level-10「港町」
一行の前に現れた男は『グリフォン隊隊長、ワルド子爵』と名乗った、それを聞いたギーシュは押し黙ってしまった
その男が名乗ったグリフォン隊と言えばトリステイン魔法衛士隊の一つ
若い男子ならばその黒マント姿に一度は憧れ、その花嫁になることを望む女性も多いという
勿論、成ろうと思って成れるほど容易くは無い
第一に高い実力を要求され、第二にグリフォンを乗りこなす騎乗技量を求められる
両方を揃え持つ者がグリフォン隊に選ばれ、入隊できるエリート部隊
そのエリート部隊を束ねる隊長職は更なる実力を要しなければ成らない
その男が名乗ったグリフォン隊と言えばトリステイン魔法衛士隊の一つ
若い男子ならばその黒マント姿に一度は憧れ、その花嫁になることを望む女性も多いという
勿論、成ろうと思って成れるほど容易くは無い
第一に高い実力を要求され、第二にグリフォンを乗りこなす騎乗技量を求められる
両方を揃え持つ者がグリフォン隊に選ばれ、入隊できるエリート部隊
そのエリート部隊を束ねる隊長職は更なる実力を要しなければ成らない
「つまり、ワルド子爵はエリート中のエリートと言う訳さ!」
などと、まるで自分のことの様に語るギーシュ
「ははは、そう褒めないでくれ」
「いえ、事実を言ってるだけですよ」
「いえ、事実を言ってるだけですよ」
ハハハハハと互いに笑いあう二人、そんな中、ルイズとモンモランシーはワルドだけを見て軽く頬を染めている
理由は簡単、ワルドが美形だからだ
高い実力があり、誰もが憧れる職に付き、尚且つ美形
どう考えても前途有望な人物を気に掛けない人など居ない
ギーシュも美形、美少年なのだが、何と言うか『安心感』が無い
所謂、そのまま『大人と子供』と言うことだった
理由は簡単、ワルドが美形だからだ
高い実力があり、誰もが憧れる職に付き、尚且つ美形
どう考えても前途有望な人物を気に掛けない人など居ない
ギーシュも美形、美少年なのだが、何と言うか『安心感』が無い
所謂、そのまま『大人と子供』と言うことだった
「ルイズ、久しぶりだね」
「はい、お久しぶりでございます、ワルドさま」
「はい、お久しぶりでございます、ワルドさま」
ワルドはルイズを抱えあげる
「はは、君は昔と変わらず羽のように軽いね!」
ワルドとルイズのやり取りの後、3人に向き直り口を開く
「ルイズ、彼らを紹介してくれないか?」
「あ、はい! 『モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ』と『ギーシュ・ド・グラモン』と使い魔の『チーフ』です」
「あ、はい! 『モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ』と『ギーシュ・ド・グラモン』と使い魔の『チーフ』です」
ギーシュとモンモランシーは公式の挨拶、チーフは軽く頭を下げる
「ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド子爵だ、姫殿下から護衛に就くよう命じられた、よろしく頼む」
少しの不安があったアンリエッタは、マザリーニの覚えめでたいワルドへ一行について行くようにと命じたと言う
「しかし、君がルイズの使い魔かい? 人とは思わなかった、それにかなり大きいな」
ワルドの身長でさえ見上げるほどの差がある、体格も関してワルドより一回りはある
「ぼくの婚約者がお世話になっているよ」
「いえ」
「君が使い魔なら大抵のことから、ルイズを守ってくれるだろうね」
「いえ」
「君が使い魔なら大抵のことから、ルイズを守ってくれるだろうね」
ニッコリと笑い、チーフの肩を叩く
振り返り、ワルドが口笛を吹くと、朝もやの中から一匹の獣が現れる
グリフォンと呼ばれる鷲の頭と獅子の体、大きな翼が付いた幻獣だ
グリフォンに跨ると、ルイズを手招きする
振り返り、ワルドが口笛を吹くと、朝もやの中から一匹の獣が現れる
グリフォンと呼ばれる鷲の頭と獅子の体、大きな翼が付いた幻獣だ
グリフォンに跨ると、ルイズを手招きする
「おいで、ルイズ」
その言葉を聞いて、ルイズはワルドとチーフを交互に見つめた後俯いた
「どちらに乗るかはルイズが決めればいい、それに従う」
決めかねていたのを見て、ワルドがルイズを抱え上げ、グリフォンに乗せる
「では諸君、出撃だ!」
サーベル型の杖を空に掲げて、ワルドは叫んだ
軽快に空を飛ぶグリフォンと地を走るワートホグ、グリフォンにはワルドとルイズが
ワートホグにはチーフとモンモランシー、銃座にギーシュとヴェルダンデが乗っていた
ワートホグにはチーフとモンモランシー、銃座にギーシュとヴェルダンデが乗っていた
「さすがグリフォン、疲れ知らずな幻獣だ!」
瞳を輝かせるギーシュ、その言葉にモンモランシーが口答え
「そうね、ギーシュじゃ乗りこなせないわね」
「確かに、今は乗りこなせないかもしれないが、いずれ乗りこなしてみせる!」
「確かに、今は乗りこなせないかもしれないが、いずれ乗りこなしてみせる!」
かっこいいものを見る少年の瞳は一層輝いて、意気込んだ
「その暁にはモンモランシー、一緒に乗ってくれるかい?」
「ばッ!? 何言ってんのよ! ギーシュじゃ無理よ!!」
「ばッ!? 何言ってんのよ! ギーシュじゃ無理よ!!」
唐突なギーシュの言葉に顔を赤くしながらモンモランシーは喚いた
「約束するよ、必ず君をグリフォンに乗せてあげるさ!」
「……、期待しないで待ってるわ」
「……、期待しないで待ってるわ」
さらに赤くなるモンモランシー、ギーシュはその言葉を聴いて喜んでいた
一方、ワルドとルイズは昔話をしていた
「ルイズ、僕の父が戦死した時のことを覚えているかい?」
ルイズは頷く、ワルドの表情はとても悲しそうだった
「とても悔しかったよ、貴族として生まれ、魔法を扱う力がありながら誰も守れなくて、泣くほど悔しがったものだよ」
「だからかな、家を出た時に決めたんだ」
「なにを?」
「立派な貴族に、強いメイジとなって君を迎えに行くってね」
「冗談でしょ? ワルド、あなたもてるでしょうに、何も私なんかとの婚約を守るなんて……」
「君だからさ、君で無ければとうに反故していた」
「だからかな、家を出た時に決めたんだ」
「なにを?」
「立派な貴族に、強いメイジとなって君を迎えに行くってね」
「冗談でしょ? ワルド、あなたもてるでしょうに、何も私なんかとの婚約を守るなんて……」
「君だからさ、君で無ければとうに反故していた」
ワルドの真剣な瞳に、ルイズは顔を逸らす
「そんな……」
子供の頃に見た憧れ、今も憧れとして見れるが、「好きかどうか」となるとよくわからない
「僕のことが嫌いになったのかい?」
「嫌いなわけ無いじゃない」
「よかった、正直君に嫌われているかと思ったよ」
「嫌いなわけ無いじゃない」
「よかった、正直君に嫌われているかと思ったよ」
その言葉を聴いて、ルイズはどうすればいいか判らなくなった
「一緒に旅を続ければ、またあの頃の気持ちになるさ」
あの頃の気持ち、やはりワルドが好きかどうか分からない
ルイズは後ろに振り向き、ワートホグを見る
チーフが運転して、助手席のモンモランシーに銃座のギーシュが頻りに話しかけているのが分かる
ルイズは後ろに振り向き、ワートホグを見る
チーフが運転して、助手席のモンモランシーに銃座のギーシュが頻りに話しかけているのが分かる
「しかし、あの『じどうしゃ』と言うのはすごいな」
ワルドは釣られてワートホグを見て唸った
グリフォンの速度に、重鈍そうな鋼鉄の箱が離れず付いて来たのだ、驚嘆に値する
グリフォンの速度に、重鈍そうな鋼鉄の箱が離れず付いて来たのだ、驚嘆に値する
「ルイズ、君の使い魔は何者なんだい?」
「チーフは軍人だと言ってましたわ」
「ほう、軍人か、土くれのフーケを退治した実力、確かめたくなったよ」
「チーフは軍人だと言ってましたわ」
「ほう、軍人か、土くれのフーケを退治した実力、確かめたくなったよ」
ニッコリと笑うワルド、笑顔の奥には鋭い視線があった
「だ、ダメよそんなの!」
強く否定、如何にチーフがギーシュやタバサに勝ったとはいえ、ワルドとはレベルが違いすぎる
ギーシュはドット、タバサはトライアングル、そしてワルドは二人を上回る『スクウェア』
最上級のランクに位置する強力なメイジなのだ、どう考えても勝てないと思う反面
ギーシュとの決闘の時のように、予想を覆すかもしれないと思えた
ギーシュはドット、タバサはトライアングル、そしてワルドは二人を上回る『スクウェア』
最上級のランクに位置する強力なメイジなのだ、どう考えても勝てないと思う反面
ギーシュとの決闘の時のように、予想を覆すかもしれないと思えた
「はは、ただの手合わせだよ、こんなとこで怪我でもしたら任務に支障をきたすからね」
同じような笑顔、ワルドはただ笑っていた
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空中を疾走するグリフォンの体力は屈強で、既に6時間以上飛んでいる
それに見て追従するワートホグは淡々と動く機械である為、疲れなど無く高速で地面を走る
だが、乗り物は疲れなくても乗り手たちは疲れる
一行は休憩しようと、スピードを抑えた所に松明が投げ込まれ、ラ・ロシェールへの道先を塞いだ
それに見て追従するワートホグは淡々と動く機械である為、疲れなど無く高速で地面を走る
だが、乗り物は疲れなくても乗り手たちは疲れる
一行は休憩しようと、スピードを抑えた所に松明が投げ込まれ、ラ・ロシェールへの道先を塞いだ
「なんだ?」
ギーシュが疑問を口にした時にはハンドルが切られ、脇道に乗り上げる
「きゃあ!?」
「うわあ!?」
「うわあ!?」
瞬間、走っていた路の上に多数の矢が降り注いでいた
乗り上げた衝撃に悲鳴を上げる二人、飛び出そうになるのを踏ん張り耐える
チーフはデルフに手を掛け、ワートホグから飛び降りた
構えると同時に飛来した矢を悉くなぎ払う、モンモランシーとギーシュ、ヴェルダンデには一矢たりとも当たらない
乗り上げた衝撃に悲鳴を上げる二人、飛び出そうになるのを踏ん張り耐える
チーフはデルフに手を掛け、ワートホグから飛び降りた
構えると同時に飛来した矢を悉くなぎ払う、モンモランシーとギーシュ、ヴェルダンデには一矢たりとも当たらない
「き、奇襲だ!」
ギーシュが叫ぶと同時に、先ほどの倍以上の矢が飛んでくる
当たるものだけを叩き落そうと、もう一度デルフを構える
振り払おうとしたとき、小さな竜巻が目の前で起こり、矢が巻き込まれ在らぬ方向へと飛んでいく
当たるものだけを叩き落そうと、もう一度デルフを構える
振り払おうとしたとき、小さな竜巻が目の前で起こり、矢が巻き込まれ在らぬ方向へと飛んでいく
「大丈夫か!」
上空から杖を掲げたワルドの声が響く
それにチーフは頷く、矢が飛んできた崖の上を見るが矢が飛んでこない
それにチーフは頷く、矢が飛んできた崖の上を見るが矢が飛んでこない
「山賊か」
「も、もしかしたらアルビオン貴族の仕業かも……」
「も、もしかしたらアルビオン貴族の仕業かも……」
はっ! と気が付いたようにルイズが言うが
「いや、貴族なら弓矢など使わないだろう」
油断せず、チーフとワルドは得物を構えたまま
その時、崖の上から悲鳴が聞こえ始め、何かが転がり落ちてきた
その時、崖の上から悲鳴が聞こえ始め、何かが転がり落ちてきた
「ウ、グ……」
軽装のいかにもな男、肌には軽い切り傷が出来ていた
それを皮切りに、どんどん転がり落ちてくる男たち
それを皮切りに、どんどん転がり落ちてくる男たち
「な、なんだ?」
困惑するギーシュ、それに答えたのは大きな羽音だった
「シルフィード!?」
風竜に放たれる矢を悉く吹き飛ばし、その竜巻で男たちをなぎ倒していく
男たちの叫び声が消えたところで、シルフィードが降りてくる
男たちの叫び声が消えたところで、シルフィードが降りてくる
「はぁい、ルイズ」
シルフィードの背から降りてきたのは長い赤毛の少女
「キュルケ! 何しにきたのよ!」
「あら、存外な言い方ね、折角助けてあげたのに」
ルイズは兎も角、ギーシュとモンモランシーは「助かったよ」「そうね、助かったわ」と頷く
「朝方、貴女達が出かけるのを見て、すぐ追いかけたのにこんなに時間掛かっちゃったわよ」
「それにしても流石に速いわねぇ」と後に付け加えて言った
その後ろ、シルフィードの背中にはパジャマ姿のタバサ、おそらくはキュルケに無理やり起こされたのだろう
気にした様子も無く、座って本を読んでいた
その後ろ、シルフィードの背中にはパジャマ姿のタバサ、おそらくはキュルケに無理やり起こされたのだろう
気にした様子も無く、座って本を読んでいた
「あのね、これはお忍びなのよ?」
「お忍び? ただ追いかけてきただから知らないわよ、とにかく助けたんだから感謝しなさいよね」
「誰も助けてなんて言ってないでしょ!」
「もう、頑固ね! 貴女たちを襲った盗賊も捕まえたのに」
「ワルドさまとチーフが居れば、こんなやつらすぐ捕まえてたわよ!」
「はいはい、べつに貴女を助けたわけじゃないの、ねぇ?」
「お忍び? ただ追いかけてきただから知らないわよ、とにかく助けたんだから感謝しなさいよね」
「誰も助けてなんて言ってないでしょ!」
「もう、頑固ね! 貴女たちを襲った盗賊も捕まえたのに」
「ワルドさまとチーフが居れば、こんなやつらすぐ捕まえてたわよ!」
「はいはい、べつに貴女を助けたわけじゃないの、ねぇ?」
ワルドを見て一言、色を作り歩み寄る
「あー、助けは嬉しいがあまり近寄らないでくれたまえ」
「なぜ? どうして?」
「なぜ? どうして?」
キュルケが近づいてくるのを制止して、ルイズのほうを見る
「婚約者が誤解するといけないのでね」
「婚約者が誤解するといけないのでね」
それを聞いたルイズは頬を染める
「こ、婚約者!?」
キュルケが驚いた
勿論キュルケにも縁談が回ってくるが、まだまだ遊びたい盛りであり
回ってくる縁談相手の中に眼鏡に適う男が居なかった
勿論キュルケにも縁談が回ってくるが、まだまだ遊びたい盛りであり
回ってくる縁談相手の中に眼鏡に適う男が居なかった
「くっ!」
見た所、プライドが高いグリフォンを乗りこなすのは限られた人物
高い実力を持つ、グリフォンに認められた者しか跨げない
それにあの黒マントは魔法衛士隊のグリフォン隊のみが付けれる特別な物、誰もが憧れるトリステインの花形である
服装を見て、この男のレベルを理解した時、キュルケは驚愕した
高い実力を持つ、グリフォンに認められた者しか跨げない
それにあの黒マントは魔法衛士隊のグリフォン隊のみが付けれる特別な物、誰もが憧れるトリステインの花形である
服装を見て、この男のレベルを理解した時、キュルケは驚愕した
「そ、そんな!」
あのルイズに男の格で負けた! この『微熱』のキュルケが負けた!? いいじゃない、それなら彼以上の男を見つけてやろうじゃないの!
変な、いや、ツェルプストーとして正しい対抗心が猛烈に燃え上がっていた
変な、いや、ツェルプストーとして正しい対抗心が猛烈に燃え上がっていた
「ルイズ! 見てなさい!」
指差すキュルケにルイズは「はぁ?」と唸っていた
そこへ、襲ってきた男たちの尋問を終えたギーシュが戻ってくる
「子爵、あいつらただの物取りだと言ってます」
「……そうか、なら捨て置こう」
「……そうか、なら捨て置こう」
軽やかにグリフォンに跨るワルド、続いてルイズを素早く抱きかかえる
「今日はずっと休まずに着たから、休憩後ラ・ロシェールに着いたら、一泊してからアルビオンへ渡ろう」
そう言ってグリフォンが飛び上がる
「モンモランシー、私も乗りたいからもうちょっと詰めてちょうだい」
「分かったから押さないでよ!」
「分かったから押さないでよ!」
ギャアギャア言い合う二人、チーフはギーシュに聞いた
「本当に物取りだと言ったのか?」
「ああ、そう言ってたよ」
「ああ、そう言ってたよ」
「……そうか、港町まで後どれくらいか分かるか」
「うーん、結構走ってきたからもうすぐじゃないかな?」
「うーん、結構走ってきたからもうすぐじゃないかな?」
それを聞いてチーフはワルドに言った
「……車の調子が悪い、先に行っててくれ」
「大丈夫かい?」
「ああ、すぐに追いつく」
「それじゃあラ・ロシェールの宿『女神の杵』亭で合流しよう」
「大丈夫かい?」
「ああ、すぐに追いつく」
「それじゃあラ・ロシェールの宿『女神の杵』亭で合流しよう」
そう言って飛び上がるグリフォン、ルイズは何も言わず心配そうな視線を向けていた
「不調なのかい?」
「……、いや」
「……、いや」
その発言に三者三様の疑問、チーフはグリフォンを見送った後山賊たちを見た
縛られ動けない山賊へ歩み寄り、膝を付いて喋り掛ける
チーフのバイザーに男の顔が写りこんでいた
縛られ動けない山賊へ歩み寄り、膝を付いて喋り掛ける
チーフのバイザーに男の顔が写りこんでいた
「本当にただの物取りか?」
「ああ、そうだ」
「ああ、そうだ」
悔しげに言った男、それを聞いたチーフは足元に合ったチーフの拳大の石を掴む
「もう一度聞くぞ」
山賊と石を交互に見つめた後
「本当に、ただの物取りか?」
バゴンと音を立て、右手に持った石が握り潰され砕け散る
それを見た山賊たちの顔から血の気が引いた
それを見た山賊たちの顔から血の気が引いた
山賊に襲われる出来事があったとはいえ、普通ならば馬で2日掛かるところを8時間
半日も掛からず一行はラ・ロシェールの港町に到着した
4人は先ほどの光景を思い出す
チーフはギーシュがただの物取りと言った山賊たちにもう一度尋問をかけた
半日も掛からず一行はラ・ロシェールの港町に到着した
4人は先ほどの光景を思い出す
チーフはギーシュがただの物取りと言った山賊たちにもう一度尋問をかけた
『本当にただの物取りか?』
『あ、あたりめぇだ! 葱背負った鴨が居るんだぜ、狙わねぇ手はねぇだろうがよ!」
『そうか、それでどうする』
『……、どうするって何が?』
『あ、あたりめぇだ! 葱背負った鴨が居るんだぜ、狙わねぇ手はねぇだろうがよ!」
『そうか、それでどうする』
『……、どうするって何が?』
4人を代表してキュルケが言った
『俺はどちらでも良いが』
右手を握っては開きまた握る、そしてその右手を一人の山賊の頭の上に乗せる
『どうする』
右手を頭に乗せた意味を悟り、山賊たちの顔が引きつる
『わ、わかった! 喋るから殺さないでくれ!!』
頭に手を乗せられた男は震えた声で懇願する、他の男たちも同様だった
『誰に頼まれた』
『仮面を被った貴族に頼まれたんだよ! グリフォンと馬に乗った貴族がこの街道を通るから襲撃してくれって』
『……漏洩してるな』
『仮面を被った貴族に頼まれたんだよ! グリフォンと馬に乗った貴族がこの街道を通るから襲撃してくれって』
『……漏洩してるな』
へ? と4人が疑問の声を上げる
『任務が外部に漏れていると言う事だ』
『な、なんだって!?』
『ど、どうして!?』
『さあな、先にラ・ロシェールに行こう』
『な、なんだって!?』
『ど、どうして!?』
『さあな、先にラ・ロシェールに行こう』
情報が繋がり始める、今だ推測の域を出ないものを彼是考えても仕方が無い
今はただ任務を果たすだけだった
今はただ任務を果たすだけだった