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第10回 趙・公明昇天!!

華麗なる貴族伝説、遂に終焉……!!


始祖・伏羲、神・普賢真人と袁天君、董天君。
4人が作り上げた空間系宝貝『誅仙陣・改』により、巨大植物と化した趙公明が冷凍される。
「花の命は短い……暖かい季節に栄華を極めては、寒さとともに散華する……」
ロマンチックに毛玉(袁天君)が呟く。

「プッ、プリンス・チョウ・コウメイさま……!!」
「ああっ、お兄様……!! けれどミス・ヴァリエール、これも天数ですわ。
 我ら神々も仙人も、始祖といえども、それには抗えませんの。
 それに封神は『死』にあらず、新しい存在へと生まれ変わること……!!」

ルイズとビーナスが涙にくれる中、趙公明は絶命する。
凍結した趙公明の森と巨大花は崩壊し、『レコン・キスタ』の空中艦隊もほぼ全滅した。
巨大花の根元に、ゆっくりと趙公明の魂魄が現れる。

『ルイズ……ビーナス……悲しんではいけないよ。
 僕はこんなにトレビアンな戦いが出来て、とても満足している。
 さぁ、さようならルイズ!! 僕は「神界」へ帰らなくてはならない……!!!』

すぅっと暗くなった天上から光の柱が差し込み、羽毛と花弁が降り注ぐ。
幼児の姿をした天使たちも現れ、楽器を吹き鳴らし、讃美歌を歌い踊る。
巨大花の根元、『レキシントン』号の残骸から、趙公明が昇天する……!!

(ラ―――――ラ――――― ラ―――――ラ―――――)

『ありがとう、ミス・ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!

 プリンセス・アンリエッタ! プリンス・オブ・ウェールズ!

 ミス・キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー!

 ミス・タバサ! ミスタ・ギーシュ・ド・グラモン! ミス・フーケ!

 そしてミスタ・ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド!!

 さようなら……さようなら……さようなら……』


ご丁寧にエンドロールを背景に流しながら、趙公明の魂魄は『神界』へ帰還した。

神々は、ニューカッスル城上空に集結する。

「なんだあれは、それに今の吹雪は!?」「て、天使だっ!! 我らには天が味方しているぞ!!」
「あの森と巨大な花はなんだったんだ!?」「ってゆーか、プリンスは!?」
「貴族派の艦隊が全滅したのは、あのプリンスのお蔭か?」「皇太子よ、いずこにおわす!?」

「キュルケ、起きて。大変だから」
「ええ、起きているわタバサ。あのプリンスは、天に帰ってしまわれたのね……」

地上では大混乱が続いていたが、やがてニューカッスル城から凱歌が挙がる。
ウェールズ皇太子を失ったが、『レコン・キスタ』の空中艦隊は壊滅し、王党派が勝利したのだ。
この不思議な戦闘は、のちに『ブラック・プリンスの戦い』と呼ばれたという。


「フィー……久しぶりに力を使うと、疲れるのう……。
 あやつはしばらく大人しくしとるであろう、多分。で、後始末をどーしたもんやら……」
「そうですね……『歴史の道標』の事もありますし、介入してみますか?
 どうせ最近、皆ヒマしていたことですから」
「ルイズちゃんも悲しんでいるし、誰かを新たな彼女の『使い魔』にしてあげて、
 少しずつ助力するって形にしたらどうかな? ……僕はちょっと、忙しいけど」

「むぅ……わしとてめんどくさいし、役職のあるやつらは行かせられんし。
 スープーはあんまり戦闘力がないしのう……誰ぞ、立候補せぬか?」

300余りの神々や仙人の中で、ぽつぽつと手を挙げる者がいる。
「ああこら、ナタクや雷震子は破壊しか能がないからいかんっ。土行孫はすっこんでおれ。
 そこそこ強くて、頭も回って、人間出身の奴が望ましいのだが……」

そこへ、袖のない革ジャンと破れジーンズを着た、鼻に傷のある黒髪でバンダナの青年が進み出た。
「スースよお、俺っちはどうさ? 俺っちも長らく戦ってねえから、ヒマでしょうがねえさー。
 たまには羽根を伸ばしてえし、倒すのは妖怪や怪物や、『神界』から来た奴らでいいんだろ?」
「おお、そうか、天化なら適任だのう。ルイズも喜ぶぞ」

「なーによ、女の子に使われるから立候補したんでしょ。にしし」
「蝉玉ぅ、俺っちは道士出身の神さー。そーゆー下心は卒業してるって」

やがて『神界』の元始天尊も現れ、役者は揃った。
神々はウェールズの魂魄体を城に降し、事情を軽く説明させてから、大広間に集まる。

「……では、『三山管領正神・至聖炳霊公(へいれいこう)』黄天化よ。
 始祖と神仙両界教主の勅命により、おぬしをこの世界『ハルケギニア』に天降す。
 ルイズにはこの『レプリカ打神鞭』を授けよう。これで魂魄が封印できるゆえ、『封神鞭』とでもしておくか」
伏羲から『封神鞭』が下賜される。見た目よりずっと重く、触れるだけで魔力が吸われていくのが分かる。

「封印されていた魂魄は抜いておいた。これは、ワルドも使っておった通り、風の力を操る宝貝。
 あまり使えばメイジといえども消耗が激しいが、なかなか強いぞ。
 魔力は豊富なようだし、おぬしの杖として、ここぞという時に使うがよい」
「は……はい!!」
マジックアイテムを介してとはいえ、魔法が使える!
ルイズはプリンスを失った悲しみも和らぎ、感激する。

一方神々は、ひとまずの対策を協議する。
「逃走というか、おそらくジョカもどきによってこの世界に召喚された神々は、
 まだリストが揃っていませんが……先ほど再封神された趙公明、劉環、陳桐、張桂芳と風林を除いて、
 およそ36名前後。ほとんどは妖怪仙人出身です。
 主なものには、余化、呂岳、馬元、丘引、高継能、陳奇、楊任……ほぼ趙公明絡みですね……」

地上からニューッと剣が伸びてくる。
「余化のジジイなら、トリスタニアって街で武器商人してるぜ! 宝貝もいろいろ持ってきてるし」
「おお、『飛刀』もおったのか。こういう妖精や宝貝、わしらの把握しとらん妖怪変化もおるであろう。
 天化ひとりでは、ちとキツイかのう……」

「ワルドはこの玉鼎が預かろう。剣の腕は立つようだし、鍛えればいい仙人になるかも知れない」
「うむ、数年してモノになったら、天化のサポート役として天降してやろう。
 ジョカもどきによる洗脳も、わしがちゃんと解いておくぞ」
「あとでリストも作っておくから、何か手におえないことがあればこの携帯宝貝で連絡してくれ、天化くん」
「分かったさ。けど、『莫邪の宝剣』と『鑚心釘』だけじゃ、ちょっとなあ……」

『それならば、グッドニュースがあるよ諸君!!』
再封神されたばかりの趙公明が、ニュッと顔を出した。ルイズもみんなも吃驚する。
「ぬおっ、趙公明!! いきなり雲間からくどい顔を出すでないっ!!」

『フフフ、彼女は「虚無の担い手」という特殊なメイジ。
 彼女の接吻を受けた者は「ガンダールヴ」という強力な使い魔となり、
 あらゆる武器や兵器を自在に操る事が出来るのさ!!
 宝貝も一緒に来ている者が多いようだし、それらを回収がてら戦うがいい!!』
ポーイと『万里起雲煙』が投げ渡される。劉環の宝貝だった物だ。

「ヘェ……って、せ、接吻!?」
天化が思わず赤面する。
『契約の証だ。気にすることはないよ、黄天化くん!』

「ばっはははは、そーだぜ天化、一つばしーっとキスしちまえ!!」
「ガンバでーす、ファイトでーす天化!!(スポーツ)」
「親父も師父(コーチ)も……まぁ、戦えるんなら我慢するさー」

それを聞いて、ルイズがムッとする。
「が、我慢って言い方はないでしょ!! あ、あんたはテンカっていうの?」
「そうさー、もと殷の鎮国武成王にして周の開国武成王、死後は東岳泰山天斉仁聖大帝に封じられた、
 黄飛虎の三男! 三山管領正神・至聖炳霊公の黄天化とは俺っちのことさ!! 
 よろしくな、ルイズ・フランス・ナハトムジーク……だっけ?」
「な、長過ぎるわっ! あんたなんかテンカで充分よ!
 それに私の名前は、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ!!」

二人はギャーギャーと言い争い始めた。
周りの神々は、ニコニコニヤニヤしながら見守っている。

「まぁ天化ったら、ルイズちゃんとすぐ仲良くなって」
「手が早いのは、兄上譲りだねっ!」
「おふくろ、叔母さん! からかうんじゃねぇさ!
 まあ俺っち男前だし、惚れられるのも無理はねーけど」

「なっ、何言ってんのよ!! しょしょしょしょーがないわね、
 プリンスの代わりとしちゃ随分格落ちだけど、せっかくだからあんたを使い魔にしてあげる。
 かかかかか、感謝しなさいよねっ!!」

天化は、ぶっちゃけかなりかっこいい。美青年というか、細身の筋肉質で精悍な剣士だ。
飄々としているが立派な身のこなしで、仙骨があり、剣の腕前なら趙公明以上だろう。

「ちぇ、俺っちだって武成王・東岳大帝の三男だからプリンスさー。
 そんじゃま、ちゃっちゃと契約しちまうべ」
「わ、分かったわよ。ちょっとしゃがんで、目を閉じてなさい!
 『我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
 五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我が使い魔となせ』……!」


契約は完了し、左手に『ガンダールヴ』のルーンが現れ、天化は数千年ぶりに受肉する。
キスはタバコの味がした。

その後、彼はルイズの使い魔としてハルケギニアを転戦し、
三十六柱の迷鬼妖怪を封神して天下の騒乱を鎮め、
のちに元始天尊より『夷伐大勇王(いばつだいゆうおう)』の封号を賜わるのだが、
それはまた別の話である。

(趙・華麗なる使い魔・完)



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