あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロのミーディアム 第一章 -05


「皆さん。春の使い魔召喚は大成功のようですわね。このシュヴルーズ、
こうやって新学期に様々な使い魔を見るのがとても楽しみなのですよ」
教室に入ってきたシュヴルーズは満足げに微笑んで言う
「やっぱりあの人も魔法なのぉ?」
「当たり前じゃないの」
教室を見回すシュヴルーズにちょうど会話をしているルイズと水銀燈が目に入った
「おやおや、変わった使い魔を召喚したものですね?ミス・ヴァリエール?」
「ゼロのルイズ!召喚出来ないからってどこのお嬢様連れてきてるんだよ!」
いい加減説明するのも飽きてきたが彼女は見た目こそ人間に近いがそうではない
先程の生徒間の噂話でも半信半疑だった者がほとんどだったが、まだ水銀燈が何者であるかは学園内には広まっていないらしい
「違うわ!きちんと召喚したもの!一見この子はただの人間だけどね!
あんた!あれ見せてやんなさい!」
「はぁ…いい加減このやりとりもうんざりしてきたわねぇ…」
彼女が人形であるという証明、球体型の関節を見せる
「嘘だろ?この子人形なのかよ!」
「あなたが操ってるの?」
「でもゼロのルイズなだけに規格外だよな…

「はいはい!静かに!なかなか興味深いことではありますが授業を始めますよ!」
シュヴルーズが騒ぎ出した生徒達を一喝し静かにさせる
もっとも、彼女の言った通り興味深いことだし色々聞きたいこともあった。だが時間は押しているのだ
シュヴルーズはこほんと重々しく咳をし杖を振る。机の上に現れたのは石ころがいくつか
「私の二つ名は『赤土』赤土のシュヴルーズです。土系統の魔法をこれから一年皆さんに講義します」
講義が始まった。その内容は水銀燈にとっても十分興味深いものだった
魔法の基礎となる四大系統。火・土・水・風。それに失われし虚無を合わせた五つの魔法系統
そしてそれらの系統を足すことによりさらなる力を発揮すると言うこと

そして今回の科目は錬金
シュヴルーズが実際に錬金を行った。短くルーンを呟き石に杖を振る。
するとただの石ころだったそれはピカピカ光る金属に変わっていた
「ゴゴゴ、ゴールドですか!ミセス・シュヴルーズ!?」
キュルケが興奮しながら聞く
「いえ、ただの真鍮です。ゴールドを錬金できるのは『スクウェア』クラスのメイジだけです。私はただの…」
シュヴルーズはこほんと咳をし言った
「…『トライアングル』ですから」
錬金を目の当たりにした水銀燈もこれには関心を寄せたようだ
「ふぅん…その気になれば純金さえも生み出せる人もいるのねぇ…相場も何もあったものじゃないわね…」
「その辺は上の人達が考えてくれてんのよ。多分」
「あのおばさん3つ系統足せるから『トライアングル』なのよねぇ?ところで貴女は幾つ足せるのよ?」
水銀燈が何気なく聞いた質問、しかしそれを聞いたとたんにルイズの顔が曇る。そして
「…どうでもいいじゃないのよ。そんなこと…」
ルイズはうつむいて苦々しく言った
「何よぉ…急に沈みこんじゃって…ちょっと聞いただけじゃないのよ…」
色々と言いたい水銀燈だったが、そこにシュヴルーズからの注意が入った
「ミス・ヴァリエール!」
「は、はい!」
慌てて顔を上げるルイズ
「おしゃべりをする暇があるなら、あなたにやってもらいましょう」
シュヴルーズと水銀燈以外の教室の全員の顔が凍りつく
「え?私?」
「ちょうどいいわぁ。貴女の実力を見るチャンスじゃないのよ。やってみなさいよぉ」
水銀燈も後押し。周りの生徒は口には出さないが(何言ってんだコイツ!?)と言わんばかりの驚愕の表情
あのキュルケもルイズに向かって「ルイズ。やめて」と蒼白な顔で懇願している。だが…
「わかりました。やります」
クラスメート達がさらに青ざめる。まるで死刑宣告でもされた罪人のように…
ルイズは緊張した面持ちで教壇へと歩いていった


ルイズはシュヴルーズの隣に立ち自前の杖を取り出す
シュヴルーズはにっこりとルイズに笑いかけた
「ミス・ヴァリエール。錬金したい金属を強く心に浮かべて」
「はい。…何を錬金しようかしら…」
ルイズ色々と金属を思い浮かべ悩みだす。が、なかなか決まらず頭を抱えていると意外なところから助け舟が出た
「鋼よぉ。鋼を錬金なさい」
水銀燈からの一言
「なんで鋼なのよ」
「いや、なんとくよぉ」
でも確かになんとく悪く無い気がする
「鋼ね…。先生!鋼を錬金してみます!」
何故だかわからないがこれなら成功率が高そうに思えたのだ
尚、余談だが生徒達の頭の中に(鋼の錬金術…)と言う謎のフレーズが思い浮かんだが、もっとも、それが何なのかはわからなかった
まあ正確には兄貴のほうだし…
「(見せてもらいましょうか…私のミーディアムの魔力とやらを)」
真剣な眼差しをルイズに向け実力を測らんとする水銀燈。ちなみに彼女とシュヴルーズを除く者達はみな机の下に隠れてしまった
そして水銀燈の隣の生徒が彼女に警告する
「あんた何やってんだ!早く隠れろ!怪我したいのか!?」
「はぁ?何言ってるの貴方?」
「あんたルイズの使い魔なのに知らないのか!?いいから隠れろ!悪い事言わないから!」
「わかったわよぉ…何なのよまったく…」
渋々自分も机の影に隠れた
だが彼女は結果的にこの生徒に感謝することになる
ルイズは目をつむり、短くルーンを唱え杖を振り下ろした
目線だけ机の上に出した水銀燈の見たものは…


ドッカァァァァァァァン!!!


教室に響く轟音と爆発。ルイズが石ころに杖を振り下ろした瞬間、なんとその石ころは机ごと大爆発を起こした!
爆風はシュヴルーズを吹き飛ばし前列の机や椅子を巻き上げ、砕き瓦礫となって降り注ぐ
さらにこの爆発で使い魔達も大騒ぎ!キュルケのサラマンダーは眠りから叩き起こされた怒りで炎を吐きマンティコアは飛び上がり窓を突き破り外へ
その穴から大蛇が入り込み誰かのカラスを飲み込む
阿鼻叫喚の地獄絵図とは言ったものだ
煙が晴れ教壇が見えてくる。そこには煤だらけで真っ黒のルイズ
そしてシュヴルーズは傍らで倒れてピクピクしていた。どうにか死んではいないみたいだが傷は決して軽くないようだ
で、この騒ぎの張本人のルイズはと言うと…
「ちょっと失敗したみたいね」
取り出したハンカチで煤を払いながら意に介した風もなく言った
これがちょっとだって?冗談にしてはキツすぎる。当然他の生徒からの猛反撃を食らう
「ちょっとじゃないだろ!ゼロのルイズ!」
「いつだって成功の確率ゼロじゃないかよ!」

(ああ、だからゼロのルイズなのね…)水銀燈は呆れながらも『ゼロ』の由来を理解した


「まったく…派手にやってくれたわね…」
「悪かったわね、派手にやっちゃって」
瓦礫の山となった教室を見て呟く水銀燈。ルイズも苛立ちながら答える

ルイズの大爆発のおかげで授業ができなくなり、ルイズと水銀燈を残し外の生徒は帰っていった
ルイズと水銀燈が教室に残った理由は勿論この惨状の後片付けである
「さぁ!さっさと終わらせましょ!あんたはあっちから!」
「まったく…誰の所為だと思ってるのよぉ」
「つべこべ言わないほらほら!さっさと手を動かす」
ルイズはまったく悪びれた様子もなく、なかなか手を動かさない水銀燈を叱咤する
「その必要は無いわぁ。めんどくさいし」
水銀燈はそう言うと静かに目を閉じ精神を集中させはじめた
(あの娘に…真紅にできて私にできないことはなくてよ)
そして目を見開き教室全体に横に手を振った
すると…なんと教室じゅうの吹き飛んだ机や椅子、バラバラになった瓦礫までがまるでビデオの逆再生のごとく元通りとなっていく!
流石のルイズもこれには唖然とした
「なによこれ!あんたの魔法?いや、先住魔法なの!?」
「時間のネジをちょっと巻き戻しただけよぉ。原理とかは私にも分からないわぁ」
「分からないってあんた…」
「貴女は歩いたり走ったりするのにいちいち原理なんか考えるの?」
ようは彼女にとってはごく自然のことなのだろう
これにより水銀燈を高く評価したルイズだが…
「でも傑作よねぇ…まさか錬金とやらであ~んな素敵なことになるなんてぇ」
水銀燈自らその評価をぶち壊しにしてしまった
「錬金!あ!ボカーン!しっぱぁい!ゼロなだけにしっぱぁい!」
彼女の悪い癖だ。別にルイズが憎いわけではない。水銀燈からしてみればちょっとからかっているだけなのだが…
ルイズはこれまでになく不機嫌な表情だ
「お嬢様、この私がお嬢様を称える歌を作りましたわぁ」
恭しく頭を垂れ嬉しそうに言った
ちなみにルイズの眉はひくひくし肩は怒りにうち震えている
それでもルイズは答えた
「…いいわ、歌ってごらんなさい」
水銀燈は嬉々として歌い出す
「爆弾~みたいに~♪錬金をしぃ~っぱいしたら♪みんなが~♪ど~こ~までも逃げ~るね~♪時間のは~てまで♪」
晴れ晴れするような愉快な口調である。おまけにこの人形、無駄に歌がうまいのがルイズの苛立ちに拍車をかける
「ある~晴れ~た日のこと~♪魔法以上の瓦礫が♪限りーなく降り注~ぐ♪不可能じゃないわぁ♪」
それにしてもこの人形、ノリノリである
そしてルイズの怒りがついに頂点に達した!
ルイズ、リミットブレイク!!
ルイズは不機嫌な表情を一転させニッコリとさせ水銀燈に告げた
「素晴らしいわ。まったくもって晴れ晴れ不愉快な歌で」
「いえ、それほどでもないわぁ」
誉めてない誉めてない
「こんな歌を歌ってくれる使い魔にはご褒美をあげなきゃね…
…あんたしばらくご飯抜き」
「んな!?」
素っ頓狂な声を上げ驚愕する水銀燈
「ちょっと待ちなさい!ほんの少し悪ふざけしただけでこの仕打ち!?契約はどうなったの!?」
「うるさい!うるさい!うるさーい!んなこと知らないわよ!こっちにだって限度って物があるのよ!!
呪うなら己の軽薄な行動を呪うのね!バーカ!バーカ!バーカ!」
そのままルイズは一人で立ち去ってしまった
これには水銀燈もこれには思わず苦笑い
「…もう二度とあんな歌歌わないわぁ…」
水銀燈は落胆した声で嘆く
「…次はもっとうまくやらなきゃ」
…訂正。この人形まったく懲りてない


昼食抜かされた水銀燈は校内を文字通りふらついていた
とくに描写してなかったが彼女の移動は宙に浮きまるで魔法のフライのように飛ぶ
だがその移動も空腹のためかあっちにフラフラこっちにフラフラ。仕方がないことだ、薔薇乙女だってお腹は空くのだ
もっとも、水銀燈の場合ある意味、生まれた時点で決して解消できぬ永遠の空腹に才悩まされているのだがここでは敢えて伏せさせてもらう
「何よぅ…ちょっとからかっただけなのに…」
彼女にとってゼロの二つ名と魔法の使えぬと言うコンプレックスは水銀燈が思っている以上のストレスだったのだろう
それを思うと水銀燈も今更ながら罪悪感が沸く。…何故なら彼女にもルイズに勝るとも劣らぬコンプレックスがあるのだから
(考えてみればあの娘がゼロと呼ばれるのは私がジャンクって呼ばれるのと同意気よね…)
以下、水銀燈の脳内。
まず思い出したのは緑色のドレスを来た三番目の妹
「翠星石…」
「ジャンクはどんなに頑張ったってジャンクですぅ!」
日頃から毒舌家の彼女からの一言。憎まれ口ばかり叩いている為いい加減慣れていたがやはりこの一言には腹が立つ
次はシルクハットをかぶった大きな鋏を携えた少女
「蒼星石…」
「僕がこんなジャンクごときにやられたなんて…お父様に合わせる顔がない…」
日頃真面目かつ悪口をいわない彼女だからこそグサリとその言葉が突き刺さる
そして今度は金髪の巻き髪の眩しい桃色のドレスを着た小柄な少女
「雛苺…」
「水銀燈もうにゅー食べるのー!」
「ああ、ありがとぉ…」
お腹好いたわねぇ…回想にまで空腹がついて回る
その次はおでこの広い日傘をさした少女
「…誰だったかしらこの娘?」
「ひ、ひどいかしらー!」
飛ばしましょ。次よ次
紫色のドレスを着た片目に眼帯を付けた感情の乏しい少女が現れた
「薔薇水晶…」
「じゃんくろーど・う゛ぁんだむ」
意味が分からなかった。まあこの娘自体よく分からない娘だし…


そして最後に出てきたのは紅いドレスの元恩人であり…そして憎むべき宿敵となった少女
思い出されるのは袂を分かったあの記憶
「…真紅ッ!」
「ジャンク…作りかけの…ジャンクのくせにッ!!」
断っておくが前述の通りこれは水銀燈の脳内(脳があるのか不明だが…)、言わば妄想の産物である(一名を除いて)
薔薇乙女達の名誉の為に言っておくが余程のことが無い限り敵対するとは言え彼女らが姉妹をジャンク呼ばわりすることは無い
…真紅に関しては『余程の事』が起こってしまった悲しい一例だが…
だが空腹でイライラしている水銀燈にはそんなことはどうでもよかった。
最後に思い出された忌々しき記憶。その少女に向かい水銀燈は怒鳴りつけた
「うるさいッ!私はジャンクなんかじゃないッ!!」
空腹でできた幻覚なのか宙に浮かぶ真紅に大声を張り上げる
「きゃあ!」
ちょうど曲がり角となっていた廊下。突然大声を上げた水銀燈に驚き1人の少女が尻餅をついた
「…メイド?」
水銀燈の見下ろした先にはまさしく使用人。彼女の言う通りすなわちメイドの格好をした少女が倒れていた


新着情報

取得中です。