あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

異世界BASARA-37


夢を、ルイズは夢を見ていた。
夢の中でルイズは、池のほとりにある小船の中にいる。
うらぶれた中庭にある池…ルイズが「秘密の場所」と呼んでいる所だった。
「ルイズ、ルイズ」
そこへ、マントを羽織った貴族が現れた。
羽根つき帽子を被っているせいか、顔を見る事は出来ない。
「ルイズ、泣いていたのかい?」
「子爵様…」
ルイズは呟いた。
「また母上に怒られたんだね?安心して、僕がとりなしてあげるから」
そう言って手を差し伸べてくる。
ルイズは立ち上がり、その手を握ろうとした…が。
そこに風が吹き、貴族が被っていた帽子が飛んでいく。

「あ…」

そこに現れた顔は、ルイズの思っていた顔ではなかった。

「な、何やってるのあんた」
「さあ行こう、ルイズ」
貴族だと思っていた男は、自分の使い魔…幸村だった。
「行こうじゃないでしょ、何でここにいるのよ!」
「何って、僕の婚約者を迎えに来たんじゃないか」

ボク?こいつ今自分の事を“僕”って言ったのか?
いつもは拙者と言っているのに…いや、それよりも婚約者とは何だ。

ルイズは困った顔でぐるぐると思考を巡らせている。
その反面、幸村はルイズを見て微笑んでいた。

こ、こいつ…静かにしてれば結構カッコイイかも…

「待て!貴様…僕のルイズに何をするか!!」

と、今度は別の男の声が聞こえた。
見てみると、羽根つき帽子を被ってマントを羽織った男…今度は本物の子爵様だった。
しかし、幸村は慌てる様子もなく、軽く子爵に向けて腕を振るう。
すると強い風が吹き、子爵は吹き飛んで池に落ちてしまった。


「やめてよね。本気になった僕に勝てると思ってるの?」


幸村はしれっと言い放つと、ルイズに向き直って微笑む。
「さ、行こうルイズ」
「ちょ、ちょっと!行かないわよ!離して!」
抗議するが、幸村は気に止める様子もなく、ルイズを抱きかかえた。
「何でよりによってあんたなのよ!離しなさーい!!」
ルイズは抱きかかえられたまま手足をばたつかせるが、幸村はただ微笑んでいた。
ルイズはそれが何だかとても恥ずかしかったのだ。


「う~ん…離しなさいよぉ…」

ルイズ殿……ルイズ殿……

「何笑ってるのよ馬鹿ぁ…Zzz…」

ルイズ殿…ルイズ殿!!

「むにゃ…うん?」


「ルウゥゥイズ殿おぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!!」
「ほわあああぁぁぁ!!??」

突然の大声でルイズは夢から現実へと一気に引き戻される。
「おおルイズ殿!目が覚めましたか?」
「ユキムラ…」
目を覚ましたルイズはしばらくぼーっとしていたが、我に返った。
「あ、あんた私の部屋で何してるの?廊下で寝てたんでしょ?」
「はっ!何やらルイズ殿の呻き声が聞こえたので、駆けつけた所存!」
幸村は心配そうな表情でルイズを見ている。
さっきまで見ていた夢を思い出し、ルイズは顔を真っ赤にして俯いた。
「ルイズ殿、どこか具合でも悪いのでござるか?」
「べ、別に何でもないわよ…馬鹿…」

「…あれ?」
だがここでルイズは奇妙な事に気づく。
この部屋にはちゃんと鍵か掛けられている。そして幸村は鍵なんか持っていない。
ならば、どのようにしてこの部屋に入ったのか。
「ユキムラ、どうやってこの部屋に入っ…」
その答えは幸村の背後にあった。
壁に大穴が空いている。いや、元はそこにドアがあったのだが無くなっていたのだ。
「…ねぇユキムラ、あの穴は何かしら?」
ルイズは出来るだけ平静を装って、幸村に問い掛ける。
「ははっ!駆けつけようにも鍵が掛かっていたので、武田軍に伝わる『武田式開門』で扉を開放した結果にござる!」


『武田式開門』………閉じられた扉、門を蹴破る。もしくは引っぺがす。


「ふざけるなあぁぁぁぁー!!!!」
烈火の如く怒ったルイズの蹴りが幸村を吹き飛ばした。
「あんたは力任せで物を壊す事しか出来ないの!?」
「しかし!ルイズ殿の御身に何かあってからでは!!」
「うるさいうるさい!このバカムラ!アホムラ!サナダムシイィィー!!!!」


「…あーあ…だから止めとけって言ったのによぉ…」
廊下で、デルフリンガーはポツリと呟いた。



――同時刻、チェルノボーグの監獄――

城下で最も監視と防備が厳重と言われている監獄…
その入り口の門の横に、1人の男が立っている。
「やれやれ…隠密というのは苦手だ…」
男はそう言いながら松明の炎を見ている。

「待たせたな…土くれを連れて来た」
男が炎を眺めていると、門から仮面を付けた男が出てきた。
その横には、トリステインを騒がせた盗賊…ルイズ達によって捕らえられたフーケが立っている。
「やぁフーケ殿…ご機嫌如何かな?」
「ご機嫌に見えるかい?こいつがあんたの言っていた連れ?」
男の言葉にフーケは苛立った声で言った。
仮面の男は頷く。
「ああ…目的は違えど、我等の仲間だ」
その言葉を聞いた男はフッと笑った。
妙な格好をした男だと、フーケは思った。このトリステインでは見た事のない服装である。
「変わった格好をしているけど、あんた何処の出身だい?」
「そうだな、遠い世界から此処へ呼ばれた……と言っても卿は信じないか……」
「はっ!別の世界から呼ばれただって?あいつ等みたいに?」

『あいつ等』…その単語を聞いた男の眉がピクリと動く。

「ほぉ…あいつ等とは誰かな?」
「私をこの監獄にぶち込んだ奴等だよ。確かユキムラ…いや、サナダユキムラだったね」

それを聞いた男の唇が不気味な程吊り上った。
そして、今度は笑い出した。

「ははははは、ふはははは!成る程成る程、人生はこれだから楽しいものだ。
いや、私の人生はあちらで一度終わっているから違うかな?」

いきなり訳の分からない事を言い出した男に、フーケは言葉が出なかった。
男は一頻り笑うと、2人を見て言った。
「さぁ行くとしよう。その者達に一度会いたくなったよ」


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