あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

爆炎の使い魔-04


教室に入るなり、ヒロはほう、と思わず声を出す。
学校といったものに行ったことがなかったヒロは、教室とはこういうものなのか。と部屋を見回した。
ヒロとルイズが入っていくと、先に教室にいた生徒が振り向くなり、くすくす笑い始める。
先ほどのキュルケもいた。男に囲まれている。
(まあ、ああやって色気を振りまいていれば男も寄ってくるだろうな)
そう思い、ネバーランドにいた頃の自分を思い出す。
思えば自分は戦いの日々だった。しかも単なる戦いではなく戦争レベルのものがほとんどだった。
そんな中で周りにいた男と言えば、サトー、チク、ザキフォン、大蛇丸、シンバ、ソルティ、アキラ、スカーフェイス。
ザキフォンは筋肉の自慢をよくしてたし、チクはよく変わった発明をしては私に見せていた。大蛇丸にはよく尻を触られた。
シンバとソルティは何時も2人一緒だった。きっとホモだったに違いない。アキラとスカーフェイスはすでに相手がいたし、
サトーはどうだろうか、よく自分を見つめてたりしてた。実は自分に好意を持っていてくれたのではなかろうか?
少し頬を染めるヒロ。しかし現実は残酷だ。
そう考えると、自分ははすでに色んなものを逃してしまったんじゃなかろうか・・・
しかし、伴侶を見つけてキャッキャウフフしてる自分を想像してちょっと嫌になった。
自分もすでに100近い年齢まで達している。種族的に長寿なので見た目は若いままだが、実は中身はおばあちゃんと言われてもおかしくない。
彼氏いない暦100年。ちょっぴり切なくなってため息をつくヒロであった。

気を取り直して周りを見ると、なるほど、確かに周りの生徒は色々な使い魔を連れていた。
フクロウやカラス、ヘビといった普通の動物レベルのものからバジリスクやバグベアーといったモンスタークラスのものまでいた。
ルイズは1番後ろである自分の席に座る。椅子は1つしかなかったので、ヒロは立っていることを選んだ。といっても壁に背を預けている状態だが。

扉が開いて中年の女性が入ってくる。紫色のローブに身を包んでいる。見る限りでは人の良さそうな女性だ。
彼女は教室を見回すと、満足そうに微笑んで言った。
「皆さん、春の使い魔召喚は大成功のようですね。このシュヴルーズはこうやって春の新学期に、様々な使い魔を見るのがとても楽しみなのですよ。」
ルイズはバツが悪そうに俯く。
「おやおや、変わった使い魔を召喚したものですね。ミス・ヴァリエール」
シュヴルーズのその一声を皮切りに、教室がどっと笑いに包まれた。
「ゼロのルイズ!召喚できないからってその辺を歩いてた平民を連れてくるなよ!」
その声にルイズが立ち上がろうとするがヒロに肩をつかまれ立ち上がれない。
「ちょ、何するのよ!」
「わめくな。程度が知れるぞ。雑音など聞き流せばいいではないか」
「うぐ・・」
「ははは、使い魔に諭されるなんてとんだ主人だな」
そんな声もどこ吹く風か、なおも立ち上がろうとするルイズを押さえつけ、ヒロはシュヴルーズのほうを向く。
「おい、そこの女、ここは託児所か?たかだか小事ですぐ五月蝿くなる。私の知り合いの孤児院の子供たちのほ
うがよっぽど躾がなっているぞ。教師なら教師らしく、さっさと静めて授業に入れ」
少し、殺気が滲み出るヒロ。
「そ、そうですね。さあさ、皆さん静かにしてください。授業を始めますよ!」
シュヴルーズの一声で静かになる教室。ルイズももう立ち上がるのを諦めたようだ。

シュヴルーズの授業が始まる。ここでヒロは1つ学ぶ、この世界の魔法には系統があり「火」「水」「土」「風」の4つと失われた
「虚無」という系統の魔法があるということだった。
ヒロはネバーランドの魔法を思い浮かべる。「火」「水」「土」「風」「雷」「光」「闇」に分かれていた。
「雷」はおそらく「風」に「光」と「闇」が「虚無」に該当するのだろう。
また、この世界では建築や鋳造なども魔法によって行うという。魔法が発達している代わりに科学の発達は遅いようだ。この辺もネバーランドとは違うようである。
(なるほど貴族だのメイジだのが、ここまで偉ぶっているのは技術のほとんどを握っているからか。それなら合点もいくな)

シュヴルーズが杖を振ると机の上に石ころが現れる。
「さてみなさんには『土』系統の魔法の基本である『錬金』をやっていただきます。1年生のときにできるようになった人もいるかもしれませんが、おさらいということでもう1度やってみましょう」
シュヴルーズは短くルーンを唱え、杖を振る。すると石ころは光りだした。
光が収まると石ころがピカピカの光る石に変わっていた。
「ゴ、ゴールドですか?ミセス・シュヴルーズ!」
「いえ、これはただの真鍮ですわ。ゴールドを錬金できるのは『スクウェア』クラスのメイジだけです。私はただの『トライアングル』ですから。」
ゴールドを錬金できると聞いて呆れるヒロ。そんなことをすればこの世界のゴールドの価値や貨幣制度などは崩壊してしまうのではないか?と
思ったがどうやらゴールドを錬金するには相当の時間と技術が必要な上に大した量も作れないようだ。
「さっきからスクウェアやトライアングルとはなんのことだ?」
知らない単語が出てきたのでルイズに小声で聞くヒロ。
「系統を足せる数のことよ。それでメイジのレベルが決まるってわけ」
「なるほどな、『火』と『土』を足したりできる技術のことか」
ネバーランドではそこまで珍しい能力ではなかった。いや、単に自分の周りにそのクラスの連中ばかりがいただけなのかもしれない。
「ミス・ヴァリエール!授業中の私語は慎みなさい!」
「すいません」
「おしゃべりをする暇があるのなら、貴方にやっていただきましょう。この石ころを貴方の望む金属に変えて御覧なさい」
「わ、わたしが、ですか」
困ったようにもじもじするルイズ。
「ご指名だ」促すヒロ。
「あ、あんたのせいでしょうが!」
「ほら、ミス・ヴァリエール。早くしなさい」
シュヴルーズが呼びかけるとキュルケが手を上げる。
「先生、危険です」
「どうしてですか?」
「先生はルイズを教えるのは初めてですよね?」
「ええ、でも彼女が努力家だという話は聞いています。さあ、ミス・ヴァリエール。気にしないでやって御覧なさい。失敗を恐れていてはなにもできませんよ。」
「ルイズ。やめて」
キュルケは顔を蒼白にしている。
なんだこれは?ルイズは今から魔法を使うというだけだ。まるで良くないことが起きるかのような雰囲気である。例えば、彼女の魔法の威力が大きすぎて周りにすごい被害でも起こしてしまうと言うのだろうか?だがそれならば恐れられることはあっても馬鹿にされることはないはずだ。
しかも、今から行うのは錬金、単に石ころを別の金属に変えるだけのはずだ。
「やります」
緊張した面持ちで石の前に立つルイズ、生徒のほとんどが机の下に隠れてしまった。
ルイズはシュヴルーズに教えられた通りに短くルーンを唱え、杖を振った。



すると石が光り、大爆発を起こした。



光った瞬間ヒロは舌打ちし、一瞬のうちに術式を完成。『トルネード』を自分の周りに発動させ、爆風を防いだ。
一瞬のことだったので周りはヒロが魔法を使ったことに気がついていない

しかし、爆発の影響をモロに受けた教室は悲惨なものだった。
ルイズの1番近くにいたシュヴルーズは吹き飛ばされたのだろう、気絶していた。周りの使い魔たちもその爆発に驚き、暴れだす。
火を吹くトカゲ、窓ガラスをぶち破る怪鳥、他の使い魔に襲い掛かる使い魔、暴れる使い魔を抑えようとして逆に襲われてしまう生徒たち。
もはや教室は阿鼻叫喚の嵐と化していた。

そんな様子を見て、ヒロはため息をつく。
「者共、静まれ!!!!」
ヒロの怒鳴り声が教室に響き渡る。すると暴れていた使い魔たちだけでなく生徒たちもピタリと動きを止めヒロのほうを向いた。
ジロリとにらむと生徒たちは机に座りなおし、使い魔たちはのそのそ主人の下へ帰っていった。
シュヴルーズと同じように気絶していたルイズも目を覚ます。ルイズは起き上がると顔についた煤をハンカチで拭きながら淡々と言った。
「ちょっと、失敗したみたいね」
静かになっていた生徒たちもさすがに猛反撃をする。
「ちょっとじゃないだろ!なにしてくれるんだゼロのルイズ!」
「いつだって成功の確率、ほとんどゼロじゃないか!!」
(なるほどな。だから『ゼロ』のルイズか。)
特に気にしていたわけでもなかったが、どうしてルイズの前に『ゼロ』と付けられるのかヒロは理解したのだった。


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