昼間の決闘騒ぎに加え、広場での爆発事故。
当面の謹慎、退学すらも覚悟したルイズであったが、その処分は事のほか軽いものだった。
ルイズが魔法を使ったのは、あくまで友人を守ろうとした先走りであり、
爆発を引き起こしたのは結果に過ぎない、というキュルケ達の弁護が通ったのが大きかった。
また、ギーシュも自らの過ちを素直に認め、シェスタ・真理阿・ルイズに謝罪してきたため
結局は双方厳重注意と、広場の後片付けを命じられただけで放免となった。
ルイズが魔法を使ったのは、あくまで友人を守ろうとした先走りであり、
爆発を引き起こしたのは結果に過ぎない、というキュルケ達の弁護が通ったのが大きかった。
また、ギーシュも自らの過ちを素直に認め、シェスタ・真理阿・ルイズに謝罪してきたため
結局は双方厳重注意と、広場の後片付けを命じられただけで放免となった。
もっとも、教師陣のほうにも後ろめたさはあった。
一連の動きを早い段階で掴んでおきながら、平民の使い魔への興味から、事態を黙認したのだ。
この場合、責められるべきは大人達の打算であり、少女の一途さでは無いだろう。
一連の動きを早い段階で掴んでおきながら、平民の使い魔への興味から、事態を黙認したのだ。
この場合、責められるべきは大人達の打算であり、少女の一途さでは無いだろう。
加えて・・・この話を大事にはしたくなかった。
立ち込める黒煙の中に異変を察知した時、学長・オスマンは、『眠りの鐘』の使用をためらわなかった。
戦場での経験を持つ教師・コルベールも、弾かれたように動きだしていた。
だが、眠りの鐘を使用する直前になって、不意に邪気は消え去り、後には惨状だけが残っていた。
戦場での経験を持つ教師・コルベールも、弾かれたように動きだしていた。
だが、眠りの鐘を使用する直前になって、不意に邪気は消え去り、後には惨状だけが残っていた。
この事件が公になれば、王立魔法研究所(アカデミー)が動き出す可能性があった。
もっとも、生徒の安全を優先するならば、むしろ、積極的に調査を依頼すべきなのかもしれないが・・・。
その場合、真理阿は研究対象として引き渡され、様々な『実験』に協力する事になるだろう。
初めて成功した魔法で得た、かけがえの無い友人を失う少女の苦しみはいかばかりか・・・。
もっとも、生徒の安全を優先するならば、むしろ、積極的に調査を依頼すべきなのかもしれないが・・・。
その場合、真理阿は研究対象として引き渡され、様々な『実験』に協力する事になるだろう。
初めて成功した魔法で得た、かけがえの無い友人を失う少女の苦しみはいかばかりか・・・。
「結局 魔法の失敗による爆発事故・・・と、しておく方が良かろうて」
今回の惨状の原因が、果たして真理阿にあるのかは分からない。
アカデミーを介入させるとして、彼女がおとなしく応じるのかは分からない。
彼女を拘束できたとして、その秘めた力が人に御せるものなのかは分からない。
新たな力が得られたとして、それがトリスインの民の幸福に繋がるかは分からない。
アカデミーを介入させるとして、彼女がおとなしく応じるのかは分からない。
彼女を拘束できたとして、その秘めた力が人に御せるものなのかは分からない。
新たな力が得られたとして、それがトリスインの民の幸福に繋がるかは分からない。
何が正しい選択か分からないのなら、少女2人のささやかな友情が守られるよう振る舞ったとして何が悪い。
「それに・・・じゃ ミス・ロングビル」
「はい」
「あと5年もあれば、あの娘はい~い女になるぞ。
アカデミーの玩具にするには ちと惜しいの・・・」
「はい」
「あと5年もあれば、あの娘はい~い女になるぞ。
アカデミーの玩具にするには ちと惜しいの・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
場を和ませるために放った好々爺のジョークは、しかしながら、正しい形では受け止められなかった。