あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

GTA:LCS-0 22

「どうかしたの?トニー」
頭上でクエスチョンマークが飛来しているモンモランシーは何しに来たのか?と言いた気な表情で俺に尋ねてくる。
「ああ、ちょっと聞きたいのだが、ジュール・ド・モットって言う変……いや、貴族の所在を教えて欲しいのだが?」

首尾よく所在地を聞き出した俺は、『レオーネセンチネル』に荷物を取りに行く。多少なりと武装の準備するのと、
「これは持って行った方が良いな」
トランクに入っていた『カメラ』を持ち出して何時ぞやに盗んだ馬車に乗せ、日が昇りきらぬ内に学院を出立した。今回ばかりは流石に
貴族を巻き込むわけにも行かないので一人で行動するのと、地理的に詳しくないのでさっさと出発した方がいいだろうという判断だ。

「なんだあの二人は……くそっ随分と遠いじゃねぇか!」
だがその目的地は、多分話よりも遠い気がする。目的地に到着した頃にはすっかり日が暮れ、闇に包まれていた。歩いていかなくて正解だ。
闇に包まれている為に周りを完全に見通すことは困難だが、ヘンタイ貴族の住処はまるで砦で、横には城壁がうずたかくそびえている。
変態はリバティーシティにも大勢居るが、こう権力を握ってしまうと性質が悪い。俺は目立たない場所に馬車を繋いで武装して懐に仕舞うと、
門番の居る入り口に割と堂々と入っていった。
「何だ貴様は!?」
「俺は魔法学院から寄越されたトニー・シプリアーニと言う者だが、ここの貴族に用があるのだ、通せ」

強行突破も考えたのだが、『魔法学院』の名前を出したら割とすんなり応接間に通された。少々拍子抜けをしたが、五分後、本当にその
ヘンタイ貴族は現れた。余裕に満ち溢れた嫌な空気を発しながら、俺の対になる席に少々無作法に座る。
「……此方も取り込み中だ、用件は手短に願うぞ」
ヘンタイ貴族は立ち振る舞いこそ貴族だが、顔立ち・衣類・喋りなど全てに於いて下品且つ変態の域に思える。これは相当美少女・美女を
手当たり次第に漁っていたのだろうと容易に想像がついた……多分、取り込み中と言うのも、女とイタしてる為だろう。
「まぁ大した事じゃないがね……好色趣味って言うのも人それぞれだが、金あるんだ。女はプロの方が良くないか?」
「!?……何が言いたい、トニー・シプリアーニ?」

遠回しに言い放った言葉に見事に釣られたこのヘンタイ貴族は、目の色を変えて言い返してくる。
「聞けば、職権乱用で女手当たり次第に漁ってるそうじゃねぇか、国家元首にばれたら色々とヤバいだろ」
「……いっ…言っている意味が良く分からんね……そろそろ遠回しで無くて直接用件を言ったらどうかね……!?」
俺の揺さぶりが効果を発揮し、このヘンタイ貴族は明らかに動揺している。正直情報は極々僅かだが、はったりもここまで効果を発揮すると
虚も実だ。俺はこのままの調子で攻めてみる事にする。
「今日、学院から連れてきたシエスタと言う平民が居るだろ?あれ、王宮と学院の立場を問わず評判の良い子でな、アンタが連れ去ったって
 事が広まった途端、悪い噂が流れてるんだよな。大人しくシエスタを学院に帰した方が身のためだぜ」
「!?……な…何を言い出すかと思えば……そ…それは大丈夫だ。シエスタはうちの使用人なのだからな……シエスタを呼べっ」
ヘンタイ貴族はそう言いながら、シエスタを呼び横に連れてくる。すると、毒々しい原色の赤色のエプロンドレスを纏ったシエスタが、引っ張り
出され、言うに事欠いて彼女の首元に臭そうな息を吹きかける。シエスタもどうして良いのか分からないようなリアクションに困っていた。
「まぁ、こう言うことだ。安心して帰りたまえ、シプリアーニ」
「……本性見せたな貴族さんよ、俺はそのショットを拝みたかったのよ。これで、俺の確証は実になったと言う訳だ」
「!?」
勝ったと思っていたのだろう精神状態に冷や水をかけてやると、ヘンタイ貴族の顔がまるで茹でたロブスターの如く面白い位に真っ赤に染まった。
「使用人?おいおい、笑わせる事を言うな……アンタが根っからの女好きって言うのは周知の事実なんだよ。相手が平民だからって好き勝手な事
 並べるな……お前みたいな粗チン野郎には娼館の女でも勿体無い、いや立ちんぼでも勿体無いわ」
行き成りの悪言雑言にこのヘンタイ貴族は思わず立ち上がる。恐らく、生まれてこの方こんな罵られ方はされたことないだろう。
「なっ!?貴様……誰に向ってそんな口を!!」
「アンタだ、ヘンタイ貴族。お前みたいな下衆野郎はな、下手に女に手を出して、翌日湖畔に水死体になって浮かんでる方がよっぽど相応しいわ」
この言葉がトドメになったか、わなわなと身体を震えさせながら身体を真っ赤にさせ、メイジのシンボルともいえる杖を手にする。

「言わせて置けば好き勝手……命が惜しくない様だな……そこへなおれ!!」
「良いのか?俺を殺せば、ヴァリエール家と魔法学院を相手に抗争を引き起こす事になるが、それでも良いのなら遠慮は要らん、殺しな」
俺は顔色一つ変えずにしれっと言い放つ。実際ヴァリエール家とそこまで深い仲ではないが、言ってやればそこそこ脅しにはなるだろう。
「止めて下さいっ!!トニーさん!!」
一触即発の状況で、シエスタは悲鳴にも似た声をあげる。
「シエスタ」
「伯爵、この者の無礼をお許しください」
シエスタは俺が殺されると思ったのか、跪いてヘンタイ貴族に許しを乞う。だが、この貴族は当然のように拒否してきた。
「ならん!斯様な平民の無礼を捨て置いては……」
「こいつにはできねぇよシエスタ。仮にも俺はヴァリエールと魔法学院の使者という扱いだ。そんな者を殺したとなれば、ヴァリエール家は宣戦
 布告と見なしてヒットマンを送ってくるだろうよ。そうなりゃ身の破滅だぜ、こう言う抗争は裏社会と一緒だからな」
すかさず追い討ちの言葉を続ける俺に、シエスタは顔面蒼白、ヘンタイ貴族は茹で蛸のように真っ赤に顔を腫らしていた。
「相手が伯爵でも、そうかわらねぇんだよ……おい、殺す気になったか、貴族さんよ?」
「グググ……この場はシエスタに免じて命だけはくれてやる……早々に立ち去れぇい!!」
殺したくて殺したくて堪らないのだろうが、流石にヴァリエールやヒットマン、抗争等の単語が並んだら一線を超える勇気は出なかったのだろう。
もっとも、後でルイズにはちゃんと尽くしてやらんといけないだろうが……。
「まぁ、そうなるだろう。流石に抗争になったら潰されかねないだろうしな」
「ググ……貴様…減らず口を……おいっ!!何をボサッとしてるんだ!この者を屋敷から叩きだせ!!」
「その強気と言動が、後々後悔にならないように気をつけることだな」
捨て台詞とも言うべき言葉で締めると、俺は背後に立っている監視とも言うべき二人の衛兵に囲まれながら敷地内の母屋の屋敷から出された。

この世界に無理矢理来させられて気に入らない事だらけだが、こんな胸糞悪いのは初めてだ。今回ばかりは許さん。
俺はキョロキョロを左右を視線を送りながら屋敷内を見渡すと、この邸宅は思ったほど警備の監視が厳しくない事に気がつく。
「兄ちゃん達、すまんが靴紐が解けた。ちょっと直すから待ってくれ」
俺が何食わぬ顔してそう言うと、『仕様がねぇな』と言わんばかりの表情を浮かべて顎を突き出す仕草でOKを出した。そしてゆっくりと
座った瞬間―――
「ぐええぇぇぁああっ!!」
懐に素早く手を入れピストルを取り出して抜撃ち、ほぼゼロ距離射撃での銃撃で俺の左後ろに立っていた衛兵の腹部に銃弾を二発浴びせ、
悲痛な断末魔と共に転倒、恐らく絶命しただろう。
「ちょっ……!おい…お前どうなって……ふぇっ?!」
現状を把握できていない俺の右後ろに立って居たもう一人の衛兵は、聞いた事も無い音と共に倒れた同僚を見て慌てふためいている所に
後ろから頭部を銃撃、始末した。

「……おぅ、上手い具合に丁度良いじゃねぇか」
始末した二人の衛兵の死体を草叢に放り投げて隠滅すると、隠滅する前にひっぺ返した連中の防具を身に付けて変装する。これなら、屋敷
内に居ても早々怪しまれまい。

――二度と立ち直れないような弱みを握れ



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