あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

サーヴァント・ARMS-07


一芝居うった日から3日後の事。

村の広場では今、アイーシャとヨシアの結婚式が行われ、明るい雰囲気に包まれていた。
恵達の目論見通り、手を組んで武士の扮したガーゴイルもどきを追い払ったあの日から、お互いに和解するに至ったのである。
村人が翼人達の『巣』のあるライカ欅を切らず、村の作物を提供する代わりに翼人は村人の手伝いをする。
そういう条件付ながら、ついに2組は友好関係を結ぶ事になったのである。
そしてその立役者でもあり恋人同士でもあるアイーシャとヨシアの結婚式にぜひ出て欲しいと2人に言われた武士達は、まだ村に残っていたのだった。

もちろん、追い払う必要が無くなったのだから討伐の必要は無い。
それに命令を下す立場のイザベラ自身が実際に仲良くなった村人と翼人の様子を目の当たりにした以上、納得せざる負えない。
最初の命令どおりいかなかった事に歯噛みしつつ。
結婚用の衣装に身を包んでいるヨシアとアイーシャからかけられた感謝の言葉に何だかむずがゆいものも感じつつ。
新婚ほやほやの2人が村人から祝福されているのを横目で眺めながら、イザベラは最初にもてなされた時と同じようにワインをカパカパ飲んでいるのだった。
恵の注意もお構い無しに。

「アンタねえ、また気分悪くなって倒れたらどうすんのよ?今日にはここを離れるんだからね」
「別にどれだけ飲んだって私の勝手じゃないかい・・・」

そう返しつつ目もくれずに適当に選んだつまみを1口。
そして・・・倒れた。
またハシバミ草を口に入れてしまったらしい。

「ぐ、ま、またこれかい・・・苦い~、えぐい~・・・」

口に残る感覚にうなされるイザベラ。
どうやら従妹とは違いハシバミ草は大の苦手らしかった。ご愁傷様。
しかし、前回と違ったのは武士もすぐ傍に居た事だった。

「だ、大丈夫かい!?」
「うう~~・・・」

苦しそうな唸り声を聞いた武士は、躊躇い無くイザベラの背中と両膝裏に両手を回して抱え上げた。

人、それをお姫様抱っこと呼ぶ。

うなされていたイザベラ、いきなり消えた地面の感触と代わりに感じる両腕と胸板の逞しさと体温に再起動。
そして武士にお姫様抱っこされている事に気付いて即座にオーバーヒート。

「大丈夫?ベッドのある所まで運ぶから少し我慢してね」
「わ、わかったよ・・・」

――ぱ、パッと見冴えないけど近くで見ると結構イイじゃないの・・・胸板とか、かなり鍛えてるみたいだし・・・――
それに、こうして抱かれてるとなんだか落ち着く。
顔を紅くして俯くイザベラはそっと、頭を武士の胸に押し当てた。
どんな毛布に包まれるよりも、何よりも心地良かった。





「・・・もしかして、この野菜が原因なのかしら」
「美味しい。あなたも食べる?」
「・・・いい、遠慮しとくわ」

今度はしっかりハシバミ草を食べてからぶっ倒れるのを見たらしい。
好き嫌いは無いつもりだけど、この野菜には気をつけよう―――と恵は固く誓うのだった。






                 サーヴァント・ARMS:第7話 『買物』ショッピング







さて、その頃の魔法学院。
武士とその主人のタバサの姿がこの数日無いのが気になりつつ。
タバサの親友であるキュルケに『時々こうだけどいつもしばらくしたらちゃんと帰ってくるだろうから大丈夫じゃない?』との言葉をとりあえず受け入れながら、
涼はチャキチャキとルイズに言われるがまま使い魔としての仕事をこなしていた。
今はまず、彼女の信頼を得た方が得策だと判断しての事。
それに武士の事は信頼している。何といっても今まで共に戦ってきた仲間だ、幾らここがファンタジーな世界でもARMS並に驚異的でもない限りやられたりはしないと確信している。

しかし召喚から1週間程経った虚無の曜日の早朝、涼はある切実な問題からルイズに頼み事をする事にした。

それは。

「服を買ってくれ?」
「ああ。学生服はともかく、流石に下着を1週間も同じまんまなのはルイズも嫌だろ?だからせめて替えの下着ぐらいは欲しいんだよ」

返って来たのは心底嫌そうな顔での頷き。
そんな訳で、1組の主従は城下町へと向かう事になった。





「で・・・なんでアンタ達まで一緒に来るのよ!?」
「あーら、私は別にダーリンに城下町がどんな所か案内してあげようと思ったついでにダーリンの服買いにきただけよ?」
「だから、誰がダーリンだってんだよ・・・・・・」
「あのその、私はミス・ツェルプストーに平民向けの服屋の案内を頼まれたのでその・・・」
「あー、とりあえずルイズ、騒ぐのは他の人の迷惑だからもうちょっと声抑えて、な?」

馬小屋で鉢合わせした上目的地も一緒だった為に、何時の間にやら天敵コンビ(+シエスタ)と行動する羽目になった今のルイズは不機嫌一直線である。
今4人が歩いているのはトリステインの城下町の中でも1番広いとされる通りだ。
しかしそれはルイズ達の基準での広いであり、涼と隼人からしてみればほんの5mぐらいしか幅の無いにも関わらず人で賑わうそこは狭かった。
通りに品物の載せられた箱や台がせり出しているから尚更だ。常に行きかう人とぶつからない様に気を配らなければならない。

もっともその状況にかこつけて、

「うおっ、おいキュルケ、頼むからもうちょっと離れてくれぇ!」
「しょうがないじゃなーい。こうやってくっついてないとぶつかっちゃうんだものー」
「け、けどなぁ!・・・胸、胸が腕に思いっきり当たってんだよ!」
「何言ってるの、当ててるのよ?」
「確信犯かよ!あーチクショウ!アルなんかよりよっぽど性質悪ぃ!」

なんてやり取りが涼の後ろで聞こえる。結構必死そうだった。

――隼人、結構純情だからなあ・・・――

ちなみに隼人、キュルケがアプローチをかけてくる様になって以来寝不足だったりする。
何せ夜は同じ部屋で寝ているのだ。部屋の主のキュルケに隼人が強く出れるわけも無く、何とk最後の一線を越えないようにするのでイッパイイッパイな訳で。
ARMSの超再生力も、過剰なお色気攻撃による精神的消耗には無力らしい。





2時間ほどかけて一通り涼と隼人の服を買い込み終えた一行は、買い物からトリスタニア探索へとスイッチして大通りを彼方此方ぶらつく。
服屋で涼と隼人の服であれこれ意見を交わしているうちにいつの間にか仲良くなったらしいルイズ・キュルケ・シエスタがお喋りしながら店を覗く。
正確にはからかうキュルケにルイズが噛み付くたび、シエスタが仲介に入るという図なのだが
それでも傍目から見てみれば、中々仲が良さそうに見えた。

そしてその間の涼と隼人はといえば、買い込んだ服と店覗く度に3人が買ってくる物を抱えて荷物持ちをやらされている。
2人には何だか目の前の3人がカツミと恵と涼の母親にダブって見えた。彼女達の荷物持ちにもしょっちゅうつき合わされてたらしい。
ご苦労さん。





「ねえダーリン。ギーシュと決闘した時は素手であっさり倒しちゃったけど、ダーリンは武器とかも使えるの?」
「まー一応な。マジでやる時は主に剣使って戦ってたけど」

なにせ俺のARMSって『騎士』<ナイト>だし、と荷物を抱えてボンヤリ思考をめぐらせる。

「でも隼人のアレはどちらかって言うと見た目は長槍に近くないか?左手のは確かに剣っぽかったけど」
「へ~、それじゃあダーリン剣を買ってあげましょうか?きっとダーリンならどんな剣でも使いこなせるわ!」
「お、サンキュー。俺もここの武器屋がどんなのか気になってたからよ、早く行こうぜ!」
「おーい、ちょっと慌てんなって。ってか隼人道分かんないだろーが」

なんやかんやで一向は薄汚い路地を抜けて武器屋へ。
店内はファンタジー系のRPGに出てくるのとそっくりに、剣や槍や防具が狭い店内に所狭しと並んであった。
期待通りそれっぽい雰囲気の店に、隼人は少し興奮気味である。

キュルケが奥から現れた店主となにやら交渉を始め、涼とルイズとシエスタもこういう場所は初めてなので珍しそうに見回し、
並べてあった剣を物色していた隼人はふと、他の剣とは違うタイプの長剣が目に入って注目した。

所々錆の浮いた、日本刀に似た片刃の長剣。

――そういや死ぬ時に親父が握ってたのもこんな感じの刀だったっけな――
痛みの混じった懐かしい記憶を思い出しながらそれを握ってみる。



「・・・おでれーた!何もんだテメーは!」



途端、握ったその長剣が鍔をカチャカチャ鳴らして声を発した。
いきなり聞こえてきた高めの声に、隼人が思わずそれを手放して落としてしまっても仕方の無い事だろう。

「な、何だぁ!?剣が喋ったぁ!?」
「へー、それってインテリジェンスソードじゃない。珍しいわね」
「インテリジェンスソード?何だそれ」
「意思を持つ魔法剣の事よ。なんでも先住魔法で意思を与えられてるらしいんだけど・・・」
「その通りでさ、若奥さま。いったいどこの魔術師が始めたんでしょうかねえ、剣を喋らせるなんて」
「あの、お喋りする剣なんて私も初めて見ます」
「へえ~、おもしれぇな」
「おもしれえのはテメーの方だ!何だぁ、こんなとんでもねぇの中に飼ってる奴なんか初めて会ったぜ!」

喋る剣の言葉に首を捻るルイズ・キュルケ・シエスタ・そして店主。
一方「ゲッ」と驚いた顔をしたのは涼と隼人である。剣を拾い上げた隼人は小声で聞いた。

「おい、お前ナイトの事が分かるのかよ!?」
「ナイトってのか、お前の中の奴は?おうよ、大まかにだが大体分かるぜ。
しっかしホントおでれーた!こりゃ本気になりゃメイジの100人や200人楽勝じゃねーのか?
気に入った。おめー俺を買え」

あれこれ勝手に言ってきた挙句いきなりの言葉に面食らうが、隼人自身喋る剣というのも面白そうなので気に入った。
話は乱暴で少々お喋りだが、アルとかよりも相手にして楽しめそうだし。

「なーキュルケ。悪いけどこれも買ってくんねーか?」
「んー、ダーリンにはもっと豪華なのが似合いそうなんだけど・・・いいわよ。ダーリンが気に入ったのなら文句は無いわ」

買った品物に喋る剣(値段:店主曰く厄介払いという事で50エキューに割り引いてくれた)が加わった。
なおルイズも隼人に剣を買い与えたキュルケに対抗しようと涼にも剣を買わせようとして、「別に俺要らないって」と本人に止められていたのは割愛。

「そういや名前は何ていうんだ?」
「おうよ、デルフリンガー様だ、よろしくな」
「俺は神宮隼人だ。あと言っとくが、ナイトは別に飼ってる訳じゃねーぞ」





その後も結局ルイズとキュルケとシエスタは3人揃うと姦しいを地で行く騒がしさで
もはや荷物持ちとなった野郎ども2人(+デルフ)を振り回しながら城下町で散策を繰り広げた。
結果、城下町を出た頃には既に日が半分以上沈んでいた。この分だと学院に着くのは遅くなる事確実である。

学院が見えてきた頃にはもう夜闇を双月と星明りしか明かりが無いくらいの時間帯だった。
馬に不慣れな隼人はひーこら言っている。1人で乗っているのはキュルケと相乗りするのを断固として拒否したからだ。
      • ちょっと惜しかったのは秘密だ。



各馬1人ずつ跨った馬群が草原をかける。
学院へと更に近づき、詳細な建物のシルエットが分かるようになった頃・・・
ふと先導をしていたルイズはそのシルエットに違和感を覚え、ついでその原因と正体に気付いて大声を上げた。

「なによ、あれ!?」

建物の姿を遮るほどの巨大なシルエット。
それは、30mはありそうな巨大なゴーレムだった。
巨大ゴーレムはそのまま学院へ近づき、建物の壁に一発拳をぶち込む。
しかしそれでは満足しなかったのか2発、3発。果てには壁にラッシュを加え始めた。
轟音が響く。建物から悲鳴や怒号が上がるのが離れたルイズ達にも分かる。壁を殴るたびにその衝撃が地面を伝ってビリビリと5人の元へ伝わってくるくらいだ。
爆撃のようなラッシュは続く。


平民でメイドのシエスタは、そのゴーレムの大きさに驚愕していた。

メイジで学院の生徒のルイズとキュルケも最初はゴーレムに圧倒されていたが、すぐに我に返って止めさせようと馬にスパートをかけた。

そして使い魔2人と1振りのインテリジェンスソードは。


「・・・まあニューヨークん時のジャバウォックよりゃ小さいよな」
「相棒ん所にはもっとデカいゴーレムがいんのかい?」
「とりあえず2人を追いかけた方が良くないか?」



      • 結構冷静である。
涼の言う通り、先行するルイズとキュルケを追いかけようと馬に鞭を入れかけた、その時だ。
右腕と左腕、突如奔るよく知った共振。

「っ・・・と!」
「これは――武士?」

もう1度、ゴーレムの方を2人は見やった。

次の瞬間。
一条の光が夜空を切り裂き、そして。




――――――建物を蛸殴りしていたゴーレムの上から半分が、光翼の弾丸によって消し飛ぶのを遠目から、しかしはっきりと見た。




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<未公開シーン:武士とタバサの帰りが遅くなった訳と乙女な王女様>

「それじゃあそろそろ帰るわよー。あ、武士とタバサも一応宮殿の方に顔出しといてくれない?形だけでも口頭での任務結果の報告を取っとかなきゃいけないから」
「うん、わかった(でもタバサ結構授業休んじゃってるから、帰りは急いだ方がいいかな?)」
「・・・ちょっと待ちな」
「何よ、またくだらない事言ったらもう一発お見舞いするわよ」
「・・・北花壇騎士団長としての命令だよ。帰りはアンタが私を運びな(武士を指差して)」
「え、僕が?」
「な、何だよ!文句があるってのかい!?(顔真っ赤)」


「えーっと、イザベラ、寒くないかな?」
「ちょっと冷えるね・・・もっとくっつけな」
「こう?」←至って普通
「・・・あったかい(えへへへへへへ・・・)」←ちょっと顔がにやけている


「・・・・・・・・・・(そこは私の場所)」←少し不機嫌そう
「何気にもててるのね・・・武士って」


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