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つかいま1/2 第五話 決闘! 乱馬対ギーシュ

「決闘だ!! おさげの男、貴様に決闘を申し込む!!」

突然現れたギーシュに、ルイズと乱馬は大混乱する。
「なっ……だから誤解っていうか、俺は男、じゃねぇ女で……! 
 ええいややっこしいっ、水さえあればっ」
「わ、私のせい? えと、あの、ごめんランマ、いやだからギーシュ、これはね」

「ルイズ! そのよーなふしだらな男女交際、この僕が許さんっ!」
「黙れ変態! あんたが何股かけてモンモランシーを呆れさせてると思ってるのっ!
 しかも男女交際って、ギーシュがやってるのはストーキングと、おごりのデートと交換日記ぐらいじゃない」


「なになに? 決闘?」「げっ、ルイズの部屋に裸の男とギーシュがっ?!」「なにいっ!? 許しがたいぞっ」
「きゃっ、男の人の裸だわっ」「押すな押すな」「わいわい、がやがや」「おせんにキャラメルいかぁっすかー」


っっておい、いきなりこの部屋にギャラリーが入って来るんじゃねぇっ! なんなんだこの学校は。
「だ、誰か水を持ってきて! 今説明するわっ!」
「はい、どーぞルイズ。このバカは私が引き取っておくから、貸し借りなしよ」
金髪ロールの女子生徒・モンモランシーが、ルイズにコップ一杯の水を渡し、騒ぐギーシュを木槌で殴って気絶させる。
「へへっ、サンキュー! しょーがねぇ、見てろよっ」
男の乱馬が水を被ると、たちまち女の子・らんまに変身する。

おおーーーーーーーっ、と大歓声が男子生徒からあがった。

「分かった? 彼女はね、お湯を被ると男になり、水を被ると女に戻るってゆー、悲劇的体質なのよ!!
 ……っってこらランマ!! ふ、服を着なさい!! 上半身丸出しじゃないの!」
「わぁしまったっ、トランクスだけだったの忘れてた! こ、こら、見るなっ」
マリコルヌとかいうデブが、らんまの生乳を見て鼻血を噴いて倒れた。

ばっしゃん、とらんまがぬるま湯の張られたタライの中に飛び込み、男になる。
今度はきゃーーーーーっという、女子生徒達の黄色い歓声がした。
「どーでい、分かったろ? これで俺が、おと……じゃねぇや、女だってこと……あれ?」
「……ちょっとモンモランシー、ギーシュを気絶させてどーすんのよ。
 ランマへの誤解が解けないでしょーが、実際に変身するとこ見せないとっ」
「あ、そっか。ごめーん、もう一杯水を作るわ」


モンモランシーに頬を叩かれて、ぱちっとギーシュが覚醒した。
乱馬はタンクトップを着ると、ぱしゃっとコップの水を被ってらんまに戻る。
「な? こーゆーわけなんだよ。俺はお・ん・な」
「そうよ。彼の身も心も、このランマちゃんのものなの」

………ん? 身も心も?

ギーシュはゆらりと立ち上がり、叫ぶ。
「……そうか……おさげの男め、ルイズのみならず、このおさげの女にまで毒牙を……!
 くされ外道っ、誠に許せん! どこへ行きおった! 必ず見つけ出して、成敗してくれるわ!!」

ダメだ、目の前で変身してやったのに、こいつだけ分かってねえ。目に入らなかったのか?
「……おい、モンモランシーとかいうの。お前はどんどん状況を悪化させてねーか」
「ちょっと言い回しがまずかったかしら? まぁいいじゃない、決闘してあげたら?
 遠慮せずにぶちのめせば、少しは目も覚めるでしょ」

女って怖えな。まぁしばらく格闘してねぇし、腕ならしにゃー丁度いいか。
メイジっつってもヒョロヒョロのお坊っちゃんだし、今の俺が負けるわきゃねーや。

またお湯を浴びて男に戻り、ギーシュと対峙する。
「おーしギーシュ、その決闘受けてやらぁ! で、どこでやるんだ?」
「よかろう、おさげの男! 場所は『ヴェストリの広場』、日時は明日の早朝!!
 首を洗って待っているがいい!!」

言い捨てると、ギーシュはギャラリーを率いて、よーやく部屋を出て行った。
「へへっ、久し振りに男の姿で闘えるぜっ」
「はぁ……疲れたわ、寝る。片付けはしときなさいよ、ランマ」


そして、翌朝早く。男に戻っている乱馬は、厨房で事情を話し、朝食をとる。
「で、でもランマさん、平民が貴族と決闘だなんて無茶です!
 無礼討ちは一応法律では禁じられていますけど、お相手のギーシュさまはグラモン元帥のご子息!
 悪くすれば再起不能にされてしまいますわ!!」

「シエスタさん、だーいじょうぶっ。俺が負けるわきゃあねーですよっ。
 うん、美味い。マルトーのおっさん、おかわりっ」
「へへへへ、気に入ったぜランマ! お前が男でも女でもかまわねぇ!
 あの図に乗った貴族さまの鼻を明かしてやんな!」


そして、ルイズと合流してから『ヴェストリの広場』へ。
ギーシュとモンモランシーは、すでに来ていた。早起きのギャラリーまで。
「待ちかねたぞ、おさげの男! 朝食をとってから来るとは、憎憎しい余裕!!」
「腹が減っちゃー戦はできねぇんでな、おはよーさん。お前は食べてねーのか?」
「ぶわかめ、平民を貴族が倒すなど『朝飯前』! よって、食べん!!」

ぐ~~~ぎゅるるる、とギーシュの腹の虫が鳴った。周囲がくすくす笑う。

「……ふっ、まぁよい。この『トリステイン魔法学院の青銅の薔薇』ギーシュ・ド・グラモン、
 平民とは言え容赦はせん。ゆくぞ名も知れぬおさげの男、天誅だ!!」
「だーから俺は早乙女乱馬だって……どわっ!?」

ギーシュが薔薇の造花を振り、花弁を地面に落とすと、青銅の女戦士が現れる。

「これぞ我がゴーレム『ワルキューレ』!! 行けい!!」
「へっ、なんでえこんなデクノボウ、止まってるも同然だぜ!!」
乱馬が鉄の棍棒を振るい、ワルキューレを破壊する。
「まだまだっ!!」
次々にワルキューレが繰り出されるが、乱馬には通用しない。
体がいつもよりずっと軽い。男の姿で思う存分暴れ、今までのストレスを発散する。


「どーしたギーシュ、もう終わりか? 悪キュウリってのは7体までみてーだな」
ぜいぜいと息を上げるギーシュに対し、乱馬は汗ひとつ掻いていない。
「その造花の『杖』を叩き落しゃあ、俺の勝ちだろ? もーちょい粘ってかかってこいよ。つまんねーぞっ」

ドットレベルの土メイジであるギーシュには、ワルキューレを7体作るだけで相当な疲労だ。
あといくつか魔法を放つ余裕はあるが、通用するとは思えない。ならば……。

ボコッと乱馬の足元が崩れ、穴が空く。
「ちっ、巨大モグラかっ!」
ばばっと回転して距離を取り、棍棒を構える。モグラと乱馬が対峙した。


場面は変わって、学院の本塔。
「オールド・オスマン! お早うございます、コルベールです!」
「お早うございます、ミスタ・コルベール。学院長はお留守ですよ」
禿頭の中年教師が、学院長室を訪ねていた。しかし、返事をしたのは学院長の秘書だ。
「お早うございます、ミス・ロングビル。ちょっと珍しい発見をしたので、お伝えしたかったのですが」

と、コルベールの背後から巨大な直立二足歩行する猫が現れた。煙管まで口に銜えている。
猫は学院長室の床に、でんっと『コタツ』をすえて入り込んだ。
「なっっ」
「ああ、ご心配なく。彼は私の使い魔の『コタツネコ』くんです。
 まだ朝は寒いですから、貴女もこの『コタツ』なる暖房用テーブルに入りませんか?」
「はぁ……では、お邪魔します。……おお、これは画期的な暖房ですね」

コルベールが表情を変えずに話す。なぜか貴重なお茶もある。
「まったく、『火』の力の新しい、革命的な利用法と言ってよいでしょう!
 いや、これを伝えに来たわけではないのですが、広まるといいなー、なんて」
「では、私がとりあえず承っておきましょうか?」


肯いたコルベールは、コタツの上に一冊の古い本と、何かのスケッチを置いた。
「これをご覧下さい」
「『始祖ブリミルの使い魔たち』……? 随分古い本ですね、学院の図書館にあったのですか?」
「ええ、そうです。そしてこの図をこちらのスケッチと見比べてみると、そっくりでしょう?
 これは『ガンダールヴ』のルーンですよ」

「『ガンダールヴ』……それって、あの伝説の?」
「然様、あの『神の盾』です。あらゆる武器を使いこなす、始祖とその後裔の使い魔。
 これまでの歴史上にも、何人か存在したと言われています」
「これが、何か……?」
「実はですな、ミス・ロングビル。あのミス・ヴァリエールが召喚した使い魔の少女の左手に、
 これと同じルーンがあるんですよ。サオトメ・ランマという少女です」

……『ガンダールヴ』か。伝説では、魔剣『デルフリンガー』はその武器のひとつだったとか。
そんな小娘に渡すのは惜しい。さっさと宝物庫から頂戴せねば。

「ふ」
いきなり、ばしんとコタツネコが斜め後方の床を叩いた。見れば、小さなハツカネズミが捕まって、もがいている。
「おお、学院長の使い魔、モートソグニルではないですか」
すると、学院長室のドアがばーんと開けられた。白髪白髯のじじいが激昂している。
「くっ、くぉら貴様らっ、わしの使い魔をいじめるなっっ!!
 感覚を共有しまくっとるんじゃから、わしも苦しいんじゃあっ!!」

「お早うございます、オールド・オスマン。覗きやおさわりに使っているんですから、自業自得ですね。
 さあコタツネコ、押し潰しておしまい」
べしゃっとオールド・オスマンが押し潰され、もがき苦しむ。
「では、学院長が背負っておられる大袋をお取りしましょう。私や女教師や女子生徒の下着なんかが入っていますから」
「わっ、わしの宝物を返せ、ドロボーッ!!」

「じゃっかましいっ、この変態じじいっっ!!」(どかっ)
「ふ」(どーん)
オールド・オスマンは、ロングビルの蹴りとコタツネコの突き押しを同時に喰らって吹っ飛び、
窓から空高く飛んでいってお星様になった。

「老いてなお盛んですなぁ、学院長は……」
42歳独身のコルベールは、コタツに入ったまま、ずずっとお茶を啜った。


一方、場面は再び『ヴェストリの広場』。
早乙女乱馬は、巨大モグラのヴェルダンデと対峙している。

「くっ……こいつ、ギーシュ本人より強そうだぜ」
「フゴフゴッ」(ずーん)

「おい、使い魔同士の戦いになっとるぞ」「賭けのオッズはどーなるんだ?」
「なるほど、あれは馬と同じ速さで地中を進み、宝石や鉱脈を見つける優秀な使い魔……。
 意外と強いのかも知れないわね……さあ、張った張った」
「ランマは負けないわっ! って、何を賭けの胴元やってんのよモンモランシー!!」

しかし、ギーシュはすっと杖を下ろした。
「もういい、やめるんだヴェルダンデくん。負けを認めよう。
 あの鉄の棍棒を喰らえば、巨大モグラでもタダではすまんだろう」

それを聞いて、乱馬も構えを解く。
「……そっか。案外いいやつだな、ギーシュ。使い魔も彼女も大事にしろよ」
「ああ、おさげの男。色男同士、友情を誓おうではないか。
 ではこの黒薔薇の花束を、おさげの女に渡してやってくれんか」

ギーシュが、どこからか花束を取り出して乱馬に渡す。残った魔力を使い、『錬金』で作ったようだ。
ギャラリーは歓声をあげたが、花束からはボフッと煙が噴き出した。
「わーーーははははっ、かかったなおさげの男! 強力しびれ煙幕の味はどうだ……うぐっ、しびれるっ」
「てっ、てめえもしびれてんじゃねぇか、この卑怯もーーーん!!」(どかっ)
乱馬の正拳突きが、ギーシュの鼻柱に命中して、広場の端まで吹っ飛ばす。

「やったわ、ランマの勝ちよっ!!」

ワァァアアアアと再び歓声があがる。しかし、両手を挙げていた乱馬も、しびれてばたっと倒れた。
「……気力で立っていただけなのね。負けず嫌いなんだから」

「やったぜ、賭けは俺の勝ちだっ」「さー、朝飯だ朝飯っ」「今日の授業、何だっけ?」
一同も日常に帰り、乱馬とギーシュは仲良く医務室送りとなった。

(続く)

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