あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

使い魔!!俺?-5

学院長室は静寂に包まれていた。
コルベールとロングビルは広場で見物していた生徒同様に驚きで言葉を失っていた。

やっと口を開いたのはコルベールだった。
「見ましたか、ミス・ロングビル」
その言葉に我に返ったロングビルも口を開く。
「はい、たしかに」
コルベールは興奮気味にしゃべり始めた。
「すごい。武器だけではなく、杖もなく変身魔法を使うなんて。やはり彼はタダモノではなかった!」
そのコルベールとは対照的にロングビルは冷静に分析する。
「でも杖も使わずに魔法を使うなんてもしや彼はエルフでは?」
ロングビルの問い掛けにコルベールも少し落ち着きしばらく考える。
「そういえばそうですな。一度彼を呼び出して調べたほうがいいかもしれません」
「私もそう思います」
その意見にロングビルも同意する。
「よろしいですか、オールド・オスマン」
コルベールはオスマンの方を向きながら問い掛ける。
しかし返事がない。
不思議に思ったコルベールはオスマンに近づいてみた。
オスマンは驚きのあまり意識を失いかけていた。
それに気づいたコルベールは慌ててオスマンを揺さぶる。
「オールド・オスマン、しっかりしてください!まだ逝くのには早すぎます!」
しかしオスマンは訳のわからないうわ言を話し出す。
「おお、あの埋蔵金は裏山の祠に…」
「いかん、早く治療をしないと。ミス・ロングビル、水のメイジを呼んできてください」
ロングビルは急いで部屋の外に出ようとしたがドアに手をかけたところで、はたと動きが止まる。
「どうしたんですか?ミス・ロングビル。早くメイジを」
「いえ、さっきの埋蔵金ですが見つかったら、いくらか貰える権利があるかと思いまして」
「ひどい!ちょっとはわしの心配をしてくれてもいいのに!」
「気が付いてたんですか!紛らわしいマネをしないでくださいオールド・オスマン」
「あ、オールド・オスマン裏山ってどこですか」
その後話題は埋蔵金に移ってしまい、暁のことはいつの間にか忘れられていた。



一方そのころ

「すごかったな、お前さんの戦いっぷり!」
マルトーのおっさんは暁にバナナパフェのおかわりを出しながら上機嫌に声をかける。
暁は厨房の人たちに手厚いおもてなしを受けていた。
「剣だけじゃなく銃も使い、おまけにあの分身魔法。相当の使い手だな。」
「大したもんだ、平民でありながら魔法を使って貴族のガキを負かすなんて」
先ほどの決闘を見ていた人は口々に感想を述べている。
パフェを食いながらその会話を聞いていた暁は盛り上がっているみんなに意見する。
「まー、そういうなって。ギーシュだって悪いやつじゃないんだから」
その暁の意見にマルトーは感激した。
「おお、自分の敵にまで敬意を示すとは!ますます気に入ったぜ」
そういうと暁にキスを迫ってきた。
暁は死に物狂いでマルトーを引き剥がす。
「やめろ、男はいらん!俺はシエスタちゃんみたいなコのほうがいい!」
逃げ回っていた暁だがついには厨房の隅に追い詰められた。
そしてマルトーは一歩また一歩と暁に近づいてくる。
暁は手を合わせて必死に感謝の言葉を口にする。
「わかりました!マルトーさんの気持ちはじゅーぶんに伝わりましたから、もう結構です!」
しかしマルトーはそんなことはまったく気にしない。
「遠慮するな。感謝の印だ」
ついにマルトーは暁の両肩を掴んだ。
そして
「ギャアアアアアアアアアア」
暁の叫びは学院に響き渡った。



「あ、こんなところにいた」
暁を探していたルイズはついに彼を広場で見つけた。
何故か知らないが暁は疲れきった表情をしている。
「とりあえず全部話してもらうからね」
そんな様子を見てルイズは少し躊躇するものの
暁の手を引いて自分の部屋まで連れて行った。

ルイズはベッドに腰掛け、暁は向かい合うように座る。
「じゃあアンタのこと全部話しなさい」
真剣な表情のルイズに対し、暁は相変わらずの調子で答えた。
「俺のこと?そうだな、好みのタイプは」
「ふざけてないで真面目に答えて。だいたいアンタは女の子ならだれでもいいでしょ。
まずあの変身は何?魔法じゃないわよね」
ルイズの雰囲気に押され暁はちゃんと答える。
「ああ、アレは魔法じゃないよ」
「じゃあなんなのよ」
「うーん、それじゃ実践してみますか」
そういうと暁は立ち上がり構えをとる。
「燦然!シャンバイザー!」
ギーシュとの決闘の時のように再び暁はシャンゼリオンに燦然した。

「ちょ、ちょっといきなり変身しないでよ!」
びっくりしたルイズは暁に文句を言うが暁はどこ吹く風で自分の姿を見せびらかす。
「どお?すごいでしょ」
その姿を見たルイズは興味津々といった感じだ。
暁の周りを回りながら全身を見ている。
「魔法じゃないのよね?」
「しつこいねルイズも。違うって言ってんでしょ」
「じゃ、なんで変身なんかできるのよ」
「んー、それじゃこの力を開発したサイドックのことから話そうか」



特務機関S.A.I.D.O.C.
政府高官や財界の一部の者しか知らないその組織は人類を脅威から守るために設立された。
しかし政府から見放された隊長の宗方は己の私財を投げ打ち、紆余曲折を経てひとつの成功をおさめる。
そして開発されたのが浴びたものをシャンゼリオンに変えるエネルギー、クリスタルパワーである。

「つまりアンタはそのエネルギーを浴びてシャンゼリオン?になったってわけね」
「そ。シャンゼリオンになったのは偶然だったけどね」
暁はシャンゼリオンの姿のまま話を続ける。
「で、脅威ってなに?」
「ああ、ダークザイドのことだよ」

ダークザイド
滅びゆく自らの故郷である闇次元を捨て人間界に侵略を始めた人類の天敵である。
彼らはラームと呼ばれる人間の生気を食料とする。
そして多くのダークザイドは人間に姿を変え、社会に溶け込んでいるのだ。
ただこのダークザイド、人間にも食べ物に好みがあるように好物の人間のラームというものが存在する。

「んで、これが花嫁のラームが好きだったりワガママで気の強い女のラームが好きだったりで
いろいろいたわけだ」
「ずいぶん個性的な天敵ね」
ダークザイドの特徴を聞いたルイズはちょっと呆れてしまった。
少しは真面目な話になるかと思っていたのだが何だか妙な侵略者だ。
「そーでしょ。しかも人間に溶け込むうちに人間とおんなじ趣味をもつようになったヤツもいたんだよ。
例えば箸袋を集めるのが趣味のヤツもいたなー」
ハシブクロという聞き慣れない単語を聞いたルイズは暁に聞き直す。
「ハシブクロってなに?」
「箸袋ってのはね」

箸袋
日本人や中国人などが使う伝統的な食器のひとつである箸。
二本の棒状のものを片手、主に利き手で持ち使用するこの道具をしまっておくものが箸袋である。
箸の先だけを覆ったものや全体を密閉するものなど様々なタイプが存在する。
使用されるお店によって柄が違うため食卓をちょっと明るくする作用がある。

「ちょっと使いにくそうね、その食器」
「でも慣れれば肉でも魚でも豆でも掴めるんだよ」

一通りの話を聞いたと判断したルイズは一息ついて暁の話を振り返る。
「それじゃ昨日の話もまとめるとアンタは探偵をやってて、そのサイドックとかいう組織の開発したパワーで
シャンゼリオンっていうヒーローになって、ダークザイドっていうやつらと戦って、ハシでごはん食べてたと」
「箸はあんまり関係ないけどそういうこと。信じてもらえた?」
シャンゼリオンから元の姿に戻った暁は相変わらずの調子だ。
そんな暁を見てルイズはコイツがヒーローだということを信じたくはなかった。
信じたくはなかったのだが。
「まあ、アンタの変身したカッコを見たら信じるしかないわよね」
「お、さすがルイズ。飲み込みが早い」
暁は拍手のジェスチャーでルイズを称える。
そんな暁の調子を見てルイズは少し遠い目をする。
「それにしてもアンタみたいのがヒーローなんて。
自分の財産まで使って頑張ったそのムナカタって人が気の毒だわ」
「うっさい。大きなお世話だ」
「でも今までその侵略者と何度も戦ってきたんでしょ。アンタが結構やるヤツだってのはわかったわ」
ルイズの褒め言葉に暁は上機嫌になる。
「いいこと言うじゃん。よし、ルイズにもう一つおもしろいもの見せるよ」
そういうと暁は懐から一本の棒状のものを出す。
「なにコレ?」
「コレはCGペンって言ってサイドックの支給品のひとつなの」
そういって暁は何やら弄っている。
そしてCGペンをルイズの口元に持ってくる。
「さあ、ルイズ何か喋ってみてよ」
突然そんなことを言われてルイズは戸惑う。
「いきなり何を言い出すのよ」
「よっしゃOK。んじゃ再生するよ」
暁はまたもペンを弄りだす。
すると
「いきなり何を言い出すのよ」
なんとペンが勝手に喋り始めた。
驚いたのはルイズだ。
ただの金属の棒から声がしたのだ。
「わっ、ビックリした。マジックアイテム?」
「だから魔法じゃないって。ルイズの声を記録してそれを繰り返してるだけだよ」
暁はルイズにCGペンを渡して説明を続ける。
「ちなみに俺も同じの持ってんだけどコレ通信機としても使えるから」
また聞いたことのない言葉だ。
「ツウシンキって?」
「離れててもお互いお話できる道具だよ」
それを聞いてルイズは感心する。
「へー、アンタのいた世界ってすごいものがあるのね」
「おもしろいでしょ?コレはルイズにあげるよ。親愛の印だ」
「いいの?こんなすごいもの貰って」
「遠慮すんなって。人から貰えるモンは何でも貰っとけ」
そんな暁の言葉を聞いてルイズは大きくため息をついた。
「アンタじゃなくてそのムナカタって人に悪いって思ったのよ」



次の日の朝

目を覚ましたルイズは自分の使い魔の寝床の方を見る。
そこに暁の姿はなかった。

逃げ出したのか?

そんなことを思い周りを見回すと自分の洗濯物がなくなっていた。
もしかして洗濯をしてくれている?
あのグータラは心を入れ替えたのか。
そしてルイズは枕元のCGペンを手に持ち、昨日の暁の言葉を思い出していた。

親愛の印だ

使い魔の方からそんなこと言うのだろうか。
普通は逆のような気がする。
ホント調子のいいヤツだ。
「バーカ…」
少し笑みを浮かべたルイズは一言だけ呟いて寝巻きから着替え始めた。

「そんなことがあって俺は人類を守るスーパーヒーローをやってたってワケ」
「すごいですアキラさん!憧れちゃいます」
ここは洗濯場。
ルイズが暁の評価をちょっと改めているころ、暁はシエスタに洗濯のやり方を教わっていた。
働く気になどなった訳ではない。
目的は洗濯を通じてシエスタと親しくなるためだ。
そして昨日の変身のことを聞かれ、得意気になって自分の事を説明していた。もちろん少し脚色して。
「人間を守るために悪と戦うなんてとってもかっこいいですよ」
シエスタに褒められ暁はしまりのない顔をしている。
そして
「そうだ、シエスタちゃんにいいものあげるよ」
すると暁は懐から一本の棒状のものを出す。
「なんですかこれ?」
不思議なものを取り出した暁にシエスタは首を傾げながら質問をする。
「コレはねCGペンって言って」
暁はCGペンの使い方を説明しはじめた。
ふんふんと頷いて聞いているシエスタを見ながら暁は

こりゃ明日も洗濯が楽しみだ

そんなことを考えながらシエスタとおしゃべりを続けるのであった。

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