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ワイルドの使い魔-7(2)

もう何だか慣れてきた感のあるベルベットルームの光景。
ん?このビジョン・・・こういう時のイメージ・・・えっと、これは・・・

「・・・イゴった?」
「メタなセリフは危険ですのでお控えください」

何となく思いついた言葉呟いたら、イゴールに普通に止められてしまった。
何だろう、イゴるって・・・?
そもそも、何で僕は此処に居るんだろう?
たしか、ミスタ・コルベールが僕の力を見極めたいって、何故か戦うことになって・・・
そうだ、何だか凄い火の魔法を避け切れなくて・・・それで、どうしたんだっけ?

「思い出せなくて当然だよ。君は今焼かれてる真っ最中なんだから」
「・・・え?」

隣から聞こえた予想外の声に振り向くと、隣にマフラーをした僕と同じくらいの少年が座っていた。
泣き黒子が印象的で、知らない相手のはずなのに、馴染み深いような。
・・・いや、ちがう。僕は、彼を知ってる。
胸の奥に確かにある彼との絆が、僕にその名を呼ばせる。

「・・・綾時」
「久しぶり、だね。何だかとんでも無いことになってるけど、僕はこうやって君にまたあえる事が嬉しいよ」

そう、思い出した。僕のかけがえの無い友達のことを・・・そして、同時に全てを思い出した。
僕が歩んだ過去を、歩むべきだった未来の事を。

僕は命の答えに辿り着いて・・・僕の全てで、あの存在を封印した。
宇宙にも例えられる不可能の無い力で。
でもその封印が何時までも保持できるものでもない事を僕は知った。
封印そのものとなった僕の前に現れた異形の怪物。そして、立ち向かう僕の仲間たち。
一度は倒れた怪物は、しかし人の『死を求める意識』がある限り何度も蘇る。
僕の封印の力がどこまで持つのか・・・言うならば、人類という存在が続く限り蘇り続ける怪物を、封印の僕はどこまで防げるのか・・・
答えが見えない中で、僕はある方法を思いついた。
怪物を倒した僕の仲間たちが手にしていた・・・時の鍵。
あの力なら、僕の守りたい人たちから、絶対の運命・・・ニュクスを永遠に遠ざけることが出来る。

「そして君はユニバースの力を持って時を巻き戻した。全てが始まる前に、僕という鍵と一緒にニュクスの居ない世界へと旅立ったんだ」

無限の可能性の中から、世界を超える可能性を引き寄せる。
限りなく『ゼロ』に近い可能性・・・世界を飛び越える切っ掛けを呼び出した。
大切な人たちの記憶から、思い出からさえも消え去ることを覚悟して・・・
僕は、僕たちは『ゼロ』の作り出した銀の扉をくぐった。

「君はきっと、元の世界では・・・行方不明になった生徒って扱いになってるはずさ。
 ゆかりさん達にとっては、知らない入寮予定者が居なくなった、それだけの存在になる。
 でも、代わりに『絶対の死』を呼び起こす不完全な鍵の僕は、大型シャドウ達と一体化する事無く完全な鍵にはなれない。
 鍵の無い扉は開かれる事無く、永遠に、宣告者は現れない。君が望んだとおりに」

とはいえ、魔法の世界に呼び出されるとは思っても見なかったけどね。
呼び出された先で、僕の中に居る綾時の事を感じ取る人が居るとは思わなかったし。

「僕は不完全な死への扉の鍵だけど、判る人にとっては死そのものに感じるだろうしね。あの先生が警戒するのは判る気もするよ」
「だからといって、素直に殺されてあげる気も無いけどね・・・綾時・・・また、力をかしてくれる?」

たずねると、綾時は嬉しそうに笑って・・・その姿を変えた。大晦日の夜に僕に見せたあの姿へ。
神話で、冥府の神の使いにして『死』そのものとされた存在・・・ペルソナ『タナトス』へと。

「我は汝、汝は我・・・僕たちはいつも一緒だ。行こう、キタロー君」

同時に、前回渡された品々が光り輝く。これは・・・

「・・・みんなも力を貸してくれるみたいだね」

うん、みんなとの思い出だ。
・・・時が巻き戻ったとしても僕の胸の中の絆は、消えない。
そして僕は、手製のチョーカーを手に取った。

「友近・・・力を、借りるよ」
「全て、思い出されたようですな。この度の私どもの役目は、この部屋で貴方様の思い出をお守りする事。
 そして、絆から思いを力を呼び起こすのも・・・また、私どもの役目に御座います」

イゴールが手をかざすと、手製のチョーカー・・・友近との思い出の品から力が溢れて、僕の中に吸い込まれていく。
これで、いい。

「では、またのお越しを・・・ベルベットルームの扉は、何時でも貴方様をお待ちしております」

イゴールの声を後ろに、僕は意識を浮かび上がらせる。
さぁ、身の潔白を示そう。
綾時は・・・僕の中で共にある死神は、誰よりも死を憂う存在だって事を。

僕は、目覚めた。

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