あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

Wizardry Scenario 4.0-02


○月○日
 アミュレットを返してエセルナートに戻ってきたが、相変わらず私を狙う者は絶えない。まぁ100年前までの自分の所業を省みれば至極当然ではあるが。
 刺客連中を死なない程度に叩きのめして追い払っているが、それにしてもいい加減飽きてきた。同じ連中が懲りずに二度三度と挑戦してくる事もザラにあるのだから困ったものである。
 今の私にとって、エセルナートはもはや解き方が充分過ぎるくらい分かってしまったパズルのようなものだ。ここですることがなくなりつつある今、私は何処に向かうべきか?

○月○日
 信じられない事が起きた。
 すべては私の前に突然銀色の鏡のようなものが出現したことから始まった。鏡の中には桃色の髪の少女がいて、杖を片手に何やら言っていた。デュマスを使ってみると、どうも私を使い魔として召喚に応じさせたいらしい。
 昔の私であれば一笑に付していたのだろうが、術式が私の知らない者だった事もあり興味が湧いたので鏡の招じ入れるがままに足を踏み入れたところ……私はエセルナートとは違う世界にいた。
 私を召喚したのはルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。この異世界の中の国・トリステインにある公爵家の三女であり、トリステイン魔法学院の生徒らしい。学校行事の一端で使い魔を召喚し、契約を結ぶそうだ。
 そばにいた教員らしき男の話によると、普通はドラゴンやサラマンダーのような魔法生物が召喚されるもので、私のような人間が引っかかるのは非常に稀のようだ。ルイズ嬢は粗相をしでかしてしまったかのように動揺を隠しておらず、教員達や学院長も当惑していた。
 周囲の人々は皆エセルナートのどの言語とも違う未知の言語で話しているが、何故か今の私にはデュマスなしでもそれが理解できる。恐らくあの銀色の鏡を抜けた際に言語知識を授けられたのだろう。
 但しその言語知識には文字や数字は含まれていないようで、本を見せてもらっても謎の記号が書き連ねられた謎の文書にしか見えない。使い魔は文盲でも務まるからいいのかもしれないが、これを何とかしないと人生の楽しみが半減だ。
 ともあれ彼女との使い魔契約は延期され、当面は学院の客間での寝泊りということになる。今も会議室では学院長や教員達が私の処遇を論議中だ。
 空を見上げると、月が二つある事に驚いた。改めて自分が異世界に来た事を実感する。

○月○日
 教職員会議に呼ばれ、突っ込んだ質問を受けた。エセルナートの事、私が使える魔法の事、今後の希望の事など。
 エセルナートの事については訝しく思っていたようだが、彼等の目の前でハリトやマラーを使ってみせると納得した。彼等の知る魔法とは全く異なる大系であり、それを使う私もまた彼等の知らない世界の存在であると認めたようだ。
 このハルケギニアという世界では魔法使い(メイジ)が貴族階級を占めており、旧帝国のように魔法を重視した社会のようだ。
 異世界からの人間、それも私レベルともなると存在そのものが高貴とされるようだ。戦士や盗賊さえも実力と運さえあれば一国一城の主になれるエセルナートとは随分違う。
 こちらからは逆に使い魔の契約について質問してみたが、予想通りとはいえ主側が強い立場らしい。私が「随分一方的な契約なんだね」と皮肉を含ませて言ってみたら、オスマン学院長は汗を拭きながら申し訳ない済みませんとお辞儀を繰り返していた。
 コントラクト・サーヴァントの実例をいくつか見せてもらったが、あのぐらいであれば私にも解除はできる。
 2年間彼女の面倒を見てやり、卒業した際彼女が嫌であれば解除して彼女の元を去ればいい。たったそれだけの事なのだが、前例がないばかりに彼等はまだ会議を続けている。
 御苦労な事だ。

○月○日
 私自身が望んで召喚に応じたということで契約の魔法まで完了。
 彼女が呪文を詠唱すると地面に魔法円が描かれ、その真ん中で接吻をすることで術式は完成。齢300以上の爺をファーストキスの相手にしてしまった(所作から推測)彼女だが、むしろ光栄だと嬉しそうにしていたのが幸いだ。
 その際私の左手に刻印された未知のルーン(この世界でも珍しいものらしい)が気になったので自分でも調べてみたが、どうやらこれは主であるルイズ嬢と私を繋ぐ「鎖」のようなものらしい。或る程度の行動を制限する力はあるが、逆に恩恵を与える事もできるようだ。
 異世界という概念はこのハルケギニアという世界では説明しづらい上政治的にいろいろ面倒な事になる為、私は遙か東方にあるらしいロバ・エル・カリイエという所から召喚に応じたメイジということになった。
 彼の地については召喚された際一部記憶が抜けてしまったということでごまかすことにする。
 この双月の異世界ハルケギニアで私を待ち受けている運命は何か?新しいパズルを前に、私の心は久しぶりに躍っている。

○月○日
 使い魔としての生活が始まった。
 人間、それもメイジということもあり、主・ルイズと同じ食堂で朝食。
 異世界の料理はどんなものか、正直なところ期待半分・不安半分であったが、幸か不幸かリルガミンのそれとあまり変わりなかった。
 ここで崇拝されているのは始祖ブリミルという神。強力な魔法を使うだけでなく、ハルケギニアに存在する4王国(ここトリステインの他にアルビオン、ロマリア、ガリア)は彼の3人の息子と1人の弟子が初代国王だったらしい。
 ルイズに頻繁に話しかけてきた色黒の少女はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー(長いフルネームだ)。
 何でもゲルマニアから留学してきているが、ツェルプストー家はヴァリエール家と伝統的に仲が悪いようで、私がキュルケ嬢と話していると機嫌がよろしくない。もっとも私の見た感じではルイズがキュルケ嬢に遊ばれているような感じだ。
 彼女の二つ名は「微熱」、その名の通り火属性の魔法を使いこなす。
 そのキュルケ嬢と一緒にいることが多いのがタバサという寡黙な少女(こちらはフルネームを教えてくれなかった)。眼鏡をかけた小柄な娘だが、十代でシュヴァリエの爵位を得ているエリートらしい。
 グラマラスで色黒、社交的なキュルケ嬢と、細身で色白、無口なタバサ嬢の関係はまさに対照的だが、その二人がつるんでいる事が多いというのも妙な話だ。
 ただタバサ嬢のの眼鏡の奥にある瞳の奥に、何か暗い炎が見え隠れしているような気がする。彼女の二つ名は「雪風」だが、その仮面の下には何があるのだろうか?
 この世界の魔法使いには皆二つ名があるようで、それが自身の得意分野をアピールする看板のようなものらしい。
 で、我が主ルイズは「ゼロ」。どんな魔法でも何故か爆発になってしまう、成功率ゼロだからだそうだ。今日の授業でもそれが発動してしまったが、その時気付いたことがある。
 あの爆発のプロセスは、私が持つ最強の攻撃魔法ティルトウェイトに良く似ていた。
 物質を結びつけて物体としている力を束ねて爆発的な力を生むのだが、あまりに強大すぎる為爆発自体は異空間の中で行わせ、物質界へは熱と衝撃のみをもたらすようにするあの魔法である。
 無論最高位クラスでなければ使いこなせず、実践経験が浅いであろう魔法学院の生徒には明らかに不似合いだ。
 そしてもう一つ、全ての魔法があのような爆発になるということ。ライト(ロミルワ相当)でもサイレンス(モンティノ相当?)でも、
 何はともあれ、文字が読めなくては考察と推測しかできない。今日からルイズに教えを請う事になったが、早いところ体得しなければ。

 学校が終わった後、学院寮付近にある手頃な空き地を貰ったのでそこを使って地下室を作る。
 いつものようにティツロウェイトを使ったのだが、見学に来ていた教員や生徒達は皆驚いていた。

○月○日
 大人げのない事をしてしまった。
 いつも薔薇の造花を持ち歩いている色男のギーシュという少年が二股をかけていたのだが、それがちょっとした事で本命の少女に分かってしまったらしい。
 で、そのきっかけを作ってしまった平民であるメイドの少女に八つ当たりを始めたので、義憤を抑えきれずに喧嘩を売ってしまった。
 「グラモン元帥の御曹司は平民の少女に当り散らすのが関の山かね」「魔法なしでこの老骨が相手をするのがそんなに怖いのかな」等々。
 今思うと汗顔の至りだが、若人達に囲まれていて心も若い頃に返ってしまったのだと自分自身に言い訳。

 少年は「青銅」(土属性らしい)のドットメイジということで、大地から戦乙女の姿のゴーレムを造り上げてぶつけてきたので少なからず驚いた。
 エセルナートでも四大の概念はあったものの、攻撃的な魔法の使い方としては非常に稀。私もかつてアースジャイアントやアイアンゴーレムを使役していた事があったが、あれはどちらも戦場ですぐに造り出すものではない。確かに、単なるお坊ちゃんではなかった。
 だが残念な事に、彼には経験が不足していた。私が感心してゴーレム達を眺めていたのを、恐怖の余り棒立ちになっていると誤解したらしい。
 予想通り、ワルキューレ達は甲冑で身を固めた人間同様関節部の装甲が脆弱だった。その攻撃をかいくぐって短剣を斬りつけるだけで、ワルキューレ達は破壊された。最後は残っている6体全部をぶつけてきたが、それも同じ運命を辿った。
 万策尽きた彼は負けを認めたので、件のメイドに詫びを入れさせてケリはついた。が、私の心中にはまたケリのついていない問題がある。

 戦いが始まった時、クリスナイフを抜こうとした際左手に僅かながら熱を感じたので見てみたところ、コントラクト・サーヴァントの際に刻印されたルーンが発光していた。
 そしてそれから全ての動きが非常にはっきりと見え、相手の攻撃の軌道がまるで空間の中に線を描いているように予測することができた。
 脚も馬のように駆けることができ、まるで羽が生えたように軽々と跳べる。手にした短剣も刃を触れただけで金属を薄紙のように両断した。
 これもコントラクト・サーヴァントの効果なのかとルイズに聞いてみたが、彼女も分からないようだ(表情から察しても隠している様子はない)。読み書きができるようになれば自分で調べられるのに、非常にもどかしい。

○月○日
 ルイズに頼んでいくつか「実験」をさせてもらった。
 まずはルーンの効果。彼女を標的にハリトをかけてみたが、全て跳ね返された。やはり使い魔は主を攻撃できないようになっているらしい。
 ディオスは問題なくかかったから、攻撃的か否かを行為で判定して制限をかけているのか、殺意や害意の有無が判断基準なのか、それとも両方なのか?
 そして彼女の魔法が全て爆発するという事実の確認。爆発は全く制御できない訳ではなく、爆心地の指定ぐらいはできるようだ。おまけに呪文の無効化も受け付けないから、汎用性はないが用途を限れば効果は充分だろう。
 やはり才能がない訳ではない。むしろずば抜けた才能を持っていながらそれを発現する方法が誤っているだけのようだ。
 四大全ての魔法が爆発になってしまうことを考えると恐らく鍵を握っているのは第五の元素・虚無だろう。だが虚無はこの世界では禁忌の存在のようで参考文献が乏しいらしく、王室の最高機密文書にも記述があるかどうか怪しいというレベルらしい。

○月○日
 授業がない日ということで、ルイズに町への案内を頼んだ。。
 着いた町は城下町ということだが、さすがにリルガミン程ではない。もっとも建物の造りや町並びの構造などは似通っている。手足が2本ずつの知的生命体がやることは、どの世界でも大差ないようだ。
 まず買ってもらったのはマント。ルイズによればマントはハルケギニア全土でメイジの印であるそうで、「ワードナほどの高位メイジがマントなしなんて格好がつかないし、主の私も笑われちゃうでしょ」とのこと。
 古書店では「始祖の祈祷書」「イーヴァルディの勇者」「炎の予言」を入手。どれも胡散臭い偽書じゃないかとは言われたが、全くの根も葉もない嘘というものは逆に書きにくい。千の嘘の中に一の真実がすくい出せるかもしれない。
 帰り道に寄った武器店を冷やかしで覗く。店主は口八丁手八丁でなまくらを高値で売りつけようとしたが、どれもこれも問題外と一つ一つ問題を連ねてやったらおとなしくなった。
 殆どが使い物にならないものばかりだったが、一つだけ興味深い掘り出し物があった。インテリジェンスソードだ。
 店主と口論していた剣は自らをデルフリンガーと名乗った。錆は浮いているものの、十分使用には耐えられる状態。
 店主はこの剣を厄介者扱いしていたようで、提示した価格もかなり安値だったのが幸いした。
 用が済んだので学院に戻ろうとしたところ、キュルケ嬢とタバサ嬢に遭遇。キュルケ嬢はたまたま会ったと主張していたが、学院から我々をつけてきていたらしい(タバサ嬢は足の速い使い魔を持っているので足代わりにされた模様)。
 キュルケ嬢からどうしても受け取ってくれと言われたので剣を貰ったのだが、ルイズから凄い目で睨まれた。女同士の争いは恐ろしいものだ。

○月○日 未明
 昨日、学院宝物庫に賊が入ったと聞かされた。犯人は「土くれ」のフーケといい、領収証を置いていったらしい。洒落が利いていると軽口を叩いたら、ルイズに八つ当たりの爆発魔法を喰らった。
 何でも貴族ばかりを標的にしている愉快犯じみた盗賊だそうで、貴族の三女である彼女にとっては腹立たしいだけのようだ。口は災いの門である。
 盗まれたのは「破壊の杖」。使い方が分からない為封印されていた代物のようで、悪用されたらどんな事になるか分からないらしい。
 が、フーケの潜伏先が掴めたにもかかわらず教職員連中は軍隊を派遣してもらおうだの何だのと言いぬけて、自分が行こうという者は皆無だ。
 そんな役立たず連中を尻目に立ち上がったのが我が主ルイズ、それとキュルケ・タバサ(彼女達にはとことん縁がある)。無論私も同行する。
 道案内はフーケの居場所をつきとめたオスマン学院長の秘書・ロングビル嬢が務める。フーケの逃走を許さない為にも、この夜のうちに襲撃をかけることとなった。

○月○日 昼過ぎ
 事件は意外な形で解決した。ロングビル嬢はフーケだったのだ。
 行きの馬車で妙に引っかかるところがあったのでいくつか罠のある質問をしてみたところ、引っかかってくれたので警戒できたが、学院宝物庫の罠に引っかからなかったのも納得がいった。学院長自らが情報漏洩をやっていたわけだ。
 とはいえ乙女達も頑張ってくれた。ルイズは魔法失敗の爆発を攻撃に使う術をうまく攻撃に活かしてくれたし、キュルケは炎の魔法、タバサは風の魔法でフーケのゴーレムを攻撃、破壊に成功した。
 ゴーレム破壊に成功して浮かれていた一瞬の隙を突いてロングビル=フーケは我々の後ろを取って杖を捨てさせたのだが、私の魔法が杖なしでも使えるということを彼女は知らなかったようだ。
 マニフォを喰らって動けなくなってもらったところを捕縛して御用。学院に戻って衛士隊に引き渡して決着。
 ルイズの話では貴族の財産を大量に荒らしまわっていたので死罪は免れないとのこと。正直なところ、あれほどの才能を消してしまうのはあまりに勿体ないが、彼女自身の行いの結果である以上仕方がない。
 ルイズとキュルケ嬢はシュヴァリエの称号の授与、元からシュヴァリエだったタバサには精霊勲章の叙勲が決定。
 但しルイズ自身は第一功労者である私に何の沙汰もないのはどういう事かと怒っていたのに驚かされた。人間といえども使い魔は使い魔、主の所有物同然でありその所有物に叙勲などありえないというのがこの世界の常識だが、彼女はその常識に異議申し立てを行ったのだ。
 結局私自身が肩書きなど望んでいない事、主の出世は自身の地位(と収入)の向上にもつながるから受け取ってくれと説得して不承不承ながらも納得した様子。

○月○日
 今日はフリッグの舞踏会というお祭りの日らしく、学院全体が浮かれた雰囲気に包まれている。
 ルイズは後から行くという事で先に会場にいたのだが、周囲から話しかけられることが多くなった。どうやらフーケの件で有名になったらしい。
 久しぶりにギーシュとも話し込むこととなった。どうやら以前の敗北で自信が揺らいできているらしいようだったので、自分の欠点が分かったと前向きに考えていけと回答したところ、迷いが晴れたようだった。
 そうこうしているうちにルイズが到着。一張羅と思しき最高級のドレスに身を包み、見違えるようなその姿に少なからず驚く。
 彼女の踊りに誘われたので応じたのだが、まだまだ不慣れの為合わせるのがやっとだった。必死になっている私の顔を見てしてやったりと言いたげに微笑を浮かべていたが、不思議と嫌な気分はしなかった。


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