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異世界BASARA-40


朝靄の中、ルイズと幸村、ギーシュは馬に鞍を付けて出発の準備をしていた。
幸村は背中に槍と、折れた槍の代わりであるデルフリンガーを背負っている。
そんな風に出発の準備をしていると、氏政が何かを引きずりながらやって来た。
彼が持ってきた物は大きな槍であった。
幸村や利家の槍とはかなり変わっており、先端には槍の穂がいくつも取り付けられている。

「ウジマサ、まさかそんな物を持って行くつもりかい?」
ギーシュが半ば呆れた声で言う。
「そんな物とは何じゃ無礼者!よいか若造、これはご先祖代々受け継がれてきた栄えある槍であるぞ!」
氏政は胸を張りながらフン!と鼻息荒く言った。
「止めておきたまえ。そんな大きな槍、馬で行くのに邪魔になって仕方ないよ?」
「駄目じゃ!これを手放すという事は北条家の誇りを手放す事……おお?」


「ギーシュ様ー!おじいちゃーん!」


と、学院の寮入り口から誰かが駆けて来た。
「おお~ケティ!よう来たのぉ~」
こちらに走って来たのはギーシュの元浮気相手、ケティだった。
ギーシュの浮気を知った後、彼女は仲直りの仲介をしてくれた氏政によくお菓子を持って来ているのである。
「おじいちゃんから聞きましたよ、アルビオンに行くのですよね?」
どうやらこのジジイ、任務の事を彼女に話してしまったようだ。
「ダ、ダメじゃないかウジマサ!今回の事は内密にしないといけないのに……!」




「これは重要な任務だ、出来れば内密にしてもらいたいのだがね」
その時、朝靄の中から男の声がした。

「何者!!」
知らない男の声を聞いた幸村は、背中に背負ったデルフリンガーに手を掛ける。
その言葉に応えるように、グリフォンを連れた1人の長身の男が姿を現した。
ルイズ達メイジのようにマントを羽織っており、立派な羽根付き帽子を被った男だ。
「僕は敵じゃない。姫殿下より、この任務で君達に同行する事を命じられたんだ」
男は帽子取ると一礼して言った。
「女王陛下の魔法衛士隊、グリフォン隊隊長、ワルド子爵だ」


「ワルド様……」
ルイズが震える声で男の名を言ったのを聞き、幸村は振り返る。
「久しぶりだねルイズ!僕のルイズ!」
ルイズの姿を見たワルドは、笑みを浮かべるとルイズに駆け寄ってその小さな体を抱き上げた。


「何じゃあの腹が立つ程格好つけた男は?」
抱き上げられて赤面しているルイズと、「破廉恥!破廉恥!」と騒ぐ幸村を見て氏政が言った。
「魔法衛士隊を知らないのかい!?メイジであれば誰もが憧れるエリートだよ!」
ギーシュが驚きと感激の声を上げた。
「ふん……ま、わしの威光には遠く及ばんな。おおそうじゃ、ケティよ……今日はどんなお菓子を……」
と、氏政はケティのいた方に向き直る。だが、肝心のケティの姿が無い。
「ありゃ?ケティ?何処へ行ったのかのケティ……」
氏政はキョロキョロとケティの姿を探していると……いた。


「あ……あの……ワルド様でしたよね……」
彼女は何時の間にか、ワルドの側に移動していたのである。
「あの、私ケティと言います!良かったらこれ……食べて下さい!」
そう言って、ケティはバスケットをワルドに差し出した。



それは確か……氏政に作ってきたお菓子だった筈では……

「あ、ありゃ?ケティよそれは……それはわしの為に作ったんじゃ……」
「……ウジマサ……」
氏政の肩に、ポンとギーシュの手が置かれる。
そして哀れみを込めた表情を浮かべて言った。




「諦めたまえ、君では勝敗は決まっているようなものだよ……」
「……あっれえええぇぇぇぇぇぇ~~~~~????」




「では諸君、出撃だ!!」
ワルドの掛け声を合図に、グリフォンが駆け出す。
それに幸村、ギーシュ、氏政が跨った馬が続く、いよいよアルビオンに向かうのだ。


その一行を、寮の窓から見ていた者が1人……
「な、何よあのイイ男は……ルイズの癖にぃ!!」
ルイズが天敵として嫌っている女、キュルケであった。
「キュルケ殿~どうしたぁ~?」
キュルケの大声で、利家も目を覚ます。
「ルイズが見た事もない色男と何処かへ出掛けたのよ!ああもう!生意気だわ!」


「ああ、そういえば今日は任務でアルビオン……」
そこまで言った利家は慌てて口を押さえた。
だが遅かった。「任務」、「アルビオン」……2つの単語がキュルケの耳に入ってしまった。

「トシイエ……あなた……」
「し、知らないぞ!それがし隠し事なんてしてないぞ!!」
利家は必死に知らないフリを……しているつもりだった。
「隠し事?私に何を隠しているのかしら?」
「ししししてない!何も隠してない!ルイズと昨日秘密の約束なんてそれがしやってない!!」
「ルイズですって!?」
「うわああぁぁ何でばれたんだぁぁ!?」
利家は頭を抱えて絶叫する。彼は嘘をつくのが絶望的に下手だった。
「言いなさい、今なら私も怒らないから!」
「で、でも……ルイズは絶対に言うなって……それがし約束したし……」


「あらそう?じゃあご飯抜きにされたいの?」
「ええっ!?」


キュルケの「ご飯抜き」という言葉に利家は目を見開いて驚愕した。
「そうねぇ~1回じゃ罰にならないから……3日ぐらい抜きにしようかしら?」
「そ、そんな……キュルケ殿それだけはあぁっ!!!!」
「なら、正直に話しなさい」
「あぅ……」
結局、利家はルイズとの約束より自分の飯を選んだのであった。

港町、ラ・ロシェール。
狭い峡谷の谷間の山道に設けられた、アルビオンへ行く為の玄関口である。
その街の路地裏……居酒屋が多く立ち並んでいる裏通りにフーケと仮面の男はいた。
「大分数が集まったな……後はあっちか……」
仮面の男は『金の酒樽亭』で雇った傭兵を数えると、もう一軒の店に目をやる。



瞬間、その店の中から爆発が起こった。



爆炎と共に、何かが一緒に吹き飛んでくる。それは人であった。
宙を舞い、フーケ達の前に落ちてきたそれ等は、既に死んでいた。
どれも顔が炎で黒焦げになっており、元がどんな顔であったか判らなくなっている。


「すまないね、予定より少し数が減ってしまった」


と、爆発が起きた店内から男が2人の傭兵を引きずって出てくる。
「……俺は渡した金で兵を雇えと言った筈だ、誰が殺せなどと言った……」
仮面の男が静かに、しかし苛立ちを表しながら話す。
「目つきが気にいらないなどと言って殴り掛かって来たのでね、自分の身を守っただけだよ」
仮面の男、そしてフーケは何とも不快な顔をしてその男を見た。

「それに、何も皆殺しにしたわけではない。この通り……」
そう言って、男は2人の傭兵を前に放り投げた。

「あぐぅ!」
「さて、君達は何が欲しい?“金”か……それとも“永遠の安息”か?」
男は自分の得物に手をかけて言った。それを聞いて2人の傭兵は揃って震え上がる。
「ひっ……か、金!金がいいです!!」
「そうか、ならばそれ相応の働きをしてくれたまえ」
満足そうな笑みを浮かべ、男は得物から手を離した。


「では、私は一足先にアルビオンとやらに向かわせてもらおう。どうしても欲しい物があるのだ」
男はニヤリと笑って踵を返す。が、途中で振り返り、仮面の男を見て言った。
「卿も、欲しい物があるなら手に入れておくといい……どんな手を使ってでもね」
そう言って男はその場から立ち去って行った。


「……マツナガ……」


そう、彼こそ……

『戦国の梟雄』と呼ばれ、『並みの者ならば一つも成し得ぬ事を三つしてのけた男』……

松永久秀であった……


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