あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

使い魔!!俺?-4

ここは学院長室。
息を切らせながらこの部屋に入る教師が居た。
ルイズたちの使い魔召喚の儀式を担当したコルベールだ。
「失礼します、オールド・オスマン!」
大きな声で学院長に呼びかけ、その声にオスマンは振り返る。
「一体何事じゃ、ミスタ・コルベール」
「違います、私の名はコルベールです!」
「だからコルベールと言っとるじゃろうが」
何を言ってるんだこいつは
といったような目でコルベールを見るオスマン。
「え?あ、そうですか…」
何故か物足りず、ちょっと寂しい思いをしたコルベールであったが
自分の用件を思い出し、すぐさま顔を上げる。
「そ、そうだ。それより大変なことが分かりましたよ!
ミス・ヴァリエールが呼び出したあの青年のことです」
そう言いつつコルベールは机の上に古い本とルーン文字が写されたメモを置く。
本を開きながら興奮した様子で話を続ける。
「見てください、このルーンは始祖ブリミルの使い魔ガンダールヴのものです。
そしてコッチがあの青年に刻まれたルーンです。」
こんどはメモを指差しながらコルベールは捲くし立てる。
「全く同じものです。つまり、彼は伝説のガンダールヴなんですよ!」
「ちょ、ちょっと待て、落ち着くんじゃ。ルーンが同じだからといってそう決まったワケではないじゃろう」
興奮してずいずい近寄ってくるコルベールに若干怖いものを感じながらもオスマンはなだめる。
「ま、まあ確かに」
若干コルベールが冷静になったところにまた一人部屋に入ってくるものが居る。
「た、大変です!オールド・オスマン」
知的な顔付きをした美女、オスマンの秘書のミス・ロングビルだ。
「何じゃ、ミス・ロングビル。…どうでもいいが今日は大変なことが多いのう」
「え、なんのことです?」
「いや、いいんじゃいいんじゃ。で、何があった?」
一瞬きょとんとしたロングビルだったが報告をする。
「はい、ヴェストリ広場で決闘をしようとしている生徒がいます。
教師たちが止めようとしましたが生徒たちに邪魔されてしまい…」
「まったく、その生徒は誰じゃ?」
オスマンはうんざりといった感じだ。
「一人はギーシュ・ド・グラモン、もう一人はミス・ヴァリエールの使い魔です」
ロングビルの言葉に驚いたのはコルベールであった。
「何ですって!本当ですか、ミス・ロングビル。あの青年が?」
「は、はい。たしかに」
予想していなかったコルベールの返答にロングビルは少しうろたえる。
その様子を見ていたオスマンはしばらく考えていたが何か思いつきロングビルに声をかける。
「たかがケンカじゃ、放っておきなさい。それにちょうどよい」
オスマンはそういいながら大鏡に杖を振る。
すると広場の様子が映し出された。
「これで彼のこともわかるじゃろ。のうミスタ・コルベール」
「そ、そうですね」
二人の言っていることがわからないロングビルは問いかける。
「あの、お二人とも何を仰っているのです?」
「ええ、彼はもしかすると」
コルベールの言葉はそこで止まり、視線は広場に釘付けになる。
オスマンやロングビルも同様だ。
彼らが見たものは、ギーシュと対峙する平民が光を纏っていく姿だった。

「何なの、アイツ」
ルイズは目の前で起こった光景が信じられなかった。
ただの平民だと思っていた自分の使い魔が鎧を纏った戦士に変わったのだ。

俺はヒーローだからな

さっきアイツはそんなことを言っていた。
まさか本当に?
しかし光の戦士に変わった暁の姿がそれを証明している。
寝坊もするグータラで女の子と見れば節操なく声をかけ、ただの口げんかで決闘してしまう
アホな男だが変身をしたのは紛れも無い事実だ。
もしかして自分はとんでもないヤツを呼び出してしまったのだろうか。

ルイズが暁に対しての認識を改めているとき
暁はいつもと変わらぬ調子でギーシュに向かって叫んでいた。
「さあ、どっからでもかかってきなさい!」
ギーシュは暁の姿を見て少々動揺していた。

こいつは杖もなしに変身したのか。
ひょっとすると先住魔法?ということはこいつはエルフか。

そんな考えを振り払い、ギーシュも負けじと言い返す。
「いいだろう、後悔するなよ!」
平静を失った様子を見せるのはシャクだ。
そして自分のワルキューレを暁に向かわせた。

ワルキューレは拳を振り、暁に打ち込む。
暁はそれを片腕で捌き、逆にワルキューレの腹にパンチを放った。
カウンターにワルキューレは怯むが直ぐに体勢を立て直し、暁に蹴りを入れる。
暁もそれに反応し、ガードをするがさすがに金属の塊だ。
その強烈な蹴りに体を崩す。
「くっ」
思わずうめき声をあげる暁。
それをチャンスと見たギーシュはワルキューレを暁の懐にとび込ませる。
「なんの!」
ワルキューレの突進を暁は、がっちりと受け止め力比べのような体勢に入った。
両者力を込めその姿勢が続いたが暁は自分の体をワルキューレの下に潜り込ませそのまま持ち上げた。
「ブレーンバスター!」
暁は自ら仰向けに倒れ込み、ワルキューレの背中を地面に叩きつけた。
そしてすぐに起き上がりエルボードロップをワルキューレの顔に放つ。
その一撃でワルキューレは動きを止めた。
暁はギーシュのほうに向き直り勝ち誇ったように声をかける。
「おい、もう終わりか?」
しかしギーシュは怯むことなく言い返す。
「残念だが、まだまだこれからだ」
またもギーシュはバラを振り、花びらを巻き起こす。
すると今度は槍や剣を持った複数のワルキューレが姿を現した。
これには暁も驚いた。
「なっ、ひい、ふう、みい、よー…きったねえ五人がかりかよ!」
「僕はワルキューレが一体とは一言も言っていないよ。油断した君が悪い」
その声と同時に五人のワルキューレが暁に襲い掛かる。
暁は距離を取り、何とか策を考える。

そうだ、こういうときは

「それならコッチは超光騎士だ!」

超光騎士とはシャンゼリオンの戦いを支援するためのサポートロボットである。
陸震輝、空裂輝、砲陣輝とそれぞれが別の能力を持ち、あらゆる局面で戦うことが出来る頼もしい仲間だ。
普段はクリスタルステーションに格納されているが
彼らはシャンゼリオンの呼びかけで何処にでも駆けつけるのだ。

「リクシンキ!クウレツキ!ホウジンキ!」
暁は仲間を呼んだ。
しかしその場にシーンとした雰囲気が残るのみであった。
応じない超光騎士達に暁は焦る。
「あ、あれ?どうしたんだよお前たち、俺の声が聞こえないのかよ!一緒に選挙活動もした仲だろ!」
だが超光騎士は一人も来ない。
それもそのはず。この世界はハルケギニアで、地球でも東京でもない。
超光騎士も、彼らを格納するクリスタルステーションも存在しないのだ。
そのことを暁はすっかり忘れてしまっていた。
「何をブツブツ言っているんだい」
ギーシュはそんな暁に少々呆れながらワルキューレで斬りつける。
「うわっ」
一瞬反応が遅れた暁は胸元を裂かれ、クリスタルの鎧に亀裂が入る。
膝をついた暁に複数のワルキューレが同時に武器を振るう。
急所をガードしているが暁の体には傷が増えていく。
「くそっ、五人がかりのうえに武器まで使うなんてズルいんじゃないの?」
暁はギーシュに抗議をするが
「何をバカなことを。それなら君も武器を使えばいいじゃないか。もっとも無理だと思うがね」
余裕シャクシャクで受け答える。
その言葉に暁は、何か思い出した様子だ。
「あ、それもそうか」
暁は胸の鏡、シャンディスクに手をかざし叫んだ。
「ガンレイザー!」
すると光の粒子が集まり銃の形に実体化した。
「なんだぁ!?」
ギーシュやギャラリーが叫ぶのを余所に暁は銃を掴む。
「ディスク装填」
小さな薄い円盤、CDをガンレイザーに組み込むとシリンダーが動き出す。
そしてワルキューレに向けて光弾を放った。
二人のワルキューレはそれぞれ頭、胸を打ちぬかれ倒れこむ。
「あ、あら?」
暁は不思議に思っていた。
銃を構えた瞬間向かってくるワルキューレの動きがゆっくりに見えたのだ。
しかしその考えはギーシュの声に打ち消された。
「き、貴様銃なんて卑怯だぞ!」
「それならお前も銃を使えばいいじゃないの。ま、無理だと思うけど」
さっきのギーシュと同じように言い返した。

「この、なめるな!」
一人のワルキューレが暁の死角から近づきガンレイザーを払い落とした。
「あ、しまった!」
なおもワルキューレは暁との距離を詰める。
「それならこうだ!」
すると何を思ったか暁はワルキューレにタックルをかけ、両脚を掴んだ。
その場でワルキューレを持ち上げぐるぐると振り回した。
「ジャイアントスイングで夢の中にご招待!」
二人のワルキューレは暁に近づこうにも近づけない。
そして暁は振り回しているワルキューレを放り投げ、もう一人を巻き込んだ。
残りのワルキューレが一人になってギーシュは焦る。
「くっ、調子に乗るな!」
ワルキューレは暁を斬りつけようと剣を振り上げ突進をする。
暁はまたもシャンディスクに手をかざす。
「シャイニングブレード!」
今度は剣の柄が出現し、鍔の部分が左右に開く。
そして光の粒子が伸び刀身になった。
剣を掴むとまたさっきの感覚に襲われる。
「何なのよこれ」
相手の動きが遅く見える。

不思議なこともあるもんだな

そんなことを考えながら相手の剣を捌いていく。
そしてワルキューレの剣を受け止めるとその体に体当たりをした。
暁は剣を両手に持ち直し、大きくよろめいたワルキューレを斬りつける。
そして必殺の一撃。
「一振り!」
暁の掛け声と同時に裂かれたワルキューレは真っ二つになり崩れた。
が、その影からもう一人のワルキューレが現れた。
「何ぃ!」
完全に不意をつかれた暁は剣を叩き落され、ワルキューレに押し倒された。
「甘いね、切り札は最後まで取っておくものだ!」
ギーシュが大声で言う。
彼は本来七人のワルキューレを操ることが出来る。
しかし今回見せたのは全部で六人。
暁に対して呼び出せるのは六人だけと思い込ませ最後の一人を敢えて呼び出さなかったのだ。
倒れ込んだ暁にマウントを取り、何度もパンチを打ち込むワルキューレ。
既に暁はグロッキー状態だ。
その姿を見てギーシュは勝利を確信する。
「よし、これで終わりだ!」
そしてとどめとばかりに大きく振り下ろした拳を暁は見逃さなかった。
ワルキューレの拳を受け止め、大きく脚を振り上げ背中に蹴りを入れた。
暁は最後の力を振り絞って起き上がり、吹っ飛んだワルキューレに向き直ると叫んだ。
「シャイニングアタック!」
するとシャンディスクからシャンゼリオンの分身が現れ、ワルキューレに向かって高速で飛行する光の弾丸となった。
光の弾丸に貫かれたワルキューレは大きな風穴を開けられひっくり返り、その場から動かなくなった。
「そんな…」
最後のワルキューレを倒されたギーシュはその場に膝をついた。
「参った」
ギーシュの敗北宣言を聞いた暁はその場でターンをし、指を差してポーズを決めた。
「やったぜ、俺ってやっぱキマリすぎだぜ!」
本人としたら最高に決まったのだろうがシャンゼリオンの姿の暁は結構ゴツく、あまりカッコよくはなかった。

元の姿に戻った暁はギーシュの傍に近寄っていく。
それを見たギーシュは覚悟を決めた。
「僕の負けだ。殴るなり罵倒するなり好きにしろ」
しかし暁はギーシュの手を取りがっちり握った。
「俺がそんなことをするわけないでしょ」
暁は普段通りの口調でギーシュに話す。
その反応にギーシュはあっけに取られた。
「君は負けた僕を軽蔑しないのか」
「何言ってんの。お前の強さ、よーくわかったぜ」
その言葉を聞いたギーシュは暁に微笑み手を握り返した。
「ははっ、君は変わった奴だ」
「そうでもないって。わはは」
やがて二人は大声で笑い出した。
戦いが終わればそこには怒りも憎しみも無い。
拳で分かり合えた男達は友情を深めていく。
このギーシュと暁も同様だった。
まあ、戦った理由はとてもアレなのだが。

広場の中央で高笑いをする二人を見ていたギャラリーはボーゼンとなってた。
ルイズも同じように言葉を失っていた。
ただの平民が変身して銃や剣や分身を出してメイジと戦っていたのだから当然のリアクションだろう。
いつの間にか隣にいたシエスタはルイズに声をかけた。
「ミス・ヴァリエール、一体アキラさんってどんな方なんですか。私はただの探偵さんだって聞いたんですが」
彼女も訳がわからないといった感じで話している。
その声にルイズは意識を取り戻した。
「わからない。わからないけど」
そしてまだギーシュと二人で大笑いを続けている暁のしまりの無い顔を見つめ呟いた。
「バカなのは間違いないわね」
ルイズは考えを改め直した。
たしかにこいつはとんでもないヤツだった。無論違う意味で。

「あ、ギーシュ」
「なんだい」
「俺たちなんで決闘なんかやることになったんだっけ?」
「そういえば思い出せないな」
「「ま、いいか。わははは」」

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