mission:『ギーシュ・ド・グラモン:I Scream You Scream』
――翌日。
朝食を済ますと早速優男がやって来る。全く下半身に忠実な野郎だ。
「で、今回はどうするんだ」
「街に行って薬を買ってくるのだけど、それに纏わる護衛とアドバイスが欲しいんだ」
薬?護衛?……急にいかがわしい方向になったぞ。この優男はこう見えてもいいとこの貴族なのだろ?何も俺に仕事を依頼するよりも実家に
何人か気心知れた人間を寄越した方が早いだろう?
「そんなもの、実家から人を寄越して貰えよ」
「いや……そうもいかないんだよ。だからこそ、トニーにお願いしてるんだよ」
嫌な予感がしてきた。
「お前なぁ、これは高くつくぞ……それはそうと、街までどうやって行くんだよ。片道3時間の道を行くのに、何も用意してないと言う事は
ないよな?」
「いや…そこまで頭が回らなかったんだよ」
最悪だ、そこまで俺が手配するのかよ。いやマジでどうするんだ。
朝食を済ますと早速優男がやって来る。全く下半身に忠実な野郎だ。
「で、今回はどうするんだ」
「街に行って薬を買ってくるのだけど、それに纏わる護衛とアドバイスが欲しいんだ」
薬?護衛?……急にいかがわしい方向になったぞ。この優男はこう見えてもいいとこの貴族なのだろ?何も俺に仕事を依頼するよりも実家に
何人か気心知れた人間を寄越した方が早いだろう?
「そんなもの、実家から人を寄越して貰えよ」
「いや……そうもいかないんだよ。だからこそ、トニーにお願いしてるんだよ」
嫌な予感がしてきた。
「お前なぁ、これは高くつくぞ……それはそうと、街までどうやって行くんだよ。片道3時間の道を行くのに、何も用意してないと言う事は
ないよな?」
「いや…そこまで頭が回らなかったんだよ」
最悪だ、そこまで俺が手配するのかよ。いやマジでどうするんだ。
――移動手段を探せ。
正直行き位は楽にしたい。やっている事が余りにいかがわしいだけに、ルイズには頼みたくはない。とは言え、キュルケに頼むとルイズが
余りにもうるさい事になるので頼みたくはない。モンモランシーや教師たちは論外とすると、残っているのはあの『御嬢様』しか居ないか。
「タバサを探すぞ。なるべくキュルケやルイズ、モンモランシーに見つからないようにな」
「ああ……でも、どうして見つからないようになのか?」
「面倒な事になるからだ、察しろ」
余りにもうるさい事になるので頼みたくはない。モンモランシーや教師たちは論外とすると、残っているのはあの『御嬢様』しか居ないか。
「タバサを探すぞ。なるべくキュルケやルイズ、モンモランシーに見つからないようにな」
「ああ……でも、どうして見つからないようになのか?」
「面倒な事になるからだ、察しろ」
「今、お前がここに居るって事は、学生達は自室に居る可能性は高いのか?」
「その可能性は高い、タバサは一人で本を読んでいる事が多いからな」
それは好都合。事情を知っているルイズだけになら見つかっても良いかも知れないが、最悪な位に他の面子に見つかるのは面倒臭い事になる。
中でもキュルケとモンモランシーは後々酷い事になりそうだからな。
「部屋知ってるなら、案内してくれ」
「わかった」
急いでタバサの自室に走る男二人。一見すると物凄く妖しい光景に違いないが、本気なだけに性質が悪い。幸いと誰にも見つかる事無く、
目的の人物の部屋に辿り着いたのはよしとしよう。
「タバサ、すまないが邪魔するぞ……ギーシュも一緒だが」
ノックをしながらタバサの名を言うと、小さな声で『入って』と言われる。俺ら男二人はいそいそと、それこそ誰にも見つからないように
神速で部屋に入る。タバサはベットに横になりながら本を読んでおり、俺達を見ると本を読むのを止める。
「すまない、ここから街に行く良い手段は無いか?」
「……ギーシュ」
「いや、このバカ、俺に仕事頼んでおきながら前もって何も用意してなかったんだよ。出来れば手助けしてくれると嬉しいんだが」
俺がそう言うと、タバサはベットから立ち上がって窓を開ける。暫く様子を見ていると、またも自分の目よりも正気を疑う光景を見る。
「マジかよ」
もうそうそう、何が起こっても驚かないが、流石にこれには驚いた。窓の奥にそれこそ神速で青い……これはドラゴンとか言う奴か……が
目の前に現れやがった。
「乗って」
「あ…ああ……」
「その可能性は高い、タバサは一人で本を読んでいる事が多いからな」
それは好都合。事情を知っているルイズだけになら見つかっても良いかも知れないが、最悪な位に他の面子に見つかるのは面倒臭い事になる。
中でもキュルケとモンモランシーは後々酷い事になりそうだからな。
「部屋知ってるなら、案内してくれ」
「わかった」
急いでタバサの自室に走る男二人。一見すると物凄く妖しい光景に違いないが、本気なだけに性質が悪い。幸いと誰にも見つかる事無く、
目的の人物の部屋に辿り着いたのはよしとしよう。
「タバサ、すまないが邪魔するぞ……ギーシュも一緒だが」
ノックをしながらタバサの名を言うと、小さな声で『入って』と言われる。俺ら男二人はいそいそと、それこそ誰にも見つからないように
神速で部屋に入る。タバサはベットに横になりながら本を読んでおり、俺達を見ると本を読むのを止める。
「すまない、ここから街に行く良い手段は無いか?」
「……ギーシュ」
「いや、このバカ、俺に仕事頼んでおきながら前もって何も用意してなかったんだよ。出来れば手助けしてくれると嬉しいんだが」
俺がそう言うと、タバサはベットから立ち上がって窓を開ける。暫く様子を見ていると、またも自分の目よりも正気を疑う光景を見る。
「マジかよ」
もうそうそう、何が起こっても驚かないが、流石にこれには驚いた。窓の奥にそれこそ神速で青い……これはドラゴンとか言う奴か……が
目の前に現れやがった。
「乗って」
「あ…ああ……」
リバティーシティに戻ってこれを話しても、俺はおかしい人間だと思われかねない光景だな、これは。
「……最早、これは何かのファンタジー物語かビデオゲームとしか思えん……」
タバサに促されてこの竜の背に乗ると意外と物凄く乗りやすく、そして速い。馬なんか目じゃない速さだ……。
「全く目を見張る状況だ……この竜に名前あるのか?」
「シルフィード」
ぽつりと呟く程度だが、タバサは答える。本当に俺の世界の常識で物事考えると死ねるな。
「……最早、これは何かのファンタジー物語かビデオゲームとしか思えん……」
タバサに促されてこの竜の背に乗ると意外と物凄く乗りやすく、そして速い。馬なんか目じゃない速さだ……。
「全く目を見張る状況だ……この竜に名前あるのか?」
「シルフィード」
ぽつりと呟く程度だが、タバサは答える。本当に俺の世界の常識で物事考えると死ねるな。
――約30分後、郊外。
馬で3時間掛かる距離が僅か30分かよ、流石は空飛んでいる竜だな、驚く事ばかりだ。
「タバサ恩に着るぜ」
礼を言わなそうな優男が礼を言っても、タバサは軽く頷くだけだった。本当に物静かな娘だな。
「愛してるぜ、ありがとうよタバサ」
悪戯の意味と礼の意味を込めてこう言うと、顔を真っ赤に紅潮させた。無表情なくらいな普段を見ているから面白かったりする。
「ト…トニーなんて事を……!」
「いや、本当に礼を込めた挨拶だ。ありがとうよ」
シシリアンって結構こう言う事をさらりと言うもんだぜ。唖然としている優男を無視して彼女に手を振ると、小声で『バカ』と呟いて
学院の方に向って飛んでいった。
「さてと、用事を済ませに行こうか」
「タバサが居た方が良くなかったか?」
「こんないかがわしい事に、これ以上足を突っ込ませる訳にはいかんだろ……さて、馬車を調達するかな……」
馬で3時間掛かる距離が僅か30分かよ、流石は空飛んでいる竜だな、驚く事ばかりだ。
「タバサ恩に着るぜ」
礼を言わなそうな優男が礼を言っても、タバサは軽く頷くだけだった。本当に物静かな娘だな。
「愛してるぜ、ありがとうよタバサ」
悪戯の意味と礼の意味を込めてこう言うと、顔を真っ赤に紅潮させた。無表情なくらいな普段を見ているから面白かったりする。
「ト…トニーなんて事を……!」
「いや、本当に礼を込めた挨拶だ。ありがとうよ」
シシリアンって結構こう言う事をさらりと言うもんだぜ。唖然としている優男を無視して彼女に手を振ると、小声で『バカ』と呟いて
学院の方に向って飛んでいった。
「さてと、用事を済ませに行こうか」
「タバサが居た方が良くなかったか?」
「こんないかがわしい事に、これ以上足を突っ込ませる訳にはいかんだろ……さて、馬車を調達するかな……」