あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロテリ6.5

トリステイン魔法学院は、知識と進歩に貪欲な若者たちにそれらを与えるという役割のほかに、もう一つの役割の持っている。
それは、他の場所には保管しておくことの出来ない宝物を保管・管理するということ。
そして、それらを護り続ける扉の前に一人の盗賊がいた。

「おや、ミス・ロングビル。ここでなにを?」
「ミスタ・コルベール。宝物庫の目録を作っているのですが・・・」
宝物庫の扉の調査をしていた盗賊が、邪魔者に愛想のいい笑みを浮かべ答えた。
「なるほど、それは大変だ。ここには宝物やガラクタがところ狭しと並んでいますからね」
「でしょうね」
「オールド・オスマンに鍵を借りなかったのですか?」
「それが、ご就寝中でして借りることが出来なかったのですよ」
「ははは、あのジジイ、じゃなかったオールド・オスマンは一度寝ると中々起きないですからね」
「まぁ、目録の作成はそんなに急ぎの仕事でもないんですけどね」
もっとも邪魔者がいたのでは、『本来の仕事』もできない。
ならばせめてもと、『目的』の確認だけはしておくことにした。
「ところで、宝物庫に入ったことはありまして?」
「えぇ、ありますとも」
「では『破壊の杖』もご存知?」
「あぁ、あれは、実に奇妙な杖でしたな。なんと言いますか、説明の仕様がありません。ただ、奇妙としか」


そして、コルベールは彼女の気を引くために、宝物庫にあるもう一つのアイテムの説明も始める。
「実はあの宝物庫には『破壊の杖』よりも、もっと凄いものがあるんですよ」
「へぇ、なんなんですか?それは」
目的の品よりももっと凄いもの。そんな風に言われてしまっては気にならない盗賊はいないだろう、きっと。
「ミス・ロングビルは『北風と太陽』の童話はご存知ですか?」
「たしか、人々を困らせていた北風を太陽が懲らしめるお話でしたよね」
「えぇ、それです。実はその北風が使っていたとされる鎌が、あそこにあるのですよ」
「は?」
(頭同様に脳みそもつるっぱげなのか?この男は。)
唖然としているフーケに、コルベールは慌てたようにフォローを入れた。
「あぁ、初めてそんなことを聞いたら誰でもそんなリアクションを取ってしまいますよね。
僕もオールド・オスマンにその話を聞いたときは、とうとうこのジジイも耄碌したか。と思ってしまいた」
作り話に出てくるものがあるなんていわれたら、普通はそう思うだろう。
「でもあの鎌には、有無を言わせない説得感があるんですよ。こう神々しいと言いますか、禍々しいと言いますか。とにかく人間以外のものが使っていたんだなぁ、という」

「そういえば、ミス・ロングビルのご出身の地方は『北風と太陽』のお話の内容が違うのですね」
「そうなのですか?」
「えぇ、この辺では北風が太陽を懲らしめるお話なんですよ」
鎌の話の食いつきがよかったからか、フーケをお伽噺好きと勘違いしたらしい。
そう言って、この辺りに伝わる『北風と太陽』を語り始めた。

-昔々の、そのまた昔。世界に人間がほとんど居なかった頃のお話
-ある場所にやさしい太陽と、傲慢でワガママな太陽がいました
-でも、やさいい太陽は悪い太陽に騙されて、とっても暗いところに閉じ込められてしまいました

-悪い太陽は「やさしい太陽はもういいない。私こそがこの世界で一番偉いのだ」と言って、威張りました
-もちろん、そんな太陽に怒って、戦いを挑んだ人たちもいました
-でも太陽は強かったのです。戦いを挑んだ人たちを自分の光で、みんな消してしまうからです
-みんな太陽に脅えていました

-でもそんなある日、北から来た風が、その悪い太陽に立ち向かいました
-初めはみんな、悪い太陽が勝つと思っていました
-でも、そんなことは起こりませんでした
-北から来た風が勝ったからです

「そして、やさしい太陽が助けられてめでたしめでたし。という内容なんですよ」
「なるほど、だからこの国ではミスタ・ギドーのように『風の魔法こそが最強だ』っていう魔術師が多いんですね」
「えぇ、そうなんですよ。そして実は、その悪い太陽の宝物も、あそこにあるんです」
「へぇ、それは一体どんなものなんですか?」
ミス・ロングビルの気を引きたいがばかりにベラベラと喋ってしまうコルベール。
「79と彫られた10個の指輪です。でも、あの指輪は好きにはなれませんね。なんというか気持ち悪いんですよ。その指輪の回りだけ、空気が毒になっているような気すらもしてしまうほどに」


コルベールと別れたあと、フーケは一人ほくそ笑んでいた。
(胡散臭いとは言え、あの宝物庫にはそうとう凄いお宝がゴロゴロあるようね。あぁ、今からその全部を手に入れることが待ち遠しいわ)
そして彼女は、ことを起こす決心をした。

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