あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ユリアゼロ式-EX1


「お手伝い?」
「はい! 私、今までシエスタさんにはお世話になったからその……シエスタさんのお役に立ちたいんです!」
朝の起き掛けにユリアはルイズにシエスタのお手伝いをしたいと申し出たのだ。
「ふーん……まあ私もシエスタにお世話になってるし、いいわ手伝ってきなさい。でも迷惑をかけちゃだめだからね。」
「はい、もちろんです!」
ユリアは嬉しそうに敬礼した。
「お手伝いですよね……うーん……」
「お願いします! どうか私と一緒に……!」
ユリアは両手をあわせて頭を下げた。その姿を見てシエスタは思わず微笑んだ。
「わかりました。じゃあ一緒に昼食でも作りましょうか」

まずは食材を洗ってから材料の切り出しに取り掛かる。
シエスタは慣れた手つきで材料を切っていくのに対しユリアも上手く皮むきを行う。
ただ、ユリアは皮むきしかする事が出来ないのだが、その皮むきを一生懸命に行う姿は何か心にくるものがある。とシエスタは感じていた。
『ユリア100式マニュアル
ダッチワイフであるユリア100式は皮を剥くのとコスるのは得意なのだ!』
調理が一段落ついたところでユリアはシエスタに聞いてみることにした。
「そういえば、一つ気になっていたことがあるんですけども……」
「はい、なんでしょうか?」
「シエスタさんのおじいさんってどんな人だったんですか?」
「それは………」
話が少し長くなるかもしれないから。とシエスタはユリアにはしばみ茶を淹れてくれた。ユリアもそれを口にする。
「おじいちゃんは私によく服を作ってくれました。
それを私によく着させてくれたんですけど、でもおじいちゃんが本当にやりたかったのはそういう事じゃなかったんです。」
「……シエスタさんのおじいちゃんがやりたかった事ってどんなことだったんですか?」
「この前お話したかと思いますが……ダッチワイフを作ることだったんです。」
ユリアは口に含んでいた茶をシエスタの顔面に思いっきり吹いた。
「すいません! びっくりしちゃってつい……」
「いえいえ、驚かれるのは普通のことだと思いますよ。茶を吹かれるのは予想外でしたけど。」
シエスタとユリアは一旦コップの中にあるはしばみ茶を全て飲み干し、喉が渇いたら一旦休憩して、決して話している途中に口に何かを含まないようにした。
シエスタの頃には祖父はダッチワイフ作りを断念し、村の小さな娘達に服を作ってあげるのに専念していたそうだ。
「その時、細かい嗜好の差はあれどそれは二次元の中だからこそ許されるものであって、
二次元がないこの世界だからといって肉親の立場を利用して三次元に手を出しかけている自分の浅はかさが恨めしい。と言ってよく私に服を着せてあげながら嘆いていたんです。」
「ちょ、ちょ、ちょっと待って下さい! いっ、今『二次元』って」
「はい。言いました。私もよく意味はわからないままなんですけど………」

「いいか、シエスタ。世の中にはリアル幼女に目を向けて興奮する輩どもがいるが俺はそういうのとは違うんだぞ。」
「うん。」
シエスタは料理上手な祖父が淹れてくれたはしばみ茶を飲みながら祖父の熱い話に耳を傾けるのが日課になっていた。
シエスタの祖父は彼女に対しロリ好きのオタクついて熱く語っていた。
「ロリ好きな人の中にも細かい嗜好はあってしかるべきだしそれは二次元で楽しんでこそ許されるものであって、
リアル幼女と触れ合えるというだけで嬉々とするこだわりのないオタクは嫌いなんだよ。」
「うんうん。」
よくわからない単語だらけでこれまで何十回と聞いた話であったが嬉しそうにシエスタは頷いた。
彼も嬉しそうに頷く。
「そうだなあ。俺のこういう話をまじめに聞いてくれるのはシエスタだけだよ。いやあ嬉しい、嬉しいなあ。」
祖父はシエスタの頭を嬉しそうに撫でた。シエスタも思わず目を細める。
「シエスタは大きくなったら何になりたいんだ?」
「私、おじいちゃんがいつも言ってる"メイドさん"になる!」
この時シエスタは8歳。この世界に身を投じることを早くから決心していたようである。
「でも、おじいちゃんの言ってる"メイドさん"と皆が言ってる"メイドさん"って何か違うような気がするんだけど……」
祖父ははしばみ茶を一口で飲み干してからこういった。
「いいかシエスタ。もしシエスタがメイドになったら自分に向けられる好奇や侮蔑、そういった視線に晒されて悩むかもしれない。
でも、この世界には絶対自分のことを大切にしてくれるご主人様がいるんだ。ご主人様に巡り会えたらその人を大切にしろよ。」
「……うん! なんかよくわかんないけどわかった!」
「そ、そうか……ははは………」
祖父は困ったように頭をかきながら苦笑したのであった。

「……で、今のシエスタさんがいると。」
「はい。確かに私のおじいちゃんは変わり者でしたけど、面倒見はいいし、料理は上手いし、裁縫も上手だし、村の皆からは好かれていたんですよ。」
どうやらシエスタの祖父は悪い人ではないらしい。
そうこうしてる間に昼食が完成した。
「わぁ………」
思わず感嘆の声を上げるユリア。シエスタも満足げに微笑んだ。
「これがおじいちゃん直伝の料理のヨシェナヴェです。」
中にはあの日本で寄せ鍋と呼ばれているものが入っていた。
鍋料理は食べたことが無いユリアだったがなぜか知らないが、懐かしさを感じていた。
「ご馳走様でした!」
「いえいえ。またいつでもいらしてくださいね。」
ヨシェナヴェの味は絶品だった。口の中に広がるダシ、食材の瑞々しい食感、身体の芯まで温まるような感覚。
今度はルイズさんにこの料理を作ってあげたい……とユリアは思うのであった。
「結局あのことはユリアさんでもわからなかったのか……っていうか教えてくれませんでしたし。」
シエスタは小さなため息をつく。

『シエスタ。俺はな、二次元の女の子と愛でるのが夢だったんだ。
でも俺はそれを叶えることが出来そうにない。
だけどもし、メイドロボやダッチワイフにお前が出会ったとしてもそれを軽蔑や偏見のまなざしで見るのはやめてくれ。
メイドロボやダッチワイフは性交渉で愛するだけが目的ではない。愛されることもまた目的なのだよ。』

「メイドロボとメイドの違いってなんなんでしょうかね?」
シエスタは一人そんなことを夕焼け空に向かってつぶやいた。  


こはるびよりの村瀬貴也がシエスタの祖父


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