あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロのミーディアム 第一章 -04


カチャ…

少女の寝息しか聞こえぬ薄暗い部屋から何かの開く音。それは部屋の隅に置かれた一つの鞄から出たものだった
そしてその開かれた鞄から一人の少女が出てくる
「ん~清々しい朝ねぇ」
漆黒の翼をバサリと広げ大きな背伸びをする少女…水銀燈。そしてベッドで眠っている少女、ルイズの方を見た
「ん~メロンパンがこんなにたくさん~もう食べられないわ~」
眠りながら既に使い古されたフレーズを呟くルイズ。寝言のテンプレとも言えるお約束の一言。しかし何故メロンパン?
「とりあえずこの子を起こさなきゃねぇ…」
水銀燈がカーテンを開くと眩い光が差し込み部屋を照らした
「朝よぉ、起きなさい。ナg…間違えた。ルイズお嬢様?」
お嬢様なんて言ってるが多分彼女のことだから皮肉っているのだろう
…待て、今なんか言いかけなかったか?ナgって何だ?間違えたって何だ!?
「ふぇ…?もう朝なの?…ってあんた誰!?」
ルイズは寝ぼけ眼をこすったと思いきや突然怒鳴りだす
「はぁ…貴女もう自分の契約者忘れちゃった訳ぇ?」
水銀燈はやれやれと言った手振りでため息をついた
「ああ、そう言えば昨日召喚したのよね…」
ルイズは起き上がるなり大きなあくびを一つして水銀燈に命じる
「下着と服~」
「はいはい。…下着ってどこよぉ?」
「そこのクローゼットの一番下よー」
しぶしぶと服と下着を取りルイズに渡す。不本意だが昨日約束したことなので文句は言わない
下着を身につけたルイズは再びだるそうに呟く
「服、着せて」
「…貴女、服を自分一人で着れないって訳じゃないわよねぇ?」
「あんたは知らないだろうけど貴族はしもべがいる時は自分で服なんて着ないのよ」
「全く…世話のやける子なんだからぁ…」
水銀燈は仕方なくブラウスを手にとりルイズに着せてやる
「んーよきかなよきかな~あんた意外に服着せるの上手いわね」
「アリスになった暁にはお父様の御世話をして差し上げなきゃいけないでしょお?
その為に色々できるようにしておいたんだけど…」
まさかこんなことの役に立つとは
「…なんかわかんないけど、ずーっと昔からあんたにこうやって服着せてもらってるような気がする…」
「奇遇ねぇ?何故か私もそんな気がするのよねぇ?昨日会ったばかりなのに…何故かしらぁ?」

少なくとも二人が前世ではお嬢様とそのメイドさんだったりするなんてことは無いと思われる、多分


ルイズの部屋を出ると同じようドアが壁に並んでいた
そのうちの一つが開き中から燃えるような赤い髪の女の子が出でくる
女の子と言ったが身長はルイズより高く体つきは大人に近い。むせるような色気を放つ女性だ
「おはよう。ルイズ」
赤毛の彼女はルイズを見るなりにやっと笑い挨拶をかわす
「…おはようキュルケ」
ルイズは露骨に嫌そうな顔で挨拶を返した
「ねぇ?昨日のサモン・サーヴァントであなたも使い魔召喚したのよね?何召喚したのよ?
ちなみに私は誰かさんと違って一発でこんな素敵な子呼び出したのよ?フレイム!」
彼女は…キュルケは突然会うなり嫌みに話を切り出し出し自慢げに使い魔を呼び出す
(典型的な嫌な奴ってとこかしらぁ?こういうのス○オって言うのよね?意味は分からないけど)
水銀燈はそう思っても口には出さない
キュルケに呼ばれのっそりと彼女の部屋から真っ赤なトカゲが現れた
「火トカゲよ!見て?この尻尾!ここまで鮮やかな炎の尻尾は間違い無く火竜山脈のサラマンダーよ!
ブランドものよー!好事家に見せたら値段なんかつかないわよ!」
「ふぅん…これがサラマンダー?初めてみたわぁ。本当にこんなのがいるのねぇ~」
床に降りサラマンダーをまじまじと見て物珍しそうに水銀燈は言った
「ルイズ…何なのこの子?」
「私の使い魔よ?」
「プッ…あなたサモン・サーヴァントで人間呼び出してどうするのよ!」
「私は人間じゃないわよぉ」
「は?何言ってんの?あなたどう見ても人間じゃないのよ!」
バカにした口調で水銀燈を指差し言うキュルケ
確かに水銀燈は見た目はちょっと小柄で翼を生やしているが
それ以外はどう見ても人間です。本当にありがとうござました
「はぁ…あんた、ちょっとドレスの袖上げて」
「全く…私の体は見せ物じゃないのに…」
水銀燈が腕の袖を上げる
「球体関節…ってこの子人形なの…!?」
そう、水銀燈の手首と肘の部分は人間のそれと違っていた
「そうよ?おまけに自律式で自動式!」
「自律式!?実現されたなんて聞いてないわよ!?そんな人形!」
「その通りよ。ブランド物どころの騒ぎじゃないわ!
好事家に見せたら値段つくどころか研究者に押収されてバラバラにされて調べ上げられるわよ!!」
「死んでもそんなことにならないようにしてよねぇ?
ああ、ハジメマシテ私は誇り高きローゼンメイデンの第一ドール水銀燈。コンゴトモヨロシク…」


水銀燈はキュルケにいつもの妖しい笑みを浮かべ慇懃無礼に自己紹介
彼女もキュルケの性格はあまり好ましくないらしい

キュルケは内心舌打ちした
(聞いてないわよ!どうせゼロのルイズのことだからただの人間とか、
それもなんか冴えない地味な平民あたりを召喚して途方に暮れてると思ったのに!)
どうでもいいがなんでそんなに使い魔の例が変に具体的なのだろうか?人間だの地味だの平民だの
「そ、そう!なかなか面白い使い魔ねぇ!ゼロのルイズにぴったりな変な子で!それじゃ、お先に失礼~!」
そう言うと引きつった笑いを浮かべ炎のような髪をかきあげ去っていった
ルイズは水銀燈を見やり小さく呟く
「…あのキュルケに一泡ふかせたってだけであんた呼び出して良かったかもね?」
「ん?何か言ったかしらぁ?」
「な、何でもないわよ!」
「ところであの子も言ってたし昨日から耳にしてることなんだけど…ゼロのルイズの『ゼロ』って何なのよ?」
「…ただのあだ名よ。ちなみにキュルケは『微熱』。微熱のキュルケ」

「あの子のはなんとなく納得できるけど貴女はなんで『ゼロ』なの?」
「あんたには知らなくていいことよ」
「うーん、貴女の通った後はペンペン草一本生えないからゼロだとか…」
「そんなわけないでしょ!どんな危険人物よそれ!」
「そうよねぇ?なんかバカにされてる感じだったし…
ああ!わかったわぁ!ゼロと言うのは貴女のむn…」
水銀燈はルイズの体の一部を見ながら言いかけたが…
「……!!!」
「…やっぱりなんでもないわぁ」
ルイズの無言の圧力と鬼気迫る表情の前に大人しく引き下がった


ルイズと水銀燈が朝一番に向かったのは学園内の食堂だった。
かなりの大きを誇る食堂だ。内部はゆうに百人は座れる出あろう長いテーブルが3つ並び
生徒だけでなく先生も食事をとっている。学院内全ての食を担う場所なのだろう

食堂に入るルイズと水銀燈。水銀燈は入るなり近くにあった小人の銅像とにらめっこ。
そんなにその銅像が珍しいのだろうか?
「見ての通りここは食堂よ。正式名称は…」
「『アルヴィーズの食堂』でしょお?」
ルイズに向き直り答える水銀燈
「何で知ってるのよ?」
「この子に教えてもらったのよぉ」
彼女はさっきまで見ていた銅像に目を向け言った
「…銅像が喋る訳ないでしょ?」
「それはあなた達が耳を傾けてないのよ、この子達結構お喋りなのよ?え?なぁに?」
とまた銅像に向き直る
どうやら本当に会話をしているようだ
「え、そうなの?やっぱり?そりゃそうなっちゃう訳よねぇ」
「何よ?その子なんて言ったのよ」
「貴女のこと『食べ物の好き嫌が多いから背も胸も大きくならないんだよ』って言ってるわぁ」
「こいつらすました顔してそんな事考えてるの!?
…って、大きなお世話よッ!!」
「はいはい怒らない怒らない。乳酸菌足りてない証拠よぉ?ささ、席にお着きになって嬢様?」
性格はアレでも礼儀はわきまえているのか水銀燈は使い魔らしくルイズの席の椅子を引く
…なんか馬鹿にされてるニュアンスがあるのは気のせいだろうか?
水銀燈はルイズを座るのを見届けると自分はその横の席に腰掛けた
「朝から無駄に豪華ねぇ?私もこれ頂いていいのかしらぁ?」
「本当は良くないんだけどね、約束は約束。特別に許可してあげる」

どこかから「ひでぇ!俺の時は床に座らせられた上に貧相なスープと固いパンだけだったのに!」と言う一般人で平民の声が聞こえてきたような気がしたが多分幻聴だ。
気にしない気にしない。そう怒るなよ。乳酸菌とってるか?才人。


「本当に食べてるわね…」
「そりゃ食べるわよ。お腹すいてるし」
食事をとる水銀燈見て呟くルイズ
見た目はほぼ人間近いので時折忘れてしまうが彼女は人形である
ナイフとフォークを器用に使い優雅に食事をとる様は実に愛らしい
(黙ってれば見た目はいい子なのに…)
…おそらく水銀燈もルイズに対し同じ事を思ってると思われる


食事が終わればいよいよ授業が始まる。
教室は大学の講義室のような物だった

ルイズと水銀燈が中に入ると中の生徒が一斉に振り向く。
(あれがゼロのルイズの使い魔か?)
(アイツ人間なんか召喚したのかよ)
(いや、それが人形だってさあの娘)
(人形?ガーゴイルやゴーレムみたいなもんか?)
(噂によると勝手に動いてるらしいぜ?)
生徒達は何かヒソヒソ話を繰り広げている。いろんな意味で有名な彼女とその使い魔に興味が尽きないようだ
「人気者ねぇ?貴女」
「いや、あんたのせいだから」

周りの生徒も様々な使い魔を連れていた
特に水銀燈の興味を惹いたのは彼女の世界ではおとぎ話やファンタジーの世界の生き物とされている空想上の生き物だった

「あれってバジリスクよねぇ?」
「そうよ。下手にさわると石にされるから気をつけなさいよ」
「あの目玉のお化けみたいなのは?」
「バグベアーね」
水銀燈が指差した先には巨大な目玉がと浮かんでいた
そのバグベアーと水銀燈の目が合った
するとバグベアーはぷかぷかと浮かびながら水銀燈に近づいてくる
「…何なのよコレ」
近くまで近づいてきたがやはり少々グロテスクだ
「安心なさい。別に危害を加えようって訳じゃなさそうだし」
バグベアは水銀燈の方を向きその一つ目をニッコリさせる
(見た目はアレだけど別に悪い子じゃなさそうねぇ…)と思った矢先




「このロリコンどもめ!」




ピシッと言う何かが凍りつくような音とともに水銀燈の顔が引きつった
「縁起がいいわね、あんた。女の子がバグベアに鳴かれるのって吉兆なのよ?」
「このロリコンどもめ!」
「変な鳴き声よね?生物学者が言うには『世界の少女に祝福を、全ての少女に幸福を』って意味が込められてるそうよ?」
「このロリコンどもめ!」
バグベアーは水銀燈に黒い触手のような腕を差し出した
「ほら?握手求めてるわよ?」
水銀燈は引きつった顔のまま腕をとり
「あー、その、よろしくね…」
と返すしかなかった
「このロリコンどもめ!」
バグベアーの方も嬉しそうに答えた

そんなやりとりをしていると扉が開き教師らしき中年の女性が入ってきた
間もなく授業がはじまる


――そして水銀燈はここで知ることになる。何故彼女が…ルイズがゼロなどという二つ名で呼ばれているのかと言うことに


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