あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロと聖石-21


戦いが終結してから、三日が経過した。

あの日、ルイズ様が放ったアルテマを切っ掛けに、レコンキスタを追い払えた。
しかし、その代償は大きかった。

ルイズ様とアルテマの半融合化。
アルテマの魂がルイズ様の魂に混ざり合った。
現在の割合としてアルテマの魂半分、ルイズ様の魂半分。
ベースこそルイズ様だが、髪の毛の色は完全に侵食された形になる。

目が覚めたとき、ルイズ様は、ルイズ様なのだろうか?
あの約束を、守ってくれるのだろうか?

タイムリミットは近い。
今回の一件で、タルブ村の存在そのものが大きく広まってしまった。
貴族に対抗しうる力を持つ、平民達が住む村。

領主には認められていたが、この戦いでその力が示されてしまった。
近接系のジョブは技術を教えるだけで済むだろうが、魔法が使えるデュライ家はアカデミー送りだ。
チョコボも本来生息していない生き物だ。
どちらにせよ、捕まれば確実に生きて帰れないだろう。

それでも、私たちは人間だからいい。
問題はルイズ様だ。
外見上の変化はないが、人間じゃないと知られたとき―――

皆にはまだ伏せてある。
このことを知ってしまったらどうするのだろうか?
でも、決めるのは私の役目じゃない。
ルイズ様が、自分で考えることだから。

外は晴天、青空がまぶしい。
横を向くとルイズ様が起き上がるところだった。

私は嬉しくなって、声をかけようとした。


―――約束が果たされたのなら、どんなに幸せなことか。
   そして、果たされない約束はどんなに過酷なことか。



「あの、どちら様でしょうか? それと、ここはどこでしょうか?」



明るい日差しを感じて目を覚ます。
目の前には少女。
私が起きたのを喜んでいるみたいだ。
でも、貴女はだれ? ここはどこ?

―――私は、誰なの?

「あの、どちら様でしょうか? それと、ここはどこなのでしょうか?」

率直に、思ったことを伝えた。
よく解らないが、見ず知らずの人に助けてもらったのだ。
名前くらいは聞いておかないと。

「る、ルイズ様。そんな冗談、やめてください…」
「ルイズ? それが私の名前なの?」

この子の名前は解らなかったが、私の名前はルイズと言うらしい。
じゃあ、貴女はルイズという存在にとっての何だったの?
わからない。

「―――冗談じゃないの、ですね」
「ゴメンなさい、私、自分が何者かすらわからないの」

わからない、ここがどこか、わたしがなんなのか、何をしていたかも。
だから、せめてわからないことを、聞くことで埋めていこう。

「貴女の、名前は?」
「シエスタ………と、申します」

うん、シエスタね。
ちゃんと覚えたわ。





ルイズ様が目覚めてから三日が経った。
当然ながらキュルケ様にタバサ様、ギーシュ様も驚いていた。
本来なら側に居て下さいと言いたかった。
しかし、タバサ様は実家からの呼び出しで戻らなければいけなかった。
キュルケ様もそれに付いて行き、ギーシュ様も一度学院に事情を説明に行くそうだ。

ルイズを学院につれて帰るか? との言葉に、私は首を振った。
起きたばかりで、心身の負担が激しい為だ。

そのルイズ様は自身の記憶を思い出せずに、今日もチョコボと戯れている。
でも、アルテマの封印という意味では最高なのかもしれない。
常に身に着けているヴァルゴは光を放たない。

本来であれば、ずっとお世話をしていたかったが―――

「ここに私たちがいると、迷惑になってしまいますから」

オーラン・デュライが技を教え、貴族と対等に渡り合った末に出来上がった私の故郷。
領主に対して、冒険者による収益という形で認めてもらった村の拡大。
貴族などには一切伝えず、冒険者にのみ伝える村の存在。
それらの一つ一つが、私たちの記憶だ。
家族はゲルマニアの方へ、私は魔法学院の奉公としてひっそりと身を潜めるつもりだ。
鞄に最低限の衣服や装備を詰め込む。

広くなった部屋を見る。
柱に刻まれた傷は、私の成長の証。
天井に残る傷は、素振りの最中に出来た思い出。

―――さようなら。

ドアを閉め、思い出を振り切って私は前に進む。
とりあえず、休暇が残っているからラクドリアン湖に行ってみよう。
家を出て、ルイズ様にお別れを言おうとした瞬間、私は固まった。

ルイズ様が、複数の傭兵に囲まれていたからだ。






「あの、何か御用でしょうか?」

チョコボと遊んでいたら、鎧を着込んだ人たちが私に近づいてきた。
彼等は銀髪がどうとかということを口に出していた。
そして、その中でもリーダーっぽい人が、私の前に立つ。

「間違いない。こいつがあの時の天使だ!」
「こいつを連れて行けば俺等は強制労働を免除なんだな!?」

天使? 私のこと?
それよりも、この人たちの目が、

―――怖い。

腕を掴まれ、引っ張られる。
なに? どういうことなの!?

「こっちへ来い!」

必死に抵抗するけど、私と相手の力の差は覆せない。
怖い、怖い、怖い―――!

「助けて! シエスタ!」






「一体何のつもりですか!? いきなりこんなことをして!」

男の下へ走り、手首を叩いてルイズ様の腕を自由にする。
同時にルイズ様と男の間に割って入り、かばうようにする。

「邪魔をするな、俺達はその女に用があって来たんだ」
「用があるのなら口頭で伝えればいいじゃないですか、それなのになぜいきなり乱暴を?」

男達の目が鋭くなる。

「トリステインのアカデミーの連中から、タルブ村に現われた天使を捕まえてくれば強制労働を免除してくれるってな」
「幸いにも特徴自体は覚えていたからな。さて、そこをどいてくれ」
「何も命まで取らないさ。ただ、どかないと痛い目見るぜ?」

湧き上がる怒りを抑え、デルフを抜く。

「そんな理由のために、この方を渡すものですか」
「止めておけ、一人でこの人数を相手に出来ると思うなよ?」

―――邪魔だ。

デルフを振り、男が剣を抜く直前に鎧を破壊する。
返す太刀で抜かれた剣を破壊。

「ルイズ様は、全てを賭して守るべきものを守り抜いた」

他の男達が剣を抜くが、それよりも速く聖光爆裂破で全員をなぎ払う。

「そのルイズ様に、これ以上触れさせるものか!」

口笛を吹き、トウホウフハイとミメットをを呼ぶ。
ミメットにルイズ様を乗せ、私はトウホウフハイに跨る。

「ルイズ様、出かけましょう」
「うん、シエスタ」

トウホウフハイが飛ぶのと同時にミメットも飛び上がる。
とりあえずは、親戚の所に行こう。
彼女なら事情を聞かずにかくまってくれるはず。
先ほどの恐怖も忘れ、眼下の景色にはしゃいでいるルイズ様を見ながら、私は決心した。


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