「見てたわよ」
「おおルイズ、丁度よかった」
「なにが、おお、よ?バカじゃないの?貴族と決闘したらただじゃすまないわ。わかってる?」
「心配してるのか?」
「だ、誰が!?いい、あんたは私の使い魔なんですからね。勝手なことしないで!」
「おおルイズ、丁度よかった」
「なにが、おお、よ?バカじゃないの?貴族と決闘したらただじゃすまないわ。わかってる?」
「心配してるのか?」
「だ、誰が!?いい、あんたは私の使い魔なんですからね。勝手なことしないで!」
腕組みをして顔を背けるルイズ
若干顔が赤い気がする。
だが今は気にしている場合じゃない
若干顔が赤い気がする。
だが今は気にしている場合じゃない
「そうか。ところでルイズ、聞きたいことがある」
「なによ?」
「魔法についてだ。俺はこの世界について知らない
下手をすると本当に死にかねないからな」
「なによ?」
「魔法についてだ。俺はこの世界について知らない
下手をすると本当に死にかねないからな」
魔法についての知識が無いのが弱点
敵の情報は多いほど良い
それによって立てる作戦も変わってくる
戦いである以上、失敗は許されない
そういうところはやはりプロだ
敵の情報は多いほど良い
それによって立てる作戦も変わってくる
戦いである以上、失敗は許されない
そういうところはやはりプロだ
「どうして?」
「戦場はシビアな場所だ。一瞬の隙も許されない
射程、力の源、何をしてくるか、何でもいい。教えてくれ」
「戦場はシビアな場所だ。一瞬の隙も許されない
射程、力の源、何をしてくるか、何でもいい。教えてくれ」
ヴェストリの広場
風と火の塔の間にある中庭だ
決闘の噂を聞きつけてか既にギャラリーが大勢集まっていた
ギーシュの元にスネークが無限バンダナを風になびかせ、颯爽と到着する
風と火の塔の間にある中庭だ
決闘の噂を聞きつけてか既にギャラリーが大勢集まっていた
ギーシュの元にスネークが無限バンダナを風になびかせ、颯爽と到着する
「待たせたな!」
「来たか。その覚悟だけは認めてやろう」
「来たか。その覚悟だけは認めてやろう」
さっと薔薇の花を振る
すると地面から青銅のワルキューレが現れた
すると地面から青銅のワルキューレが現れた
「僕はメイジだ。だから魔法で戦う。何か問題は?」
ギーシュが薔薇を振る
それに呼応してワルキューレ達が攻撃を開始した
それに呼応してワルキューレ達が攻撃を開始した
―スネーク、ギーシュの二つ名は【青銅】よ。青銅のワルキューレで戦ってくるに違いないわ
攻撃は遅い訳ではないが、避けられない訳でもない
後ろに飛んで拳をよける
フォックスのカタナの方が遥かに速かった
後ろに飛んで拳をよける
フォックスのカタナの方が遥かに速かった
―ワルキューレも魔法のひとつよ。魔法には杖が必要なの。杖が無ければギーシュなんてただのガキだわ
先ほどから振っている薔薇
おそらくアレが杖だろう
さてアレをどうやって叩き落すか
銃の類は使うつもりはない。子供に説教するだけだ。武器は必要ないだろう
おそらくアレが杖だろう
さてアレをどうやって叩き落すか
銃の類は使うつもりはない。子供に説教するだけだ。武器は必要ないだろう
―でもワルキューレは一体とは限らないわ。でもそれを操っているのはギーシュって事を忘れないで
一体のワルキューレが振り下ろした拳をローリングでよける
すると近くにいたワルキューレの頭に当たり、頭が吹き飛んだ
全部のワルキューレを自由自在に動かすのはかなり集中力がいるはずだ
初めは攻撃を避け続ける。そうすれば段々頭に血が上っていくはずだ
その状態で数々のワルキューレを操るのは困難
攻撃を避けるのは簡単だ。ギーシュは戦いのプロではない
攻撃をするとき必ず目が動く。その方向にいかなければいいだけの話だ
すると近くにいたワルキューレの頭に当たり、頭が吹き飛んだ
全部のワルキューレを自由自在に動かすのはかなり集中力がいるはずだ
初めは攻撃を避け続ける。そうすれば段々頭に血が上っていくはずだ
その状態で数々のワルキューレを操るのは困難
攻撃を避けるのは簡単だ。ギーシュは戦いのプロではない
攻撃をするとき必ず目が動く。その方向にいかなければいいだけの話だ
―あと魔法は無限につかえる訳じゃない。魔力が底を突けば使えなくなるわ
いつになるか分からないものをあてにする気は無い
しかし、ギーシュは自分の魔力を知っている
時間が過ぎるほど焦りが見えてくる
しかし、ギーシュは自分の魔力を知っている
時間が過ぎるほど焦りが見えてくる
「どうした、若いの?」
「余裕なのも今だけだ!」
「余裕なのも今だけだ!」
攻撃のスピードが上がる
降り注ぐ拳の雨。大きく跳んで、ワルキューレの群れから脱出する
徐々にワルキューレが遅くなってきている
降り注ぐ拳の雨。大きく跳んで、ワルキューレの群れから脱出する
徐々にワルキューレが遅くなってきている
「そろそろだな…」
所変わって学院長室
二人の男がなにやら話し合っている
二人の男がなにやら話し合っている
「確かにルーンが同じじゃな。だが、結論を急いではいかんよ
あの男が『ガンダールヴ』と同じルーンを持っていても同じ能力を持っているとは限らん」
「ですが…」
あの男が『ガンダールヴ』と同じルーンを持っていても同じ能力を持っているとは限らん」
「ですが…」
スネークのルーンについて話しているようだ
部屋の扉が叩かれる
オスマンの秘書、ミス・ロングビルが入る
部屋の扉が叩かれる
オスマンの秘書、ミス・ロングビルが入る
「私です、オールド・オスマン」
「何じゃ?」
「ヴェストリの広場で決闘をしている生徒がいるようです」
「何じゃ?」
「ヴェストリの広場で決闘をしている生徒がいるようです」
大きくため息をつくオスマン
「全く暇をもてあました貴族ほど厄介なものは無い
で、誰が暴れているのかね?」
「一人はギーシュ・ド・グラモン。もう一人はミス・ヴァリエールの使い魔の男のようです
教師達は『眠りの鐘』の使用許可を求めています。許可を」
「阿呆か。その程度のことに秘宝を使ってどうするんじゃ
あの使い魔なら殺しても死ななそうじゃし、問題ないわ」
「…分かりました」
で、誰が暴れているのかね?」
「一人はギーシュ・ド・グラモン。もう一人はミス・ヴァリエールの使い魔の男のようです
教師達は『眠りの鐘』の使用許可を求めています。許可を」
「阿呆か。その程度のことに秘宝を使ってどうするんじゃ
あの使い魔なら殺しても死ななそうじゃし、問題ないわ」
「…分かりました」
部屋を出て行くミス・ロングビル
確かに部屋を出たのを確認した後、オスマンが杖を振る
鏡にヴェストリの広場が映った
確かに部屋を出たのを確認した後、オスマンが杖を振る
鏡にヴェストリの広場が映った
ポーチからスタングレネードを取り出す
安全ピンを抜こうとしたそのとき―
安全ピンを抜こうとしたそのとき―
「何だこれは!?」
左手のルーンが輝きだした
その直後、目の前のワルキューレの動きが遅く見える
そして身体が軽くなった
なんだか知らないが好都合だ
ピンを引き抜き、投げつける
すぐに耳をふさぎ、投げた方向と逆の方向を向く
その直後、目の前のワルキューレの動きが遅く見える
そして身体が軽くなった
なんだか知らないが好都合だ
ピンを引き抜き、投げつける
すぐに耳をふさぎ、投げた方向と逆の方向を向く
―バシュッ!
3秒ほどして、強烈な閃光と轟音が響く
手には次にいつでも投げられるようにスタングレネードを持ってギーシュの元へ走った
まともにスタングレネードを食らったらしい
ワルキューレの指揮系統が狂っている
闇雲に攻撃をしている
ルーンがさらに輝く
一瞬でギーシュに近づき、右腕を掴み、捻る
手には次にいつでも投げられるようにスタングレネードを持ってギーシュの元へ走った
まともにスタングレネードを食らったらしい
ワルキューレの指揮系統が狂っている
闇雲に攻撃をしている
ルーンがさらに輝く
一瞬でギーシュに近づき、右腕を掴み、捻る
「ぐっ…!?」
思わず薔薇の花を落とすギーシュ
その花を遠くへ投げ飛ばすスネーク
スタングレネードをしまい、視覚と聴覚が戻ったギーシュに言う
その花を遠くへ投げ飛ばすスネーク
スタングレネードをしまい、視覚と聴覚が戻ったギーシュに言う
「戦いの基本は格闘だ。武器や装備に頼ってはいけない」
「貴様…!」
「貴様…!」
杖とギーシュの間に割って入るスネーク
スネークを抜けようと殴りかかってくるギーシュ
その右腕を左手で掴み、右足をギーシュの背中側へまわす
右手でギーシュの顎を押し―投げ飛ばす
スネークを抜けようと殴りかかってくるギーシュ
その右腕を左手で掴み、右足をギーシュの背中側へまわす
右手でギーシュの顎を押し―投げ飛ばす
「ぐっ…」
「確かに魔法はすごい。だが、指揮官が混乱してしまっては部隊は壊滅する」
「…」
「確かに魔法はすごい。だが、指揮官が混乱してしまっては部隊は壊滅する」
「…」
息も絶え絶えなギーシュ
そして、最後に一言
そして、最後に一言
「それともうひとつ、男なら女を全力で守れ!
傷つけるようなマネをするな。それが漢のダンディズムだ」
傷つけるようなマネをするな。それが漢のダンディズムだ」
ギーシュが意識を失い、スネークの勝利が決まった