「決闘だ!決闘を申し込む!!」「望むところよ!あたしの魔法でギッタギタにしてやるわ!!」
突然振って沸いた決闘騒ぎに、食堂は熱狂に包まれる。
突然振って沸いた決闘騒ぎに、食堂は熱狂に包まれる。
騒ぎの敬意は実に些細な事だった。
その日給仕を務めていたシエスタは、香水のビンを拾い、落とし主であるギーシュに届けた。
ところが、それが原因でギーシュの二股が発覚、結果ギーシュは二人から袖にされてしまう。
面目を失ったギーシュは怒りのハケ口をシェスタに向けた。
まあ、よくある話である。
面目を失ったギーシュは怒りのハケ口をシェスタに向けた。
まあ、よくある話である。
そこに、同じくストレスのハケ口を求めるルイズがたまたま通りがかった。
ルイズは真理阿直伝の正攻法でもってギーシュを責める。(というか、当り散らした)
その後、壮絶な舌戦が繰り広げられ、ついには決闘、である。
ルイズは真理阿直伝の正攻法でもってギーシュを責める。(というか、当り散らした)
その後、壮絶な舌戦が繰り広げられ、ついには決闘、である。
「お待ちなさい」
凛とした声が響き、場が静まる。声の主は真理阿だった。
凛とした声が響き、場が静まる。声の主は真理阿だった。
ルイズはここぞとばかりに、真理阿に喰ってかかる。
「何よ!使い魔の分際で口を出そうっていうの?
侮辱を受けているのは、あなたの大切なお友達なのよ!」
侮辱を受けているのは、あなたの大切なお友達なのよ!」
その言葉を聞き、シエスタの体がピクン、と震える。
真理阿は一瞬彼女に目をやり、穏やかにルイズの方に語りかける。
真理阿は一瞬彼女に目をやり、穏やかにルイズの方に語りかける。
「もちろん彼女の名誉は守られねばなりません
けれども メイジ同士の決闘は禁止されているのでしょう ですから・・・」
けれども メイジ同士の決闘は禁止されているのでしょう ですから・・・」
そこで言葉を一度きり、今度はギーシュの方に向き直る。
「この決闘 私がお受けします! 主を守るのは使い魔の務め
それに 平民の名誉は平民の手で守られるべきです」
それに 平民の名誉は平民の手で守られるべきです」
オオオオと、再び食堂が沸く
「ギーシュとルイズの使い魔の決闘だ!!」「平民が貴族の喧嘩を買ったぞ!!」
あまりに意表をついた発言に、ルイズは声も出ない。
一方、ギーシュの方は、平民に決闘を挑まれる屈辱で、かえって冷静さを取り戻していた。
あまりに意表をついた発言に、ルイズは声も出ない。
一方、ギーシュの方は、平民に決闘を挑まれる屈辱で、かえって冷静さを取り戻していた。
「殊勝な心がけだね、マリア。平民、それも女性に手を挙げるのは本意ではないが、
僕にも守らねばならぬプライドはある。 ヴェストリの広場で待っているよ」
僕にも守らねばならぬプライドはある。 ヴェストリの広場で待っているよ」
言い放ち、ギーシュは食堂を後にする。ギャラリー達も我先にと広場に走り出す。
後に残ったのは、ルイズと真理阿、シエスタの3人だけだ。
後に残ったのは、ルイズと真理阿、シエスタの3人だけだ。
「な!な、な、な何勝手な事言ってんのよアンタ!?」「そうですよ真理阿さん!!」
ルイズとシエスタが同時に食って掛かる。
ルイズとシエスタが同時に食って掛かる。
「いい!魔法の使えない平民じゃ、メイジ相手に勝ち目なんてないんだから、
いますぐギーシュに謝ってくるのよ!!」
ルイズが叫ぶ。
「真理阿さん!私なんかの為に無茶はしないで下さい」
シエスタが泣く。
いますぐギーシュに謝ってくるのよ!!」
ルイズが叫ぶ。
「真理阿さん!私なんかの為に無茶はしないで下さい」
シエスタが泣く。
2人の言葉を遮りながら、真理阿はバツが悪そうに、しかし、あくまで穏やかに言った。
「ごめんなさい こんなの本当は良くないって、私も分っているの
けれど こういう場面ではどうしても 血が騒ぐのを抑えられなくって」
けれど こういう場面ではどうしても 血が騒ぐのを抑えられなくって」
血が騒ぐ・・・?
そんなのはいつもの真理阿からは間違っても出てこない言葉だ。
ルイズはまじまじと真理阿を見つめる・・・。
ルイズはまじまじと真理阿を見つめる・・・。
背はルイズより低い。あくまで華奢な平民にしか見えない真理阿だが、
ピンチの時はナイスバディの剣士に変身して大活躍・・・とでもいうのだろうか?
ピンチの時はナイスバディの剣士に変身して大活躍・・・とでもいうのだろうか?
「大丈夫ですよ だって・・・私」
怪訝そうな表情のルイズに対し、真理阿は笑う。
「こう見えて とってもカンが鋭いですから」