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ゼロと人形遣い-4

ゼロと人形遣い 4


阿紫花は窓から差し込む朝日を感じて目を覚ました。

「んんっ?・・ああっ、そういやそうでしたね。」

まだ寝ぼけ気味の頭を回して思い出す。
自分はまた訳の分からない事に巻き込まれ、今度は異世界のような所に召喚されたのだった。

「今度お祓いでもしてもらいましょうかねぇ。」

そう言いながら煙草に火をつける。
一口吸ったところで、

「あっ!やっちまった!」

煙草に限りがあることを思い出した。
しかしいまさら火を消すわけにもいかず、そのままゆっくりと吸い続けることにする。

煙草が半分くらいまで減ったところで、すぐそこに散らばる衣類に気がつく、だが一瞬見ただけですぐに天井に目を向けた。

フィルターのギリギリまで吸ったところで、自分の対面にあるベットの上で毛布がモゾモゾと動き始めた。

「ふぁ~あっ・・・ん、あっあんた誰よ!?」
「さあ、アタシも訊きたいですねぇ?」

寝ぼけたことを言うルイズに、適当に返しながらほとんどフィルターだけになった煙草を揉み消す。

「ああっ、そうか昨日私が召喚した平民か。・・・はぁ、なんでよ。なんで私の使い魔が平民なのよ!そりゃドラゴンやグリフォンなんて言わないけど、せめて犬でも猫でもネズミでもいいから、もっとまともな使い魔が良かったのに!!」

阿紫花は、いきなり怒鳴りだしたルイズを『元気だねぇ』と思いながら眺めていた。

しばらくして落ち着いたのか、

「・・・服。着替えの制服を取って。」
「・・・お嬢ちゃん、そりゃアタシに言ってるんですかい?」
「当然でしょ!あんた以外に誰がいるってゆうのよ。さっさと着替えを取りなさい。そこのクローゼットに入ってるから。」

断ったら五月蝿いであろう事は昨日からのやりとりで分かっていたので、大人しく言うことに従い服を持って行ってやる。

「着せて」
「・・・」

おもわずため息を吐いてしまう。

「そんくらい自分でできるでしょう?」
「当たり前よ。あんた私を馬鹿にしてるの!」

ひたすら偉そうに言いながら睨みつけてくる。
その視線を受け流しながら、

「だったら自分でおやんなせぇ。」
「口答えするんじゃないわよ。貴族は使用人がいるときは自分で着替えはしないのよ。」
「そうは言ってもねぇ。その時には女が手伝うもんじゃないんですか?」

その言葉を鼻で笑って、

「使い魔に男の女も無いわ。ペットの前で着替えたってどうもないでしょう?それと同じよ。」

阿紫花はその言葉に一瞬目を細めたが、すぐに呆れた表情をした。

「生憎とアタシは脱がす専門でしてね。人様に服を着せたことなんてないんですよ。」
「へっ?」

ルイズは間の抜けた表情をしたが、すぐに意味を理解したのか、

「なっ、なな、なに言ってんのよ!」

急に真っ赤になって慌てだした。
その様子を黙ったまま見ていると、

「いいいっ、いいわ!着替えくらい自分でやるからいいわ!」

赤い顔のまま着替えに手を伸ばした。

「そりゃ良かった。そんじゃアタシは外に出てますぜ。」
「わかった。わかったから、さっさと出て行きなさい!」

言われるまでもなく部屋の外に出る。
その時、まるで計っていたかのようなタイミングで向かいの部屋の扉が開いた。

「あら、ルイズかと思ったら使い魔の平民じゃない。」

いい加減平民扱いにも慣れてきたので、特に気にしないことにした。

「はぁ、そうゆうアンタはどちらさんで?」
「私?私はキュルケ、『微熱』のキュルケよ。それで使い魔さんはなんて名前なの?」
「アタシですか、アタシは阿紫花ですよ。」
「アシハナねぇ、変わった名前なのね。ところであなたのご主人様はどこかしら?」
「ああ、嬢ちゃんならそろそろ出てくるんじゃないですか。」

そう言うと同時に、ルイズの部屋の扉が開いた。

「ちょっとアシハナ!あんた洗濯物を・・・
「あら、おはようルイズ。あなたは朝から元気ね。」
「・・・おはようキュルケ。」

ルイズは不機嫌そうに挨拶を返した。
キュルケはその態度を気にした様子も無く。

「それにしても、さすが『ゼロ』のルイズね。まさか平民を使い魔にするなんて前代未聞じゃない。」
「ふっ、ふん。うるさいわね。私だって好きで召喚した訳じゃないんだから。」
「へぇ、そうなの?あなたにはお似合いだと思うけど。でも、やっぱり使い魔はこうゆう子じゃないとね。フレイム~。」

キュルケに呼ばれ部屋の中から巨大なトカゲのような生き物が這って出てきた。

「サラマンダーよ。すごいでしょう、ここまで鮮やかで大きい炎の尻尾は間違いなく火竜山脈のサラマンダーね。好随家が見たらよだれを垂らすわよ。」
「・・・まあまあね。良かったじゃない。」
「あら?『ゼロ』のルイズに誉めてもらえるなんて光栄ね。さすが平民を召喚する人は見る目があるわね。」
「なっ!」

そのままくだらない口喧嘩を始めてしまう。
そんなやりとりを横目に、阿紫花はフレイムと呼ばれたトカゲを観察する。

「きゅる?」
「見た目割にかわいいもんだねぇ。」

しゃがみこんでからゆっくりと手を伸ばし、頭を軽く撫でてやる。
スベスベとしていい手触りだ。

「きゅるきゅる。」

フレイムも嬉しそうに声を出したので、そのまましばらく撫で続ける。

それに気がついたキュルケが、

「フレイムがすぐに懐くなんて珍しいわね。やっぱり使い魔同士で気が合うものなのかしらね。」

そう言ってから、またルイズを見る。

「よかったわねルイズ。いちおうちゃんとした使い魔みたいよ。」
「うるさいわね!私が召喚したんだから当然でしょ。」

また再開しそうになるが、

「それはそうと嬢ちゃん達、時間は大丈夫なんですか?」

阿紫花が声をかける。
そこでやっと思い出したように、

「確かに、そろそろ食事の時間ね。じゃあねルイズ、それから使い魔さん。行くわよ~フレイム」
「きゅる、きゅるきゅる。」

キュルケはウィンクをして歩いていってしまった。
フレイムは一度だけ阿紫花を見てから、その後に付いて行った。

彼女らの姿が見えなくなると、

「き~~~、悔しい!なんでキュルケの使い魔がサラマンダーで、私の使い魔が平民なのよ!」
「さあねぇ、日頃のおこないじゃないですか?」
「うるさい!私のどこが悪いっていうのよ!そもそも平民の癖に口答えばっかりするんじゃないわよ!」
「はいはい、わかりましたよ。」
「わかってないわよ!」

まだ何か言いたそううだったが、思いとどまったように、

「まあいいわ。確かに時間もないしね、さっさっと食堂に行くわよ。」

不敵に睨みつけてから先に歩き出した。

『こりゃ、なんか変なことでも考えてんな。やっかいなガキに捕まったもんですねぇ。』
そう思ったが、腹が減っているのも確かなので大人しくついて行こうとする。
そこでふっと思いつく。

『そういや、あたしの災難は子供がらみばっかりだなぁ』

おもわず苦い顔をしてしまう。


「この世界にもお祓いしてくれる場所はあんのかねぇ・・・」



そう呟いた阿紫花の顔には小さいが確かな微笑があった。



まるで楽しかった過去を思い出しているかのような・・・。

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