あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの蝶々-3

僕、ギーシュ・ド・グラモンは薔薇を自任する男だ。

しかし恥ずかしながら彼と出会うまで、僕は薔薇の本当の意味を知ってはいなかったのだろう。

そうルイズの使い魔である蝶々の妖精さんと出会うまでは。



ゼロの蝶々 ~発動編~



ルイズが蝶々の妖精さんを召喚した、という話は既に彼が召喚された当日に聞いていた。
しかし正直に言うとその時点では彼にはまるで興味を抱いていなかった。
確かに蝶々の妖精さんは凄いが聞いた話では男だという。
可憐な女の子だというのなら薔薇の名にかけてお近づきになりたいが男ではいくら蝶々の妖精さんでもお断りだ。

そんなわけで僕の方から彼に接触しようとはしなかったし、
ルイズとはクラスが違うし彼女はあまり彼を連れて歩かないので彼と出会うことのないまま数日が過ぎた。
だから僕は気づいていなかった、その時の僕が偽者の薔薇であることがばれ始めていることに。
最初はケティからだった。


「あのギーシュさま・・・ごめんなさい!」

「はい?」

その日はケティと一緒にお茶をする約束をしていたのだがやってきたケティは開口一番そう告げたのだ。

「ギーシュさまのことが嫌いになった訳じゃないんです。いえ、今でも好きなんです。
でも・・・今はそれ以上に蝶々の妖精さんが気になるんです!だから・・・さようなら!!」

確かにショックな出来事ではあったがその時はまだそれほど気にしてはいなかった。
ケティは確かに可愛いが数多くいるガールフレンドの一人でしかなかったし、何より僕の本命は他にいた。
だから僕は「ケティはどうやら薔薇の魅力がわからない可哀そうな女だったようだな」なんてのん気に考えていた。
それが始まりでしかないとも知らずに・・・

「ごめんなさい」

「お別れしましょう」

「さようなら」

「すまない、ギーシュ・ド・グラモン」

「さよならは言ったはずだ、別れたはずだ」

さよならコールの連発だ。しかも理由は皆が皆「蝶々の妖精さんが気になる」。
そしてついに彼女が・・・モンモランシーが・・・

「今度ばかりは悪いのはあなたじゃないわ。
あなたの浮気性をもうわたしは攻められない・・・
どうしてもあの蝶々の妖精さんが気になってしょうがないの、ごめんね。ギーシュ」

僕はしばらく呆然としていたが正気に返ると同時に走り出した。
蝶々の妖精さん、パピヨンを呼ぶ為だ。
彼の噂は放っておいても耳に入ってくるので知っている。
彼は高い所でその名を呼ぶと現れるらしい。
レビテーションで本塔の頂上まで上ると僕は叫んだ。

「パーピヨーン!!」

なかなか彼は現れず「噂は所詮噂だったか」と思い始めた頃、突然背後から声をかけられた。

「パピ(はあと)ヨン(はあと)、もっと愛をこめて!」

「来たな、パピヨン!僕の天使達と女神を奪った罪!今この場で償わせてやる!!」

そう杖を振りかざしながら僕は振り向いた。
最速で僕の得意とする青銅のゴーレムを作る錬金の魔法を使おうとしたが・・・
僕には出来なかった。何故なら僕は目の前の存在に見惚れていたから。
彼はまさしく美しき蝶々の化身だった。

「負けた・・・天使達と女神を取られたのも当然だ、あなたは美し過ぎる。
何が薔薇だ!あなたに比べれば僕は造花の薔薇、いや、子供の薔薇の落書きのようなものだ」

その場で僕はOTLなポーズになった。
バランスのとり難い塔の頂上でやるには細心の注意が必要だったことは秘密だ。

「ふむ、詳しい事情はわからないが・・・お前はそこで諦めるのか?」

「え?」

「俺の美しさがわかる蝶サイコーなセンスを持ちながらこの高みを目指そうとはしないのか?」



僕の中にふつふつと闘志が燃え上がってきた。
そうだ、僕は薔薇だ。今はまだどれだけ本物の薔薇に劣ろうと僕は薔薇なんだ。
薔薇である以上、蝶のように翔ぶことは出来ない。
だが天を目指して咲き誇ることは出来る筈だ!

「いや!僕は諦めない!!決めたぞ!!
僕は未完成の今の僕を乗り越えて!あなたの高みを目指して咲く!!」



そうして僕は薔薇の本当の意味を知ったのさ。
その成果が今僕が着ているスーツという訳だ。パピヨンのスーツを基本に薔薇のテイストを組み込んだのさ。
パピヨンも「なかなかのものだ」と認めてくれた一品なんだぜ。
目下の悩みは彼に「蝶サイコー」と言わせるにはこれにどんな改造を施したらいいか?ということだね。

え?モンモランシー達はどうでもいいのかって?
それは大丈夫、このスーツを着るようになったら「蝶々の妖精さんも素晴らしいけど今のあなたも素晴らしいわ!」と皆帰ってきてくれたよ。
それどころか以前以上に僕に女の子達が近づいてくるくらいさ。
全く美しさも過ぎれば罪だよね?

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