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頭をかきむしる癖のある使い魔

学院長室では教師達が責任の所在を押し付けあっていたが
その見苦しい茶番劇はオールド・オスマンの登場によりひとまずは収まった。

「誰もこの学院の宝物庫が狙われるとは考えてもいなかった」
「責任はこの場の皆にある」
「大体この場に居るものでまともに当直を勤めた者はいるのか」

と最高責任者に言われれば誰も反論など出来はしない。
だが、質問をする者なら一人いた。

「…あのぉ、ちょっといいですか?」

その声に皆が扉の方を向くと、そこに居たのはボサボサ頭に汚い帽子をかぶり
薄緑色の、トリスティンでは見ない奇妙な服に木で出来た下駄なる靴を履いている
小柄で貧相かつ奇妙な男であった。

皆が胡散臭げな目で見ている中、オスマン学院長が彼に返答しつつ自らも質問をした。

「君は確か……、ミス・ヴァリエールの使い魔じゃったな
 何か気になる事でもあるのかね?」

男は照れくさそうに笑いながら頭をバリバリと掻き毟るのだが、頭からはふけがポロポロ
落ちてきて不潔極まりない。
教師達の男を見る目は胡散臭いを通り越して蔑んでいると言っていいだろう。
もっとも男はそんな事は全く気にしていないようだが。

「いえ、さっき学院長さんがおっしゃいましたよね。
宝物庫はちゃんと夜間の見張りがされていなかったと。」

「うむ、全くもって情けない話じゃがその通りじゃ。」
オスマンは苦笑いをしながら答える。

「なるほど、それで土くれのフーケがあんな無謀なことをしたのか納得がいきました。」
男は手をポンと叩いて頷く。

オスマンはこの男が何かを掴んだ事を理解して、今度はオスマンの方から質問をした。
「すまんが君の分かったことを教えてもらえんかの?」

「それなんですが学院長は最初に、誰もこの学院の宝物庫が狙われるとは考えてもいなかったと
 おっしゃいましたが何故ですか?」
男は逆に質問で返した。

男の質問の意図は読めなかったが、オスマンはとりあえず返答をした。
「それは、この学院には教師や生徒を含めた多数の貴族がおるのじゃから
 いかに土くれといえどもそんな多数のメイジとやり合っては命がいくつあっても…」

「そ、そ、そう! それなんですよ! 僕の言いたいことは!!」
男は急に興奮したのかどもりだし、頭を更に掻き毟りだした。
「普通ならば宝物庫にはたくさんの見張り、それも魔法学院の宝物庫なんですから
 腕利きのメイジが見張りに就いていると考えるのが自然です。
 しかし土くれのフーケは堂々とあの巨大な土人形で宝物庫の破壊という手段をとりました。
 つまり! 夜になって就寝時間になれば誰にも見つかることなどないと知っていたんです!!」

その言葉にオスマンや教師達が騒然となったのも無理は無い、それが意味していることは
「…この学院にフーケの協力者が潜んでいるというのかね?」
オスマンは普段の態度とは一変した慎重な態度で男に質問をする。

「あるいは、フーケ本人が潜んでいたという可能性もあります。
 ところで教師の方達で今この場にいない方はおられますか?」

教師達はお互いの顔を見合わせると、そのうちの誰かがポツリと呟いた。
「そういえばミス・ロングビルはどこに…?」

この言葉で教師達の疑いが彼女に向けられる事となった。
彼女はオールド・オスマンが秘書として雇い入れたのだが彼女の素性を知っている者は
学院内に誰もいないのだ。
分かっている事は元貴族で土系統のメイジであるという事だけ。
貴族から放逐されたメイジが盗賊や傭兵といった真っ当でない職に就くしかない事と
系統が同じであるという事が、更に教師達のロングビルに対しての疑いを深めた。

オスマンは、そんなバカなと傍にいるコルベールに意見を求めようと彼のほうを見ると、
彼の顔は血の気が引いていて今にも倒れそうに震えている。

「どうしたんじゃ、コッパゲ君?
 具合が悪いんじゃったら少し休んでもよいぞ。」

いつものように名前をわざと間違えて呼ぶもそれに対するリアクションも無いので
まさか本当に病気なのではと心配になるオスマンだが、コルベールは震えながらも
オスマンの方を見つめてゆっくりとだが何かを喋ろうとする。

「が、学院長……、も、申し訳ありません!!」
コルベールはまさに土下座せんばかりの勢いで謝罪をした。
余りにいきなりの事で皆が目を丸くしている。

オスマンが何か知っているのか問いかけると、コルベールはロングビルに宝物庫の特性
や破壊の杖の事などを喋ってしまった事を全て告白した。
これによりオスマンもロングビルを疑わざるをえなくなったのだが、そこに丁度運良くか
運悪くかロングビルが学院長室内に入ってきた。

「学院長! フーケの居場所を…、って皆さん…、どうかされましたか…?」

ロングビルが戸惑うのも無理は無い。
学院長室内に居る人間全てが彼女を見つめているのだ。
それも普段男達が彼女を見るような情熱的な目ではなく、疑念のまなざしで。

そして彼女がその視線に戸惑い後ずさりしたのを契機に教師達が全員で飛びかかった。
「我が最強の風を持ってすれば盗賊の一人や二人!」
「貴女のせいで私はクビになっちゃうとこだったのよ!!」
「よくも、私の純情を弄んでくれましたね!!」
「そんな事をしなくてもワシにいってくれればいくらでも貢いだのに!」
「な、何いってんのよぉ! はなせぇ!!」
「あの~皆さん、まだ状況証拠だけど彼女が犯人だと決まったわけでは…」
学院長室内は叫び声と悲鳴と破壊音の混沌に包まれたのだった。



そのころ例の胡散臭い男の主人である我らがヒロインのルイズは学院長室に向かっていた。
本来なら既に到着していなければならないのだが、姿が見えなくなった使い魔を探していて
遅れていたのだが。

「まったく、あいつってば使い魔だったら主人である私の傍にいつもいるのがあたりまえでしょう!
 罰として当分食事抜きだわ!」

そのご機嫌斜めなルイズを呆れた目で見ているのが彼女の天敵ともいえる女性、キュルケである。
さらにその横に本を読みながら歩くという器用なことをしている、キュルケの親友タバサがいる。

そんな事をしているうちに学院長室前まで来たのだが、扉がきしんでしまっている。
何があったのかと三人が覗き込んでみると、そこには縄できつく締め上げらたうえに猿轡までかまされた
ミス・ロングビルと、引っかき傷やらでボロボロになった学院長と教師達、
そして頭を掻きながらこれからどうしようと悩んでいるルイズの使い魔がいたのでした。

「ちょっとコースケ、一体何があったっていうのよ!」

自分に対して叫ぶ小さなご主人の声に気づき困ったように笑いながら、彼は答えた。
「何と言うか…、容疑者の捕縛っていうのかな、多分。」


金田一耕助召喚

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