あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロと疾風-02


ゼロと疾風 ルイズの壁


朝になるといろいろなものが動き出す。
その動きをチップは感じ取り眼を覚ました。
チップは大きなあくびをして、頭をかいた。
「さて、ルイズを起こしにいくか」
昨日はあんなこと言ったが、チップはルイズを起こすことにした。
部屋に着いたが、ルイズはまだ眠っている。
とりあえず、毛布をはいだ。
「な,何!!というかあんた誰よ」
「チップだ!せっかく起こしに来てやったのに、なんだ?その態度」
「あ・・・昨日召喚したんだっけ、忘れてた」
「忘れんな。それに、みんなもう起き始めているぜ」
ルイズは起き上がると、チップに命令をした。
「服」
「自分でとれ」
そう言うとチップは部屋の外に出て行った。
「外で待っているから、早く出てこい」

廊下に出ると結構な人間が行き来しているのがチップの眼に入った。
全員が全員裕福な家の子供なのだろう。生活に困ったことが無い、そんな顔をしている。
ストリートで暮らしていたときの自分には持って無いものをこいつらは全部持っている。
そう考えるだけでイライラしてくる。
やっぱ、来なけりゃ良かったな・・・
そんなことを考えていると、いきなり後ろか声をかけられた。
「あら、あんたルイズに召喚された傭兵じゃない」
燃えるような赤髪、スタイルはルイズとまったく逆で結構発育が良い。
こいつも、周りと同じように見下した目線でこっちを見ている。
しかし、他の奴とは違いその目線の中に好奇心が入っている。
「ンだ?てめェ」
「ルイズと貴方の怒鳴り合いの影響を最も受けた人間よ」
「隣の部屋にいた奴か。俺になんかようか?」
「用は特に無いわ。ただあの子の召喚した使い魔が気になってね」
こんなことを話していると、凄い勢いでドアを開けルイズが出てきた。
「そんな風にドアを開けるとドアが壊れちゃうよ、ルイズ」
「うるさーい!!キュルケ、私の使い魔に手を出してんじゃないわよ」
「手なんか出してないわ、私にはちゃんとした使い魔がいるのよ。誰かさんと違ってね。出ておいでフレイム」
キュルケの後ろから真っ赤で巨大なトカゲが現れた。尻尾の先が燃えている。
「あんたが召喚したのってサラマンダーなの?」
「そうよ、それにこの尻尾の炎を見て。この子は間違いなく火竜山脈のサラマンダー、ブランド物よ。誰かさんと違って」
「う~~・・・」
二人のこんなやり取りをチップは退屈そうに見ていた。それから数分話した後、不意にチップのほうを見た。
「コルベール先生が言うには凄腕の傭兵らしいわね、ルイズの所が嫌になったらいつでも私の所に来なさい。雇ってあげるわよ」
そういい終えるとキュルケはどっかに行ってしまった。
「あんた、あの女にしっぽを振るわけ?」
「あんな人見下している奴は、こっちからお断りだ。本当はお前に雇われるのも嫌だな」
「私は優しいから最後は聞き流してあげるわ。それより、早く授業に行くわよ」
しかしチップはルイズの反対の方向を指さして言った。
「そっちよりこっちが近道だぞ」
「なんでそんなことあんたが知っているのよ」
「昨日、この学校の構造をあらかた調べた。隠し通路とかいろいろあったな」
「へー」
現在、この学校の構造に詳しいのはチップである。

教室はなかなか広く。結構な数の生徒と使い魔がいた。キュルケもいた。
周りからは生徒たちの笑い声が聞こえてくる。こっちを見て笑っているのだ、チップのイライラは更に上昇する。
本当なら全員殴り倒してやりたいところだが、ここにいる人間の顔があまりにも平和ボケしていて、こっちのやる気がなくなる。
さて、そんな視線や笑い声を無視して席に座って待っていると先生が入ってきた。
チップは授業なんて受けたことがなかったので、少し興味がわいた。
幸い今回の授業はいままでの復習だったのでチップにとっては都合が良かった。
「なあ、ルイズ。やっぱ法術と魔法って一緒じゃねーか」
「一緒じゃないわよ、魔法は数限られた人間しか使えないものなの。
ちょっと勉強した程度で誰もが使えるホージュツとは格が違うの」
「ま、俺には難しいことはよく解らないからな。それより、授業ってのは眠くなるな」
「勝手に眠っていていいわよ」
そんな風に喋っていると、先生に見咎められた。
「ミス・ヴァリエール!」
「はっはい!」
「お喋りしている暇があったらここで錬金をやってみなさい」
「へ?」
どうやらルイズが錬金とやらをやるらしい。
チップはルイズの表情の変化を見逃さなかった。
不安と恐れ、期待と絶望、逃避したい感情をプライドが許さないetc
チップはこんな表情をする人種を知っている。
ルイズが錬金を行うと部屋が爆発した。凄い爆発だ。
教室にいるチップ以外の誰もがルイズに罵声を浴びせる
チップはルイズの表情が変化してからルイズの顔をずっと観察していた。
ルイズは今にも泣き出しそうだ。それを必死に耐えている。
周りの人間の罵声を聞くと大体のことがわかる。
ルイズは魔法を必ず失敗する。そのために、『ゼロのルイズ』と呼ばれている。
メイジなのに魔法が使えない。貴族なのに魔法が使えない。
チップは理解した。ルイズの表情の奥に見えたものを。
「・・・それが、あいつの壁か・・・」
だれの前にも現れる障害。決して避けることの出来ないもの。黒き壁である。
ルイズの爆発によって一番の被害を受けたのは爆発を真っ向から受けた先生とチップだ。
先生はさっきの爆発で気絶している。
チップはなんとなくルイズを責めるのは止めようと思った。

ルイズとチップは部屋を爆発させた罰として居残って掃除をしていた。
ルイズのほうを見るとまだ落ち込んでいる。
チップは黙々と掃除を進める。
そうするとルイズがいきなり喋りだした。
「笑っちゃうでしょ?メイジなのに魔法が使えないなんて」
チップは一時間半の怒鳴り合いによって、少しはルイズのことを理解したつもりだった。
しかし、いまのルイズはずいぶんと自虐的である。
「気にするな。たいしたことねェよ。別にお前があんな奴等に合わせる必要は無ェ」
「気にするわよ!!メイジなのに魔法が使えないのよ!ずっと・・・ずっとそうだった・・・
『ゼロのルイズ』って馬鹿にされて・・・」
「あるところに凄いメイジがいました」
「へ?」
「そのメイジはすべての魔法を操ることが出来る。失われた虚無ってヤツもだ」
「急になによ」
「いいから聞け。しかし、そのメイジは何もせず、ずっとダラダラして一生を終えた。こいつは偉大か?」
「偉大じゃないわよ」
「なぜだ?魔法が使えれば偉いだろ?全部の魔法を操れれば偉大じゃねーか」
「そうだけど・・・何もしない奴なんて偉大じゃないわよ」
チップはルイズの目を真正面から見た。
「そのとおりだ。つまり、生きて何かを成す。これが出来ればいいんだよ。昔、師匠が似たこと言っていた」
ルイズはまだなにがなんだかわからない様子だ。
「魔法がどうとか関係無ェ。魔法なんて一つの手段でしかない。魔法以外の何かで何かを成せばいいんだよ」
「何かってなによ?」
「そんなもん知らねーよ。自分で考えな」
チップはそう言うと掃除を再開した。
ルイズはそんなチップの後姿をみた。
あいつなりに慰めようとしたのかな・・・・・・何かを成す・・・私になにが出来るのかな?
何かを成す、ルイズはこのことを深く考えるようになった。


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