「戻る?無理よそんなこと!できるわけないでしょ!おとなしく私の使い魔となりなさい!」
その言葉に、勘助は驚愕した。
「小娘!今何と申した!戻ることが、無理と申したか!」
「当たり前でしょ!元の場所へ返す魔法なんて聞いたことないわよ!」
「なんと・・・では、元の場所へ戻る手段は無いと、いうことか」
「だから最初から無理っていってるでしょ!そんなことはどうでもいいわ!私の使い魔になることを認めなさい!」
「認めぬ」
「認めなさい!」
「認めぬ」
「こ、これだけ言っても分からない何て・・・いいわ。それならこっちにも考えがあるわよ・・・決闘よ!その体に、ご主人さまというものをしっかりと教え込んであげるわ!」
「なっ!み、ミス・ヴァリエール!決闘は御法度ですぞ!」
それまで、流れについていけずに唖然としたコルベールが、あわててルイズを制止した。
「禁止されているのは貴族同士の決闘のはずです。自分の使い魔との決闘を禁止する、だなんて聞いたことありません」
が、ルイズはそれに対しては冷静に答える。
一方、それに困ったのはコルベールである。
一方、それに困ったのはコルベールである。
「そりゃきみ、誰も使い魔と主人が決闘するだなんて考えもしないだろうし・・・」
「とにかく、ミスタ・コルベールに留められるいわれはありません。勘助!いいわね!」
「承知」
以前はこのようなことがあれば、迷惑!と言って振り切ったものなのだが。
しかし、今度の勘助はそれを止めようとしなかった。
見る人が見れば、勘助は大して怒っていないとわかっただろう。
なにせ、勘助は自分の失策により武田家を危機にさらし、それを勝利に導くために己の命を捨てたのだ。
そこを、ルイズによって助けられた。
ここへ呼ばれたことに、何故怒れようか。
しかし、今度の勘助はそれを止めようとしなかった。
見る人が見れば、勘助は大して怒っていないとわかっただろう。
なにせ、勘助は自分の失策により武田家を危機にさらし、それを勝利に導くために己の命を捨てたのだ。
そこを、ルイズによって助けられた。
ここへ呼ばれたことに、何故怒れようか。
(私は、一度死んだのだ)
今更、信玄に忠義を尽くす必要も無い。
信玄の事は、好きだった。
命をかけようとも思い、実際に命を捨てた。
だがしかし、勘助は信玄の忠実な僕というわけでは無い。
信玄はあくまで、夢なのだ。
そして、夢でありながら、野望でもある。
信玄という人間、そしてその息子の勝頼によって天下を統べる。
それこそが彼という人間のすべてだった。
それももう、終わったことだ。
それに、勘助がいなくとも、信玄ならばむやみに焦って暴走することもないだろう。
武田に信玄がある限り、武田は決して滅ばない。
そういう確信が、勘助にはあった。
信玄の事は、好きだった。
命をかけようとも思い、実際に命を捨てた。
だがしかし、勘助は信玄の忠実な僕というわけでは無い。
信玄はあくまで、夢なのだ。
そして、夢でありながら、野望でもある。
信玄という人間、そしてその息子の勝頼によって天下を統べる。
それこそが彼という人間のすべてだった。
それももう、終わったことだ。
それに、勘助がいなくとも、信玄ならばむやみに焦って暴走することもないだろう。
武田に信玄がある限り、武田は決して滅ばない。
そういう確信が、勘助にはあった。
「良い?私は貴族だから魔法を使う。別に卑怯とかなんとか言う気はないわよね。そして、私が勝ったら、あんたは私の使い魔よ」
(使い魔か・・・よくよく考えれば、それもいいやもしれん。この地が戦乱に渦巻く地であるならば、この地の知を蓄え、再び天下を目指す為の準備期間にもなるやもしれんし、そうでなくとも、平和にただ生きるのも、あるいは良いやもしれん)
「承知した」
「あんたがそこを一歩でも動いたら、開始よ。いいわね」
「グッ」
突如、勘助が叫びをあげると、そのまま地面に崩れ落ちた。
あたりに靄がかかっている。
おそらく、スリープクラウドの呪文で眠らせたのだろう。
あたりに靄がかかっている。
おそらく、スリープクラウドの呪文で眠らせたのだろう。
「ミス・ヴァリエール。例え使い魔と主のものであっても、決闘は禁止です。とりあえず、今日は部屋に戻りなさい。この使い魔の事は、院長や先生方と相談してから決めます」