あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

HELLOUISE-4

「さて、と。とりあえずは契約内容を確認するわよ」
ここは学園寮、ルイズの部屋。
いるのは部屋の主たるルイズと、棺おけの上に座る幼女、アーカード。
二人はコルベールの勧めにより、今後についての話し合いを開始していた。
今頃は他の三人も同じようなことをしている。理由は、当たり前だが彼らの特殊性によるものだ。

使い魔としての契約は済ませたものの、全員がまさに人間としての知性がある。
更には漏れなく異文化圏で何者かに仕えていた存在であり、その何者かに対する忠誠心は(異常なほど)強い。
「普通の使い魔なら契約で好意の刷り込みが行なわれる」はずだが、
何から何まで規格外の彼らに通用するものか分からない。というかそもそも好きという感情はあるのか?
ともあれ、普通の使い魔のように扱うわけにもいかないし、また扱えもしないだろう。
と、以上がコルベールの考えであり、もちろん彼らの帰郷のための呪文探しは前提として、
此方での待遇をきちんと詰めて話し合っておくべきだ、と指摘したのだ。
初めルイズは「主人は主人で使い魔は使い魔でしょ」と言い張ろうとしたのだが、
「お前を初め邪魔者は全部殺して従順になった奴に帰る方法を探させるとしよう」
というアーカードの台詞と、巻き起こった信じられない程の殺気にあっさり折れた。

ちなみに、二人で話し合って、それからどうするのかといえば。
大雑把な(こちらは法的な意味での)契約内容が決まれば、
四組の主従が集まって話し合い、可能な限り待遇の差異を埋めることになっている。
更にその次に清書した契約書を持ってコルベールと共にオスマンのところへ行き、
協力と契約内容の確認を依頼して、手直された部分についてまた話し合い、全員が納得できてようやく終わり。
随分と回りくどい手段をとる、と思われるかもしれないが、
最初から最後まで交渉を任せられるほどオスマンやロングビルは暇ではない。
かといって大人を介さなければ子供達にとって理不尽な契約になりかねず、考案されたのがこの形式。

そういうことなので、この話し合いは絶対に必要なのである。

「次に、使い魔の仕事の説明に入るわね。
 使い魔の仕事はルーンが深く関わってるわ。
 主は使い魔の感覚が共有できるようになって、使い魔は自身に合った特殊能力を一ツ得られるんだけど……
 あんたの見てるもの、私には見えないのよね」
「ふむ、何か問題でもあるのかの……ルーンとはこれか?拘束制御術式に紛れて良く分からんが。」
「それね……もはや形は判別不可能な状態だけど。っていうかそれ何?魔方陣ぽいけど、見たことない文字。」

絶対に必要なのだが、さっきからこの調子で全然進まない。

「わが身が塵に帰るまで主を守る、そのための術式だ。」
「ふーん…全然違う体系みたい。面白そうね、そのうち詳しく見せて」
「了解した、我が主」
「う、うん、ありがとう……なんか調子狂うわね。突然口調と雰囲気が変わるのは何で?」
「一応はどっちも素だな。普段の姿に戻ればずっとあっちの状態だが」
「…………そのままでいいわ。疲れそう」
「認識した、我が主」
「…あんた、もしかしてわざとやってない?」
「まさか。どうしたルイズや、従者を疑うなど?貴族たるもの常に堂々としておらなくてはならぬぞ」
「いやそれはあんたが――ッて、なんで使い魔に貴族論説かれなきゃなんないのよ?!」
「何、私とて人間だった頃は伯爵の位を持っていたのだぞ?
 生前の私の異名、『悪魔公』『串刺し公』は長く広く語り継がれ、今では知らぬ者の方が珍しい程だ」
「そのやたら不吉な二つ名は何!?何をしたのーー!?」

まだまだ長くかかりそうだ。

結局、全てが終わったのは夜中の二時過ぎであり、
疲れきったルイズは何一つ仕事を与えぬままに寝てしまった。
そのため、翌朝『せめて朝に自分を起こすことだけは伝えておけばよかった』と後悔することになるのだが…
まあ、そもそも夜行性かつかなり自由人の彼女(彼?)にモーニングコールを果たせたものかどうか。
ルイズの苦労は始まったばかりである。

「ルイズや…おきなさい!ルイズや…」
「う、ううん……何よバカ犬?……ッて、こッ、ここは?」
謎の声に起こされたルイズ。
自分のベッドで寝ていたはずの彼女が今居るのは、『不思議空間』としか言いようのない場所だった。
「ここはどこ!?あんた誰!?」
「私はあなたの使い魔につく予定だったルーン『ガンダールヴ』の精です」
「いやああぁぁ「ああッ 逃げないで 逃げないでッ 逃げないでッ て言うか引かないでッ」」
こんな、こんなのがルーンの精だなんて。
むさいデブとタンクトップハゲが融合した合いの子みたいなこの悪魔じみた化け物が神聖な儀式の成果だとは。
信じられずルイズは逃げた。

だが。

「無駄でウィリス。おまえはもうここから出られないんだウィリス
 ここで一生オリ設定の評価が微妙なアニメ化をされる作品のヒロインをするのだウィリス」
「な…ッ!?」
「おまえはこれから
 『ルーンの力以外に取り柄はないが顔と性格がまあまあな異世界人』を喚んでラブコメしたり
 王女殿下から友情を理由に直々に密命をもらって仲間と旅をして大切な絆と精神的な成長を得たり
 使い魔と一緒に友人を守ろうとしたときにコンプレックスだった失敗魔法の秘密に気づいて大活躍したり
 するでウィリス」

「ちょッ…………

 あれ?えーと……

 そっちの方がよくない?」

「…」
「……」
「………」

ビシッ
ヅバーン

「あーーーーッ」
「そいつは本来の流れだ 危ない所だったな
 そろそろ起きたまえ アーカードが食事を待っているぞ」
「なんてことを!?ッていうかやっぱりご飯って私なの!?」
「ウフフフ、そろそろお別れの時間のようですぞ。ガンバルのですぞルイズや。
 サラバだ……!」
「え、ちょっと待ってあんた何しに来たのよ!?
 っていうかガンバル私への応援は?!何故「本来の流れ」が消された?!」
「あ!あんなところに字楽先生が!!」
「え?」
「ギャーッ、朝倉涼子に腹を刺され、中からヤンデレ風の女の子が!!」
「え!?」
「原素子が争奪戦→やきもち状態で二人きりの絢爛舞踏必殺コンボを!?」
「え?」
「……!」
「…」
「」

「起きるがいい ルイズや」
「ん……あんた誰?」
「お前の使い魔だ我が主、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」
「…ああ、そ、そう、そうだったわね。いや、寝ぼけてなんかないわよ」
「別に寝ぼけてたかどうかは聞いておらんぞ。しかし、ふむ…やけに疲れておるようだが?」
「なんでもない……何か、途中一瞬だけは良かったのに直ぐ台無しになる夢を見た気がするわ」
「夢、のう?まあいい、そろそろ支度せんと遅刻するのではないか?他の生徒達も動き始めておるぞ」
「こッ、こんな時間!?ああもう何で起こさないのよ!!」
「だから今起こしたではないか」
「ええい口答えするな!あんたは朝食抜き!!!」
「ほほう、つまりそれは『誰』を食っても構わんと、そういう「わーーーーーーーーっ!?!?!?!?」」
「……もう、勘弁して」
もう一度言おう。
ルイズの苦労、否さ苦難は、まだ始まったばかりである。




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