あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

使い魔!!俺?-7

「よーし今日の分完了っと」
「お疲れ様ですアキラさん」
暁は毎日のお勤めである洗濯を終えた。
「ありがとねシエスタちゃん。手伝ってもらって」
「いえいえ、困ったときはお互い様ですから」
手洗いなどやったことも無かったが、シエスタの手を借りながらも最近ようやく慣れてきた。
暁は干された洗濯物を眺めつつシエスタに話しかける。
「最初の頃に比べて俺もうまくなったな。やっぱシエスタちゃんのおかげだね」
「そんなことありませんよ。アキラさんの飲み込みが早いんです」
謙遜しながらもシエスタは嬉しそうだ。
「シエスタちゃんの教え方がうまいんだよ。
ねえ、お礼したいから今度デートにでも行かない?」
ちょっといい雰囲気になったので暁は口説きモードに入る。
ルイズに説教されたばかりだというのにちっとも懲りていない。
「デ、デートなんて私したことありませんし。それにお仕事もありますから」
赤くなって慌てるシエスタ。

脈アリだ

「大丈夫だって。俺がちゃんとエスコートするから」
「でも…」
「それにマルトーさんにも頼めばいいじゃん。
シエスタちゃんいっつも頑張ってるんだからたまには羽根伸ばさなきゃ。ね?」
暁はこのチャンスを逃さず攻勢に出た。
「そうですね、ちょっとくらいはいいですよね」
暁の言葉に納得したのかシエスタは自分に言い聞かせるように呟く。
「わかりました。マルトーさんに頼んでみます」
その返事を聞いて暁は満面の笑みを浮かべる。
「オッケー、それじゃお休みが取れたらまた教えてね」
「はい、よろしくお願いします」

帰っていくシエスタを見つめながら暁はほくそえんでいる。
「シエスタちゃんとデートか。楽しみだなー」
独り言をいいながらにやけている。
はっきり言って不気味だ。
しかし暁の楽しい気分は、すぐに終わってしまった。
いきなり暁の目の前に大きな氷柱が打ち込まれた。
「なんだ!?」
とっさに身構え、辺りを見回す。
すると木の陰から一人の男子生徒が姿を現した。
「ゼロのルイズの使い魔だな」
男子生徒は暁に問い掛け徐々に近寄ってくる。
その問いに対し暁は
「いや違う違う。人違いじゃないかな」
思い切りすっ呆けた。
「とぼけるな。スズムラアキラ、お前に決闘を申し込む」
暁のウソは一瞬でバレてしまった。
こちらの名前まで知っているのだから当然か。
「ちくしょー、またかよ!」
暁は一目散に逃げ出した。
「逃げるな卑怯者!」
次々に氷柱を打ち込みながら生徒は追いかけてきた。

どっちが卑怯なんだ

そんなことを考えつつ暁は駆け続けた。


「それで急いで逃げてきたのね」
ルイズはボロボロになった暁に呆れている。
ギーシュと決闘の後、やたらと決闘を挑んでくるものが現れるようになった。
平民が貴族に勝ったことが気に食わないものや腕試しが主な理由のようだった。
それに対して暁はこれまで人違いと言って誤魔化してきた。
しかし決闘を挑んできたものの多くは暁がナンパした女生徒からウワサを聞いていたため
あっさり身元は特定されてしまったのだった。
「自業自得じゃないの。それ」
ルイズはツッコむ。
全くその通り。ごもっともな意見だ。
「でもあんなヤツらとやり続けてたらコッチの身が持たないでしょ」
暁は弁解するがルイズは納得しないようだ。
「逃げ続けても何にも好転しないと思うけど」
「心配すんな。ちゃんと手は打ってある」
「ホントにー?」
何故か自信満々の暁にルイズは怪訝な顔をする。
すると部屋のドアがノックされた。
「はーい、開いてるわよ」
ルイズはそのノックに答える。
ドアが開くと二人の女の子が入ってきた。
「お待たせー、ダーリン」
一人はキュルケだ。
その手には何枚もの手紙が握られている。
「お、キュルケちゃん待ってたよ」
暁はすぐさまキュルケの元へ駆け寄った。
そして二人は楽しそうに話し始める。
キュルケの姿と暁の様子を見てルイズは露骨に嫌な顔をする。
「ちょっとアキラ!アンタまだキュルケと関わってんの!?」

あれだけ説教したのにコイツは

ルイズは暁を怒鳴る。
すると暁とキュルケは会話をやめ、
一瞬ルイズを白い目で見た後何事も無かった様にお喋りを再開した。
「人のハナシを聞きなさい!大体何よ、その一瞬の間は!」
二人の不可解な行動に苛立つルイズ。
しかし二人は構わず続ける。
「はいコレ、頼まれてたものよ」
キュルケは暁に手紙の束を手渡す。
「ありがとー、キュルケちゃん」
受け取った手紙を眺めながら暁は感謝の言葉を口にする。
「それにしてもこんだけの量大変だったんじゃないの?」
「大丈夫よ。このコにも手伝ってもらったから」
そう言ってキュルケは彼女についてきたもう一人の少女に向き直る。
ショートカットに眼鏡をかけた小柄のコだ。
「彼女は?」
そのコを見ながら暁はキュルケに尋ねる。
「このコはタバサ。あたしの親友よ」
「そうなんだ。ヨロシクね、タバサちゃん。俺涼村暁って言うの」
早速暁はタバサに自己紹介をする。
「よろしく」
素っ気無いタバサの返事に暁は少々面食らったが、いつもの調子で続けている。
「キミもカワイイね。その眼鏡も似合ってるよ」
「ありがとう」
褒められたことにお礼は言っているものの、どーにもこーにも反応が薄い。
「キュルケちゃん、もしかしてタバサちゃんの機嫌って悪かったりする?」
不安な暁はキュルケに聞いてみる。


「心配しないで。このコはこーいうコだから」
キュルケは何でもないといった感じで暁に答える。
「そうなんだ。ならいいけど」
その言葉にちょっとだけ暁は安心した。
当のタバサは二人が話している間、ずーっと暁を凝視していた。

タバサが手紙作りの手伝いを頼まれたのは昨日のことだった。
「ねえ、タバサ。ちょっとだけお願いがあるんだけど」
キュルケにお願いをされることは結構多かったりする。
今回はどんな頼み事なのやら。
「ちょっと手紙を作るの頼まれちゃったのよ。アナタも手伝ってくれない」
量が多いようだし、正直大変そうだ。
「誰に頼まれたの?」
ちょっと気になったタバサは尋ねてみた。
「スズムラアキラ。ヒーローのカレよ」
キュルケの答えにタバサは反応する。
あのギーシュとの決闘のときに変身したヴァリエールの使い魔だ。
初めて見たとき、タバサは彼をエルフだと思った。
杖も持たず姿を変える変身魔法を使うからだ。
しかし今のキュルケの答えはなんだ。
エルフを呼び出すだけでもすごいと思っていたのに違うのか。
「ヒーロー?」
耳を疑ったタバサは思わず聞き返す。
「そう、ヒーローよ。何でも魔法じゃない別の力で変身するんですって。クールよね」

魔法じゃない?
そんなバカな。
あれが先住魔法以外の何だと言うのか。
しかもヒーロー?
そんなものはおとぎ話や絵本の中だけだ。

「本当に?」
念のためタバサはもう一度聞く。
「カレはそう言ってるわね。あたしも最初は信じられなかったけど、
あの戦う姿を見たらどーでも良くなっちゃうわ。ほんとにステキだった」
シャンゼリオンとなった暁の事を思い出し、うっとりとするキュルケ。
そんなキュルケをよそにタバサはまた別のことを考える。

そういえば彼は変身しただけじゃない。
銃や剣を召喚し、分身も作っていたはずだ。
明らかに魔法の範疇を超えている。
とすると彼は本当にヒーローなのか。
少し興味がわいてきた。

「あ、手紙のことだけどどうする?無理にとは言わないけど」
「うん、手伝う」
「ホント?ありがと、タバサ!」

これで彼に近づくことが出来る。
後はじっくり観察すればいい。
…もちろんキュルケのお手伝いをしてあげたいのもあるんだけど。


「何か俺、すげーガン見されてんだけど」
タバサの視線に気づいた暁はキュルケに問いかける。
「あらタバサ、アナタも惚れちゃったの?」
「え、マジで?いやー、いい男ってのも罪だね」
「でも相手がアナタでもダーリンは渡さないわよ」
会話が弾む二人。
しかし部屋の主は黙っているはずも無い。
「ちょっとキュルケ!そのダーリンって何よ」
無視されていたルイズは少し、いやかなり怒っている。
「あら、ルイズ居たの」
ルイズの存在を完全に忘れていたキュルケはきょとんとした顔をする。
「ここは私の部屋よ!」
ルイズは暁から手紙を奪い取った。
「何なのよ、この手紙。どーせまた女の子への手紙じゃ…」
ラブレターと思っていたルイズだったが題字を見てビックリした。
「果たし状?」
「そ。これを決闘申し込んできたヤツらに渡そうと思ってさ。
でも俺コッチの文字分かんないからキュルケちゃんに頼んでたの」
その暁の答えにいつものルイズなら文字くらい覚えろだの何だの浴びせるだろう。
しかし様子がちょっと違う。

今まで決闘を挑んできた相手に正々堂々勝負を?
いつもはフザケた態度だがやはりコイツは逃げも隠れもしないヒーローなのね。

「ね、ダーリン。あのこと覚えてる?」
「当たり前じゃないの。キュルケちゃんとデートでしょ」
ルイズの思いとは裏腹に暁はキュルケと遊ぶ約束をしていた。
全くこの男は。

「それじゃ、そろそろ行くわね」
「さようなら」
キュルケとタバサは別れの言葉を告げてルイズの部屋から出て行った。
その時もずーっとタバサは暁を見つめていたのだが。

「あんなに俺のことを見つめて、タバサちゃんも気があるのかな」
暁は相変わらずのしまりの無い顔をしている。
「アキラ」
そんな暁にルイズは声をかけた。
「ん、なぁに?」
「私、アンタのこと誤解してたかもしれない」
「何のこと?」
ルイズが何を言っているのかわからない。
暁は聞き返す。
「果たし状を出して、改めて真っ向勝負を挑むなんて。普段のおちゃらはただの演技だったのね」
ヒーローたるもの逃げも隠れもせずに正攻法。
そんな考えを持っていたルイズはちょっと感動していた。
しかしその感動は、すぐに裏切られることになる。


「え?違うよ」
ルイズの言うことが理解できないといった様子ですぐさま暁は否定する。
「違うってどういうことよ」
ルイズも暁の言っていることがわからない。
やれやれといった感じのオーバーなリアクションをとって暁はルイズに説明する。
「この果たし状は俺の名前で出すんじゃあない。
差出人は今までケンカ売ってきた奴らの名前で出すんだ」
話を整理しようとルイズは考える。

手紙は決闘を挑んできた相手たちに出す。
しかし差出人はアキラではない。
奴らの名前で出す…

まさか

「アンタ、もしかして自分の手を汚さず相手をぶつけ合うつもり?」
「いかにも!毒をもって毒を制す。これっきゃない!」
なんとセコイ作戦か。
ちょっとでもコイツを見直した自分がバカだった。
ルイズは後悔の念にかられていた。
「コスいわよ!だいたい上手くいくワケないでしょ」
しょーもない暁の作戦をやめさせようとルイズは何とか説得を試みる。
「ヤンキーとヤンキーは目が合っただけでケンカが始まるだろ?アレと同じだ。
あーいう奴等は出くわしただけでドツき合うモンなんだ」
だから何故いつもそんなに自信があるのか。
暁の言うことには根拠が無い。
「なによヤンキーって!だいたいアンタはヒーローなんだから真正面からぶつかればいいじゃない」
ルイズは説得を続けるが
「知るか!どーせ俺は正統派ヒーローじゃないんだ!」
遂に暁は開き直ってしまった。
ルイズの言葉は全く受け付けないようだ。
「ああ、そう…」
疲れるやら情けないやらでルイズは黙ってしまった。

ほんとーに良かったの?
チキューの人たちは
こんなヤツがヒーローで

ルイズが呆れてしまい、現実逃避をしかけたそのときだった。
突然轟音が響いた。
「何?」
我に返ったルイズは暁と一緒に窓から外を見る。
二人はほぼ同時に、あっという声を上げた。
外には一体の巨人がいたのだった。

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