あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

異世界BASARA-36


翌日、『魅惑の妖精亭』を後にしたルイズ達はトリステインの王宮にやって来ていた。
「ルイズ、今回の任務、ご苦労様でした」
「勿体無きお言葉ですわ」
アンリエッタの言葉にルイズと幸村がこうべを垂れる。
実は、アンリエッタはルイズと幸村にある頼み事をしていたのである。

『街で貴族が横暴な振る舞いをしているらしい。
だから平民に扮して街で生活し、確かめてほしい』

これがアンリエッタがルイズに頼んだ任務の内容だった。

ところが、快く承諾し、街に来た2人に問題が起きた。
アンリエッタから貰った資金を全て失ってしまったのである。
ルイズが「馬が欲しい」、「安い宿のベッドじゃ寝られない」などと我侭を言ったのも理由の1つだが…
幸村が言うには、残っていた資金が“かじの”という場所で全て無くなったとの事である。
「人から金を奪うとはけしからん!成敗せねばなりませぬぞ!!」
「い、いいのよ!もう忘れなさいってば!!」
“かじの”という場所がよく分かっていない幸村をルイズが制止する。

“かじの”ではなく、“賭場”と言っていたら幸村もルイズが悪いと考えたであろう。

結果、噴水広場でどうするか考えている所を、『魅惑の妖精亭』に戻る途中のスカロンに発見されたのであった。

「あなたにも感謝していますよ、大きな使い魔さん」
ルイズと幸村に労いの言葉を掛けた後、アンリエッタはその隣…こうべを垂れているが頭が高い忠勝に礼を言った。
「!!」ギュルギュルギュル
忠勝はその言葉に応える。アンリエッタに理解されたかどうかは謎だが…

「でも、ゴーレムが歩いていると聞いた時は何事かと思いましたよ」
アンリエッタは小さく笑った。
彼女の言う通り、忠勝の体は大きい。
しかも人の言葉を話さないので、さらに人間離れしているように見えてしまうのだ。

『そこの者!何故王宮内でゴーレムを歩かせている!』
『こ、この者は人間です!』

王宮内でこんなやり取りを繰り返しながら、アンリエッタの部屋まで来たのをルイズは思い出した。
「も、申し訳ありません姫様…」
「いいのよルイズ!彼にも何か褒美を上げねばなりませんね」
それを聞いた忠勝は、体から機械音を発して何かを訴える。
「…!、!!」ゴォン!ヴィーンヴォン!!
「…え、ええと…」
しかし、当のアンリエッタには彼が何を言っているのかさっぱり分からなかった。
「!?…!」ウィーン!シュゴゴ!!
「困りましたわ…彼は何と言っているのかしら?」
「ううむ、タバサ殿ならば忠勝殿の言葉が分かるのだが…」


「…民の…平穏…?」
唐突に、ルイズが呟いた。


「!?!?」ブシュウゥゥー!?
それを聞き、忠勝だけでなく、幸村も驚いてルイズを見る。
「ルイズ殿!忠勝殿の言葉が分かるのでござるか!?」
「そ、そんな事を言っているのかなぁって思っただけよ…」
幸村が驚くのも無理はない。
忠勝の言葉を理解出来るのはこのハルケギニアにおいてタバサ1人だけだからである。
とは言っても、忠勝が本当にそう言っていたのかが分からないのだが…

「……………」ピポポポ、プシュ~…
「きゃっ!ちょっと…止めなさい!」

しばらくルイズを見下ろしていた忠勝が、ルイズの頭をそっと撫で始めた。
どうやら当たっていたようだ。
「……………」ナデナデナデ、ウィィーン
「う~~~…」
頭を撫で続けられているルイズは顔を赤らめながら唸る。

ただ、忠勝の表情がまったく変わらないのが少し怖い。

「そうですか。では、あなたの褒美はどうしましょうか…」
忠勝とルイズの様子を見た後、今度は幸村に問い掛けた。
だが、幸村の望みも忠勝と同じだった。
「拙者の望みも忠勝殿と同じ。城下に住む民を…どうか大切にして下され」
「フフッ、分かりましたよ使い魔さん。全力であなた達の望みに応えましょう」
「お頼み申す!」
「…!」ギュイーン!

ルイズ等3人が部屋から出て行った後、アンリエッタは1人ベッドに腰掛けていた。
先程の幸村達の言葉を思い出す。
「…自身は何も望まず、ただ人々の幸せの為に力を尽くす…」
アンリエッタからしてみれば、彼等は正に騎士…いや、貴族の模範となる者達である。
しかし、最近ではそのような志を持つ貴族は殆どいなくなった。


「…あの人達になら、頼めるかもしれない…」
指にはまった「水のルビー」を見ながら、アンリエッタは小さく呟いた。

一方、王宮を後にしたルイズはトリステイン学院への帰ろうとしていた。
「じゃあ帰るわよ。ええと馬屋は確か…」
「なりませぬぞルイズ殿!!」
馬を買おうとしていたルイズを、幸村が止める。
「貴族とはいえ、質実剛健に努めなければいけませぬ。それに歩けば足腰の鍛錬にもなりますぞ!」
どうやら幸村はここからトリステイン魔法学院まで歩いて帰ろうというのだ。
「馬鹿言わないで、ここから学院までどれだけあると思っているの?」
最もな言い分である。
彼女の体力では途中で力尽きるのは目に見えている。
「むむむ、致し方ありませぬな…」
流石に幸村もルイズでは無理だと分かったのか、別の方法を考えたようだ。
幸村はルイズの前まで来ると、背を向けてしゃがんだ。
この使い魔は何をしているのだろう…いやちょっと待てまさか…

「さぁ、拙者がルイズ殿をおぶって行くので、参られよ!!」
「ででで出来るわけないでしょ!そ、そ、そんな恥ずかしい事…わわ私をおんぶして走るなんて…!」

「…!!」ヴイィーン!!
その時、忠勝が幸村と同じように背を向けてしゃがんだではないか。
「!…!」ギギギ、キュォーン!
よく分からないルイズに向かって、もう一度機械音を発する。
しばらく考えていたルイズだったが、おもむろに口を開いた。
「………乗れって言ってるの?」
「!!!」プシュウゥゥーー!!!
その言葉に、忠勝は応えるように体から蒸気を噴き上げた。
どうやらルイズの思った通りだったらしい…学院まで送ってくれるようだ。
「そ、そう…ならお願いするわね」
ルイズはそう言うと、忠勝の右肩の方によじ登っていく。
幸村は左肩に移動した。
「それじゃあ行くわよ……えーと…」
ルイズはこほん、と咳払いを1つすると、上空を指差して高々と叫んだ。



「と…飛べ!!タダカツ!!」

トリステイン魔法学院の中庭…
この時間は昼休みだったので、何人かの生徒が外でお茶の時間を楽しんでいる。
その内の1つのテーブルに、タバサとキュルケが座っていた。
「……………」
と、本を読んでいたタバサが本を閉じ、立ち上がって空を見上げる。
「どうしたのタバ…あら?」

…ゴゴゴゴゴゴ…

タバサが空をしばらく見ていると、重低音が辺りに響き渡り、それがどんどん大きくなってくる。

ズズウウゥゥンッッ!!!!

そして、空から黒い鎧を纏った巨人…忠勝が降ってきた。
忠勝が地面に着地した振動で、庭にいた生徒はイスから転げ落ちたり、紅茶を零したりしている。
「…!!」ウィーンキュキュキュキュキュ!!
地に降り立った忠勝はタバサの姿を見つけると、体から高い音を発した。
タバサもまた、忠勝に近づこうとする。

「…タ、タダカツ…早く帰りたいからって飛ばし過ぎよ…」

と、忠勝の右肩からルイズがひょっこりと顔を出した。
風圧のせいか、綺麗な桃色の髪がバサバサになっている。
「ルイズじゃない、しばらく見掛けないと思ったら…何でこの子と一緒にいるの?」
「ちょっと用事で街に行っていたのよ。そこで会ったから…」
「拙者達を乗せてくれると言ったので乗せてもらったのでござる」
今度は左肩に乗っていた幸村が言った。
「乗せてくれる…ってちょっと待って、あなた言葉が分かったの!?」
「ま、まぁ私にかかればタダカツの言っている事ぐらい理解できるわよ」

「……タダカツ……」
ルイズと幸村が降りた後、タバサは忠勝に近づき、頭を撫でる。

「……………」プシュウゥゥ~

「おかえり…タダカツ…」

その時、忠勝が“ただいま”と言ったのか…それはタバサにしか分からない。




―――おまけ―――

「……………」

スタスタスタスタ…

「な…何よタバサ…」


「私が一番タダカツの言葉を理解出来る」


「なっ!?」

スタスタスタスタ…

「な、何よあれ…」
「タバサったら…もしかしてやきもちかしら…」
「…?」キュイィーン?


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