あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

異世界BASARA-11


全てのゴーレムが倒されて手駒の無くなったギーシュ、そこに止めとばかりに幸村の槍が迫ってきている。
彼は思わず目を瞑ってしまった。
……ところが体の何処にも痛みがない。しばらくして、ギーシュは恐る恐る目を開ける。

そこには2人の男が立っており、それぞれが持っている槍で幸村の二槍を受け止めていた。
「幸村、もういい。もう勝負はついたぞ」
1人は三叉槍を持った前田利家。
「……くっ!このばかもん!わしの肝を冷やすでないわ!」
もう1人は栄光槍を持った北条氏政である。
「…!す、すまぬ…我を忘れて槍を振るってしまうとは…」
幸村は慌てて槍を手放す。同時に、左手の輝きが消え始めた。
「この幸村…まだまだ……未…熟…」
輝きが完全に消えると、幸村はふらつき、その場に倒れてしまった。
やっぱりギーシュの攻撃が効いていた、ルイズは倒れている幸村に駆け寄った。
「ちょっと、大丈夫?しっかりし…」

「………グゥ……グゥ………」

「…ね、寝てる…」
ああ、この男は昨日眠っていなかったんだ…
朝の充血した目を思い出し、負傷で気を失ったのではないと安心したのか、ルイズは安堵の息を漏らす。

「ル、ルイズの使い魔がギーシュに勝った!」
「平民が貴族を倒すなんて…」
「あんたほんまにべっぴんさんやーー!」
一方、予想外な幸村の勝利で周りから驚きの歓声が上がった。

「まさか…僕が平民に負けた…」
その歓声の中で、ギーシュはがっくりと肩を落としている。
「強い…何だ彼は…強すぎる…」
「あいつが強いだけじゃないぞ」
敗北した事に落ち込んでいると、不意に利家が声を掛けてきた。
「ギーシュだったな?お前、幸村を相手にして楽に勝てると思っただろう?」
「そ、それは…確かにそうだが…」
「それが油断となって隙が出来た。隙があれば、強い奴でも負けてしまうぞ」
利家の言った言葉に、ギーシュは思わずはっとなった。
最初の1体が倒されて幸村に睨まれた時、自分は冷静さを失ってしまった。
判断力に欠ければ勝てる戦にも勝てない。ましてや今回は相手の方が強かった。
「油断大敵、だが負けを知って強くなる事も出来る!」
そう言うと利家はキュルケの元へ戻っていった。
「腹減った」と聞こえてくるので、きっとまた食べ物を要求しているのだろう。

と、今度は氏政がギーシュの目の前に立つ。
「君にも助けられたね…どうやら僕はまだ咲いてもいない蕾だったよう…」
そこまで言っていたギーシュは不意に氏政に腕を掴まれ、立たされる。
「ぼやぼやするでない!ほれ、行くぞ」
「ちょ、待ちたまえ!行くって何処に?」

「決まっておろうが!二股かけた娘に謝るんじゃ!」
そうしてギーシュは氏政に引っ張られ、広場から姿を消した。



「ほほぅ、これは驚いたのぅ…」
広場の様子を遠見の鏡で覗いていたオスマンは呟いた。
「いやはや、ミスタ・グラモンがドットメイジとはいえ、圧倒的でしたな」
一緒に見ていたコルベールも、思わず声を漏らす。
オスマンは髭を撫でながら考えていた。
ギーシュとの決闘の勝因はあの使い魔自身の実力によるものが大きい。
だがそれとは別に、他の力が働いたようにも思えたのだ。
(あの左手の輝き、あれが関係しておるのかもしれんの…)

「ミスタ・コルベール、彼のルーンは確認したか?」
「いえ、召喚された途端その場から逃げ出したので…」
「それを調べてくれぬか?ちと気になるのでな…それと、他の3人はどうなのじゃ?」
「ミス・ツェルプストーとミスタ・グラモンの使い魔のルーンは今調べている所です。ただ…」
コルベールはそこで一旦言葉を切った。
「ただ…ミス・タバサの使い魔だけ確認出来ていません。というより、させてくれないのです。」
コルベールはその時の事を話し出した。


『ミス・タバサ、契約は終わりましたか?』
『はい』
『よろしい、ではルーンを確認しましょう……とりあえずこの鎧を脱いでもらわないと…』
そう言いながらコルベールはルーンを確認する為に近づく。しかし…
『!?……!』ウィィィン!!プシュウゥゥゥー!
忠勝はいきなり体から蒸気を噴き出し始めた。
無表情で。
『うわ!な、何ですか!?』
コルベールは高温の蒸気に一度引き下がった。
とはいえ、ルーンを見なければいけないのでまた忠勝に近づく。
『!……!!』ブシュウゥゥゥー!!
ところが近づく度に蒸気を噴き出すのだ。
無表情で。
『こ、こら止めなさい!ミス・タバサ、彼は一体どうしたんです!?』
たまらずコルベールはタバサに助けを求めた。
助けを頼まれたタバサは忠勝に近づいて、顔をジッと見る。
『……………』
『……………』ガゴオォォン…
しばらく見つめ合っていた2人だが、タバサがコクリと頷き、振り返ってこう言った。
『………恥ずかしい』
『…は?』
何の事か分からず、コルベールは聞き返してしまう。
『鎧を脱ぐのが……恥ずかしいって……』
『……!』ブシュウゥゥゥー!!
そしてまた蒸気を噴き出した。

無表情だけど。


「それで結局分からずじまいか…」
オスマンは話を聞きながら再び髭を撫でた。
「なら仕方ないの、その3人だけでも調べてくれぬか?」
「分かりました」
コルベールは一礼すると、学院長室から退室して行った。


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