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サーヴァント・ARMS-01


「「何よ、これ?」」  「・・・・・・・・・」


トリステイン魔法学院――

その学院の生徒である3人の少女達が、使い魔召喚の儀式を成功させた時の最初の反応がこれである。
なお怪訝そうな声で仲良く同じ台詞を口にした2人の少女の間柄は、
先祖代々からの仇敵だったりするが、その辺りは割愛。

魔法が使えず『ゼロ』と揶揄されるピンク色の髪の少女が召喚したのは、
奇妙な格好(元の場所ではごくごく一般的な学生服なのだが)の気絶した、平民らしき黒髪の少年。

彼女1人なら、まだ周囲は納得したかもしれない。

しかし、他の2人の少女はトライアングルクラスの実力者でありながら、
それぞれ容姿は違っても同じような服装をした平民らしき少年を召喚してしまったのだから話は変わってくる。

3人中2人は納得のいかない様子でそのまま召喚した少年達と契約の儀式を交わしたのだが―――


彼女達はまだ知らない。

召喚した少年達が、ただの『人間』ではない事を。

少年達はまだ知らない。

今度こそ失った筈の『力』を、再び手にしてしまった事を。


誰も想像しえなかった物語<<プログラム>>が今、動き出す。





      サーヴァント・ARMS:第1話 『遭遇』エンカウンター




気が付いた時には、高槻涼は見覚えのある闇の中に1人佇んでいた。

―――えーっと、確か学校もやっと再開して、その帰りに恵と合流して5人だけでまたユーゴーの墓参りに行って、そしたらその時に突然光に包まれて―――




そこで記憶は途切れている。
もしかしてまた、エグリゴリの残党に襲われたのかと考えた。
アザゼルもキース・ホワイトももはや完全に消滅した上にエグリゴリの部隊の大半も壊滅が確認されている。
残った極少数も現在進行形でブルーメンが『排除』して回ってると恵や兜から聞かされていたが、エグリゴリの人員は組織に対する忠誠心が高い。

そしてカツミはともかく涼達『元』オリジナルARMSは組織の中枢部を根本的に打ち砕いてくれた憎い仇である。
今度こそ完全にエグリゴリ全体が壊滅したと分かるまで気が抜けないと思っていた――その矢先にこれだ。

「でもここってもしかして・・・」
『その通りだ、我が主高槻涼よ』

刹那、背後に見覚えのある異形の巨体が現れた。

「ジャバウォック!それじゃあやっぱりここはアリスの世界なのか?」
『大まかに言えばそういう事になるのだろう』
「どういう事だ?アリスや他のARMS達と一緒に完全に消えた筈じゃなかったのか?」
『わからぬ、気が付いた時には再度汝の元へと戻っていたのだ。
どういう訳か分からんが、共振から他のオリジナルARMS達もそれぞれの主の元へと戻っている』
「・・・まさか、カツミもなのか?」
『それについても詳しい事はわからぬ。赤木カツミのARMSは特殊だ。我らオリジナルARMS同士と比べても繋がりが薄い』
「そうか・・・ともかくまずは情報を集めるべきだな。隼人達もどうなったか分かんないけど、一緒に居たんだから近くに居るかもしれないし」

そう呟くと、涼は内面の世界から現実へと意識を引き戻そうとした。
何度も経験したお陰でやり方は嫌でも慣れた。
どこからともなく光が涼を照らし出した時、巨人は何時かの時と同じように涼の前で跪く。

『・・・・・・高槻涼よ。我は、再び汝と共に在ることを光栄に思う』
「ああ・・・俺からも、これからよろしく頼むな、ジャバウォック」



そして閃光に包まれて―――



目を開けると、涼は天蓋付きのベッドに寝かされていた。

「知らない天井だ・・・って何言ってるんだろうな俺」

身体を起こして見るとベッドが立ち並んでいた。
医務室らしい。窓の向こうが暗いので今は夜だろう。
すぐ隣で寝息が聞こえたので見てみると、ピンク色の髪の少女がベッドの傍らで寝息を立てていた。

―――中学生ぐらいかこの子?
でも何でこの部屋はこんなに古めかしいんだろうな。内装は豪華だけど、壁とかを見ると石で出来た城っぽいし―――

「お、やっと目ぇ覚ましたかよ高槻」

聞き慣れた声の主は隼人だった。学生服の上着を脱いでワイシャツの胸元から鍛えられた胸板を覗かせた格好だった。

「やっぱり隼人も一緒か。それじゃあ武士やカツミ達も居るんだな?」
「いや、それが武士の奴も俺達と一緒の場所に居たんだけどな。
      • カツミと恵はどこにも居やがらなかったんだ」
「そんな!――ところでここはどこなんだ?雰囲気からしてエグリゴリの施設とかそういう感じじゃないみたいだけど・・・」
「・・・あー、まあその事についちゃそこのガキに聞いてくれ。
何つーか、俺自身どういう事かさっぱりわかりゃしねーんだ。オイ、起きろ!高槻が目ぇ覚ましたぞ!」

隼人は涼の傍らで眠り込んでいた少女を揺すってみるが、起きない。

「にゅ~~~~~・・・・・・」
「おーい、起きろっての!」

ゆさゆさ

「うみゅ~~~~・・・・・・」
「このっ、起きやがれ!」

ゆっさゆっさゆっさゆっさ

「うにゃ~~~~・・・・・・」
「・・・・・・・・うし、これでもまだ起きねえんなら・・・」

ゴヅッ!

「~~~~~~~!?!!?!!」

起きた。

「あー、隼人、相手は女の子で子供なんだし、もうちょっと手加減してやった方が良いと思うぞ?」
「良いんだよ。コイツ、わがままな上にアル以上に生意気ときてんだぜ?やってられっか」

そう言い捨てる隼人を、鉄拳制裁を食らった件の少女――ルイズが涙目になって睨みつけた。
ジジイこと隼人の義理の祖父、十三の睨みに比べれば迫力には程遠かったりするが。

「ま、またあんたねえ!この貴族である私の頭を遠慮無くボカスカと!へ、平民がこんな事していいと思ってんの!」
「何度も言ってるだろうが!俺達の所じゃ貴族だの平民だの関係ねえんだ、
生意気なガキには鉄拳お見舞いするのが基本なんだよ!」
「落ち着けって、隼人も年下の子供相手にムキになるなって」

ルイズの矛先が涼に移った。

「誰が子供よ!私は16よ!」
「あ・・・い、いや間違って悪かった。ゴメン!」

思わず冷や汗タラリ。女性には年齢と体重と3サイズは禁句である。
1度母親の美沙にうっかり「もう若くないんだから」と口にした時など――
――思い出したくも無い。
言ってしまった涼曰く、「あの時ほど親父に鍛えてもらって良かったと思った事は無い」といった反応だったらしい。
推してしかるべし。

「とりあえず、今武士が厨房の方に飯貰いに行ってくれてっから詳しい話はそん時にでも――」
「ちょっと、ツェルプストーの使い魔の癖に何勝手に人の使い魔と喋ってんのよ!」
「だから誰が使い魔だ!」
「なあちょっと待ってくれ・・・『使い魔』?一体何の話をしてるんだ?」
「・・・・・・窓の外見てみろよ」

窓辺に駆け寄って、外の景色を見つめた。
高い壁、その向こうには広がる森と広大な草原。
そして夜空には――――



「・・・・・・何だよ、これ」



――――月が『2つ』、重なり合って浮かんでいた。



左腕に刻まれたルーンにはまだ、気付いていない。


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