あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの魔獣-09


トリステイン魔法学院から、馬車に揺られること四時間―

森の奥の開けた空き地に、それとおぼしき廃屋はあった。
早速一同は、『破壊の杖』奪還の作戦を考える。

「駄目よ! マリア 魔法の使えないあなたが偵察なんて」
真理阿の提案にルイズが反発するが、真理阿が持論を述べる。

「魔法の使えない私が後方に残っても 仲間の危険は救えないわ
 むしろ私が前に出て掩護を受けた方が 全体の生存率は上がる
 それにイザという時 前衛は逃げに徹するんだから 魔法を使えるかどうかは関係ないわ」

正論である。
なおも何か言いたげなルイズに、真理阿が続ける

「大丈夫 本当に危ないときは デルフを囮にして逃げるわ」
ヒドイ事をさらりと言う。
真理阿の背中で、デルフリンガーが泣いた。

結局、真理阿たちが先発となり中に進入、ルイズは入り口の見張り
ロングビルは周辺の警戒に当たる事となった。

用心深く辺りを見回しながら奥に進む真理阿だったが、その実、あまり警戒はしていなかった。

周辺に敵はいない。
一族の能力ではなく、内在する獣の五感がそう告げている・・・。

程なく、破壊の杖らしき木箱を見つけた。
キュルケ、タバサを呼び寄せ、中身をあらためる。

「間違いない」
「・・・これが『破壊の杖』だというの?」
「? 何 これを知っているの? 真理阿?」
「これは・・・ でも 何でこちらの世界に・・・」

要領を得ない真理阿の発言に、キュルケはさらに言葉を繋ごうとするが、
「きゃあああああ!!」

ルイズの悲鳴、次いで、間をおかずに衝撃が走る。
屋根が丸ごと吹き飛び、ただでさえオンボロだった廃屋にとどめを刺す。

「ゴーレム!」
「これは・・・やはりフーケが!?」
「二人はシルフィードを!」

言いながら、真理阿はまっしぐらに駆けだしていた。

目の前に迫る土くれの巨体を相手に、ルイズは魔法を試みていた。
気が乱れ、詠唱が止まり、小規模な閃光が相手の胸元で跳ねる。
無論、効果は無い。

ゴーレムの首がグルンと回り、ルイズを捉える。
鉄槌のごときその腕が、天高く振り上げられる。

「ルイイィィィズ!!」
ゴーレムが右腕を打ち下ろさんとした瞬間、驚くべき速度で真理阿が走り込んできた。
飛びつきながらルイズをかかえ、一撃をすんでのところで交わす。
勢いがついたまま、二人は緩やかな傾斜を転がっていく。

「目的は果たした! 逃げるわ! ルイズ」

「でも アイツを倒さないと・・・」

聞き分けの無いルイズに、さらに何かを言わんとする真理阿だったが、
ふと、思い直したかのように口調を変える。

「・・・落ち着いて聞いて ルイズ

 相手の間合いの中にいては、あなたは魔法の力を生かすことが出来ない
 戦うにしても逃げるにしても まずは敵と距離をとらなくては駄目

 だから・・・」

そこで言葉を切り、真理阿はクルリと背を向ける。

「ここは 私が食い止めるわ
 私がアイツを引き付けている間に後退して」

何を言っているのか分からないという風のルイズを尻目に、
真理阿は斜面を、ひょこん、ひょこんと登って行く。
そのおぼつかない足取りを見て、ルイズは全てを理解した。

「マリア! あなた 足を・・・」
駆け寄ろうとしたルイズを、真理阿は思い切り突き飛ばす。
その反動で、ルイズは更に斜面の下まで転がり落ちて行く。

ズン、ズンと足音を響かせ、ゴーレムがゆっくりと真理阿に近づいてくる。
真理阿は背中から、デルフリンガーをおもむろに引き抜き―


―横方向に、大きく投げ捨てた。

「マリア!?」「何しやがんだ! マリアッ!?」
二人の悲痛な叫びが響き渡る。

真理阿がわずかに振り向き、困ったように笑う。

悲しい笑顔だった。

「ごめんなさい 私の事は大丈夫

 本当に 何の心配もいらないの・・・」

ゴーレムが背後に迫る。
真理阿の周囲が、ぽっかりと切り取られたかのように日が遮られる。

「なぜなら・・・なぜなら私は・・・」
「!! マ・・・!!」


ズンッ! と、ひときわ大きな地響きが走り―

ゴーレムの巨大な足が、一息に真理阿を踏み潰した。


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