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アカイロマジカル-01

アカイロマジカル
――ぼくとゼロと赤い色――



「結局の所さ。何も持たない奴、いや、この場合平均的にしか達してない奴が一点に突出した才能を見分けることなんて出来るわけないんだよな」
それはそうかもしれない。自分を絶対的な平均に割り当て、それに劣る者を下に見ればそれが安心であるのだろう。
そうならば、宇宙の果てのなどの観測しようもない物を認めはしない。
 それがどうしようもない劣情であると理解して行使できるか、行使出来ないのか。
 まあ、このぼくに他人を測るなんておこがましい事は出来ないけれどね。
「はは、つまんねー奴だなお前。あたしは面白いが、お前や周りの奴からしたら最悪なんだろうな」
彼女は指をぼくに向け笑った。余計なお世話だ。
 ぼくに似ているという人は、何をしていたのだろうか。自分が生きているという事を、どう思ったのだろうか。
「確認しようが無い事ってのは、認めたくないんだ、普通はな。数値化されたゼロすらわからないんだぜ。ゼロと零は割れ無いって事実だけが先に来るのさ。あたしなら無理矢理百くらいに……」
解らない物を解りたくはない。認めたくない物を認めたくない。

 普通に生りたい。平均値に成りたい。
卑下されたくない。孤独になりたくない。
それが、そんなものが虚無?――――いや、違う。
 それは……それは。

「ちょっとずれたな。あの子は間違い無く虚無だぜ。あたしが保証してやる、完全に完璧にだ。ただし魔法の資質という点だけどな」
 ぼくは何も考えなかった。考えてはいけなかった。
 彼女は、にやり、とシニカルに笑い。
「……じゃあ、お前はなんなんだろうな? 薔薇か?バラバラか?青銅か?制動か?」

ぼくは答えられなかった。



点対象(天概症)




そら、死人が歩いていくぞ。
そのへんにしてくださいよ。



窓からは、柔らかな光が降り注ぎ、ぼくの頬を照らす。そしてぼくは、目を覚ました。
 部屋はまだまだ薄暗い、多分六時頃くらいか、まだ起きるには早い時間だろう。
 しかしあまりに寝過ぎるとモンモランシーに叱られる。そうなると、本日のぼくの生命活動が著しく不調をきたすことは間違いない。
 それは太陽が登り、そして沈むという確定事項と同意であり。罪を犯した囚人は天井から伸びた荒縄からは逃げられず、只々神に救いを求めるようなものだ。と、くだらない自分へのいいわけを考えたり考えなかったり。まあ、主に考えなかったり。
 ぼくはため息を一つついた。
「つまり、起きなきゃいけない、という事だよね」
そしてぼくは思考を寝ぼけ状態から通常に切り替える。
 春の使い魔召喚を終えたぼくは、惰性ともいえるような変わらない日を、いや、使い魔が増えたという暮らしを曖昧に過ごしていた。
正直な所、ぼくは自分の使い魔ヴェルダンデが苦手である。唾液の洗礼や突進はなかなかに不愉快であり。
そして、何よりも――――――
その時唐突に、部屋のドアが爆発した。嘘だけどね。
 ドアがノックされた。
「起きてるかい、ギーシュ?」

寝ていたら聴こえるはずが無いだろう。という非難は心のドアにしまっておく。そして、ぼくはドアを開ける。そこには頬を染めたマ……えーと、マリコルヌが居た。
「聞いてくれよ。僕は……僕は、恋をしたんだ」
「そうかい、君は乗り突っ込みをするために、朝早くからぼくの所に来たわけか。よし、解った、これからは乗り突っ込みのマリコルヌに改名したまえ」
「何でだよ?」
「………………」
「………………」
「……ちっ」

「そうだね。これからは風上の2つ名を改めて乗り突っ込みのマリコルヌにするよ。って、何でだよ! 何でだよ!」
やりやがる、乗り突っ込み突っ込みか。まぁ、あまりボケても話が進まないので、本題を聞くことにしよう。
「で、恋をしたんだって?」
「うん。まぁ、そうなんだ」
マリコルヌはクネクネと気味の悪い動きをしだした。
 ぼくは思い出した。『くねくね』なる物を。直視すると気が狂う。そんな村伝説を、この目で見る事になるとは。と―――閉話休題。
「それで、誰に? ぼくが知っている人かい?」

「うん。まぁ、そうなんだ」
マリコルヌはクネクネと気味の悪い動きをしだした。
 ぼくは思い出した。『くねくね』なる物を。直視すると気が狂う。そんな村伝説を、この目で見る事になるとは。と―――閉話休題。
「それで、誰に? ぼくが知っている人かい?」
マリコルヌはバツが悪そうに。小さい声で。
「それが、さ。……ルイズの――」
 ふーんルイズか。まあ、なかなか面白い娘だとは思うけどね。敵対心が愛情に変わるとかいうのは幼少期に「――使い魔なんだ。」

全世界が停止した。
 実に使い古された表現だと思う。だけどぼくの心象世界は、確実に、完全に、完膚なきまでに停止した。
だって、さ……獣だぜ? そりゃさ、代替物でしかないぼくが愛を語るなんて、はっきり言って百万年早いよ。解ってる、理解してる。
だけど、そんな……世の中解らない事だらけだけど。まさか、マリコルヌに、友達に、そんな性癖が有るだなんて。ぼくは言葉を選びながら問いかけた。
「あの、さ。決して馬鹿にしてる訳じゃあないんだけどさ。その……どんなメスなんだい?」
「『メス』って、君らしくない言葉だな。まぁ、いいや。……そういえば君、ルイズの使い魔を知らないのかい?」
 ぼくは答えた。
「ぼくは自分の使い魔を呼んですぐに帰ったから、見てないんだ。昨日の授業も休んだしね。あぁ、それより特徴を頼むよ」

「そうだね、端的に表すなら。綺麗で、格好良くて、赤いんだ」
赤色? 火蜥蜴とか、火竜かな? いずれにせよ、酷い生物しか思い浮かばないのは、ぼくの知識不足だろう。
マリコルヌは、目を閉じ、その娘への想いにふけっているようだ。正直、少し気持ち悪い。
「で、ぼくに何をして欲しいんだい?」
「僕に、女の子を口説く策を教えて欲しい」
キッパリとした口調だった。覚悟した眼だった。……たぶん。
まあ、獣姦しようって人間が覚悟していない事はないよな。別の意味で食される可能性も有るはずだしね。
しかし、なぜぼくにそんな事を聞くんだろうか? 確か、ぼくは動物の言葉は喋れないはずだしな。
そして、マリコルヌは、ぼくの思考を阻む様に畳み掛ける。
「ギーシュ。君、言ってたよな? 自分は薔薇だって。女性を楽しませるって。」
言ったような、言わないような。まぁ、ぼくなら言ったような気もする。
「だから、僕に、協力しろ!」
なんて理論だ。これは暴論と言ってもいい。

 『恋は人を変えるのよ』と、どこかの誰かが言っていたのを思い出す。少しは変わらない周りの人間の事を考えてくれ。しかし、マリコルヌはぼくの心にはお構い無しに。
「いいよなっ!!」
 と、叫んだ。
「は、はい」
 ぼくは、あまりの迫力に、ついつい頷いてしまう。
うーん、情けない。誰か、断れる強さをぼくにください。ぼくはあげませんが。
「とりあえず。ルイズの使い魔を見てみないと、ぼくは何も言えないよ」
マリコルヌは、納得したように頷くと。
「そうだね。ジュンは今日の授業にも多分出てるから。それを見て判断するなり、策を練るなりしてくれよ。以上」
暴風は、風と共に走り去った。
とても疲れた。大体さ、薔薇だって言ったような気もするけど。この場合、友達としてフラグをバラバラにしたいよ。
「……面倒くさいなぁ」
ぼくはベッドに横になる。
そして、眼を閉じ。再び眠りに落ちた。

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