あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ACECOMBAT ZEROの使い魔-02


―燃えている。眼下の街が、炎の海と化している。
市街地にはまだ避難の終わってない民間人もいただろうに。
操縦桿とエンジン・スロットルレバーを握る手に自然と力が入る。
彼は無差別爆撃を続行するオーシア空軍所属のB-52を睨み付ける。
だが彼にはどうすることも出来ない。ここで怒りに任せてB-52を撃墜すれば今度はウスティオが眼下の街のようになる可能性があった。
キャノピーの外に目をやると、味方の発射した巡航ミサイル―正直こんな性質の悪い味方は初めてだった―がまっすぐ突っ込んできた。
巡航ミサイルの群れはまだわずかに抵抗を続けるベルカ軍の対空砲には目もくれず、都市部に直撃していく。
くそ、と彼は呪詛の言葉を吐き捨てた。
その時、ロックオン警報がコクピットに鳴り響く。レーダーには何も映らなかったのに、いつの間にかロックオンされていた。
―今は、集中した方がいいな。
操縦桿を左に倒して、愛機であるF-15Cイーグル―右翼を赤に染めた彼の専用機―をロールさせる。次いで上昇。
ロックオン警報は途絶えた。振り返ってみるとベルカ空軍のF-35が追いかけてきた。
ステルスか。通りでレーダーには映らない訳だ―だが!
エンジン・スロットルレバーを叩き込んでアフターバーナーを点火。彼のF-15Cは一気に加速し、F-35を突き放す。
距離が開いたところでラダーを踏み込み、機首を左に向ける。F-35は右後方に位置、距離を詰めようと追いかけてくる。
かかった―エンジン・スロットルレバーを下げて、操縦桿を左に倒す。たちまちF-15CはロールしながらF-35をオーバーシュートさせ、
後方下位に潜り込む。
―ステルス機でドックファイトを挑んだのが間違いだったな。
AIM-9サイドワインダーの弾頭がF-35のエンジン熱を捉える―ロックオン。操縦桿のミサイル発射スイッチを押す。
白煙を吹きながらサイドワインダーが発射される。F-35はフレアをばら撒きながら回避機動―間に合わず、被弾。
尾翼を食いちぎられたF-35はパイロットを射出し、落ちていった。
しかし彼は敵機を撃墜した喜びを味わう気分になれない。
いったい何のために俺は戦ってきたんだ?
いつの間にこの戦争は解放から侵略になったんだ?
何故このホフヌングの街は焼き払われたんだ?
「―くだらない」
かろうじて言葉に出来るのはその一言のみ。
戦う理由なんて誰にも分からなくなっていた。
ただ世界が悲しかった。
だから、俺は―。

目が覚めた。ラリー・フォルクは跳ね起き、ここが戦場ではなくトリステイン魔法学院のルイズ―ラリーを召喚した貴族の少女―の部屋
だと言うことに気づく。
「・・・・」
いやな夢だった。よりにもよってホフヌングの戦いを思い出すとは。
額に浮かぶ汗をぬぐい、ラリーは立ち上がる。
そういえば昨日、この世界に召喚されたのだった。そしてちょうど今ベッドですやすやと寝てるルイズの使い魔となり、この状況である。
窓から見える外は薄暗く、まだ夜は明けていない。
窓を開け、夜空を見上げる。月が2つ、ラリーには奇妙な光景だった。
加えてこの腕のルーン―召喚されてから突然激痛がしたと思えばいつの間にやら刻まれていた。
今頃元の世界はどうなったのだろう。V2は自爆しただろうが、相棒はどうしているのだろう。
夜空に向け、ラリーは自身のTACネームを思い出し、つぶやく。
「こちらピクシー・・・よう相棒、まだ生きてるか?」

今日は朝からルイズの機嫌は悪かった。昨日平民を召喚すると言う前代未聞の事例を立ち上げてしまったのもあるし、それ以上に―。
「あぁらルイズ、おはよう・・・ホントに平民を使い魔にしちゃったのね」
朝食を摂るためラリーも連れて食堂に行く途中、キュルケとばったり出くわした。
"微熱"のふたつ名を持ち火の魔法を得意とする彼女は魔法の成績でも(真の意味での)肉体的にもルイズと対照的である。
「おはようキュルケ・・・何よ、うるさいわね」
「あなたがルイズの使い魔?」
ルイズを無視してキュルケはラリーに声をかけた。
「使い魔・・・まぁそういうことになるな」
「ふぅん・・・」
キュルケはまじまじとラリーを見つめる。
「いい男ね・・・ルイズに飽きたらいつでも部屋にいらっしゃい。うふふ・・・」
そう言って「じゃあお先に」と色気たっぷりに微笑みながら自身の使い魔である巨大トカゲ―サラマンダーを連れて立ち去った。
「・・・・・・くやしー!なんなのよ、あの女!」
しばらくしてルイズがいきなり地団駄踏んで怒り出した。
「どうした、彼女とは仲悪いのか」
怪訝な表情を浮かべ、ラリーは問いかける。
「ええそりゃもう。何よサラマンダーを召喚できたからってえらそーに・・・!」
わなわなと身を震わせてルイズは怒り続けるが、ラリーが他人事のように無表情を浮かべていると、むなしくなってきてやめた。
「・・・もういいわ。さっさと食堂に行きましょう」

食堂に入ってラリーはその豪華さに驚いた。豪華さとは無縁の傭兵生活を長く続けてきたので尚更である。
「トリステイン魔法学院で教えるのは魔法だけじゃないのよ、メイジ全員貴族だから貴族足るべき教育を・・・」
ルイズが何か説明してくれているがラリーにはどうでもいいことなので適当に相槌打って流す。
ところが、ラリーはルイズが席に座ってから気付いた。自分の席が無い。
「なぁ・・・ルイズ、俺の席はどこに?」
「席?ある訳ないでしょう、ホントは使い魔は外よ。私の計らいで床で食事を取るのを許可してもらったのよ」
「・・・・・」
窓の外に目をやれば、なるほど確かに先ほどのキュルケのサラマンダーなどの使い魔たちは外で待機していた。
別に傭兵生活を考えると床で食うのは構わない。過去の戦場でまずいレーションを食い続けたのを思えば。
しかし自身に出された料理を見るとラリーはさすがに首を捻った。スープに黒パンの欠片が申し訳程度。
一方、ルイズたち貴族は朝だと言うのにずいぶん豪勢な食事だった。
「やはり国境は無くすべきだったのかもしれん・・・いや国境と言うかこの場合格差か」
「ラリー、何ぶつぶつ言ってんのよ」
「何でもない」
ズルズルとスープを飲みながら、ラリーは無愛想に答えた。


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