているものね。よほどの田舎から来たのね。」
自己完結してうんうんと頷く。今は勝手に納得させておくほうがいいだろう。信用を経てから、事情を話したほうが
親身に協力してくれるはずだ。
「ええ、すごく遠いところから来ました……って、あれ?」
目の錯覚かと思った。
月が2つ、まだ明るい空に浮かんでいたのだ。しかもかなり大きい。
「月が……2つ?」
月は確か自身の公転で地球の自転とバランスを取り、地軸のふらつきを押さえていたはずだ。それが2つもあればこの世界、
気象は安定せず生物が住める環境ではないはずだ。
だが、現実として彼らはここにいる。
そして魔法がある。あの月がなにか関係している可能性も否定できない。
大きさの問題か。大きさがちょうど地軸の安定に役立っているのか。
「何よ。月が2つあるのは当たり前じゃない。まさか月が3つだったり、4つだったりする田舎から来たっていうの?」
「いや。そんなことはない。」
1つしかないのだから、どちらも間違いだ。
「ならいいじゃないの、早く帰るわよ!」
月が二つというのはある意味で衝撃だった。いくらヨミでも、わざわざ月を二つにするというディティールに凝るとは思えない。
いや、逆に異世界感を強める働きがあるのだから、やはりこれはヨミの罠なのか?
もしヨミの罠だとすれば……まだ生きているというのだろうか。
バビル2世は不安と、同じくらいの喜びを感じていた。


一方そのころ、アルビオン大陸の雲に覆われた一角が大きく盛り上がったかと思うと、雲を蹴散らしなにかが飛び出していた。
飛び出した何かはあっという間に音速を超え、いずこへともなく飛び去った。
この謎の事件によって大陸全体を地震が襲い、地震になれないアルビオンの民が一種の恐慌状態に陥りかけたという。


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