あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

SnakeTales Z 蛇の使い魔-15


―船首 第一船倉 火薬庫―

「いーっくしょん!」

看守が大きなくしゃみをする。そう、看守が。
今、スネークがいる場所は空賊船・船首船倉。ルイズたちとは別々に捕らえられてしまった。
持ち物は全て取り上げられた上に、手には手枷をはめられている。
取り上げた物の使い方が分からないらしく、銃やRPG-7は船倉の外に置かれている。
どうにかして回収したい。そして、何とか脱出したいが、ここは雲の上。
逃げられる場所なんてあるのだろうか?

「いーっくしょん!」
「風邪か?」

またくしゃみをした看守に話しかけるスネーク。

「ああ。国にいるときはそうでもなかったんだけどなぁ…。
 くしゃみだけならまだしも、下痢もなんだよ。」

話に乗ってくる看守。
これなら、こっちのペースにもってこれるかもしれない。

「う…は、腹が…。」

トイレへ駆け出す看守。この15分で3回目になる。
すこし腹に落ち着いてもらわないと、交渉も出来ない。

「…ルイズは大丈夫だろうか?」


―船尾 第二船倉 物置―

声を荒げてルイズが主張する。

「大使としての扱いを要求するわ!」
「うるさいぞ、静かにしてろ!」

こちらの看守は船首の看守と違って、任務に忠実だ。
余計な話をせずに、淡々と監視をしている。
ルイズとワルドの二人が同じ船倉に閉じ込められているのだが、杖は取り上げられているため、何も出来ない。

「すこし静かにしていよう、ルイズ。ここから逃げられる場所はない。」
「…。」

無能な己に腹が立つ。
気持ちだけが焦る。早くウェールズ様に会わなくては。

「落ち着くのよ、ルイズ。」

自分に言い聞かせる。
こんなとき、あのスネークなら何をするか?
使い魔の行動を真似るのは癪に障るが、そんな事ばかり言ってはいられない。
自分にはやり遂げなければならない任務、いや、親友との約束がある。

「この船は何処へ行くの?」
「うるっさい!静かにしないと飯抜きにするぞ!」

全く取り合わない看守。
先ほどまでの決意も吹き飛んだ。

「私は大使なのよ!それなりの対応をしなさい!」
「うるさーい!お前はもう、飯抜きだ!」

それきり看守は、何も反応しなくなってしまった。
ルイズは自分の短気さをうらんだ。

その後、食事を持って看守が船倉に入ってきた。

「ほら、飯だ。」

そういって看守はルイズにも食事を出した。

「これ…。」
「ああ、さっきはすまなかったな。俺も大人気ないマネをした。」

食事をおいて、外へ出て行く看守。
手にパンを持って小刻みに震えるルイズ。

「ワルド…。」
「なんだい、僕のルイズ?」
「空賊も捨てたモンじゃないわね。」
「…。」

なぜかほだされてしまったルイズであった。


再び船首。
こちらも楽しいお食事タイム。
だが、スネークには考えがあった。

「食うか?」
「いらないのか?悪いな。」

自分に出された食事を看守に差し出したのだ。
看守が船倉に入ってくる。
座り込んでスープを飲み始めた。

「お前、いい奴だよな。本当、トリステインにもいい奴はいるよな。」
「そうか?」

看守が食事をしながら話し始めた。
スネークは座って、相槌を打つ。

「そうさ。…実は俺、昔はトリステインに住んでいたんだ。
 両親もそこに住んでいる。結婚して、アルビオンの王宮に転職したんだ。
 子供もいた。」
「…子供の名は?」
「ジョニーだ。」
「いい名だ。」

親指を立てるスネーク。
ニヤリと笑みを浮かべる看守。

「そうか…、いい名か…。あんたが言うんだから、そうだろうな。」

喜ぶ看守。

「実は、俺もジョニーだ。
 俺の家系は代々長男に“ジョニー”と名づけるんだ。」
「ジョニー一族か。」

感傷に浸っているのか、看守の目にうっすら涙が見える。

「どうして戦争なんだろうな…。」
「…辛いな。」
「ああ…だけど、あんたほどじゃない。」

看守がポケットからビンを取り出す。
シエスタのトマトケチャップだ。

「これくらいなら返しても大丈夫だろう。返すよ。」

ビンを受け取るスネーク。

「俺がしてやれるのはこれくらいだ…。」

スネークは看守を手招きし、耳打ちする。

「ここから出してくれないか?」

当然、だめもとだ。
だが、はっとした顔で看守が立ち上がった。

「それは駄目だ!…おい、逃げ出そうなんて考えないでくれよ!?
 そしたら俺は、あんたを切らなきゃいけなくなる。」

看守が腰の短剣を指して言った。

「…少し話しすぎたな。じゃあな。」

食器を持って外へ出てしまった。
鍵をかけられた音がする。
ただ、振出ではない。
ジョニーの話にはひとつだけ、おかしな点があったことにスネークは気づいていた。


―船首 第一船倉 火薬庫―

ゆらゆらと船独特のゆれが看守を眠りに誘う。
こっくり、こっくりと確実に舟をこいでいく。

だがそんな看守の眠気を吹き飛ばすスネークの悲鳴が耳に飛び込んできた。

「どうした!?」

声のした方―スネークのいる船倉に入る。
そこに“生きている”はずのスネークが―血だらけで倒れていた。

急いで駆け寄り、抱え上げ、容態を確認する。

「…?」

特におかしな所はない。
しいて言うなら、さっきからトマトケチャップの匂いがすることだけだ。

突然看守の顔面に衝撃が走り、口の中に鉄の味が広がる。

血を吐きながらたち上がる看守。
殴った本人、スネークをにらみつける。
手枷をつけられた両拳を振るようになぐった様だ。

「お前、騙したな!?」
「やかましい!」

その言葉と共に、どこかの元貴族の囚人のように蹴りを叩き込む。
そのうち、看守は静かになり、看守から鍵を奪い取った。
一応、生きてはいるようだが、しばらく目は覚まさないだろう。

カチッ

自分の手枷を外し、奪われた装備を回収する。

「おう相棒。無事だったんだな。」
「ああ。おまえもな。」
「おうよ。つかまった後に余計な事を話すようなへまはしねぇぜ。」
「そうか。そのまま黙ったままで頼む。この先は騒ぎを起こすわけには行かない。」

看守を縛り上げ、デルフを黙らせ、警戒しながら船倉を出た。


―左舷 居住区―

木造の狭い通路を気配を消して進む影がひとつ――スネークだ。
足元はゆらりゆらりと揺れ、船に慣れていない者なら忍び足などできない。
だが、船への潜入は初めてではないため、たいした問題ではない。

それ以上に問題なのはこの船の狭さだ。
いくら先ほどの商業船より大きいとはいえ、ただの帆船。
メタルギアRAYを搬送していたタンカーとは比べ物にならない。

人も多く、狭い室内の装備に変えるスネーク。
右手にはM9、左手にはナイフを持ったCQC用の装備だ。

M9とナイフを同時に構え、警戒しながら通路を進む。

「…実は俺…、」

曲がり角の向こうから話し声が聞こえる。
壁張り付きでその会話を盗み聞きする事にした。

「城に帰ったら、プロポーズしようと思ってるんですよ。実はもう、花束も買ってあったりして。」
「おう、はやくしろよベケット。早くしないと、他の奴に取られちまうぞ。」
「お、脅かさないでください!」

どうやらただの雑談のようだ。
二人とも雑談を終え、持ち場に戻る。
ベケットと呼ばれたほうがこっちに向かってきた。

「まずい。」

ここには隠れる場所がない。
かといって騒ぎを起こせば、もう一人の奴が気付く。

「くそっ…!」

久々の潜入で若干勘が鈍っている。
こんなときはどうするか…?


―左舷 居住区―

「ん?」

視界の端に見慣れぬ四角い物を見つける。
近寄って見てみる。ただの紙製の箱のようだ。

「なんだ、ただの箱か。しっかし、大きいな。
 まるで人でも入っていそうだ。」

そりゃないか、と自分で突っ込みを入れて空賊が去っていく。

ガタッ!!

箱が吹き飛び、何かが中から出てくる。
それが後ろを向いた空賊のひざの裏を蹴って重心を崩し、拘束した。
喉元にナイフが突きつけられる。顔は見えないが、男のようだ。

「騒ぐな。」
「だ、誰だ…?」

思わず冷や汗が頬を伝う。
男の声から、従わなければ殺す、という殺意を感じた。

「この船の秘密を放せ。」
「な、なんだと?」

静かに反論する。
喉にナイフの先端が触れた。
反論すら許されないらしい。

「言え!」
「…船長室は…甲板の一番上の扉だ。」

それだけ捻り出す。
しかし、後ろの男は満足していないようだ。

「答えろ!」
「この船は…空賊船じゃない。」

男はナイフを下ろし、軽く首を絞める。
まだ情報を聞きだす気らしい。

「吐け!」
「…くっ、放せ…!」

これ以上は何も言わないだろうと感じたのか、男はナイフを下げる。
ベケットが気を抜いた瞬間、首に回した腕の力が強まる。
息が出来ない…!

「かはっ…。」

肺から息がもれ、ベケットは意識を手放した。
背後の男はベケットの身体を第一船倉に隠し、ベケットの服を着て蛇のように音もなく姿を消した。


―船尾 第二船倉 物置―

「ふぁ~あ。退屈だ。」

看守が伸びをする。
ずっと一人で見張り続けるのも中々大変なのである。

「それにしても、あの女の子…結構いい線行ってるよな。
 もう少し胸があったらいいんだけどな。」

ドンッ!

その言葉を聴きつけたルイズが扉を荒々しく蹴る。
ひっ、と看守は小さく悲鳴を上げ、虚勢を張ってルイズを怒鳴る。

「うるさいぞ!静かにしてろ!」

扉の向こうから強烈な殺気を感じながら、警備を続ける。
すると、こちらに向かってくる人影が一人。
仲間のようだ。

「食事だぞ。」
「ああ。悪いな。」

食事を受け取る看守。
持ってきた仲間の顔を見てみるが、見覚えがない。

「おい、ちょっと待て。」
「何だ?」

たくましい体つきの仲間が振り向く。
うほっ、いい男…じゃなった。

「おまえ、何処のチームだ?」

答えの代わりにパンチが一発。
看守はその一撃で気絶してしまった。

男が扉を開ける。
中にいたルイズとワルドが身構えるが、その男の顔を見て構えをとく。
その男には見覚えがある。
ずいぶん遅いお迎えだった。

「待たせたな!」


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