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ソーサリー・ゼロ第二部-19

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四五

 君は砂の入った袋を後ろ手に持ちながら怪物と向かい合い、相手が行動を起こすのを待つ。
 火炎大蛇が飛び上がると同時に砂を投げつけるが、怪物は素早く上昇して、それをかわしてしまう!
「同じ手が、そう何度も通じると思うたか!」と、
大蛇が空中で君を嘲る。
 次にどうするかを、急いで決断しなければならない。
 デルフリンガーを構えて怪物と闘うか(一四三へ)?
 術で身を守るか(三〇へ)?
 背後に立つふたりの魔法使いに、援護を求めてもよい(二〇へ)。


二〇

 むなしく床に落ちた砂を巻き上げて、空中の火炎大蛇に直接ぶつけることができればと考えた君は、ウェールズが≪風≫系統の魔法の
優れた使い手であることを思い出す。
 君は背後を振り返ると、魔法で竜巻かつむじ風は起こせぬかと、ウェールズに訊く。
「できるが……そうか!」
 瞬時に君の意図を理解した皇太子は、指示を待たずに呪文を唱えると、怪物の真下を中心に差し渡し六フィートほどのつむじ風を作り出す。
 逆巻く空気の渦は、宙に浮かぶ怪物を巻き込む――床に落ちていた砂も同時に!
 大蛇の全身を炎のかわりに砂が覆い、またたく間に火も翼も消えてしまう。
 君の眼の前に墜落した火炎大蛇の巨体はみるみるうちに縮んでゆき、最初に会ったときの、小さな赤い蛇の姿に戻っている。
 武器を使って始末をつけよ。
 ディンテンタの蛇杖を持っているならば、相手の技術点から二を引いてよい。

 赤い蛇
 技術点・五
 体力点・六

 蛇を殺したなら一〇七へ。


一〇七

 全身を切り刻まれた蛇が、その口を苦しげにぱくぱくと開閉する。
 耳をそばだてると、死に瀕した力なき声でなにかを言っているのが聞こえる。
「呪われよ……人間め……」と蛇はうめく。
「すぐに≪門≫が……この勝利も…無駄に終わろう……」
 それだけ言うと、冥府からよみがえった怪物は今度こそ完全な死を迎える。
 巨大な岩ゴーレムもいつの間にか姿を消し、砲声の轟きも兵士の叫びも止んでおり、静寂が一帯を包む。

 ほっとすると同時に全身から力が抜け、片膝をついた君の右腕を何者かが掴む。
 頭(こうべ)をめぐらすと、ルイズが君に肩を貸そうとしているのを見出す――背丈に差があるため、君を立ち上がらせるには至らぬのだが。
「ほら、さっさと立って! 早く≪水≫のメイジに治してもらわないと」
 そう言うルイズの大きな鳶色の眼には、ふたたび涙が湛えられている。
「ほんとに、ほんとにばかなんだから……勝手に自分だけで闘って、こんな大怪我して、ご主人様に迷惑ばっかりかけて……
あんたなんか、あんたなんか……」
 頬をつたう涙を見られまいと、ルイズは顔を背ける。
 君は自力で歩けると言って両脚に力を込めるが、逆にルイズを巻き込んで倒れこみそうになり、またもや何者かに腕を掴まれる。
「命の恩人には、できるだけの礼をせねばな」
 ウェールズはそう言って、君に肩を貸す。
「皇太子殿下! 殿下もひどいお怪我を……」
 ルイズは驚いてウェールズを止めようとするが、青年は微笑を浮かべると、
「こんなものはかすり傷さ。恩人には、それに見合った返礼をするのが礼儀というものだろう?ましてや彼は命の恩人だ。
ラ・ヴァリエール嬢、君もね」と言う。
 君たち三人はよろめきながら、本丸に向かって進む。
 両脇を支えられながらどうにか脚を動かす君は、眼の前の床になにか輝くものが落ちていることに気づく。
 暗がりのなか眼をこらすとそれが、切断されたワルドの指に嵌まったままの大粒の宝石がついた指環であることがわかる。
 指環は相当の値打ち物のようだが、ルイズに血まみれの指を拾ってくれと頼むのも、酷な話だろう。
 それがかつての婚約者のものであるならば、なおさらだ。 
 ウェールズに頼んでもよいが、支えを失った君の体は床に倒れてしまうかもしれない。
 ルイズに指環を拾ってくれと頼むか(一六六へ)、それともウェールズに頼むか(二〇〇へ)?
 指環に構わぬことにするならば、七七へ。



二〇〇

 君の言葉で視線を床に転じたウェールズは、
「≪水のルビー≫だ!」と驚きの声をあげる。
 ウェールズが指環を拾うためにそっと君から離れたため、君はよろめくが(体力点一を失う)、苦しげな息を吐きながらもどうにか通廊の手すりにもたれかかり、倒れこむのを避ける。
 床に落ちたワルドの指から青く輝く≪水のルビー≫を抜き取ったウェールズは、それを自分の薬指に輝く≪風のルビー≫に、そっと近づける。
 すると、二つの宝石はその輝きを増し、虹色の光を周囲に振りまく。
「本物だ。水と風は虹――二つの王家のあいだに架かる橋を作る」と言うと、
≪水のルビー≫をポケットに収め、ふたたび君に肩を貸す。
「おそらくアンリエッタが、使者の証としてワルド子爵に貸し与えたのだろう。トリステイン王家の玉璽(ぎょくじ)によって封印された手紙だけで
充分だったのだが、念を入れて持たせたのだ。子爵が謀反人とは露ほども疑わず。使い魔殿は手柄に手柄を重ねたわけだ。
王家の秘宝が≪レコン・キスタ≫の手に渡るのを阻止したのだから!」
 ウェールズは痛みをこらえつつ、君に笑いかける。一五八へ。



一五八

 やっとのことで本丸にたどり着いた君たちは、≪水≫系統の魔法使いによる手当てを受ける。
 呪文と膏薬(こうやく)による治療が終わり、ふたたび君の全身に活力が満ちる。
 技術点と体力点を原点まで回復させよ。

 君とルイズ、騒ぎが終わってから眼を覚ましたギーシュの三人は、天守の片隅にある小さな部屋に招かれる。
 ほとんど飾り気のない部屋で、家具といえば簡素な寝台と机に椅子が一脚あるだけだ。
 君は最初、衛兵の詰め所かと思ったのだが、ここはウェールズ皇太子の私室らしい。
 どうやらこの王子は、虚飾を好まぬ質実剛健な生き方を旨としているようだ。
 過剰なまでに華美を好む者が多いこの世界の王侯貴族としては、稀有なことだろう!
「椅子が足りないので、すまないがベッドに座ってくれたまえ。今日は大変な一日だったな」
 右腕を包帯で吊った――本人は断ったのだが、治療にあたった魔法使いが無理強いしたのだ――ウェールズは、君たちに楽にするよう告げる。
「君たちをここに呼んだのは、ほかでもない。ワルド子爵にかわって、トリステイン大使の務めを果たしてもらいたいのだ」
 そう言うと、上着の懐から一通の手紙と≪水のルビー≫を取り出し、机の上に置く。
「これをアンリエッタ姫に返してほしいのだが、お願いできるかな? ラ・ヴァリエール嬢」
 ワルドの裏切りが与えた衝撃からいまだ立ち直っておらずに、ぼうっとしていたルイズは、自分の名を呼ばれると慌てて立ち上がり、
「は、はい! かしこまりました皇太子殿下! 一命を賭して!」と答える。
「我が杖と始祖ブリミルにかけて!」
 君の隣に座っていたギーシュも、つられて直立不動の姿勢をとる。
「心強いことだな。君たちになら、この手紙にまつわる騒動の事情を説明してしまっても構わないだろう」
 ウェールズは、トリステインからワルドが大使として送りこまれるに至った背景について、語りだす――戦乱によって引き裂かれた恋人たちの、
悲劇的な物語を。

 始祖ブリミルの名に誓って永遠の愛を誓い合った仲である、ウェールズ皇太子とアンリエッタ王女だが、アルビオンを揺るがす内乱の嵐は、
ふたりが添い遂げることを許しはしなかった。
 追い詰められた王党派には万に一つの勝ち目もなく、ウェールズはまもなく戦場に斃(たお)れ、アルビオン王家が滅亡することはほぼ確実だ。
 やがて樹立されるであろう新生アルビオン政府を主導する結社≪レコン・キスタ≫は、すべての王家の打倒とハルケギニア統一を題目に掲げており、
次に餌食となるのは、ひ弱なトリステイン王国であると見て間違いない。
 事態を危惧したトリステイン宮廷は、北東部で国境を接する大国、帝政ゲルマニアと同盟を結ぶべく交渉を重ねるが、同盟を成立させるためには、
アンリエッタ王女がゲルマニア皇帝のもとに嫁がねばならぬのだという。
 しかしアルビオンには、ようやくまとまりかけたその政略結婚を、破談にしかねぬものが存在する。
 それこそ、アンリエッタよりウェールズへと送られた、この一通の恋文だというのだ。

「よりによって、大使に任じられた子爵が裏切り者だったために、あやうくこの手紙が白日の下にさらされてしまうところだったが、
君たちのおかげで事なきを得たのだ。君たちには、どれだけ感謝してもし足りないほどだよ。これでトリステインは≪レコン・キスタ≫に対抗できる。
アンリエッタも……救われる」
 ウェールズはそう言って、話を締めくくる。
「姫様と殿下が恋仲……存じませんでした」とルイズは放心したような口調で言う。
「君たちは明日の朝に、この城を発ちたまえ。ちょうど、女子供を乗せてラ・ロシェールに向かう船が地下に築かれた港を出る予定だから、
それに便乗すればいい」
 ウェールズの言葉を聞いて、君は安堵する。
 無頼の傭兵どもがうろつく土地を横切ってスカボローへと向かう、手間と危険がなくなったのだ。
 しかし、アルビオンに居残るウェールズ皇太子――この快活な青年はどうなってしまうのだろう?八九へ。



八九

「父上の喪に服したいところだが、今は戦の只中だ。王族の命の代価は高くつくということを、叛徒どもに示してやらねばな」
 ウェールズは君たち三人をじっと見据えて、話を続ける。
「復讐を果たそうともせずじっと城に立て篭もっているなど、栄光あるアルビオン王家の名折れだ。君たちがトリステインに帰り着く頃には、
我らは最後の突撃を敢行していることだろう。誇りも勇気も知らぬ≪レコン・キスタ≫の無法者どもに、王家最後の輝きを見せつけ、華々しく討ち死に……」
「いけません、殿下!」
 淡々と語るウェールズの言葉をさえぎったのは、ルイズの叫びだ。
「ル、ルイズ! 無礼だぞ」
「ラ・ヴァリエール嬢……?」
 当惑するギーシュとウェールズにそれ以上言わせず、ルイズは悲痛な声で懇願する。
「死んではなりません、殿下! 亡命を、トリステインに亡命なさいませ! 姫様もそれをお望みのはずです!」と。
 ウェールズは眼を閉じて首を横に振る。
「それはできない。かりに私が亡命したところで、トリステインに災厄を招くだけだ。叛徒どもにしてみれば、トリステイン侵攻を行う格好の
大義名分となるのだからな。それに、ここで逃げ出してしまっては王家のために闘い、死んでいった臣下の者どもに、刺客の手にかかり無念の最期を
遂げた父上に、顔向けできない」と言う。
「『命を惜しむな、名をこそ惜しめ』ですね。ぼくの一族の家訓です」
 そう言って、ウェールズの勇気と誇り、決意の固さを褒めそやすギーシュだが、その顔はいくぶん青ざめている。
 眼の前の若く活力に溢れた青年が、数日後には戦場の露と消えていくという事実に、衝撃を受けているのだろう。
「でも……殿下……」
 涙に瞳を潤ませるルイズだが、ウェールズを説得する言葉が思い浮かばぬようだ。
 ふと視線を転じ、隣に座る君をもの言いたげな眼差しで見つめる。
 自分にかわって君に、皇太子を説得させようというつもりだろうか?
 ウェールズに生き延びるよう説得を試みるなら、二九九へ。
 皇太子の決意を邪魔するつもりがないなら、二二一へ。






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