あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

南波とルイズ

 ルイズとその使い魔として召喚された猫耳少女・南波の2人は、学院の温室でキノコ狩りをしていた。
「あったー! ほら見て見て!」
 そう言って南波が差し出したキノコは、鼻にツンとくる異臭が漂い傘が蕩けかけていた。
「……真面目にやる気あるの?」
「えー!?」
 取ってきたキノコを投げ捨てたルイズに不満そうな南波。
「それにしてもタバサちゃんも来ればよかったのにね」
「用事があるって言ってたから仕方ないわよ」
 そう肩をすくめたルイズだったが、最初からタバサを誘ってはいなかったのだ。
「きっと残念がってるから今日の話はしないようにしましょ!」
「ルイズちゃんやっさしー!」

「そっ……、遭難したー! まだ2レスしか経ってないのに遭難しちゃったよ!」
「うるさいわね。落ち着きなさいよ」
「私のせい? 『そうなん』です。なんちゃっ――」
「落ち着けー!」
 この状況で笑えないギャグをかました南波に、ルイズは容赦無く魔法で吹っ飛ばした。

 遡る事30分前。
 南波はルイズの手を取って今にも崩落しそうな崖の先端部に生えているキノコを取りに行き……、
 お約束通り崖が崩落、2人は断崖絶壁から落下した。
 さらにその下を流れる激流の川に流されて、熱帯性の植物が繁茂するこの場所に漂着し現在に至る。

「ここどこ? ジャングル?」
「私が聞きたいわよ!」

 ――グキュルルル~……
 朝食から数時間、そろそろ昼時という事もあって南波の腹の虫が盛大に泣き声を上げた。
「お腹空いたなあ……。そういえば、さっき崖で取ったキノコ……」
 南波が懐からキノコを取り出した瞬間、ルイズはそれを神速の速さでひったくり、
「! ……あんたほんっとーにキノコを見る目が無いわね! この毒々しい色、臭い! どう見ても毒キノコよ! こんなキノコのために私達遭難したの!?」
 しかし南波はそんなルイズの言葉に耳を貸さず、
「……ルイズちゃん。そう言ってこのキノコ独り占めする気なんでしょ!」
「!?」
 と一口で丸呑みしてしまい、案の定、
「お……、美味しい……」
 ばったり倒れ伏してしまった。
「嘘おっしゃい!」
 キノコの毒を受け、南波は脂汗を垂らしつつうんうん呻いている。
「大変!! 凄く苦しそう! 毒キノコを食べた時の治療法は……」
 ルイズは慌ててなぜか持っていたサバイバルに関する書物から治療法を得ようとするが、その内容は彼女の想像を超えていた。
「……じ、人工呼吸!?」
 思わず赤面するルイズだったが決意を固め……、
「そうね、今は一刻を争うんだから仕方ないわ……こ、心の準備が……」
 ……たものの、やはり照れからか顔を背けてしまった。
「よし、今度こそ……」
「あ~、死ぬかと思った!」
 今度こそ人工呼吸をと思った瞬間、何事も無かったかのように南波がむっくり起き上がった。
「治るの早いわよ!」
「???」

「ルイズちゃん、ごめんね。まさか本当に毒キノコだったなんて……」
「まあ、体が何ともないならいいんだけどね」
 体調は回復したものの空腹までは回復しなかったようで、南波は何か食料が無いか周囲を見回していた。
「あ~、お腹空いたなあ……バナナだ!」
 とある木にバナナがなっているのを発見はしたものの、実には到底手が届かない。
「でも高いなあ。あ、棒と箱が落ちてる!」
 南波は棒を振り回してみたり箱の上でジャンプしてみたりしたが、バナナには手が届かなかった。
 その様子を見かねてルイズが箱の上に乗り棒でバナナを叩き落すと、南波は心底感心した表情で手を叩き、
「ルイズちゃん、凄ーい!」
「私にこんな恥ずかしい格好させて……。わざとやってんじゃないでしょうね!?」
 ルイズは怒りと羞恥心で赤面しつつ震えていた。

「お腹は膨れたけど、私達帰れるのかなあ……」
 俯いて深刻な表情の南波だったが、バナナの皮の山を背にしているためいまいち緊張感に欠ける。
「だ、大丈夫よ! 帰れるに決まってるわ! ……それにいざとなったら私がいるんだから」
 自分の言葉に赤面したルイズだったが、
 ――アーアアー
「ターザンだ!」
 その時既に南波の興味は遠くから聞こえてきた謎の声に向いていた。
「は?」
「凄い! ターザンって本当にいたんだ! こっち来た!」
 そして垂れ下がった蔓にぶら下がって2人の前に現れたのは――、
「タバサちゃんにそっくり!」
 どう見てもタバサです。本当にありがとうございました。

 じー……
 さっ
 じー……
 さっ
 顔を覗き込んでくるタバサの視線からルイズは必死に顔を背ける。
「なぜ目を逸らすの」
「タバサ、誘わなかったから怒ってるんでしょう?」
「私はターザンだからわからない。でも近々素敵な事が起こる」
 肩を竦め無関係なふりをしてさらりと不吉な発言をするタバサ。
「ひぃいいい!!」
「ルイズちゃん、ターザンと知り合いなんて凄い!」
「だから、あんたはわざとやってんの!?」
 そんな2人を南波はやはり心底感心した表情で目を輝かせて見つめ、ルイズはまたも怒りと羞恥心で赤面しつつ震えていた。

「こっち」
 そう言ってタバサは藪をかき分け2人を先導し始める。
「帰り道も知ってるなんて流石ターザン!」
「……何にせよ助かってよかった……」
「でもルイズちゃんと2人で遭難するの、結構楽しかったよ。また一緒に遭難しようね!」
「まったく、縁起でもない!」
 南波を魔法で吹き飛ばしたものの、少し嬉しいルイズだった。

(いつまで歩くのかしら)
 ルイズがそう思い始めた時、突然ラバサが立ち止まった。
「? タバサ?」
「迷った」
『ええええええ~!??』
「てへ」とでも付けそうな口調でのタバサの発言に、南波・ルイズの悲鳴がジャングル中に響き渡った。
 その時、
「ミス・ヴァリエール~!」
 そう3人に向かって大声を張り上げる人影――コルベール――がゆっくり降下してきた。
「ミス・ヴァリエール、心配させないでください」
「ミスタ・コルベール……」
「しかし、まさか隣接する人工ジャングル温室に迷い込むとは……」
「何でそんな温室があるのよ!」

 翌日……、
「それでね、ターザンがね!」
 救出後に書いてもらったサイン片手に心底楽しそうに昨日の話をタバサにしている南波の様子を、ルイズはジト汗を垂らして見ていた。



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